小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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最強対決!幽玄龍騎士団VSバアル眷属(6)



『さあ、戦いも中盤を越えようとしているのかもしれません!サイラオーグ・バアル選手のチームは残り

三名!対する幽幻龍騎士団は十六名!幽幻龍騎士団が圧倒的に有利ですが、バアルチームも残りのメンバーが

強力です!巻き返しとなるか!』


実況がそう盛り上げる最中に



「お疲れさま。ヴァーリ、龍牙」


バトルフィールドから戻ってきた二人に労う


「対して疲れていない・・・・・と言いたいところだが、あの姿になると体力がかなり消耗するな」


「その割には疲れた様子じゃないな?」


「お前と一緒に修行したんだ。体力はまだある」


そう言って席に座り俺が作ってきた料理を食べ始めた。あの姿になったら腹も空くらしいな。まあ、そこの

ところはこれからも続けていけば何とかなるだろう


「龍牙、あの蛇はどうした?急に消えたんだけど」


「ああ、此処ですよ」


腕を突き出した。腕には黒い紐のようなものが巻きついていた。―――って、


シュォォォォォ・・・・・。


「ち、小さっ!?」


顔を上げて鳴く蛇。あんな超長大で超巨大だった蛇がこんなに小さくなってしまっている!


「よく考えたら小さくすればよかったんですよね。そうすれば一緒に居られますし」


「その蛇って名前ってどんな名前なんだ?」


「『サイレイ』です」と龍牙は教えてくれた。


「そっか、よろしくな。サイレイ」


頭を撫でると気持ちよさそうに目を瞑るサイレイ


「それじゃあダイスを振りに行ってくる」


そう言って陣営から離れ陣地にあるダイスが置かれている設置台に向かう。サイラオーグもダイスの置かれた

設置台の前に立つ―――だが


「サイラオーグ、提案がある」


「提案?」


「ああ、次はきっとお前は『女王』を出すんだろう?だけど、俺のところは見ての通り魔王と神、龍王と

天龍、龍神がいる。お前が負けるのは火を見るより明らかだからお前の残りのメンバーと未だに出ていない

オーフィスとガイア、俺と団体戦で勝負しないか?」


俺の提案に会場の観客者がどよめき、実況も叫んだ。


『おおっと!此処で兵藤選手からの提案が出てしまいましたーっ!』


皇帝ディハウザー・ベリアルがにこやかに言う


『確かに彼の言う通りですね。勝ち進んでいくのも悪くは無いのですが、余りにも一方的過ぎると

つまらない。−−−3対3の団体戦、良いじゃないですか。私は彼の提案の方がより会場が盛り上がると

思いますよ』


『それならば、次を団体戦でケリを付ける。解りやすいし、このテンションを継続して見られるだろうな。

さて、委員会の上役は読める流れのルールを取るか、この状態を維持したままの団体戦を選ぶか』


「俺はそれでも良い、兵藤一誠と戦う事ができるならな」


サイラオーグが了承した。・・・・・あっ


「それとお願いがある」


「何だ?」


「融合騎・・・・・いや、此処の場合は使い魔か。使い魔を使っても良いか?」


「問題ない。寧ろ、お前の力となるものをすべて受け入れるほうだ」


戦意が満ちている瞳で俺の瞳を据える・・・・・!こいつ、何処まで受け入れるつもりなんだ・・・・・!


