小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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二つの新世界と悪魔への殺戮



『元気になぁーれぇー!』


その言葉と同時に俺の中に何かが入ってきた。温かいものだ。そして俺を包む柔らかいものが

―――柔らかいもの・・・・?俺は目を開けた


「良かった・・・・・!」



「イッセー、大丈夫?」


ガイアとオーフィスが俺の顔を覗きこんでいた。・・・・・あー、気絶していたんだっけな?


「悪い、気を使い過ぎて気絶していたようだ。それで、試合は?あれからどれぐらい経っている?」


「ゲームは我々の勝利だ。お前が気絶して数分しか経っていない。黒歌と華佗が仙術でお前を回復

させたんだ」


「そうなんだ。ありがとう、二人とも」


黒歌と華佗に感謝した。やっぱり仙術は便利だなと体を起こし辺りを見渡す。―――俺の家族が勢揃いだな。


「サイラオーグは?」


「タンカーで運ばれていきました。ミスラさまも一緒について行きました」


レイヴェルが教えてくれた。華佗の方へ顔を向けると頷いた


「ああ、無事に病魔を取り除いた。あとは少しの間だけ安静していればすぐに体調は元に戻るだろう」


「やっぱりお前は最高の医者だな。神医、華佗」


「よせよ、照れるじゃないか」


顔を朱に染めて照れる華佗に俺は笑った。そこに


「ご主人様!」


「うおぉぉぉぉ!?」


赤い少女―――恋に抱きつかれてしまった!って、恋!?


「ご主人様ぁ・・・・・」


猫のように俺の顔に頬を寄せてスリスリとする恋、さらに


「イッセーくん!」


ジャンヌが俺の背後から抱きついてきた!


