小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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友好と新世界へ(5)


三年のレーティングゲームが終わった。すると会場の席に座っている生徒たちが俺たちの存在に気付き始めた


「あそこにいるのは・・・・・校長先生と・・・・・理事長!?」


「ノーヴェ先生もいるぞ!」


「トーレ先生もだ!」


「てか、先生が全員いるじゃん!それに、あの人たちは一体誰だ・・・・・?」


生徒たちはサーゼクスたちの存在にも気付いた。校長が何時の間にか持っていたマイクを口元に近づけて

生徒たちに言った


『このお方たちは理事長が住んでいる世界の冥界と天界のトップの方々です。―――失礼が生徒たちに

自己紹介をしてくれませんか?』


校長はサーゼクスにマイクを渡した。サーゼクスはコホンと息を吐くと口を開いた


『私は冥界の四大魔王の一人、サーゼクス・ルシファー』


サーゼクスはそう言うとアザゼルにマイクを渡した


『俺は堕天使の頭をやっている。堕天使の総督、アザゼルだ』


「そらよ」とアザゼルがミカエルに投げ渡した。難なくマイクを受け取り口を開いた


『私は天界の天使長のミカエルと言います。私たちは彼、兵藤一誠くんと友好を結ぶ為にこの世界に

訪れました。みなさん、私たちの世界に住む天使と堕天使、悪魔と仲良くしてくれたら嬉しい限りです』


三人が自己紹介を終ると生徒たちはざわめき始めた。俺は校長からマイクを貰うと言葉を発す


『3−Hと3−Fの生徒たち少ししか見ていないがお互い力を出し切って戦っていたようだな。それでいい。

だが、それは何のために力を振るった?』


『・・・・・』


『ただ、勝つために力を振るったのならば、お前たちは大切なものを守れない。仲間の為に、仲間を想う心、

愛する者への想いが無ければお前たちは己自身にも負ける。―――いいか、想いを力に変えろ!その力はお前

たち自身を強くしてくれる!そのことを忘れるな!』


『はい!』


生徒たちは声を張り上げて返事をした。


『では、急遽だが。お前たちに俺が現在住んでいる世界の悪魔の実力を知ってもらおうか。自分の実力はどの

程度なのか知りたいだろう?』


『ええええッ!?』


『おおおっ!』


俺の言葉にグレモリー眷属、シトリー眷属、フェニックス眷属の面々が驚きの声を上げた。生徒たちは違う

世界の悪魔の実力を興味津々だ


「ちょ、ちょっと!どうして私たちが戦わないといけないの!?」


「そ、そうだぞ!」


「イッセーくん!?」


グレモリー先輩、ライザー、ソーナまでもが驚きの表情を浮かべながら俺に問いただした


「ソーナは兎も角・・・・・。グレモリー先輩とライザーは生徒に勝てる自信が無いのか?」


『なっ!』


「そうか、自身が無いのか。冥界の悪魔を代表としてグレモリー先輩とライザーがソーナとこの学校の生徒に

実力を見せて上げたかったんだけど・・・・・。残念だ、生徒たちに『冥界の悪魔は臆病で弱いんだ』とか

『冥界ってあんな悪魔しかいないのか?』ってそう認知されるけど仕方ないな。二人がやる気が無いなら

しょうがないよな。・・・・・はあ、二人の所為で冥界の悪魔の印象が台無しだな。その魔王のサーゼクスと

セラフォルーも臆病者だと認識されるだろうなぁー・・・・・」


俺が嘆息して肩を竦め「二人にはガッカリしたよ」と侮蔑したような態度をしたその時だった


「解ったわよ!やればいいんでしょう!やれば!」


「お前に言われると腹がたつ!絶対に弱い悪魔じゃないって証明してやる!不死鳥の恐ろしさを

教えてやるよ!」


怒りのオーラを身体中に迸らせて戦う意思を示した二人


「ん、二人の戦意は解った。ソーナ、お前も一緒に戦って生徒たちに実力を見せて欲しい」


「もう、しょうがないですね。―――ですが、私の眷属たちもこの学園の生徒たちもお互いの実力を知る

好機でもありますね」


嘆息しながらも承諾してくれた。そして、成神たちにも言う


「グレモリー眷属、フェニックス眷属、シトリー眷属のみんなも当然参加だ。拒否の言葉を発したら冥界の

悪魔は臆病だと生徒に教えるからな」


『それだけは絶対に嫌(だ)!』


「なら、全員、戦闘服に着替えたらフィールドに移動しろ。校長、俺は生徒の方へ向かう。こいつらを

フィールドに向かう移動用魔方陣に案内してくれ」


