小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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友好と新世界へ(2)



俺たちは門を潜って新世界ザナドゥのとある建物の中にいる。


「外に出る前に渡すものがある」


そう言って空間を歪ませ穴を生じてそこに両手で突っ込み何かを取り出す。幽幻龍騎士団の紋様が記された

様々なものだった


「これは・・・・・?」


「幽幻龍騎士団の関係者の証だ。特にサーゼクス、アザゼル、ミカエルには必要なものだな。この世界には

三人を知っている奴が当然いるんだ」


リーラとシンシアにも手伝ってもらい皆に配る。


「目立つだろうけどきちんと身につけてくれよ?じゃないと不法侵入者として捕まるからな」


「マ、マジかよ・・・・・」


冷汗を流す匙に今度はグレモリー先輩がカードを見て「何のカードかしら?」と尋ねてきた


「それはキャッシュカードだ」


「ほう。で、幾らぐらいあるんだ?」


「魔力を流し込んでみれば解る」と言うとアザゼルは魔力をカードに流し始めると目をギョッと見開いた


「な、なんだ!この金額は!?」


「せ、先生?どうしてそんなに驚いているんですか?一体どのぐらいの金額でした?」


成神が驚くアザゼルに訊くが俺が「お前等も魔力を流し込んで見れば解る」と促す。成神たちは怪訝な表情で

キャッシュカードに魔力を流し込んだ


『―――はあああああああああああああああ!?』


刹那、驚愕の声音を発した。


『わ、私たちの財政より遥かに超えている・・・・・・っ!?』


「こ、こんなに使えませんよ!?」


「一生かかっても使えきれないって!絶対に!」


「兵藤くん・・・・・。どうしてこんなにあるのかね?」


アルマスさんとカイザーさんが自分の家の財政より超えている金額を目の当たりにして目を大きく開いた。

他のみんなも余りの金額に空いた口が塞がらなかったり、驚きのあまりにカードを手から落としてしまったり

した最中にサーゼクスが俺に尋ねてきた


「お父さんとお母さんが依頼の仕事の報酬を貰う度に溜めていたみたいなんだ。その他にジェイルと

ダンタリオン、プレシアの発明した物を人間界に売ったり、リーラとシンシア、二人のメイドの部下たちが

人間界で働いている店の売上金とか、まあ・・・・・他にも色々とあるけど、今はどうでも良いだろう」


話を切り上げて「早く付けろ」と催促する


「兵藤くん、お金はいらないって言っていたけどこのカードだけで済んじゃうの?」


「全部は済まない。硬貨と紙幣を出さないと買えないものもある。その時は銀行に行って引き出さないと

いけない」


「因みにこの世界の紙幣と硬貨はどういうものかな?」


サーゼクスの言葉を聞いて「それは秘密だ。知りたかったら銀行に行って引き出してこい」と敢えて言わずに

言った。


「あの、これって携帯ですか?」


シトリー眷属の一人が手に携帯の機械を見て訊いてきた


「ああ、それは移動用の小型の機械だ。行きたい場所を入力するとこの都市内ならどこでも行けるぞ。

当然だけど通話もメールもでき、多重通話もメールも一斉送信できるようにジェイルたちに作らせた」


『おおっ・・・・・』


小型の機械の性能に驚きを隠せない面々


「今回は足でこの都市を歩くから通話とメールぐらいしか使わないだろう。他に訊きたいことは?」


『・・・・・』


「無いなら行くぞ・・・・・ああ、そうだ。アザゼル、姫島先輩。連れて行きたい場所があるから俺と

一緒に来てもらうぞ」


俺が二人に顔を向けたら、二人は怪訝な表情を浮かべた「二人に取っても関係があることだ」と言いながら

俺たち幽幻龍騎士団はこの建物の扉に赴き開け放った。先に皆を出てもらうと俺はサーゼクスたちを引き

連れて外に出た。その瞬間、一瞬の閃光が俺たちの視界を奪った最中