「おめでとう!大王に勝っちゃうなんて、さすが私たちの愛しい人ね!」


満面の笑みを見せる彼女につられて俺も笑ってしまう


「ジャンヌ、それと皆も応援ありがとう。皆の応援が無かったら今頃負けていたかもしれない」


『家族に応援するのは当然のこと!』


異口同音で当然のことだと言った。本当にありがとうな


「兵藤一誠、最高の試合だった」


「曹操、他のみんなも・・・・・」


一時的に仲間になった英雄派がこっちに近寄ってきた。「おめでとう!」「凄かった!」

「恰好良かったよ!」と構成員が様々な言葉を発してくる


「応援、ありがとうな」


「サポーターとして来たんだ。しないと意味がないだろう?それに・・・・・まさか彼女自身が

グレートレッドとは露も思わなかった」


「ふん、我を呼んで捕獲しようなどと何を企んでいるのだ。聞けば『龍喰者』がどれぐらいの影響を我に

及ぼすのかどうかとか言っておったが?」


曹操は本当にガイアがグレートレッドだと思っていなかったらしく興味津々にガイアを見る。

ガイアは京都で曹操が言っていたことについて訊く


「ただの実験だ。それ以外なにもないさ」


曹操ははぐらかす。不意に俺に視線を向けた


「兵藤一誠、キミは本当に凄い」


「いきなりどうした?」


「キミの周りに集まる『力』は異常で、逸脱したものばかりだ。グレートレッド、オーフィス、前四大魔王と

神、『覇龍』を逸脱した白龍皇、世界一の魔術師、巨大な蛇を従わせる龍王、別世界から来た存在、サマエル

と同じ頃にいたと聞いた二匹のドラゴンに『始まりの神』。とてもじゃないけど我々どころか世界を

相手にしても余裕で勝てる勢力だ」


「あははは・・・・・」


曹操の言葉に苦笑するしかなかった。


「キミたち幽幻龍騎士団とは対立は死んでもしたくないものだよ。命がいくつあっても足りない」


「じゃあ、テロしなければいいじゃんか」


提案すると「それはできない話だ」と言われた。


「しょうがない。次に会ったらお前たちも救済して俺の家族として向かい入れるか」


「勝てはしないだろうが俺たちは簡単には負けない」


『黄昏の聖槍』を俺に見せつけながら決意の言葉を放った


「兵藤くん」


俺に声を掛けてくる人物が新たに現れた。俺たちはそこに振り向くと


『・・・・・・』


現四大魔王とミカエルとガブリエルを含めた四大セラフ、グレモリー眷属、アルマスさん、ヴェネラナ、

ライザー、カイザーさん、フィル、ちっちゃいタンニーン、グレイフィアがフィールドに現れた


「メイビスさま!お久しぶりですっ!」


「ガブリエル、お久しぶりです。ミカエルも私が不在の間、よく天界を纏めてくれましたね」


「はい・・・・・っ!」


ミカエルが泣いている!?天使長の涙を見るなんて凄い!