『えっ、はい。いま、委員会から報告を受けました!−−−認めるそうです!次の試合、事実上の決定戦と

なる団体戦です!両陣営の「兵士」「女王」「王」のメンバーとなります!』


その報告に会場は沸いた。次が決定戦なのだから当然の反応だろう。サイラオーグは決定を聞き、俺に不敵に

告げた


「―――だそうだ。やりすぎてしまうかもしれん。死んでも恨むなとは言わんが、死ぬ覚悟だけはしてくれ」


「それはこっちの台詞だ。こっちにはまだとっておきの隠し玉があるんだからな」


「たまらないな・・・・・ッ」


踵返し、サイラオーグと別れ俺は陣営に戻るなり結界に覆われた


「行くぞ。ガイア、オーフィス」


「ああ」


「いく」


俺たちは移動用の魔方陣に乗る。すると皆が俺たちに近寄り


『頑張れ!』


応援の言葉をくれた。それに対して俺は腕を前に突き出して魔方陣が輝きだす最中に皆に言う


「勝利してくる!」


そして、一瞬の光に包まれたと思えば俺たちは団体戦のフィールドとなる広大な平地に降り立った。実況がマイクを震わせる


『さあ、バアルVS兵藤の若手頂上決定戦も遂に最終局面となりました!兵藤選手によってもたされた提案に

より、団体戦となった最終試合!バアル側は「王」サイラオーグ選手と「女王」アドバン選手、謎多き仮面の

「兵士」レグルス選手、対する幽幻龍騎士団側は兵藤選手とガイア選手、そして!サイラオーグ選手が

希望した「無限の龍神」オーフィス選手!』


『『『『『『『『わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!』』』』』』』』


観客も盛り上がっている。何気に英雄派のところを見ると―――


『イッセーくん!頑張ってぇ!』


『ご主人様、頑張る!』


『全戦全勝は余裕だろう?』


『『『『『頑張れぇー!』』』』』


何時の間にか『全戦全勝!』『幽幻龍騎士団!』『絶対的勝利!』と他にも色々と書かれた段幕を英雄派の

構成員が数人の手によって段幕が持ち上げられていて俺たちに応援の声援を発していた


「本当にテロリストなのか・・・・・?」


「あれを見たら何とも言えないな・・・・・・」


「曹操たち、盛り上がっている」


旧魔王派は静かに席に座って静観している


『さて、最終試合を始めようと思います』


審判が両チームの間に入る。


リュディガー 『・・・・・では、開始してください!』


そして、ついに最後の試合が始まった。相手の『兵士』は素早く『女王』にプロモーションを遂げる


「ガイア、オーフィス。待機してくれ」


「何故だ?」


「あの二人を召喚するからだ」


無限創造龍神の錫杖を出して能力を発動すると俺の両隣に魔方陣が現れた。そこから現れたのはリイン

フォースとアギトだった。それを見てガイアは頷いた


『兵藤選手が召喚したのは人型の使い魔だぁ!あの使い魔たちは一体どんな力があるのでしょうか!?』


「なるほど、融合か?」


「そう言うことだ」


「融合?兵藤一誠、どう言うことだ」


サイラオーグが『融合』という言葉が気になったのか話かけてきた


「こういうことだ。良く見ておけ?―――アギト!」


「ああ!」


『ユニゾン・イン』


アギトが光に包まれると俺の体の中に入っていった次の瞬間


ドオオオオオオオオオオオオオオオッ!


俺を中心に炎の柱が発生した。腕を横に薙ぎ払うように動かすと炎の柱は消失した


「―――その姿は・・・・・。その翼は・・・・・・」


「この姿は俺とアギトが『ユニゾン』―――融合した状態の姿だ」


今の俺の姿は燃えるような赤い長髪の髪に瞳は金で背中には悪魔の翼が生えている(服装は変わっていない)


