小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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乙女心と退部





私は自分の宛がわれている席に座り生徒の採点をしている・・・あっ、これは×ですね、これは〇、

こっちも〇、これは・・・・・ふふっ


「何だよ?急に笑って、気味悪い・・・・・」


「貴方には関係の無い事です。今の私は壮絶に絶賛的に幸福中なんです」


「何だよ、前までは『どうせ私は彼氏いない歴=年齢ですよ!私だって彼氏が欲しいのにぃぃぃっ!』って

喚いていたくせに」


そうですね、前の私はそう言っていましたね・・・・・ですがっ!


「お生憎様。私はやっと素敵な彼氏ができたんです、もう。前までの私とは思わないでください」


『何だってっ!?』


突如職員室にいる男子教員達が驚愕の声を上げた。


「くっそぉぉぉぉぉぉぉっ!」


「どこの誰だ!?」


「密かに狙っていたのにぃぃぃぃぃぃっ!」


「無念だぁぁぁっ・・・・」


血の涙を流し地団太を踏んだり机を叩いたり様々な行動をする男性教員達の姿が・・・・・。

な、何でしょうか・・・・・?


「あの人たちは一体・・・・・」


「気にするな。単なる敗北者だ。それで、彼氏とは一体誰なんだ?」


アザゼルに訊かれ私は白紙にペンを走らせる。その文字は


『兵藤一誠です』


と書かいた。アザゼルは何故か呆れていた


「お前、あいつの歳は知っているのか?」


「ええ、知っています。ですが、歳なんて関係ありません。愛があればいいのですから」


「あー、ごちそうさん。それであれから経っているけど生活はどうなんだ?」


私は微笑みながら頷く


「イッセーくんの家も不満はありませんでしたが、イッセーの家はそれ以上快適な暮らしです」


「ほー、俺も遊びに行きてぇな。なっ、俺にも教えてくんねぇか?兵藤の家の場所をよ」


「ダメです」


即答で拒否する。彼に誰にも教えるなと言われているんですから


「はあ・・・・・。そうかよ。まあ、暇ができたら自力で探してみようかな」


残念そうに呟く。


「そろそろ時間ですね。私はこれで失礼します」


「ああ、頑張って来い」


腕時計を見ると授業が始まる五分前に成った。私は授業に必要なものを持ち職員室から出る


「イッセー・・・・・」


胸元に下げた写真入りのペンダントを開き私と一緒に写っているイッセーを見ながら廊下を歩く


「では、今日も頑張りましょう!」



――――――――――――――――――――――――――――



放課後


小猫side


私はオカルト研究部部室に赴いている。お昼は勿論、先輩の御手製弁当でしたので美味しく食べた。


ガチャッ!


「―――小猫・・・・・?小猫!?」


「小猫ちゃん!?」


扉を開けたまま入室すると何故か部長や朱乃さん、先輩たちやギャーくんが私を見て驚いた。

・・・・・何故?


