小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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記者会見


現在、俺こと兵藤一誠と和樹、龍牙、ガイアとオーフィスがグレモリー領のとある高級ホテルの控室に居る。

どうして、冥界に居るのかと言うと昨日、放課後にアザゼルが教室に入って来て開口一番に


「お前等、明日は記者会見だ。サイラオーグとのゲーム前にお前たちとサイラオーグのところで合同で

記者会見をする」


と俺たちに告げた。


「冥界か・・・・・」


俺が少し呟いて溜息を吐いたら


「大丈夫だ。我が守ってやる」


「もう二度と一誠を死なせたくないからね」


「イッセー、守る」


「と言うより。このメンバーで傍にいたら仮に一誠さんに狙う輩が居ても手も足も出ませんよね」


皆が励ましてくれた。俺、そんな暗い顔をしていたか?


『していた』


「即答!?」


俺たちがそんなやりとりしていたら控室のドアにノックがして扉が開け放たれた。入って来た人物は

スタッフの悪魔だった。どうやら呼びに来たみたいだ。俺たちは部屋から出て通路を進む。途中で数名の

シトリー眷属と出くわした。その中に匙がいた。あっ、そう言えばソーナとヴァイラでゲームをする事が

決まったと言っていたな。その二人も記者会見に来ている。俺たちと別々な場所だけど


「よう、匙―――」


声を掛けたが、匙が俺たちと目を合わそうともしないでそのまま通り過ぎてこの場を後にした


「・・・・・随分といい度胸をしているな。ヴリトラを宿す悪魔」


「ムカつくね」


「堂々と無視するなんて何様ですかね?」


「殺す」


匙の行動に避難する家族たちだが、俺は「気にしないで行こう」と促し記者会見となる場所に赴く。通路を

抜けて会場となるホールに姿を現す。


『お着きになられたようです。幽幻龍騎士団の皆さんの登場です』


拍手のなか。広いフロアの会場場に入っていく俺たち。入った瞬間、戦いとは違う緊迫感を体感した。戦う

わけでもないのに闘気に満ちている気がする。それにしても凄い人数だ。カメラのフラッシュ光も半端なく

多い。会見席の上には悪魔文字で「サイラオーグVS幽幻龍騎士団」って書かれた幕。既にバアル眷属は揃って

いた。間を空けて、バアルの隣席に俺たちが座る。俺が中央で、右隣にガイア、左隣にオーフィス、更に

オーフィスの隣に龍牙、和樹という注目される位置取りだった。


『両眷属の皆さんが揃ったところで、記者会見を始めたいと思います』


司会進行役の方がそう言って、記者会見をスタートした。ゲームの概要、日取りなど、基本的な事が進行役者

によって改めて通達され、その後、両『王』である俺とサイラオーグを語る事になった。最初はサイラオーグ

から始まり、次は俺の番になった


『幽幻龍騎士団兵藤一誠さんにお訊きします』


「ああ」


短く返事する。さてはてどんな質問を投げてくるんだろうな


『それでは三つほどお尋ねします。一つ、『幽幻龍騎士団』は『禍の団』の派閥の一つでしょうか?各勢力の

間ではその話題が絶えませんが真意はどうなんでしょうか?』


「違う。第四の勢力として俺たちは『禍の団』と戦っている。質問されてくるだろうから先に言わせてもらう

けど一時的に『英雄派』に属した理由は京都で知り合った英雄の子孫が操られていてその時、九尾の御大将も

いることに気づき俺は助けようと敢えて『英雄派』の脅迫に屈して属していました」


『そうですか。では、二つ目の質問です。今、冥界の世間では幽幻龍騎士団の処刑を行うかもしれないと噂が

流れています。それについては本当でしょうか?兵藤一誠さんはそのことについてどう思いでしょうか?』


やっぱり、その質問も来たか。一拍して答える


「処刑のことについてはこっちにも情報が入っている。まだ検討中のようで何とも言えません。そして処刑を

決行されるかもしれないと聞いて俺は酷く悲しみ怒りを感じました。俺の行動で家族に迷惑を掛けてしまった

から・・・・・」


『はい、質問を答えてくれてありがとうございました。では、最後の質問です。貴方たち幽幻龍騎士団は

何やら『計画』を企てているようですがそれは一体どんな『計画』なんでしょうか?』


俺は笑顔でこう言った


「ノーコメントです」


『はうっ!』


何故か女性記者が急に倒れた


「た、大変だ!失神しているぞ!?」


「しかも幸せそうに気絶している!」


「な、何が起きたんだ!?」


スタッフが慌てて倒れた女性記者に介護をした。どうしたんだ?貧血でも起きたのか?


「一誠、余り周りに笑顔を魅せるではない」


「はっ?俺が原因なのか?」


『うん』


ま、マジかよ!ただ笑顔で言っただけだぞ!?


「お前の笑顔は我らだけに魅せてくれればいいのだ」


「うん、良く解らないけど、解った」


顔を薄く赤く染めてそう言うガイアに俺は解らないままそう言うしかなかった


「兵藤一誠」


「サイラオーグ?」


「俺はお前の力を全て受け止めて勝つ気でいる。だから自分が最強だと思う眷属を選ぶが良い、

当然オーフィスをゲームに加えても良い」


『なっ!?』


サイラオーグの言葉に記者たちを含め俺たちも驚いた。オーフィスを入れたら勝利に等しいからだ。無限を

司るドラゴンなのだから


「・・・・・良いのか?そんなことをしたらお前たちは確実に負けるぞ」


「俺は全て受け止める。例え無限の力だろうとも・・・・・」


ギラギラと戦意に満ちた瞳で俺の瞳を据える。怯えなんて一切ない


「オーフィス、お前はどうする?」


「我、イッセーの傍に居る。だから出る」


「・・・・・解った。オーフィスも参加させよう」


「ああ、無限の力を味わえると思うと楽しみでしょうがない・・・・・!」


『両者が合意したぁぁぁぁっ!なんと、前代未聞のレーティングゲームになりそうです!私、ゲームが

楽しみで仕方ありません!』


司会進行役が興奮気味で言うと俺たちは間を開けないほどのフラッシュを浴びた。・・・・・あっ、そうだ。


「すいません、この場を借りて言わせてもいいか?」


『えっ?あ、はい。いいですよ』


「ありがとう―――『禍の団』のみんな、見ているかな?一つだけ俺の頼みを聞いてくれるか?どうか、

俺たちのサポーターになってくれ。もしサポーターになって俺たちを応援してくれるのなら良いものを見せて

やる。特に旧魔王派にとっては価値が有るものだ。見に来ても損は無い、俺たちのレーティングゲームの試合

会場で待っている。・・・・・・以上です。ありがとうございました」



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Heros.



「旧魔王派にとっては価値があるもの?」


「何だろうな」


「それにしても大胆な招待をしてくれる」


「どうする?私はイッセーくんの招待を受けるけど」


「・・・・・恋もご主人様のところに行く」


「俺も行かせて貰おう」


「シャルバか。急にどうした?」


「幽幻龍騎士団に同胞がいるのだ。見に行っても問題が無い筈だ」


「カテレア・レヴィアタンとクルゼレイ・アスモデウスのことか・・・・・」


「兵藤一誠は俺たちにとって価値があるものを見せてくれると言っている。俺はそれを見てみたい」


「そうか。それでは旧魔王派も含めて俺たち英雄派も彼のゲームを観戦しに行こう。迎撃態勢を怠らずにな。

俺も見てみたいし」

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