「ようこそ、新世界ザナドゥへ」


サーゼクスたちに向かって歓迎の言葉を送った。視力が元に戻ると皆は目の前の光景に唖然とした


『・・・・・』


悪魔と天使、堕天使が目の前で歩いているからだ


「本当に悪魔と天使、堕天使が協力態勢をしているわけでもなくお互いと認め合って共存して

いるのだな・・・・・」


「私たちは和平を結び『禍の団』の対抗勢力として各勢力と協力しているわけですが、彼等のような

異種族同士で共存なんて私たちの世界では到底できません・・・・・」


「不可能な筈な理想が、目の前に実現しているなんてよ・・・・・」


三人が和平を結んでも、協力態勢をしても、どこか見えない壁をお前等が自分から作ってお前等を阻んで

いる。それも厚く堅牢で巨大な壁を・・・・・


「ガイア、リーラ、シンシア、他の皆を任せる」


『お任せください』


「行ってくるが良い」


三人にそう言って俺は二人を呼んで皆と別れあの場所に赴いた


「おい、何処に連れていくんだ?」


「・・・・・・」


「二人に会わしたい人物がいるんだよ」


皆と別れてすぐにアザゼルが話かけてきた。姫島先輩は訝しげな表情で俺を見る


「誰だ?会わせたい人物って奴は」


「此処から少し離れた住宅街に住んでいる人物だ。だから―――あれを乗っていこう」


「・・・・・人間界で見るタクシーのような車だな」


指を指した方向にアザゼルがそこに顔を向けて呟いた。俺たち三人は車に赴いて乗車した


「おい、勝手に入っても大丈夫なのか?」


そう言いながらもアザゼルは姫島先輩と後部座席に座る


「大丈夫だ。アザゼルがさっき言ったようにこれはタクシーだ。―――無人タクシーだけどな」



アザゼルの問いに前部座席に設置された。キーボードに入力すると無人のタクシーが自動に動き始め、

空を走った


「おおっ!!!凄い!凄いな、これ!」


「都市の建物が上から眺められるなんて・・・・・」


「実際、キーボードで入力しなくても行き先を言えば連れて行ってくれる無人のタクシーだ」


って、聞いていないか。二人とも窓から都市を眺めているし・・・・・。無人のタクシーは数分経ったら

俺が入力したとある住宅街の真上に停まった


「さて、降りるとするか」


「・・・・・どうやってですか?」


「そこに丸いボタンがあるだろう?そこを押せば下に降りれる」


俺がお手本として丸いボタンを押すと座席に座っている俺は光に包まれた瞬間、座席に穴が広がり、

ゆっくりと俺を住宅街の路上に降ろしていった。先に降り立った俺は二人に声を掛けると後部座席に穴が

空いて、光に包まれながら二人は俺の目の前に降りてきた。無人のタクシーは俺たちを降ろしたら何処かに

行ってしまった


「タクシーがどっかに行ったんだけど良いのか?」


「これに無人のタクシーを呼べるボタンがあるから良いんだ」


「へぇ、便利なこった。アレ、面白いな・・・・・。一台欲しいんだけどダメか?」


「ダメに決まっているんだろう」と即答して歩を進める。数分したらとある家についた


「此処にお前が俺たちに会わしたい奴がいるのか?」


「ああ、きっと驚くぞ」


インターホンのボタンを押すと直ぐに『はい』と女性の声が聞こえた


「幽幻龍騎士団の兵藤一誠だ。お前に会わしたい人たちがいるんだけど良いか?」


『解りました。お入りください』


「・・・・・え?」


この家に住んでいる女性の了承を得て俺は門を開けた同時に姫島先輩の表情が変化した


「・・・・・まさか」


「朱乃、どうしたんだ?急に体を震わせて・・・・・」


「・・・・・いえ、何でも―――」


ガチャ


姫島先輩が体を震わせながら口を開いた時だった。この家の扉が開いた。この家に住む女性が俺たちに姿を

現わすと姫島先輩がその女性を視界に入れた瞬間―――瞳を潤わせて涙を流し頬を濡らし口を両手で覆った。