「ルシファーさま・・・・・。よく生きておられました」


「サーゼクスね?良く覚えているわ。戦争でも貴方が一番に功績を残していたものですもの」


「お褒めの言葉を下さってくれるとは光栄です」


「面倒くさそうね・・・・・」


「実際に面倒ですよ。アスモデウスさま・・・・・・。アスモデウスさま、働いたら負けですよ?」


「こ、こんな奴が私の名を・・・・・っ」


「ふむ、お前が私の名を名乗るのはお前か。アジュカ」


「はい、そうです。ベルゼブブさま」


「術式も良いが、偶には体を動かせ」


「またそんな服を着ちゃって!貴女、魔王としての意識に欠けているよ!」


「ふぇーん!これが正装なんですよぉ!レヴィアタンさま!」


現魔王と前魔王がそうやり取りをした。旧魔王派の方は遠巻きで俺たちを見ていた。シャルバはバツ悪そう

にしていたこっちに来ない姿勢でいる。


「―――ルシファーさま」


ルシファーに声を掛ける―――グレモリー先輩、ルシファーは途端に目を細め、グレモリー先輩を見る


「なにかしら?」


「お目に掛かれて光栄です。私はリアス・グレモリー、グレモリー家の次期当主です」


「そう、それで?私に何か用かしら?」


プレッシャーを放ちながらグレモリー先輩に問う。でも、グレモリー先輩は何も答えない


「なにもないなら話かけないでグレモリーの者よ。というか、私は貴女と貴方の眷属に対して良い感情を持っ

てはいないわ。特に、貴女と赤龍帝、雷光の巫女、聖魔剣。特にね。良くとまあ、私の愛しいイッセーをテロ

リストだと言ってくれたものだわ。その上、私たちもテロリストだって言ってくれて・・・・・」


「そ、それは・・・・・!彼が『禍の団』に一時的だろうとも属したのです!三大勢力に不審な行動をした

者には独断で実力行使して捕縛する権限を私たちが持っているのです!」


「三大勢力?私たちは『幽幻龍騎士団』という勢力よ。私たちは三大勢力の何処にも属してはいないわ」


「そうであろうとも私は不審な行動をする彼を見逃すことができないのです!それに彼が企てている

『計画』、もしかしたら私たちにとっては危険な計画かもしれない!」


まだ、疑っているのか・・・・・。


「・・・・・・。―――解った。イッセー、向こうは向かい入れる準備が出来ているそうよ」


「お、そうか。それじゃあ始めるとするか!」


「向かい入れる・・・・・?それに一体なにを始めると言うんだね?」


サーゼクスが訝しげな無表情を俺に向けた。俺は旧魔王派へ体を向けていった


「俺の夢と目的、目標を今ここで叶えることだ。―――旧魔王派!お前等はこれからどうする!お前達の

魔王が生存している事が知った!それでも禍の団にいるつもりか!?」


旧魔王派は俺の言葉を訊くと総立ちして敵意と殺意のオーラを迸った


『当り前だ!我等は真の魔王の血を引くものだ!現魔王を駆逐して!世界を手にするのだ!』


『そうだ!ベルゼブブさまが生存していらっしゃるなら!世界は我々の手になるのも時間の問題だ!』


『レヴィアタンさま!さあ、我等と共に!』


『アスデモウスさま!其処にいる偽りの魔王たちを殺して下さい!』


『ルシファーさま!我等と共に新たな世界を創りましょう!』


彼等の言葉を聞いたルシファー、アスモデウス、ベルゼブブ、レヴィアタンは嘆息した


「貴方たち・・・・・、なにバカなことを言っているの」


「私たちは世界を欲しようとなんて思ってはいない。というより、いらないわ」


「貴様等、どこまで落ちぶれたら気が済むのだ・・・・・!」


「もう・・・・・。ほら、私たちと一緒に帰りましょう?」


最後にレヴィアタンがそう言ったら『・・・・・帰る?』と旧魔王たちは首を傾げた。サーゼクスたちも

未だに会場にいる観客と実況、皇帝もそうだ


「うん!イッセーくん、お願いね♪」


「了解!と、その前にお前等が帰る場所を見せないとな!―――和樹」


和樹は頷き、腕を突き出す


カッ!