「解りました。それで、どの生徒を?」と聞いてくる校長に顎に手を乗せて考える


「んー、33人だから悪魔と天使、堕天使の生徒をそれぞれ8人ずつ選んで出すか」


「ちょっと、朱乃がいないわ!」


グレモリー先輩が姫島先輩の不在を言う。あ、すっかり忘れていた


「忘れていたな。いま、呼ぶから」


『無限創造龍神の錫杖』を発現して能力を使った。三つの魔方陣が現れて一瞬の閃光が放ったと思えば姫島

先輩、バラキエル、朱璃の姫島家が現れた。バラキエルはキョロキョロト動かすと俺と視線が合うと怒り

気味で問い詰めてきた


「兵藤一誠!いきなり俺たちを召喚するとは一体どういうことだ!」


「悪い、悪い、ちょっと姫島先輩も戦ってもらいたいから呼んだんだ。も娘の戦いを見せたくて呼んだ」


「戦う・・・・・?一体、誰と戦うんですの?」


「此処の学校の生徒」と俺は顔を生徒たちに向けた。姫島先輩も生徒たちに顔を向けたら「えっ」と驚きの

表情を浮かべた。すると朱璃がいきなり俺に頭を下げてきた


「兵藤さま、娘と夫を会わせてくれて心から感謝します。―――ありがとうございました」


「気にするな。朱璃、俺はただ救済したかっただけだ」


「それでも、感謝を言いたいのです。ありがとうございました」


「姫島先輩とバラキエルと生活してどうだった?」


俺が問うと「やっと家族らしい生活ができました。夫は私が作った肉ジャガを泣きながら食べて何度も

お代わりをしたのですよ?」と声を控えめにして笑った 


「しゅ、朱璃!そんなことをこの男に言わなくても良いだろう!」


顔を最大限に真っ赤にして自分の妻に怒鳴るように言った。へえー、そんなことがあったんだ


「あっはっはっは!バラキエル、泣きながら朱璃の手料理を食べたのか!おっ、そうだ。今度、俺も一緒に

食べさせてもらおうかな?」


「ダ、ダメだ!いくらアザゼルでもそれだけは許さんぞ!」


「バラキエル、良いではないですか。私も一緒に食べてみたいです」


「シェムハザ!?」


とアザゼル、バラキエル、シェムハザの堕天使がそんなやりとりをした


「グレモリー先輩、姫島先輩を呼んだぞ」


「・・・・・ええ、まさか、朱乃のお母さまも一緒だとは思わなかったけど」


「甦らせた。ただ、それだけのことだ。ほら、校長に更衣室へ案内させるからさっさと行け」


犬を追い払うような仕草をしてグレモリー先輩たちを急かす。その言動に額に青筋を浮かべるがグレモリー

先輩は姫島先輩を連れて校長の後ろについて行った。ライザーとソーナとその眷属たちも一緒について行った


「ところでイッセー、悪魔と天使、堕天使を8人ずつ出すのは聞いたけど残りの9人は誰を出すの?」


「当然、俺たちに決まっている。メンバーは俺、ガイア、オーフィス、ルシファー、メイビス、

アスモデウス、ベルゼブブ、レヴィアタン、和樹の9人だ」


「兵藤くん・・・・・。いくらなんでもそのメンバーは無いと思うのだが・・・・」


「無敵だろう。そのメンバー・・・・・」


9人の名前を言ったらサーゼクスとアザゼルが冷汗を流してそう言った


「何言っているんだ。これは非公式で交流試合でもあるんだ。それに、生徒たちが全滅するまでは

手出ししないさ」


「俺たちだけでグレモリー先輩たちを戦ったら1分も持たないぞ」と生徒たちの方へ赴きながら俺は告げた



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



『只今より、交流試合を始めます!』


『わあああああああああああああああああああああああっ!!!』


会場にいる生徒たちは歓声を上げた。俺たちは待合室で待機している。俺たちは待合室に設置されている

テレビから映像を見ているんだが・・・・・数が多いな。校長、授業をしている生徒たちを呼んだな?しかも

教師もいるし・・・・・


『実況は3−Wの放送員の部長の私が務めさせていただきます!今回の交流試合のルールは短期決戦の

大乱闘でございます!』


フィールドの外に数字が表示されている機械があった


『時間以内に相手より人数が多かった場合や『王』を倒すことが今回の勝利の条件です!なお、このゲームに

はチェスの特性を取り入れていないので『兵士』は『プロモーション』ができません!己の力で相手を

倒してください!』


そう、この世界のレーティングゲームはチェスの特性なんて取り入れていない。此処は冥界ではないからな