アザゼルもその女性に知っているのか目を大きく見開いて空いた口が塞がらなかった。家から出てきた女性も

そんな姫島先輩に驚いた表情で呟いた


「・・・・・朱乃・・・・・?」


「・・・・・。・・・・・お母さま・・・・・っ」


女性―――姫島先輩の母親―――朱璃が「朱乃・・・・・」と呟きながら一歩、一歩、また一歩と姫島先輩に

近づくが姫島先輩が先に駈け走り


「お母さまあああああああああああっ!!!」


自分の母親に抱きついて行った


「お母さま!お母さま!お母さま!」


「朱乃・・・・・。何時の間にかこんなに、こんなに成長して綺麗になっていたのね・・・・・」


二人の親子は抱き締め合いながら涙を流す


「兵藤・・・・・。お前・・・・・」


「驚いたか?」


「ああ・・・・・。お前には本当に驚かされるばかりだ。同時に感謝もしてもし足りない。

・・・・・ありがとう」


「さて、もう一人も呼ぶとしよう」


『無限創造龍神の錫杖』を発現して能力を使った。俺たちの眼前に一つの魔方陣が現れた。そこから

姫島先輩の父親、バラキエルが登場した


「むっ、ここは何処だ・・・・・?」


「バ、バラキエル!?」


「アザゼル?何で、お前が此処にいる?それと此処は何処だ」


「・・・・・聞きたいことは山ほどあると思うだろうけど、先に後ろを向いて見ろ」


俺の考えに理解してアザゼルは指をバラキエルの背後に指した。バラキエルは体を後ろに向けた瞬間、

目を大きく見開いた。そして、体を震わせ始めた


「アザゼル・・・・・。俺は夢でも見ているのか?それとも俺は天国にいるのか?あそこに俺の妻が、

朱璃がいる・・・・・。」


「夢でも見てもいなければ天国に来ていないぞ。その前にお前は死んじゃいねえぞ」


「・・・・・そうか、では、現実なんだな・・・・・?」


「ああ、現実だ、リアルだ、兵藤たちの力でお前の妻、朱乃の母親、朱璃が甦って元気に此処で過ごして

いたようだぜ」


アザゼルの言葉を聞いてバラキエルはフラフラと姫島先輩と抱き締め合っている朱璃に赴いた。朱璃も

バラキエルの存在に気づいて


「あなた・・・・・。お帰りなさい」


「ただいま・・・・・。朱璃・・・・・・。―――うおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」


家族のやり取りをした。バラキエルは号泣した。三人の親子の時はこの瞬間、再び動き始めたことを

俺は感じた


「俺はもう行くけど、どうする」


「俺も行く。邪魔に成るからな」


抱き締め合う家族三人を見ている俺とアザゼルは小型の機械を操作して移動用魔方陣を展開してサーゼクスの

許へ向かった



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「よっ」


俺とアザゼルの急な登場に短い悲鳴を上げる成神たちだが、姫島先輩の姿がいないことに俺に問い

詰めてくるが「バラキエルも呼んで姫島家に置いてきた」と


「姫島家・・・・・?」


「姫島先輩の家だ。さて、何処まで案内した?」


「もうすぐ昼だから何処かに食べようと考えていたところだ」


ガイアの言葉を聞いて俺は昼食を食べる場所を提案した。皆の先導となってとある店を探す。確か、

この辺りだった筈―――あっ、あった、あった、此処だ。


『アイルーとメラルーのニャーニャー料理店』


「兵藤、この店か?名前からして猫がいそうな気がするんだけど・・・・・」


「匙、その答えはこの店の中にある。―――入るぞ」


この店の扉のノブを掴み回しながら入ると


『いらっしゃいませニャー!』


入ったと同時にこの店に働く猫―――アイルーとメラルーに出迎えられた。丁度、料理を持って先客に持って

いこうとした頃だったみたいだ。カウンターに向かい店員に人数を教えると「五階なら空いておりますニャ、

申し訳ないですが五階に赴いてくださいニャ」お辞儀して申し訳なさそうに俺に説明してくれた。俺はその