フィールドに巨大な魔方陣が光を発しながら三つ出現した。フィールドに立体映像らしきものが各魔方陣から

写しだされる。魔方陣によって映し出されたのは―――


『・・・・・地球?』


そう、青い惑星―――地球だった


「・・・・・ねえ、この地球って僕たちがいる地球だよね?」


「・・・・・和樹、距離を遠くにしてくれないか?」


木場の言葉に俺は和樹に頼み通りに写しだされている地球を遠くから見せるようにした。そして、俺の家族

以外の全員は目を大きく開き空いた口が塞がらなかった


『ち、地球が・・・・・三つ!?』


遠くから見た地球の他に宇宙に存在している二つの地球が現れた


「この三つの地球は俺がこの『無限創造龍神の錫杖』で創りあげたものだ」


「お前、本当に世界を創ったのか!?」


「俺は嘘をつかない主義だ。さて、この三つの内二つの地球には名前がある。『冥魔』『ザナドゥ』だ。

旧魔王派たち、お前等は『冥魔』に住んでもらう。お前たちだけの世界だ」


和樹は新世界『冥魔』を映しだした。映像には色んな建物、悪魔文字で書かれた文字、自然、大地、海、空、様々な場所を映しだしていく


『おおっ・・・・・!』


『俺たちだけの世界・・・・・!?』


『素晴らしい・・・・っ!』


旧魔王派は驚きと感服した様子をした


「この世界は前魔王たちであるルシファーたちと一緒に創りあげた世界だ!」


『無限創造龍神の錫杖』の能力を発動した。フィールド上空に黒い螺旋状を創りあげた


「カテレア、クルゼレイ」


二人に振り返り口を開く


「お前たちは『冥魔』の世界に住む悪魔たちの四大魔王となることを命ずる」


『―――!?』


二人は俺の言葉に衝撃を受けた。


「どうして私たちが魔王に!?魔王は姉さんでしょう!」


「そうだ!貴殿は一体何を考えているんだ!?」


二人は猛抗議したが俺は真っ直ぐ言った


「お前たちに魔王を推薦したのはレヴィアタンとアスモデウスだ。それに元々自分たちだけの世界、自分たち

が支配する新しい地球を欲しかったんだろう?魔王になりたかったんだろう?丁度良かったじゃないか、

願いが叶うんだぞ」


「ね、姉さん!私が魔王になってもいいの!?魔王は姉さんなのよ!」


「カテレア、私はもう魔王じゃないんだよ?あのとき死んだ四大魔王レヴィアタンは死んじゃっているの。

私はただのレヴィアタン、前魔王のレヴィアタンよ。私はあの世界でカテレアが幸せで楽しい世界にして

くれると私は信じている」


「姉さん・・・・・」


「姉上!」


「クルゼレイ、私もレヴィアタンと同じ気持ち。クルゼレイが新たな魔王『真魔王』となってくれれば私は

誇りに思う。だって、自慢の家族なのだから」


「―――っ!」


どうやら、話がついたようだな。―――さて


「二人とも、『冥魔』の『真魔王』になってくれるか?」


二人に尋ねる。カテレアとクルゼレイは少し困惑したがレヴィアタンとアスモデウスに『あなたならできる。

私たちも補佐するから心配しないで』とあと押したことで二人は


「―――解りました。その任命、喜んで引き受けます」


「我等、『真魔王』が必ず新たな世界『冥魔』をより豊かで笑顔が溢れる世界にして見せます。

この命を賭けても」


「ならば、旧魔王派を全員引き連れて!あの黒い螺旋状に飛び込め!そうすれば、新世界『冥魔』に

辿り着く!―――行け!」


俺の前に跪いて『真魔王』に成ることに決意した。


「イッセー・・・・・!ありがとう・・・・・!」


「兵藤一誠・・・・・。礼を言わせてくれ。ありがとう、感謝する。新世界『冥魔』で会おう」


二人は立ち上がり旧魔王派の方へ体を向けた


「私は真魔王!カテレア・レヴィアタン」


「私は真魔王!クルゼレイ・アスモデウス!」


『我々が新たな魔王になる事を不満がある奴は前に来い!』


旧魔王派にそう問うが誰も前に出ずにいる


「不満では無いなら、我等と共に」


「新世界『冥魔』に行くぞ!」


悪魔の翼を展開した二人は俺が創造した新世界『冥魔』とこの世界の狭間への隙間に黒い螺旋状の入り口で

ある『天梯』を創造し、『無何有鏡』を創造した中に飛び込んだ。すると、二人の身体は燃え上がり最後は

人魂となって新世界『冥魔』に向かっていった


『行けるんだ』


『新世界・・・・・冥魔へ』


『本当に・・・・・』


『・・・・・俺は行くぞ!』


一人の悪魔が誰より先に上空へ飛んでいった。それが呼び水となった


『俺もだ!』


『私も!』


『俺だって行くぜ!』


『行こうか!皆!』


『ああっ!行こう!みんな続くんだ!』


『そうだ!新世界『冥魔』へ行くんだ!』


『我等も真魔王さまたちに続けぇぇぇぇぇっ!』


『『『『『『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

おおおおおおおおおおおっっ!!!!!』』』』』』


旧魔王派たちは翼を展開して黒い螺旋状の中へ入っていった。身体が燃え上がり最後は人魂となって旧魔王派

は新世界『冥魔』に向かった!そして人魂となった際に会場全体に様々な色の火の粉が舞い落ちてきた。