「・・・・・貴女はもう私の眷属じゃないはずよ?どうして此処にくるのかしら?」


・・・・・?ああ、そう言う事ですか


「・・・・・部長、私はまだグレモリー眷属です。勿論、ロスヴァイセさんも」


リアス 「・・・・・それは一体どういうこと?」


「先輩は『眷属として引き取る訳ではなく一緒に暮らす為に引き取った』と仰っていました。ですので、

私はグレモリー眷属の『戦車』塔城小猫です」


私がそう説明すると部長達は安心して喜んでいた。しかし


「そう、そう言う事だったの。お兄様とアザゼルはその事を知っていたのね・・・・・。安心したわ。

―――でも」


「そうですわね。彼の家に住むなんて・・・・・大丈夫なんでしょうか」


「・・・・・大丈夫って何がですか?」


心配そうに呟く部長と朱乃さんが気に成り、私は訪ねてみた


「彼は一時的だけれどテロリストになった男なのよ?しかも処刑されるかもしれない。そんな不安要素を

抱える家に貴女とロスヴァイセを彼の家に住まわせることが心配なのよ」


「『計画』のことも気になりますわ。一体なにを企んでいるのでしょうかしら?」


「あいつの家に住んだら小猫ちゃんもロスヴァイセさんもテロリストの疑惑をかけられるんじゃ・・・・・」


「否定はできないね・・・・・」


「えっ、えっとぉ・・・・・。ちょっと心配ですね」


「小猫さん。あの人の家に住んでいて大丈夫ですか?」



部長たちが私のことを心配してくれているのは直ぐに解った・・・・・。でも、どうしてそんなことを

言うのか解らない


「小猫、ロスヴァイセにも後から言うけどロスヴァイセと一緒に彼等は一体何をしようとしているのか調べて

くれないかしら。彼等の行動を監視と調査するチャンスよ。彼等の家に住んで調べられることができるのは

貴女とロスヴァイセだけ・・・・・。・・・・・この際、ゼノヴィアとイリナにも彼の家に住まわして監視と

調査をしてもうらおうかしら?人数が多いほどより情報も得られるし」


部長の言葉に私たちは驚愕した。特に私が一番驚愕したと思う。だって部長は私とロスヴァイセさん、更に

ゼノヴィア先輩、イリナ先輩にも監視と調査をさせようとしているのだから・・・・・


「・・・・・部長、私は嫌です。先輩たちは私たちを家族として入れてくれているのに先輩たちを騙す

ような事をしたくありません」


「これは彼等の事実を知る為のものなの。彼等がテロリストではないことが解れば彼等も安心できる

でしょう?」


「部長、私は賛成だ。私は彼の家に住んでみたい」


「ゼノヴィア?貴女、欲望丸出しよ。でも、マリアたちの話だと大聖堂があるって聞いたわ!私も見て

みたい!と言うより行きたい!」


・・・・・この人たちは監視と調査より先輩の家が気になるみたいですね。安心と不安が半分ずつです。


「・・・・・部長、私は絶対に嫌です」


「小猫・・・・・。主の私の言うことを聞きなさい」


「・・・・・いくら部長の命令でも聞けない時も有ります。それが今です」


「貴女は私の眷属悪魔で可愛い下僕、主の言うことを聞くのは当たり前よ」


私は頑なって部長の命令を拒否する。それでも部長は監視と調査を私に命じようとする


「・・・・・先輩たちは優しいです。先輩たちはテロリストなんかじゃありません。私はそう思っています。

ロスヴァイセさんもきっと同じです」


私はそう告げる。・・・・・だけど部長たちは


「彼が優しい?私は彼が優しいところをしたところも見た事もないわ」


「小猫ちゃん、流石にあいつが優しいなんて有り得ないだろう。何時も俺のことをド変態っていうんだぜ?