『な、何と言うことでしょうか!?兵藤選手が使い魔と融合して悪魔になったぞぉ!?』


いや、悪魔じゃなくてアギト自身の翼なんだけどなぁ


『んなこと言ったってもしょうがないだろう?それと私は使い魔じゃねぇ!融合騎だっつんだ!』


悪いな。ここじゃあ、そうなんだよとアギトと心の中でアギトに謝るやりとりする俺だった


「『女王』アドバン、勝負を申し込む」


「良いでしょう。その力、私に見せてください!」


俺とアドバンは翼を羽ばたかせ空中へ飛び出す。


「さっさと終らさせて貰うぜ!」


「簡単には負けません!」


アギトとの融合により炎の威力が格段に上がっている。炎の翼も展開して熾烈火を放ってみたらルヴァルと

戦った時よりさらに極太の火の柱ができた。アドバンを飲み込む寸前で空間に歪みが生じた。歪みに

ポッカリと『穴』が空いた。膨大な質量の炎は成す術もなく、『穴』に吸い込まれていく


「なら、今度はこれだ!」


両手を上に翳す。手の平の上に炎が集まりだし、次第に巨大な火球が出来上がった


「この大きさなら吸い込めることができないだろう。―――そらッ!」


両腕を前に振り下ろし巨大な火球はアドバンの方へ向かっていく!だが、アドバンが『穴』を広げ、さらに

他にも複数の『穴』を出現させた。巨大な『穴』とその周囲に現れた複数の『穴』に俺の巨大な火球を難なく

吸い込まれていく。その光景を見てアドバンは冷笑を浮かべた


「私の「穴」は広げることも、いくつも出現させることもできます。そして、「穴」のなかで、吸い込んだ

相手の攻撃を分解して、放つことも分解せずそのまま放つこともできるのです。―――このようにして」


俺を囲むように無数の『穴』が現れた。それらすべて俺に向けられていた


『―――そちらにお返ししましょう』


俺が放った炎が全て俺に向けて一直線に膨大な質量の炎が放たれた。俺はその炎を食らってしまった。

―――だが


「なっ・・・・・!?」


「この程度か?」


炎を食らっても尚もリタイアしていない俺がいた。そして逆のその炎を炎の翼で吸い取るように吸収して

無力化にする


「今度はこっちの番だ」


腕を突き出してアドバンに向けた。手元から魔方陣が展開した。アドバンは瞬時で幾恵の魔方陣を展開して

身を守った


ドッガアアアアアアアアアアアアアアンッ!!!


魔方陣ごとアドバンが大規模な爆発に襲われた。爆煙の中からアドバンが飛び出してきた。瞬時で全身に

膨大な質量の炎を纏いアドバンに向かって飛ぶ。その姿はまるで・・・・・


「―――フェニックス!?」


空気を燃やしながら突貫する。アドバンは『穴』を最大限に広げて炎を吸い込もうとする


「無駄だ!」


『幻想殺しの籠手』を纏い『穴』に触れ無効化にする。アドバンの表情は驚きで一杯になっているが


「くらえ、ゴットバード・フェニックス!」


「―――!?」


アドバンを貫くように通り過ぎた。その際、膨大な質量の炎に包まれて消失した


『サイラオーグ・バアル眷属「女王」一名。リタイア!』


審判の言葉を聞きながらサイラオーグの前に降り立つ


「それじゃあ次は―――」


サイラオーグの『兵士』に視線を向けると『兵士』がその仮面を静かに取り払った。そこにあったのは

―――俺と歳が余り変わらないであろう少年の顔。だが、直ぐにそれは変貌する


ボコッ!ベキッ!


体中から怪音を起こして、少年の身体が盛り上がっていく!其の身体が徐々に、徐々に膨れ上がって、姿を

違うものに変化させていった。金毛が全身から生えていき、腕や脚が太く、逞しくなっていく。口が裂けて

鋭い牙を覗かせる。尻尾が生えて、首の周りに金毛が揃っていく。


ガゴォォォォォォォォォンッ!