―――だけど、


『・・・・・』


会場席にシャルバと複数の悪魔たちが未だに残っていった。不意にシャルバたちが立ち上がるとこの場から

姿を消していった


「シャルバ・・・・・どうして、お前はそこまで・・・・・!」


ベルゼブブが悲哀に満ちた表情を浮かべた


「シャルバ・・・・・。次に会った時は必ずお前を捕まえてベルゼブブの前に突き出してやる・・・・・」


俺はそう決意した。―――さて


「これが俺の計画だ。グレモリー先輩」


「・・・・・っ」


「散々俺たちを悪者扱いしたな?まあ、俺がそんな言動をしたからな。俺も悪かった。だけど、これで

分かっただろ解っただろう?俺たちはテロリストではないって、俺は旧魔王派を救済したかっただけだ」


両手を広げて黒い螺旋状に入っていく旧魔王派たちを見る


「はははっ!いま、目標と目的が成就した!皆のおかげで俺の夢がたった今、一歩踏んだ!これからもっと

悲しんでいるもの、苦しんでいるもの、助けを求めているものたちに救済をしていこう!」


「―――それが悪でも?」


「そうだ!グレモリー先輩!特に神器の存在によって苦しんでいる人たちを俺は救いたい!それは俺が初めて

ガイアと出会った時からの目標であり夢だ!―――そうだ、今度は神器によって苦しんでいる人々を救済

しよう。それか全ての神器を集めて俺の新世界のみ存在するようにしようかな?」


『―――!?』


俺の発言にグレモリー先輩たちは驚愕したので苦笑いする


「安心してくれ、強制的にはしないさ。本当に救済を求めている神器の所有者だけを救済する」


「イッセーくん」


さくらが俺を呼んだ。後ろに振り返り「何だ?」と訊く


「私たちも帰らない?新世界『ザナドゥ』にさ」


「そうだな。その前に見せようか。新世界『ザナドゥ』を・・・・・。和樹、もう一度頼む」


「解った」


各魔方陣から写しだされている三つの内の一つを動かす。そして、新世界『ザナドゥ』の光景が映し

出された。映し出された光景は―――悪魔、天使、堕天使、人間が賑やかに都市を歩き回ったり、働いたり、

子供たちは公園で遊んでいた。


「なっ!何で、何で悪魔と天使、堕天使が!?しかもあの光景はまるで共存している様じゃないか!」


「兵藤くん!あの悪魔たちは一体なんなんだね!?もしや、冥界に住む民たちからあの世界に連

れて行ったのか!」


「あ、有り得ない・・・・・・。天使が悪魔と堕天使と・・・・・」


ミカエルは悪魔と堕天使が大聖堂で天使と祈りを捧げている光景に度肝を抜いた


「アザゼル、お前の言う通りだ。あそこにいる悪魔、天使、堕天使は共存している。サーゼクス、俺は冥界に

住む悪魔たちを一人も連れていっていないぞ。ミカエル、そんなに信じられないか?これはお前たちが最も

目指していた未来じゃないか。まあ、俺が先にしたけどな」


「兵藤!お前は一体どうやったんだ!?何であそこに悪魔と天使、堕天使がいるんだ!」


「甦らせて新世界『ザナドゥ』に住まわしている」と俺は真っ直ぐアザゼルに言った


「『無限創造龍神の錫杖』の力か!だが、どうしてあれだけの数がいるんだ!?あれじゃあまるで

―――。・・・・・ま、まさか・・・・・!」


途中で気付いたようだな。アザゼル。ああ、そうだよ。お前の考え通りだ


「あそこにいる悪魔と天使、堕天使は全員、三大勢力で死んだ奴らだ。人間はその時の戦争で死んだ奴等だ。

因みにあの世界の時間は少し設定してこっちの時間との進みが違うんだ。こっちの一日の時間はあっちじゃあ

三ヶ月の時間が過ぎている」


『―――っ!?』


三大勢力のトップたちは驚愕して言葉を呑んだ。刹那、俺の横に魔方陣が展開したそこから現れたのは一人の

女堕天使だった


「迎えに参りました」


「そっか、丁度俺たちも帰ろうとしたところだった。ありがとう、『レイナーレ』」


一人の女堕天使―――レイナーレに向けて言った。アザゼルとグレモリー先輩、成神はその彼女を見て驚いた


「レ、レイナーレ・・・・・。お前も甦っていたのか?兵藤たちの力で・・・・・」


「お久しぶりです。アザゼル総督、はいそうです。私はイッセーさまのお力によって蘇りました。ドーナ

シークとカラワーナ、ミッテルトもそうです。そして今の私たちはあの世界に住む堕天使たちを纏める

存在です」


「『堕天使の女王』レイナーレ。それがあの世界の二つ名だ」


「もう、イッセーさま!その名を言わないでください!恥ずかしいじゃないですか・・・・・」


プイッと頬に朱を染めながら俺から顔を背けた。するとグレモリー先輩が滅びの魔力を出した


「レイナーレ!よくもイッセーの前に現れたわね!?此処でまた滅するわ!」


そう言って滅びの魔力をレイナーレに放った。彼女はそれを避けようとせず手の平にオーラを纏い受け止めた


「グレモリー一族の娘・・・・・あの時はよくもやってくれたわね・・・・・。でも、今の私は―――」


彼女の背中に更に黒い翼が生まれた。その数は六対十二枚


「イッセーさまたちの修行によって私は至高の堕天使化となっている。この程度の力なんて」


バシュンッ!