部長に引っ叩いたしさ。てか、それが一番許せねぇ!」


「そうです!何時も何時もイッセーさんをバカにするあの人は許せません!」


「そうですわねぇ。イッセーくんを馬鹿にする彼は好きじゃないですわ」


否定的な言葉を口から出した。


「・・・・・婚約解消をして部長を助けたのは誰ですか?ギャーくんを助けたのは誰ですか?アーシア先輩を

救出したのは誰なんですか?イッセー先輩の暴走を止めたのは誰ですか?全部、先輩のおかげではないん

ですか?そう言うところが優しさの部類に入らないんですか?」


『・・・・・』


今まで先輩たちに助けてもらったことを先輩たちに言って訊く。でも部長たちは口を閉ざし言葉を言おうと

しなかった


「・・・・・部長たちは恩を返そうとする気はないんですか?」


「不安要素の塊の彼等に恩を返してもしょうがないわ。以前だったら恩を返そうと思ってはいたのでしょう

けれど今はする気はないわよ」


「・・・・・そうですか。・・・・・残念ですけど決めました」


部長たち見渡し、部長に視線を向ける


「残念?小猫、一体なにが残念だと言うの?」


「・・・・・私はオカルト研究部を辞めます」


『―――っ!?』


私の口から発した言葉に部長たちが驚愕の色を染めた


「ちょ、ちょっと待ってくれよ、小猫ちゃん。オカルト研究部を辞める?い、今の冗談だよな?俺たち

グレモリー眷属で、部長の眷属悪魔だぜ?今までずっと一緒に頑張ってきた仲間じゃないか。もし部活を

辞めたら小猫ちゃん、お姉さんのように『はぐれ』になっちゃうよ?なっ?嘘だよな?冗談―――」


「・・・・・黙っていてください『成神先輩』


「――――――」


先輩は絶句した表情をした。


「小猫ッ!そんな勝手なことを許さないわ!貴女は私の眷属よ!私から離れて『はぐれ』になるなんてもっと

許さないわ!」


「・・・・・部長、なにも眷属を辞めると入っていません。部活を辞めると言ったのです。先輩たちの態度を

見て私はオカルト研究部の部活をやる気が失せました。ですが、悪魔稼業はちゃんと参加しますので

ご安心下さい」


部長たちにお辞儀をして部室から出ようと部室の外に繋がる扉に赴く


「小猫!待ちな―――」


「・・・・・部活ではお世話になりました。今日の悪魔家業を休ませてもらいます。次に会う時は明日の悪魔

家業の時です」


バタンッ!


部長が私を止めようとしましたけど一方的でしたが別れの挨拶を部長たちに告げ扉を閉める。その後すぐ私は

退部届をオカルト研究部の顧問であるアザゼル先生に提出した。


「・・・・・小猫、これはなんだ?面白くない冗談だな」


「・・・・・本気です」


「グレモリー眷属から抜けて『はぐれ』になるつもりか?」


「・・・・・部活を辞めるだけです。悪魔家業はちゃんとするつもりです」


「お前等に何が遭った?どうしてお前がオカルト研究部を辞める?」


「・・・・・あんなところに居たくないからです。恩を仇で返すところには」


「恩を仇で・・・・・?」


「・・・・・失礼します」


「あっ、おい!」


私はアザゼル先生に提出したことで此処にはもう用が無い。先輩のところに行かないと思い二階に上がる

階段を上がり先輩の教室に入った


「・・・・・先輩」


「小猫?随分と早いな。部活はどうしたんだ?」


「・・・・・それは帰ってから話します。今は―――」


先輩の腕に抱きついて甘える


「こうしながら帰ってもらっていいですか?」


「ああ、いいぞ。帰ったら教えてくれよな?」


「・・・・・ありがとうございます」


「小猫さん!イッセーさまの腕は私専用ですわ!離れなさい!」


焼き鳥が何か言ってきた


「・・・・・なに?焼き鳥姫」


「あ、あ、貴女ね!フェニックス家の息女たる私にそのような物言いだなんて・・・・・!」


「・・・・・そんなもの言いだから、転校して来た時にヘタレじゃないの?あの時はもっと快心を持って

人間界に来たと思ったのに・・・・・。そのあと先輩の手を煩わせておいて・・・・・。世間知らずの

焼き鳥姫」


ブチンと焼き鳥姫から聞こえた。そしたら焼き鳥姫が睨んできた


「むむむむむ!わ、私はイッセーさまの手を煩わすようなことなんて・・・・・!大体それは過ぎたこと

ですわよ!この猫又は・・・・・!」


「・・・・・焼き鳥姫」


「おーい、お前等、喧嘩するなよ」


先輩に宥められ私たちは言い合いを止めた。焼き鳥姫も先輩の片方の腕に抱きつきながら家に帰る。

不意に焼き鳥姫と視線が合った。


『ふんっ!』


私たちは同時に顔を反らす。この焼き鳥姫とはいずれ決着をつけなければならない・・・・・。



――――――――――――――――――――――



ロスヴァイセside


放課後になり私はリアスさんたちがいるオカルト研究部部室に足を進める。私も一応は彼女の眷属なので、

悪魔稼業もしなければなりませんしね


ガチャッ!


「皆さんこんにちは・・・・・って、どうかしました?」


私は部室の扉を開け放つと部室の中は暗かった。いえ、光が付いているので明るいのですが、暗いって表現は


『・・・・・・・・』


リアスさんたちが暗かったのです


「あの〜?どうしたのですか?それに、小猫さんの姿も見当たらないのですが」


私は部室を見回す。しかし、先に来ているである筈の小猫さんは見当たらなかった。リアスさんは口を開く


「小猫は―――辞めたの・・・・・。オカルト研究部を退部したのよ」


「えっ!一体どうしてですか!?何か遭ったのですか!」


あの小猫さんが辞める何て・・・・・。リアスさんたちと何か遭ったんでしょうか?