「ライオン?」


「ライオンだな」


「獅子?」


そこに姿を現したのは、巨大な一匹のライオンだった。五〜六メートルは有りそうな巨体だ。額に宝玉みたい

なものが有る。ライオンはたてがみを雄大にたなびかせて、俺たちの眼前に立つ


『おおおっと!バアルチームの謎の「兵士」、その正体は巨大な獅子だったーッ!』


『まさか、ネメアの獅子!?どうして此処に!』


急にメイビスが驚愕の声を上げる


「急にどうしたんだ?それと、あのライオンは何なんだ?」


『・・・・・私が封印したネメアの獅子です。元々はギリシャ神話に出てくる元祖ヘラクレスの試練の相手

なんですが・・・・・。私がネメアを神器に封印じた獅子です。そして十三・・・今は十五ある「神滅具」に

名を連ねるほどのものになりました。極めれば一振りで大地を割る程の威力を放ち、巨大な獅子にも変化

できるんです。・・・・・まさか、こんな処で再び巡り会うなんて・・・・・』


マジかよ!あの巨大なライオンは神滅具なのか?驚きの展開だ。アザゼルもメイビスと同じ解説をしていた。

何故かサイラオーグは首を振っていた。


「いや、残念ながら所有者は死んでいる。俺が『獅子王の戦斧』の本来の所有者を見つけた時、既に怪しげな

集団に殺された後でな。神器となる斧だけが無事だった。所有者が死ねばいずれ消滅するであろうその

戦斧は、あろう事か、意思を持ったかのように獅子に化け、所有者を殺した集団を根こそぎ全滅させていた」


所有者がいなくても神器単体で動くなんて、そんなの初めて聞いたぞ・・・・・。あっ、ゾラードとメリアも

出来るな


「俺が眷属にしたのはその時だ。獅子を司る母の血筋が呼んだ縁だと思ってな」


『・・・・・所有者抜きで単独で意思を持って動く神器・・・・・しかも神滅具だと!?さらに悪魔に転生

できてしまった!獅子が凄いのか、悪魔の駒が凄いのか・・・・・。どちらにしろ、興味深い!実に興味

深いぞ!うーん、そりゃ、俺達も把握できない訳だ。クソ!何でまた現世に限ってこんなレア事ばかりが

神滅具に起こるんだ!?っていうか、サイラオーグ!今度、その獅子を俺の研究所に連れてこい!

すげー調べたい!』


うわー、すっごい笑顔。顔が輝いているよ。アザゼル、あの獅子はそれだけ珍しい現象で悪魔に

転生したって事だな。


「神滅具・・・・・、俺の持っている物と一緒だな」


『幻想殺しの籠手』と『無限創造龍神の錫杖』を再び発現した。


「サイラオーグ、この二つは新種の神滅具だ。そして―――」


カッ!