『それでは、今回の交流試合に参加するメンバーをご紹介しましょう!まずは理事長と先生たちが住んでいる

世界の悪魔たちです!リアス・グレモリーが率いるグレモリー眷属!』


テレビの映像にグレモリー先輩たちが現れた。生徒たちは緊張した面もちで映像を見ている


『ソーナ・シトリーが率いるシトリー眷属!』


今度はソーナたちが現れた。


『ライザー・フェニックスが率いるフェニックス眷属!』


最後は堂々とした態度でフィールドに現れるライザーたち


『最後にこの学園の理事様が率いるメンバーです!』


『わああああああああああああああああああああっ!』


「お呼びだ。移動するぞ」


『は、はい!』


緊張した声音で発する生徒たちに苦笑いしてしまう


「大丈夫だ、何時も通りに戦えば良いんだ。お前たちは自信持って戦えばそれで良い。今回の試合は勝ち負け

関係なしの試合だ。ただ、相手の実力を肌で感じれば良い」


『理事長・・・・・』


「―――だから全力で相手にぶつかって来い!いいな!」


『はい!解りました!』


生徒たちに声を張り上げて発した。生徒たちの表情に緊張の面もちが無くなった。


「行くぞ!」


『おお!』


フィールドに赴く俺たちに歓声が沸く。グレモリー眷属、シトリー眷属、フェニックス眷属と対峙するとフィ

ールドの景色が一変した。辺りを見渡すとドロドロと赤く流れる液体のようなものが流れているのが見える


『フィールドはマグマが流れているフィールドに変わりました!このフィールドは仕掛けがございますので

注意してください!―――では、始めてください!』


仕掛けか・・・・・。一定時間になったら発動する仕組みになっているな?


「―――行け!」


『うおおおおっ!』


俺たちはその場で待機して生徒たちを向かわせる。-『王』のグレモリー先輩、ソーナ、ライザーも様子見を

するのか自分たちの眷属を向かわせた。そして、生徒たちと眷属たちが衝突した


ガキンッ!ドゴンッ!ガガガ!ギインッ!


激しい攻防が続く最中、8人の天使が翼を羽ばたかせ空高く舞い上がった。


『はああっ!』


『食らえ!』


光の光線、弓、槍などグレモリー先輩たちに放った。それに気づいたグレモリー先輩は皆に避けるように

指示を出すが


『―――っ!?』


回避行動を失敗したライザーとソーナの数名の眷属たちが当り光に包まれて消えてフィールドから消えた


『フェニックス眷属8名、シトリー眷属2名リタイア!』


「朱乃!」


「―――雷光よ!」


「避けろ!」


『―――!』


ビガッ!ガガガガガッ!


姫島先輩が手から雷光を放とうと察知して上空にいる天使の生徒たちに指示する。生徒たちは素早く雷光を

避けた。


「速い!」


「当り前だ、此処の生徒は中学3年頃になったら戦闘能力と身体能力を中心に上げる授業を受けることに

なっている。―――ソーナと小猫、ロスヴァイセ、レイヴェルは兎も角、修行とか鍛練をあんまりしていない

グレモリー先輩たちにそう簡単に負けるわけがない。―――ライザー・フェニックスの『女王』には

気をつけろ!爆弾の魔力を使ってくるぞ!」


『解りました!』


生徒たちがライザーの『女王』を警戒しながら攻撃をしていく。『女王』も爆弾の魔力で生徒たちに攻撃

するが、生徒たちに翻弄されて攻撃が無力されてしまう


「―――ここだ!」


一人の悪魔の生徒が隙を見つけ瞬時で近づき近距離で巨大な魔力弾をライザーの『女王』にぶつけた。今の

攻撃で致命傷を負ったようで体が光りだしてフィールドから消えてしまった


『フェニックス眷属1名、リタイア!』


「シトリー眷属にも気をつけろよ!カウンター技を使ってくるからな!特にそこの男は龍王に覚醒する!手が

空いている奴はそいつを倒せ!」


『はい!』


数名の堕天使と天使、悪魔が一斉にシトリー眷属―――匙に襲いかかった


「そうはさせるかよ!」


赤い全身鎧を身に纏った成神が匙の前に立ち生徒たちと攻防し合う


「そいつは天龍の魂を宿し冥界では有名な悪魔だ!お前たちにとってはかなりの強敵だが、女生徒は戦おうと

するなよ!そいつは触れただけで女の衣類を悪魔如くに弾き飛ばす!そして、全裸になった女の体を記憶す

るぞ!特に女の胸を記憶する!俺の世界では『おっぱいドラゴン』と世界中に知れ渡るほどの胸好きで超が

付くほどのド変態だ!」


『―――!?』


俺がそう声を張り上げて言うと成神と戦っている生徒たちが一斉に後ろに下がった!


