小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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友好と新世界へ(3)


「・・・・・ぐっ、頭が・・・・・」


頭に襲う鈍い痛みを耐えながら起き上がる。あれからどれぐらい経ったんだ・・・・・?


「・・・・・?此処は部屋か・・・・・?」


辺りを見渡すと見慣れない部屋だった。もしかして、俺が意識を失ったから一時中断してどこかのホテルに

泊まったのか?


『主・・・・・』


『ようやく、目を覚ましたか・・・・』


「ゾラード、メリア。お前等、もう大丈夫か?」


俺の中にいる二匹のドラゴンが話かけてきた。酒の影響で二匹も頭痛になったからな


「みんなは・・・・・?」


『酒に酔った者はこの建物の部屋で寝ている。別々だがな』


「此処は・・・・・?あれからどれくらい経った?」


『数時間経ちました。ここはとある高級ホテルです。』


「あの後どうなった・・・・・?」


俺が一番気になった事を聞くとゾラードとメリアは沈黙してしまった


「お、おい?」


『―――非常に言いにくいのですが・・・・・知りたいですか?』


・・・・・俺はメリアたちが言い難いほどのことをしたのか・・・・・?


「・・・・・頼む」


『解りました。―――あの後、真龍に酒を飲まされた主は意識を失ったのは覚えていますか?』


俺は頷く。其処までしか覚えていない


『真龍は気を失った主を抱え添い寝しようとしましたが、酔った龍神もそれに便乗して一緒に寝ようと

しました。ですが、突然、気を失った筈の主が体を起こし―――皆へ愛情の言葉を言いだしたのです』


「・・・・・マジで?」


『しかも、主が好いている天使と悪魔にも言っていたぞ。「俺もお前等のことが好きだ」とな』


「はあああああああ!?」


ゾラードの発言で俺は驚愕の声音を発した!まだ、二人のことを考えていないんだぞ!?どうして気を失った

そん時の俺はそんなことを口走った!?


『無意識に心のどこかで主は天使と悪魔のことを好いていたと思うぞ』


無意識に心のどこかで・・・・・?俺は二人を好きになっていたのか・・・・・?