「アハハハッ!私には効かないわ!」


滅びの魔力を握りつぶしたレイナーレは哄笑する。グレモリー先輩は信じられないとそんな表情をした。

ふと、レイナーレは成神に視線を向けた。成神はレイナーレと視線があったら突然、体と声を震わした


「ゆ、夕麻ちゃん・・・・・!?レイナーレ・・・・・・!?」


「―――腐ったクソガキが私の名前を気安く呼ぶんじゃないわよ!私の名を気安く呼んでいいのは

イッセーさまとその家族たちのみよ!」


「―――っう、うわああああああああああああっ!?」


成神が急に発狂し始めた。俺はそんなことはどうでも良さ気に視界を成神から外す


「そういえば、サーゼクス。俺たちへの処刑はどうなっている?」


「それは・・・・・」


『処刑』の話をしたら言葉を濁す。サーゼクスは嘆息して


「処刑は決まった。幽幻龍騎士団は解散し、未だに駒が空いている眷属悪魔のところへ配属となった」


「・・・・・そうか、それは何時何だ?」


「―――今日だ」


瞑目し呟いたサーゼクスに俺たちは


『・・・・・はっ?』


唖然とした。―――刹那


「そう言うことだ。兵藤一誠」


突然の声と共にフィールドに幾つものの魔方陣が出現した。魔方陣から数十人の悪魔とソーナと匙の夢を

バカにした上層部たちが現れた


「お久しぶりですな。ルシファーさま」


一人の上層部がルシファーに顔をにこやかにしながら話かけてきた。ルシファーは憤怒の形相で問い詰めた


「貴方たち・・・・・!これは一体どういうこと!?」


「どう言うことも何も兵藤一誠はテロリストの疑惑が掛かっております。故に我々は疑惑解消をしようと思い

未だに駒が空いている上級悪魔、最上級悪魔の眷属に配属して監視をするのです」


「処刑期間は千年。千年の間、幽幻龍騎士団は我々の監視下に置かせてもらいます。前魔王ルシファーさま

たちは、現魔王であるサーゼクスさまたちの補佐として働いてもらい神は天使長であるミカエルさまと一緒に

天界に戻ってもらいます」


「それではこれより、幽幻龍騎士団の処刑を始める!」


上層部が俺たちに処刑を告げた瞬間、数十人の悪魔たちが口の端を吊り上げたり、いやらしい笑みを浮かべ

たり、気持ち悪い笑みを浮かべたりしながら俺たちに近づいてきた


「兵藤一誠!俺の眷属となる人間を引き渡せ!お前より裕福な生活を送らせてやるからよ!」


「俺は銀髪のチンクっていう女が良いな!」


「何言っているんだ?ディードって女の方が良いだろう!」


「いやいや、ウェンディちゃんのほうが良いだろう?いつも『〜っス』って言うところが可愛いんだぜ!」


「お前こそ何言っているんだ!ドゥーエ姉さまの方が良いだろう!?あの魅惑なボディを触れると

思うと・・・・・ヘヘ。たまらないな!」


「俺は『はぐれ』の黒猫が良いな!俺がペットとしてちゃんと飼って可愛がってやるからよ!」


「別世界から来た銀髪の堕天使!こっちにこい!そして、俺と一緒に融合しようぜ!そうすれば俺は最強に

なれるに違いない!」


「そこの金髪のお姉さぁん!こっちに来てくれるかな?今日からお姉さんは俺の『僧侶』となるん

だからな!」


「生真面目な女を堕としたら一体どうなるんだろうなぁ・・・・・。ああ、早く犯してぇ!」


「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・ちっちゃい女の子・・・・・。萌えぇ!」


「うーん、どいつもこいつも良い体していやがるなぁ・・・・・。どれにしようか迷うぜ!」


「俺はそこにいるオーフィスが良いな!それとガイアもだ!」


『お前、勇気あるな・・・・・』


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


俺はこの瞬間、初めて心の底から悪魔に対して憎悪と殺意を抱いたと思う。そう思っていたら一人の悪魔が

俺の家族―――ウーノに触れようとしたところを俺の視界に入った。


「それじゃあ、俺の眷属に成って貰うぜ」


「おい」


「なんだ―――」


ガシッ!