「げぇ!そんな変態がいたのかよ!強そうに見えたのはそれが原因か!?」


「いや!私、そんな奴と戦いたくないわ!」


「もしかして、あの赤い鎧は鼻血でできた鎧なのか・・・・・!?」


「やだ!いま、私を見たわ!視線だけでも服を破かれそうで怖い!」


「理事長が住んでいる世界の冥界っておかしいぞ!『おっぱいドラゴン』って変態的な名前だろう!何処が

良いのか解らないねぇ!」


「この女の敵!超ド変態!女の服を弾き飛ばすなんて最低ね!」


「そうよ!あなた、そんなことされた女の気持を知っているの!?その人たちが可哀想よ!」


「絶対に貴方のことが好きな人がいないに決まっているわ!」


と生徒たちが罵倒の嵐を成神に放った!成神は攻撃されているわけでもないのに勝手に血を吐いて倒れた!

そんな成神に駆け寄るグレモリー先輩


「ぶ、部長ぉ・・・・・」


「イ、イッセー!しっかりして!あなたには私が付いているわ!」


「因みに、紅髪の少女は別名『スイッチ姫』と呼ばれていて『おっぱいドラゴン』の―――」


「余計なことを言わないでちょうだいッ!!!」


激高したグレモリー先輩は滅びの魔力を放ってきた!一人の堕天使と女天使の生徒が俺の前に立ち防御式の

魔方陣を展開して防いだ


「この!理事長を狙うんじゃねぇよ!」


「そうよ!スイッチ姫!」


「その名前で呼ばないでちょうだい!滅するわよ!」


「やれるもんならやってみなさい!こっちは理事長が見てくれているものですもの!私たちが負ける

わけがないわ!」


二人はグレモリー先輩に突貫して行った。するとアナウンスが流れた


『シトリー眷属、3名、フェニックス眷属5名リタイア!』


はやっ!?もうライザーとレイヴェルだけに成ったのかよ!


「残りはあいつだけだ!」


悪魔の生徒が炎の魔力を放った。ライザーは避ける動作もしないまま、炎の魔力に当った。―――だが、

炎が体に吸収されて攻撃が無効化にされた


「な、なんだと!?」


「悪いな。俺はライザー・フェニックス。火の鳥、不死鳥、鳳凰と称えられている一族の悪魔なんだ。

―――そんな炎、俺には通用しないぞ!」


「そいつの言う通りだ!そいつを倒すには精神を削り落とすか強大な攻撃をして一撃で倒すほかない!

でなければ、攻撃を食らっても再生する!」


そう告げたら生徒たちは度肝を抜かれた様子だった


「さて、俺の可愛い眷属たちを良く倒したと褒めよう。そのお礼に―――」


ライザーは全身に炎を迸らせ纏い、炎の翼を展開した


「俺の業火の炎をその身で味あわせてやる。―――熾烈業火弾!」


ライザーの炎の翼から膨大な質量の業火の炎の弾が発射された。って、あれは俺の技だ!あいつ、俺の技を

習得したのか!?


「ぐっああああああああああ!!!」


周りに幾恵の魔方陣を展開して炎を防ごうとしたが、魔方陣ごと炎に包まれて一人の悪魔の生徒がフィールド

から姿を消した


『理事長チーム、1名、リタイアです!』


「この野郎!」


「よくも仲間を!」


「っ!怒りを任せて攻撃しに行くな!冷静にならないと返り討ちに―――」


「熾烈火」


ライザーは自分に襲いかかる複数の生徒たちに両手を突きだしたと思えば手に炎を纏って極太の火柱を生徒

たちに向けて放った!また、俺の技だ!俺の技に生徒たちは成す術もなく炎に飲み込まれてしまい、この

フィールドから消えてしまった


『理事長チーム、4名、リタイア!』


「俺の前じゃあまだまだだな」


ライザー、お前、強くなったんだな・・・・・!と思っていたら俺の視界にまた複数の生徒たちが光に

包まれて消失していくのが捉えた


「うふふ、イッセーくんをバカにした生徒さんを倒しましたわ」


『理事長チーム、5名、リタイア!』


全身に雷をバチッ!バチッ!と帯びている姫島先輩が呟いていた。姫島先輩か・・・・・!