俺は困惑してしまう・・・・・


『因みに今は夜だ。酔った主たちをメイドに任せて祭りに行ってしまった』


「そうか、祭りがあったんだ。なら、俺も行くとしようかな・・・・・」


「ダメです。まだ、安静にしないといけません」


ベッドから降り立ち上がった直後、リーラがそう言いながら入って来た


「リーラ・・・・・。迷惑を掛けたようだな」


「いえ、ご主人さまの面倒を見るのはメイドの務めですから・・・・・」


「ガイアたちは?」


「ぐっすり眠っておられます。『龍殺し』のお酒は予想以上に龍に効き目があるそうです」


あんな酒をゲームに出されたら絶対にヤバいぞ!?アイルーたちには悪いけど、あの酒は販売禁止に

させてもらわないとダメだな


「みんなはどれぐらいで帰ってくる?」


「一時間ぐらいです。花火を見に行くと仰っておりましたから」


「そうか、なら―――」


彼女の腕を掴み俺と一緒にベッドに倒れ込む


「その時間の間、俺と二人きりだな。リーラ」


「・・・・・そうですね。一誠さま」


「今は俺と二人きりなんだからメイドはOFFだ」


「・・・・・解ったわ、一誠」


リーラは徐に俺に抱きついてきた。俺も抱き返して、リーラと密着した


「一誠が酔った儘、私たちに愛の言葉を言ってくれたの。覚えている?」


「記憶には無いけどゾラードとメリアから聞いた。凄く、恥ずかしかった」


「聞かされる方も恥ずかしかったわよ。『リーラ、お前は永遠に俺のメイドだ、愛しい女だ、

俺から離れるなよ?これは命令だ!』って」


「俺はそんなことを言っていたのか・・・・・」


後で過去に戻って叩き起こしに行こうかと思った


「私は嬉しかった。メイドとして、一人の女として、私は嬉しかった」


俺の背中にまわした腕をさらに力を入れてきた


「一誠、私は誓うわ。この命が尽きるまで貴方の傍にいることを・・・・・」


「ああ、嬉しいよ。俺の愛しいリーラ・・・・・」


「一誠」


「リーラ」


どちらかでもなく俺たちはキスをした。顔を動かしながら舌を絡ませ合い、お互いの体を撫で回し始めた。

彼女の髪を解き綺麗なロングに戻すとメイド服の上から豊満な胸を揉み始める。彼女は恍惚とした

吐息を漏らす


「はあ、はあ、はあ・・・・・。一誠・・・・・」


「いいか?」


俺が問うとコクリと頷いた。


「ええ、私の心と体は貴方のものよ。貴方のものだと私の体に刻んで」


「―――リーラ!」


俺は彼女を覆い被さると、リーラと激しく愛し合った



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



数十分が経過した。まだ、し足りないが皆が戻ってくる頃なので情事を終えた


「一誠、気持ち良かったわ・・・・・」


「リーラも上手くなったな。勉強でもしたのか?」


「もう、解り切った事を聞かないでよ・・・・・。恥ずかしいじゃない」


俺に背を向けて恥ずかしそうにする彼女を思わず背中から抱き締めてしまった


「可愛いな。俺のメイドは」


「ふふ、私は幸せ者ね。こんなに素敵なご主人さまに愛されているのだもの」


「俺も幸せ者だ、こんなに優秀で、綺麗で、可愛い少女がメイドなんだからな」


リーラは顔だけを俺に向けて目を閉じた。その行動を理解して俺も目を閉じて彼女の唇に押しつけた。舌を

口内に入れて彼女の舌と絡め合うと体をこっちに向いて俺の首に腕を回して豊満な胸を押しつけるように密着

してキスに没頭する。腰と背中に手をやり、さらに密着しようと俺も動かす。少しずつ手を下に移動させ形が

良く張りがある柔らかい尻を少し愛撫でるとギュッと鷲掴みして上下左右、尻の形を変えんばかりに動かす


「んっ・・・・・ふっ・・・・・ぅん・・・・・あっ・・・・やん」


俺の愛撫でに彼女は口の隙間から息を漏らす。そして、数分後、お互いキスを止めて唇を離すとツゥーと

銀色の糸ができた。俺とリーラの愛の証の唾液の糸が・・・・・


「そろそろ・・・・だな」


「ええ・・・・・」


プツンと銀色の糸が切れたと同時に俺とリーラは最後にキスをしたら体を起こし浄化の能力で臭いを消し、

体を綺麗にして服を着る


「あっ、リーラ。今日は髪をそのままにしてくれないか?」


「どうして?」


「キミのこの幻想的で綺麗な銀色の髪をこのままにして見てみたいんだ」