手に駒を持って近づく悪魔の顔面を鷲掴みにする。徐々に力を入れて頭を握る


「誰が俺の家族をお前の眷属にしていいって言った?」


「ぎ、が!?あっ、があっ!」


「なあ、聞いている?誰が俺の家族をお前の眷属にして良いって言ったよ?」


掴みながら持ち上げて悪魔に問うと俺の腕を掴んで握りつぶそうと力を込めるが俺はさらに力を入れると

ジタバタし始めた


「は、放して、放してくれ!頭が!頭がぁぁぁぁ!!!」


「上級悪魔か最上級悪魔なのか知らないけど無様だなぁ?たかが人間の俺に『放してくれ!』と乞うん

だからさ・・・・・。それでも貴族なのか?それに俺に乞うならもっと誇りがある乞いかたをしろ」


「―――お、お願いします!貴方さまのこの御手を放してください!じゃ、じゃないと私が死んで

しまいます!」


「そうか、俺の手を放さないと死んでしまうのか?」


悪魔に問うと「は、はい!そうです!」と声を震わせながら答えた


「解った。それじゃあ―――死ね」


「そ、そん―――ぎゃ、ぎゃあああああああッッ!!!」


グシャアアアアッッ!!!!!


俺は微笑みながら悪魔の頭をトマトのように握りつぶした骨を砕き、脳が飛び散った。


『なっ・・・・・!?』


この場にいる全員が俺の行動に目を疑ったようだ。俺は肉の塊となったものを放し、まだ数十の数の

悪魔たちを見る


「お前等もこの肉と同じ様にしてやる」


足で肉塊を踏み潰した。その光景を見て怒りを露わにして数人が一気に俺に向かってきた。だけど、

余りにも遅かったため今度は両手で顔面を掴んだ


「お前等も俺の手で握りつぶされることを望んできたようだな。いいぜ、その望みを叶えてやるよ」


『や、やめ―――』


二人纏めて頭を握りつぶす俺を見て他の悪魔たちは足を竦んだ


「や、やべぇぞ!?」


「サイラオーグとの戦いでもう体力と力が無いんじゃなかったのかよ!?」


「お、俺!やっぱり眷属なんていらねぇ!」


「俺もだ!死ぬなんて御免だぁ!」


足下に魔方陣を展開して逃げ出そうとする悪魔たち。―――逃がすかよ。和樹が新しく作り直したエクス

カリバーオルタを空間の穴から取り出し


「―――串刺しに成りやがれ」


『擬態の聖剣』の能力を使う。意思を持ったようにうねり始め、神速の速さで宙を無軌道に激しく動きながら

逃げようとする悪魔たちの方へ向かった。さらに剣の先端を枝分かれさせ


『ぎゃああああああああああああああああッッ!!!』


串刺しにする。そしてフィールド上空へ串刺しした悪魔たちを移動させて


「熾烈業火弾」


フェニックスの翼を展開して炎の翼から膨大な質量の炎の弾を上空にいる串刺しにされている悪魔たちに射出

した。熾烈業火弾に当った悪魔たちは激痛の叫びを上げ、炎によって骨まで燃えて焼死した。―――残りは


「あ、ああ・・・・・」


「ひ、ひいいいいいい!」


未だにいる悪魔たちに視線を向けると腰を抜かして、顔に恐怖の色を現わした


「残りの奴らにはこれだ」


大天使化に成り金色の翼を巨大化にし、瞬時で悪魔たちを囲むように覆った


「体罰」


『いっぎゃあああああああああああああああっあああああああああっああああ!!!』


翼の中で光を浴びる悪魔たちは数分間、絶叫の声音を上げた。声が聞こえなくなると翼を戻したらその場には

誰もいなかった

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