二つの神滅具が光輝き宙に浮かんだ。一瞬、強い閃光を放ったらと思ったら


『グオオオオオオォォォォォッッ!!!』


『ガアアアアアアアアアアッッ!!!』


二匹のドラゴンが現れ咆哮を上げる


『おっとぉ!兵藤選手が新たな二つの神滅具を発表したと思えば二つの神滅具がドラゴンになったぞぉ!?』


『あのドラゴンは二つの神滅具『幻想殺しの籠手』と『無限創造龍神の錫杖』に封印されている

ドラゴンだ』


『主の首に飾られているバカ神のお陰でな』


『まったく、我等は何もしていないと言うのに』


アザゼルの言葉を聞いた二匹のドラゴンが愚痴を言った瞬間、大剣のストラップが急に俺を包みこみながら

輝き始めた。光が収まる頃には俺の手に収まっている大剣があった


『ふん、サマエルを止めきれなかった罰だ。当然のことだ』


『何が「当然のことだ」だ!サマエルを止めきれなかったからって我等を封印してその上、忌々しい箱に

閉じ込めておいて許さんぞ!』


『貴様等をサマエル同様にしても良かったのだぞ?サマエルの愚かな行動を止めようとしたから貴様等には

その程度の封印をしたのだ。ありがたく思え』


『誰が思いますか!』


あー、また喧嘩し始めたよ。会場に居る殆どのみんなは呆然としているし


『あ、あのぉ・・・・・。アザゼル総督?なにやら喧嘩をし始めましたが・・・・・』


『聞いての通り、あの二匹のドラゴンはサマエルと同じ頃に存在していたドラゴンです。そしてあの二匹の

ドラゴンはサマエルがエデンにいた者―――アダムとイヴに知恵の実を食べさせようとしたところに止めに

入ったが間に合わずアダムとイヴは知恵の実を食べてしまいそのことに神が怒り三匹のドラゴンを封印したと

いうことです。その時の神があの大剣です。どうやら肉体が滅ぶ前に生き永らえようとして魂を大剣に移して

自ら箱に封印して深海の底で眠っていたらしいですが幽幻龍騎士団が偶然見つけて兵藤の使い手として

存在しているようです』


と実況がアザゼルに質問すると嘆息してアザゼルが長々と解説した。そして未だに喧嘩しているこいつらを


「黙れ」


『はい』


鶴の一声で黙らす。俺はサイラオーグを視界に入れる


「サイラオーグ。ようやくだな」


「ああ、ようやくだ。お前と戦う日がいつ来るか待っていた。そして、いま、お前と戦うことが

できる・・・・・ッ!」


―――サイラオーグの四肢に奇妙な文様が浮かび上がった。


「これは、俺の体を縛り、負荷を与える枷だ。―――これを外させてもらおう。全力でお前に戦いを

挑むッ!」


パァ・・・・・。淡い光がサイラオーグの四肢から漏れると、文様が消失していった。次の瞬間、ドンッ!と

サイラオーグを中心に周囲が弾けた!風圧が巻き起こり、サイラオーグの足元は激しく抉れ、クレーターと

なった!クレーターの中心で白く発光するサイラオーグの体。あいつが体に纏っているのは―――美猴や

黒歌、俺が使う仙術のようなものだ。あいつは仙術を習得しているのか?


『・・・・・なんて奴だ。闘気をまとってやがる。しかもここまで可視化するほどの濃厚な質量・・・・・』


『となりますと、サイラオーグ選手は気を扱う戦闘術を習得していると?』


実況が俺と同じ疑問をぶつけていた


『いや、サイラオーグが仙術を習得しているという情報は得ていない』


アザゼルに皇帝が続く。


『はい、彼は仙術を一切習得していませんよ。あれは、体術を鍛えぬいた先に目覚めた闘気です。純粋に

パワーだけを求め続けた彼の肉体はその身に魔力とは違う、生命の根本というべき力を纏わせたのです。

彼の在り余る活力と生命力が噴出して、可視化としたと言ってもいいでしょう』


サイラオーグは修行の果てに魔力とは違う、純粋なパワーの波動を身につけたというのか・・・・・


「はははっ、凄いな。サイラオーグ!一体、どれぐらい時間を費やし、どれだけ肉体を鍛え上げ、どれだけ

力を求め続けた!?」


「お前を倒せるまでだ。兵藤一誠!」


ドッ!


その場の地面を大きく削ってサイラオーグの姿が消えた。俺は瞑目してサイラオーグの気を感じる・・・・・

そこか!


「サイラオーグッ!」


右手に赤いオーラを纏いあいつが出現したところに拳を突き出す!あいつも同じように拳を放って来た!拳と

拳がぶつかり合う!刹那、拳同士がぶつかり合った瞬間俺とサイラオーグを中心に衝撃波が起きた。

地面も抉れてクレーターができるほどに!


「良い拳だ・・・・・っ!俺の拳とぶつけ合う奴がいるとは思わなかった!しかもそれが人間だ!」


「これでも修行して来たからな!このぐらいは当然だ!」


今度は左手で殴り掛かるがサイラオーグが左手で掴もうとしてきたのを見て拳を解きサイラオーグの左手と

掴みあう。右も同じだ。そして力と力の棍比べが始まって俺たちはその場を動かずいた。俺とサイラオーグは

同時に頭を後ろに仰向けた―――次の瞬間


『ふん!』


ゴンッ!