ことを皆に伝え、五階に上がる移動用魔方陣に行くように促す。


「ほ、本当に猫がいた・・・・・!しかも、立って、歩いて、喋って、料理を作っている!?」


『か、可愛い!』


そんな中、匙が働いているアイルーとメラルーを見て驚愕してシトリー眷属やマリアたち女子がアイルーたち

を見て瞳をキラキラと輝かせた。『お持ち帰りぃ!』とか、言わないよな・・・・・?少し心配になるが殆ど

皆は五階に行ったみたいで俺たちも五階に向かった。光に包まれ一瞬の閃光が起きたと思えば別の空間に

入っていた。かなり広い。椅子は切断された木の断面、テーブルも木で作られた物だった。

複数で座る席も有った。俺たちは自由に席に座り、店員に声を掛けると


『いらっしゃいニャ!』


五階にスタンバイしていたアイルーたちがお冷と少し熱めのおしぼりを席に座る俺たちに配り始めた


『ご注文をお選びに成られたら御呼びくださいニャ!』


そう言ってアイルーとメラルーの店員は厨房の方へ消えていった。えっと、注文は―――


肉コーナ『肉×肉 肉×野菜 肉×魚介  肉×殻物 肉×果実 肉×乳製品 肉×酒』


野菜コーナ『野菜×野菜 野菜×魚介 野菜×殻物 野菜×果実 野菜×乳製品 野菜×酒』


魚コーナ『魚介×魚介 魚介×殻物 魚介×果実 魚介×乳製品 魚介×酒』


殻物コーナ『殻物×殻物 殻物×果実 殻物×乳製品 殻物×酒 殻物×酒 』


果実コーナ『果実×果実 果実×乳製品 果実×酒 乳製品×乳製品 乳製品×酒』 


乳製品コーナ『乳製品×乳製品 乳製品×酒』


酒コーナ 『酒×酒』


肉の食材『くず肉 堅肉 鳥肉 ゴムジャーキー サイコロミート ワイルドベーコン ガブリローズ 

     ミートワゴン 七味ソーセージ モスポーク プリンセスオーク キングターキー ポポノタン 

     マトングレート ギカントミート リュウノテール 龍頭 龍足 ガビアルカルビ』


野菜の食材『棍棒ネギ まだらネギ ジャンゴ―ネギ ドテカボチャ ふたごキノコ オニオニオン 

     砲丸レタス ポッケポテト ヤングポテト キングトリュフ シモフリトマト レアガーリック 

     マイルドハーブ スライスサボテン 西国パセリ 五香セロリ 四つ足ニンジン』


魚の食材『ホタテチップ 大巻貝 オンブウオ ワカメクラゲ くの字エビ 女王エビ 女帝エビ 骨タコ 

     大王イカ スパイフグ 兜ガニ 千年蟹 スネークサーモン ブリカブト 紅蓮鯛 

     たてがみマグロ ピンクキャビア』


殻物の食材『粒麦 ウォーミル麦 フラヒヤ麦 ジャリライス ビンビーンズ ミックスビーンズ 

     ソウルビーンズ ミミパン 頑固パン ウマイ米 ココット米 大雪米 黄金米 ココットライス 
     古代豆 ジャンボパン クック豆 ヘブンブレッド マスターベーグル』


果実の食材『フルーツジャム オイルレーズン 北風みかん 氷樹リンゴ 炎熱マンゴー 長寿ジャム 

      エメラルドリアン』


乳製品の食材『ネンチャクリーム クヨクヨヨーグルト 苔チーズ 粉吹きチーズ 熟成チーズ チリチーズ 
      レッドチーズ ロイヤルチーズ 幻獣チーズ 頑固ミルク 塩ミルク 長寿ミルク 猛牛バター 
      幻獣バター 』


酒の食材『泥芋酒 ホピ酒 達人ビール フラヒヤビール モガビール バニーズ酒 狩人ビール 

     達人ビール 鬼芋酒 バニーズ酒 黄金芋酒 ブレスワイン 龍殺し』 


『多っ!?しかも、何コレ!不明な食材がある!』


い、何時の間にこんなにも多くの食材を手に入れて増やして料理をしているんだ・・・・・!?


「すげぇ!気に成る酒がいっぱいあるぞ!?」


「これ、全部食べる」


『ぜ、全部!?』


オーフィスの言葉を聞いて俺たちは異口同音で驚きの声を張り上げた!いや、金はあるけど大丈夫なのか!?