ロングヘアーと化となった銀の髪を触れるとサラサラと俺の手から逃げる際にキラキラと銀色に輝かせる

髪を見て言った


「・・・・・解ったわ。一誠がそう言うなら今日はこのままにするね」


「ありがとう。それと、やっぱり今日はメイドの仕事はOFFだ。シンシアにもそう言っておく。

和樹も喜ぶだろうし」


「一誠は優しいのね」


「家族を大事にしたいだけだ」


少しそっけなく言うと「私はそういう貴方が好き」とリーラは微笑みの笑みを浮かべた


ガチャ


「あっ、起きていたんだ。体、大丈夫?」


「ああ、大丈夫だ。・・・・・そっちは随分と楽しんだようだな」


この部屋に着替えたのだろう、浴衣姿の和樹が入って来た。和樹のあとに浴衣姿のアザゼル、サーゼクス、

ミカエルも入って来た。―――頭にお面や手に水風船、綿飴、リンゴ飴と他にも色々と持っていた


「お前が寝ている間にこっちは楽しんで来たぜ!祭りって良いな!あんなに楽しんだのは

久しぶりだったぜ!」


「私もつい、はしゃいでしまいました。祭りとは楽しいものですね。夜空に咲く花を見て感動しました」


「明日も祭りをやるそうだから、また行こう。楽しまないと損だからね」


「サーゼクス、良いこと言った!兵藤、明日はお前も一緒だぞ!一緒に祭りに行こう!」


本当に楽しんだようだな。三人の顔には笑顔が浮かんでいた。


「そうしよう。今度は姫島先輩たちも連れて行こう。―――で、和樹。他の皆は?」


「今日はこのホテルに泊まる予定だよ。だから、皆は自分の部屋に戻って休んでいると思うよ」


「そうか。それはそうと、和樹。シンシアに『メイドの仕事はOFFだ』と伝えておいてくれ」


「解った、ありがとうね。一誠」


和樹はそう言って部屋から出て行った。早速シンシアのところに向かったか


「それでは、私たちも失礼しよう」


「おやすみなさい。兵藤くん」


「じゃあな!」


サーゼクスたちも自分の部屋に戻っていった。リーラも俺にお辞儀して自分の部屋に戻っていった。

―――でも


「暇だぁ・・・・・」


時計を見ると午後11時・・・・・。皆は自分の部屋に戻って寝ているか寛いでいるんだと思う


「・・・・・。外に行くか」


念のために置き手紙を残して部屋を出る。玄関ホールに赴くと


「兵藤・・・・・」


「匙か」


バッタリと匙を出くわした。確かこいつもアザゼルに『龍殺し』の酒を飲まされたんだったな


「体は大丈夫か?」


「何とかな・・・・・。何処にくんだ?」


「暇だから外に出ようと思ってな」


「そうか」と匙は俺の言葉に納得したようだ。すると「俺も良いか?」と訊いてきた


「別にいいけど置き手紙はしておけ、待っているから」


「悪い」


匙は急ぎ足で自分の部屋に戻っていった。そして、数十秒で戻って来た。俺は匙を引き連れホテルの

外に出た。さて、何処に行こうかな・・・・・?―――そうだ


「匙、良いところに連れて行ってやるよ」


「・・・・・良いところ?」


「明日、連れて行こうと思っていたところだ。先にお前だけ連れて行ってやるよ」


「ついて来い」と匙に促して俺はとある場所へ向かった



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「なあ、一体何処まで行けば着くんだよ?」


匙と一緒に歩いて数十分、匙が少し疲れた表情を浮かべて言った。「もう直ぐだ。てか、このぐらいでもう

疲れたのか?」と訊くと嘆息を漏らす


「あれからどんだけ、歩いたと思っているんだよ?」


「体力が無いな。そんなんじゃあ、身が持たないぞ?」


「お前等と違ってこっちは忙しいんだよ!生徒会の仕事とか、色々と!」


「だったら、俺たちと一緒に暮らすか?そしたら体力が付くどころか強くなれるぞ?それか、此処に

移り住んで力を付けるか?」


「・・・・・遠慮させてもらう。お前等の修行は死ぬ覚悟が必要な程だって訊いた事あるからよ」


・・・・・はあ、そんな気持ちのままだとお前は弱いままだな


「着いたぞ。此処だ」


「・・・・・学校のような建物だな」


俺と匙がとある建物の門の前に立った。匙の言う通り学校のような巨大な建物だ


「ああ、お前の言う通り此処は学校だ。ここで問題、此処はどんな学校だと思う?」