額と額が思いっきりぶつけ合い睨む


「中々やるな!」


「お前もだ、兵藤一誠!」


お互い掴んだ手を放し後ろに飛んで距離を置く


「今度はこれを見せてやるよ!―――リイン!」


リインフォースを呼ぶ、彼女は瞬時で俺の許に近寄り俺たちは抱き締め合う


『ユニゾン・イン』


リインとユニゾンしたことで銀髪の長髪に成って背には黒い六対十二枚の翼と頭部にも黒い翼が生えた。

瞳は金と赤のオッドアイになっている


『ああっと!今度は別の女性使い魔と融合したことで背中にはアザゼル総督と同じ堕天使の証とも言われて

いる黒い翼が生えたぞぉ!?彼はいま堕天使なのかぁー!?アザゼル総督!兵藤選手と融合した使い魔は一体

何なんでしょうか!とてもこの世界には存在しない能力ですよ!?』


『さっきのちっこい使い魔とさっき兵藤と融合した使い魔は別世界から来た存在だ。どうやら幽幻龍騎士団に

はこの世界とは違う別世界までも力を呼んでしまうほどの力があるみたいだ。』


『べ、別の世界!そんな世界が存在しているのでしょうか!?にわか信じられません!』


『信じるも信じないのもたったいま。別世界から来た証拠を俺たちは見せられた』


『そ、そうでしたね・・・・・』


と、実況とアザゼルのやり取りだった


「その姿はまさしく堕天使そのものだな。・・・・・面白い、面白いぞ!兵藤一誠!」


「他にもあるぞ」


黒い翼を全部、仕舞い込んで再び翼を展開する―――だが


「なっ・・・・・」


サイラオーグが言葉を呑んだ。その理由は


「悪魔の翼、天使の翼、堕天使の翼・・・・・だと?」


俺の背には悪魔、天使、堕天使の象徴の翼が展開している


「凄いだろう?俺は三つの勢力の翼を持っている。世界でただ一人だけだろうな。この三つの翼を持っている

存在は」


会場全体に視線を向ける。会場にいる悪魔、天使、堕天使は俺の姿を見て目を大きく開いて言葉を失っている

ようだ。


「左手に魔力、右手に気」


俺は右手と左手に気と魔力を溜める。そして溜めた魔力と気を


「咸卦法」


融合させる。するとゴウッ!と俺の体がオーラに包まれた!


「その技は一体・・・・・?」


「『咸卦法』、『気と魔力の合一(シュンタクシス・アンティケイメノイン)』という技法だ。これは相反し

合う『気』と『魔力』を融合させ体の内外に纏って強大な力を得る高難度の技法だ。まあ、俺としたらこの

技法は究極の技法だな。『咸卦法』を発動させると様々な効果が出るからさ」


俺はオーラに包まれたまま軽く一歩前進する―――刹那。


ドゴン!


一歩進んだだけでサイラオーグの懐に飛び込んだ。その際に拳を腹に突き刺し重い一撃を与えるがそのまま

サイラオーグを上空へ吹っ飛ばす。


「お前ならこの技が出来る筈だ」


両手首を合わせて手を開いて体の前方に構え、腰付近に両手を持っていきながら気を集中させる。両手を

完全に後ろにもっていって気を溜めた


「食らえ、サイラオーグ。お前に伝授するこの豪気砲を!」


気を溜めていた両手をサイラオーグに向けて突き出したら膨大な気がレーザーのように放出した!空中にいる

あいつは全身に闘気を奔流と化としながら腕を顔の前にクロスの構えをして防御態勢に入った瞬間、膨大な

気がサイラオーグを巻き込んでいった。レーザーのように向かっていった気は役目を果たして光となって

霧散していく。そして、あいつは―――


「・・・・・くっ!」


宙にいた。上半身裸で身体中に煙を立ち込めさせながら、地にゆっくりと下りてくる。気もさっきの攻撃で

かなり減っているようだ


「どうだ、お前向けの技は?」


「・・・・・ああ、俺でもできそうな技だな」


地に降り立ったサイラオーグは全身にかなりのケガを負っていた。それでも瞳は未だに戦意を籠もっている


「―――強い。これほどのものか・・・・・ッ!もっとだ、もっと俺に力を見せてくれ!兵藤一誠!俺は

お前のすべての力を受け入れるぞ!」


闘気を纏い始めたサイラオーグ。だがそのサイラオーグに声を掛ける存在がいた


『サイラオーグさま!私を!私を身にまとってください!あの禁手ならば、あなたはきっと彼を遥かに

超越する!』


バアル眷属『兵士』と同時に神滅具『獅子王の戦斧』だった





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