『決まりましたかニャ?』


「これ、全部」


『ニャ、ニャ、ニャ!全部ですかニャ!?』


オーフィスのオール注文につぶらな瞳を大きく開いて驚くアイルー、メラルーの店員!オーフィスの注文を

聞いた後は俺たちの注文を聞き慌てて厨房の方へ消えた。すると『い、急いで全料理を作るニャー!』や

『ニャ、ニャンですとぉー!?』と慌てた声が俺たちの耳に入った


「オーフィス、全部食えるのか?」


「食べる」


コクリと俺の隣に座る少女は頷いた。不明な食材があるのに大丈夫か・・・・・?十数分後、数々の料理を

せっせと頭の上に乗っけて運んできた十数匹のアイルーとメラルーたちがやって来た


『お待たせしましたニャ!』


『おおっ!』


『可愛い!』


『え、そっち!?』


と、アイルーたちの可愛らしさに料理より目を向いたようだ。花より団子・・・・・じゃない、

料理よりアイルーとメラルーだな。今の彼女たちは


『それでは、お召し上がりくださいニャ!』


『いただきます!』


一斉に皆は料理を食べ始めた


「か、辛ぁぁぁぁぁぁ!?」


「うわっ、何だ!?初めての感触と味だ!」


「げ!本当に龍みたいな頭だ!・・・・・これ、どうやって食うんだ?」


「美味い!この酒、今まで飲んだ酒より超美味いぞ!」


「美味しい・・・・・」


「本当に紅蓮の色をした鯛ね。・・・・・美味しいわ」


「黄金の米を食べるなんて・・・・・、何か勿体ないです」


「エメラルドリアン。そのまんまの名前ですね。ですが、美味しいです」


「長寿ミルクと長寿ジャム・・・・・」


「猫の作る料理は美味しいな」


「・・・・・美味しいです」


「人間界と冥界の高級料理よりこっちの方が美味しいとは・・・・・」


「美味しいです!」


「凄いです!食べた瞬間に肌が光りました!」


と、皆は未知なる食材と料理に驚きと感動の表情を浮かべた


「このおさけ、さいこうれす〜!こんろはこのおさけをくらさーい!」


「だ、誰だ!?ロスヴァイセに酒を飲ました奴は!?」


げ!ロスヴァイセが酒を飲んだのか!?


「次」


『ニャ!?もう食べ終わったのかニャ!』


オーフィスが数分で食べ終わり、次の料理を出すように催促した


「うーん・・・・・」


バタンッ


「ガ、ガイアさん!?」


「・・・・・ぐぅ」


「え、寝ている・・・・・?・・・・・あっ、もしかしてこの『龍殺し』って酒を

飲んだから・・・・・?・・・・・」


ガイアが酒を一口飲んだだけで寝てしまう酒だと!?慌ててガイアに振り向くと俺の視界にガイアが飲んだ

酒が気に成ったのか自分のコップに一口の量を注いで口に入れた龍牙の姿が・・・・・。だ、大丈夫―――


「・・・・・」


ドサッ


「龍牙!?」


『あ、頭がクラクラするぞ・・・・・?なんだ、この感覚は・・・・・』


ファフニールすら影響を及ぼすのか!?


「・・・・・試しに俺も―――」


「ま、待て!ヴァーリ!」


「・・・・・」


二人を見てヴァーリは好奇心から来たのか自分も『龍殺し』の酒を飲み始めた!止めようとしたが既に

遅かった!飲んだ途端、こいつの顔は今まで見たことないぐらいに真っ赤に染まったと思えばテーブルに

突っ伏してイビキを掻いて寝始める!アルビオンは・・・・・?


『うおおおおおん!うおおおおおおおん!』


な、泣き上戸!?しかも『どうせ私はケツ龍皇と呼ばれているドラゴンだぁぁぁ!』と自嘲の言葉を発した!

それを見たアザゼルは口の端を吊り上げて龍殺しの酒を二つのコップに注いだら成神とその隣に座っている

匙の方へ向かって


「おい、匙とイッセー」


『うん?何ですって、ぐがぼはあぁぁ!?』


うわ、不意打ちで飲ましたよ。この総督・・・・・。二人の様子を見たら


「部長おおおおっ!」


「イ、イッセー!?」


「お、俺!部長のことが、リアスのことが好きだぁぁぁぁぁ!愛しているぅぅぅ!」


「―――!?」


酔った勢いでグレモリー先輩に告白したあああああああああ!グレモリー先輩も酒を飲んだ訳でもないのに顔

全体に真っ赤に染まった!アルマスさんとヴェネラナが大喜びしてサーゼクスとグレイフィアも温かい目で

二人を見守っている


「わ、私も・・・・・イッセーのことが・・・・・・!」


「・・・・・ぐぅ」


グレモリー先輩もきっと『好き』と言おうとしたけど残念、成神は寝てしまった。匙の方は?


「会長!俺は貴方のことが好きです!付き合って下さい!」


「―――!?」


「元ちゃん!?」


「元士郎!?」


俺の婚約者に告白していた!シトリー眷属の二人の女子がソーナに告白する匙にショックを受けていた!


「―――ごめんさない、私はイッセーくんのことが好きなのです」


「―――――――」


申し訳なさそうに匙の告白を断った。匙は余りのショックに気絶してしまったようだ。シトリー眷属の二人の

女子は匙を介護しようと離れた席に移動させていった


「おい、オーフィス。お前もこれを飲んでみろ」


アザゼルが料理を食べているオーフィスにまで飲ませようとしていた!