「は?いきなり何言っているんだ。人間界にある何処も同じ学校なんだろう?」


「・・・・・はあ」


俺は匙の答えに嘆息した。「な、なんだよ・・・・」とこいつは怪訝な顔をする


「此処は―――レーティングゲームを学ぶ専用の学校だ。」


「―――え?」


「お前とソーナの夢、レーティングゲームを誰でも階級も貴族も関係無しに自由に学べる学校だ。

当然、種族もだ」


「・・・・・」


匙はジッと学校を捉えたまま動かなくなった


「この世界を作る際に一番初めに創ったのがこの学校だ。途中からだけどソーナもこの学校を一緒に

創ったぞ」


「会長が・・・・・?」


「そうだ、汗水垂らしながら創ってこの学校を完成した時には嬉しそうにしていた。『匙もこの学校の先生に

なってくれたら私は嬉しいです』って言っていたし」


「会長・・・・・」とまた呟く匙に俺は小型の機械で無人タクシーを呼んだ


「匙、そろそろ帰るぞ」


「・・・・・なあ、兵藤」


「なんだ」


「会長の両親が勝手に会長の婚約者にされて会長と婚約を結んだって知っているけど・・・・・

お前はその時、何とも思わなかったのか?」


あの時のことか・・・・・。―――懐かしいな


「そりゃあ、思ったぞ。いきなり婚約者だってセラフォルーから聞かされて驚いたし『何で俺なんだ?』って

思った。ソーナだってお前より接してもいなければ話したことすらなかった」


「・・・・・」


「でも、上層部たちがお前等の夢を馬鹿にされたときソーナの顔を見て気付いたんだ。顔には出してはいない

けど泣いているってことを・・・・・」


初めて出会ったヴァイラと同じ様に言った。


「匙、あの時のお前の行動は正しかったと俺は思うぞ。周りは正しくないと言おうがな。実際、俺もあの時に

あの行動をしたあとグレモリー先輩が『何であんな行動をしたの!』と正しくないと言われながら魔力付きで

頬を叩かれたぞ」


「うわぁ・・・・・」と少し可哀想な目つきで俺を見る。匙、そんな目で見るな!


「因みに訊くけど、お前は酒を飲まされたあと記憶はあるか?」


「いや、全然記憶がない・・・・・。でも、会長に告白したけど振られた夢を見た・・・・・」


「そ、そうか・・・・・。(実際、夢じゃなくてリアルでしたんだけどな・・・・・)」


「兵藤、例えお前が会長の婚約者だとしても俺は・・・・・会長が好きだ!一人の女性として好きだ!」


―――こいつの言葉に少し、驚いた。好意を寄せているのは解っていたけど堂々と俺に宣言するとは

思いもしなかった


「夢じゃあ、振られたけど・・・・・。夢は夢だ!―――決めた。俺、明日・・・・・、会長に告白する!」


マ、マジ!?お前・・・・・告白する気なのか!


「だ、だから、兵藤・・・・・。俺に協力してくれ!」


「あほかぁぁぁぁぁぁ!」


バシンッ!


ハリセンでソーナの婚約者の俺に頭を下げて頼み込む匙に思いっきり頭に叩く!匙は余りの痛さにその場に

座り込み頭を押さえる


「成神に頼むなら理解できるけど、どうして俺に頼むんだ!?俺はソーナの婚約者だぞ!」


「〜〜〜っ!い、言い方を間違えた・・・・・っ。俺と会長を賭けた勝負をしたい!」


「・・・・・本気で言っているのか?」


「ああ!本気だ!」


こいつは俺の実力を知っている筈だ。こいつはそれを承知の上で望んでいる


『・・・・・』


暫しの間、俺と睨むように俺の瞳を据える匙。・・・・・本気のようだな


「解った、だけど、条件がある」


「条件・・・・・?」


「ああ、それは―――」


匙に条件を言いだすと、匙は承諾した。その後、俺が呼んだ無人タクシーが到着。俺たちは無人タクシーに

乗車して皆が泊まっているホテルに戻っていった


「それじゃあ、また明日。おやすみ」


「・・・・・おやすみ」


ホテルの玄関ホールに入って各部屋に戻る俺と匙。さて、明日は―――


ガチャ


「んんぅ・・・・・」


「・・・・・」


・・・・・何で、イリナが俺のベッドで寝ている。って、そう言えば夜になったら話があるって言っていたな


「・・・・・起こすのも何だしこのまま寝かせるか」


二人分寝転がれる大きさのソファーに寝転がり俺は就寝した


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