「実は・・・・・」


リアスさんが詳細を話してくれた。だけど、段々話を聞いている内に


「はぁ・・・・・リアスさんそれは、私も小猫さんと同じ気持ちになりますよ」


『なっ!?』


怒りを通り越して呆れた


「そうでしょう?誰だって好きな人に悪口言われて怒りますよ。」


「で、でも彼はそれだけの事をしたのよ!?テロリストに属してイッセーたちに牙をむいた!私たちに不安を

させるような事をした・・・・・って好きな人?」


その様子だと気付いていない様ですね


「小猫さんはイッセーの事が好きなんですよ。あっ、訂正しますけどイッセーくん、貴方では無いですよ、

兵藤一誠の方ですので間違えないでください。―――小猫さんは兵藤一誠・・・・・イッセーの事が好き

なんですよ?勿論、私も好きです。既に彼とは付き合っていますから」


『何だって!?』


皆さんは目が飛び出す程驚きました。


「ですから、小猫さんの気持ちは痛いほど解ります。リアスさん達は彼女を怒らしたものですよ?今頃は

退部届も出した頃ですね・・・・・」


『・・・・・・』


本当に馬鹿な事をしたものですねリアスさんたちは・・・・・



――――――――――――――――――――――



アザゼルside


俺はサーゼクスにとある報告をする為に通信を繋いでいる・・・・・。おっ、繋がった


『どうしたんだい?キミからはさほど珍しくも無いが・・・・・何か遭ったのかい?』


「ああ、小猫がオカルト研究部を退部したいと退部届を俺に出してきたんだ」


サーゼクス 『・・・・・何?それは本当か?』


俺は其の退部届をサーゼクスに見せた。すると、「そうか」と呟く


「あいつ等と何か遭ったんだろうな。小猫が自ら退部届を出す程に・・・・・。全く、有り得ない話だぜ」


『それであの子は「はぐれ」に?』


「いんや、一応、悪魔稼業はするそうだぞ。まあ、お前が心配する事でもないがな」


『そうか、それはよかった。妹のリアスから離れなければそれで良いさ』


「まあ、退部届を提出して来た時はあいつが「はぐれ」になったのかと思ったぜ」


『彼女たちは兵藤くんたちの手によって更に強くなるだろう。彼等は超越した存在だと言っても遜色がない

ほどだからね』


「サーゼクス、仮にお前が本気であいつと戦ったらお前は勝てると思うか?」


『・・・・・いや、正直言って勝てる気がしない。―――全力で戦っても勝てるかどうか・・・・・』


「お前にしちゃあ珍しく弱気だな」


『彼は大天使化になれて、力を無効化にする神滅具もある。例えそれを使わなくとも彼が所有している大剣で

挑んでくるだろう』


「『始まりの神』・・・・・。まさか、大剣に魂を移して生き長らえていたとはな」


『あれが私たちの本来の『父』なのだろうね。天界に居た神はその娘と言ったところか』


「・・・・・メイビス、懐かしいな。周りは何故かあいつのことを女神じゃなくて『世界の父』と呼ばれて

いたんだよな」


『まあ、今となっては既にいない存在だ。今、我たちは前を進むことが重要だ』


「そうだな。そっちの前魔王たちも死んでいても前に進んでいたもんな」


『ああ・・・・・。すまない。そろそろ通信を切らせて貰うよ。グレイフィアが物凄い目つきで睨んでいる

からねって、いふぁい、いふぁいよ・ぐれいふぃは』


『凄い目つきで睨んで申し訳ございません。ですが、そろそろ魔王としてのお仕事をして貰わないと溜まり

ますので、・・・・・。アザゼルさま、これにて失礼させて貰いますが』


「あっ、ああ、悪いな。仕事の途中で通信を入れてしまってよ。じゃあな、サーゼクス」


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