「アザゼル!そこまでにしろ!面白半分に飲ませようとするんじゃない!」


「良いじゃねぇか。真龍と二天龍、龍王の奴等が全員『龍殺し』の酒で酔って寝たり、感情を爆発して自分の

本音を打ち明ける効果が出たんだ。何時も無表情で口数が少ないオーフィスを飲ましたら一体どうなるか気に

成るだろう?」


「た、確かに気に成る・・・・・!だけど、酔ったら何仕出かすか解らないんだぞ!?」


「ほれ、オーフィス。これを飲んだら兵藤が嬉しいて言っているぞ?」


「我、飲む」


「オーフィス!それを飲むんじゃ―――」


ゴクゴクッ・・・・・


と、オーフィスが『龍殺し』を飲んでしまった・・・・・。俺は念のために臨戦態勢の構えを取り

オーフィスの様子を窺った。そして、皆と同じように顔を赤く染めた。このまま寝てくれれば

良いんだけど・・・・・


「・・・・・」


オーフィスが顔を俺に向けた。な、なんだ・・・・・?


「イッセー♪」


「・・・・・はっ」


「イッセー!我はイッセーが好きだ!ずっと一緒だ!」


・・・・・オーフィスが満面の笑みを浮かべ明るい声で俺に抱きついてそう言った


「イッセー、『あーん』をして欲しい!」


「あ、ああ・・・・・。あーん」


「あーん♪」


戸惑いながらオーフィスの口に料理を入れると嬉しそうに食べた


「こ、こいつは驚いた・・・・・。あのオーフィスがこんなに変わっちまうなんて・・・・。でも、面白い!

これは良い結果が出た!」


「アザゼル!五月蠅い!我はイッセーに『あーん』をしてもらっているんだから黙ってて!」


「は、はい。すいません・・・・・。って、何で俺は怒られて謝っているんだ?」


そんなアザゼルを他所に俺は再びオーフィスに『あーん』をねだられ、彼女が満足するまで続いた。

そのあと、戸惑ったけど明るく笑顔を浮かべるオーフィスと話をした。―――『龍殺し』恐るべし!


「イッセー・・・・・」


「ガ、ガイア。起きた――――んぐぅ!?」


「ん・・・・ちゅる・・・・・ちゅく・・・・・ちゅぷ・・・・・」


ガイアが俺呼んだので振り返り声を掛けようとしたが、いきなりキスをしてきた!しかも、俺の歯をこじ

開けて何かを流し込み始めた!?喉に通る火傷しそうなこの熱さは・・・・・!?


「・・・・・ふふっ、どうだ?我の酒の味は格別であろう?」


「さ、酒・・・・・!?」


ガイアの手には『龍殺し』の酒があった!じゃあ、俺が飲んだものは『龍殺し』!?


『あ、主ぃ・・・・・。なんですかぁ?この感覚はぁ・・・・・。頭が痛いですぅ・・・・・』


『ぐおおおおっ・・・・・!い、痛い・・・・・!頭が割れそうだぁ・・・・・!』


ゾラードとメリアにも影響するのかよ!?


「うん?まだ、酔っていないようだなぁ・・・・・。もう一度、我から飲まして

やろうじゃないか・・・・・」


「ぐ、和樹!ザフィーラ!助けてくれ!」


『わ、解った!』


二人も危険を感じたようで、ガイアの方へ向かうが


「邪魔だ」


『―――!?』


瞳を輝かせたと思えば二人は倒れ込んでしまった!や、やばい!


「アザゼル!サーゼクス!ミカエル!」


「すまない」


「すみません」


「はっはっは!悪い、無理だ」


即答かよ!?それでも三大勢力のトップか!


『真龍に敵う訳ない』


「ちったぁ努力しろおおおおおおお!!!」


「イッセー、五月蠅いぞ。・・・・・んむぅ」


「むぅー!!!」


再び強力な力で俺の顔を掴んで唇を押しつけ口の中に酒を飲まされる!今度はさっきと比べに成らない

ほどの量だ!ガイアはそのまま、俺の舌を酒の味が付いた舌で激しく水音を立たせるぐらいに絡め始めた。

刹那、俺の頭がボーとしてきて段々と思考を奪っていった。や、やばい・・・・。意識が・・・・・


ガタンッ


「ふふふ・・・・・。イッセー、我とお前はずっと永遠に一緒だ・・・・・」


酔った彼女の言葉を最後に俺は気を失った・・・・・。

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