「はっ!」


「ぐふっ!」


さらに、小猫が仙術のオーラを纏った拳で生徒の腹部に殴打した!生徒が仙術の効果で戦闘不能になったのか

光に包まれて消えてしまった

『理事長チーム、1名、リタイア!』


「・・・・・先輩たちと一緒に修行したおかげですね」


ありがとう!そう言ってくれると嬉しい!―――違う、違う、今、敵に成っている小猫に嬉しく感じてど

うするんだよ・・・・・


「フルバーストです!」


アナウンスが流れた最中にロスヴァイセが北欧魔術の魔方陣を幾重にも展開したらロスヴァイセの姿が見え

ないほど魔力が放たれた!生徒たちは幾重にも魔方陣を展開して防ぐが、数秒で魔方陣が壊れて生徒たちに

直撃していった


『理事長チーム、5名、リタイアです!』


「―――凄い、これが今の私の力・・・・・」


手の平を見て自分の力に驚くロスヴァイセ。そりゃあ、和樹とあれだけ特訓したり北欧魔術が記された

魔術書を大量に読んだからなぁ・・・・・


「龍王変化!」


「モードチェンジッ!『龍牙の僧侶』ッ!」


突然、匙が龍王に変化した!成神は両肩に大口径のキャノンを装着した!


「ギャスパー!」


「は、はいいいいいい!」


何時の間にかグレモリー先輩の背後から離れていたギャスパーが瞳を赤く煌めかしたと同時に生徒たちの体に

異変が起きた。ギャスパーの視界に入った生徒たちが体の動きが停まった!多くの生徒たちを視界に

いれるように後ろに下がっていたのか!


『食らえええええええええええ!!!』


黒い炎が停まった生徒たちに向かって直撃した!成神が放った赤龍帝のパワーが避けようとしていた上空に

飛んでいる数名の天使たちに直撃した!


『理事長チーム、8名、リタイアです!』


また、アナウンスが流れた・・・・・。まだまだだったか・・・・・。


『理事長チームの三年生が全員リタイアとなりました!現在の時間は―――残り15分となりました!時間

終了まで生き残るか相手の『王』を倒せば勝利となります!現在、理事長チームは9名、フェニックス眷属は

2名、シトリー眷属は3名、グレモリー眷属は9名、合計14名となりました!現在、有利なのは理事長と

先生たちが住んでいる世界の悪魔たちです!残り時間まで『王』を倒すか人数を減らす他ありません!』


「―――我、夢幻を司る真龍と無限を司る龍神に認められしもの」


俺はあの呪文を唱える。ガイアとオーフィスも呪文を唱えだす


「我、無限を司る龍神を認め、我等は認めし者と共に生き夢幻の力で汝を誘い」


「我、夢幻を司る真龍を認め、我等は認めに者と共に歩み無限の力で汝を葬る」


ガイアとオーフィスが全身を真紅と漆黒に輝かせて光の奔流と化して俺に向かう。そして、真紅と漆黒の光を

浴びた俺は呪文を唱える


「我、愛すべき真龍と龍神と共に真なる神の龍となりて」


そして、俺の中に入るガイアとオーフィスも一緒に呪文を唱える


『『『汝等を我等の力で―――滅ぼそう』』』


『D×D』


ドオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!


眩い真紅と漆黒の閃光が辺り一面に広がっていく。そして、閃光が止んだときの俺の姿はサイラオーグに

見せた真紅と漆黒の二色のドラゴンの姿を模した全身鎧を纏っていた


『―――――――――――』


グレモリー先輩たちは顔を強張らせて冷汗を流す。―――俺の体から発するオーラに・・・・・


「さて、約束通り手を出させてもらう」


「っ、みんな!回避に専念して!彼等に勝つのはこの人数の状態を維持しつつ試合終了時間になるまで

逃げるしかないわ!」


グレモリー先輩が他の皆に指示する。うん、悪くない手だな、だがな?


「ベルゼブブ」


彼女を呼ぶ。彼女が腰に携えていた剣を抜き放って剣先を木場に向ける


「聖魔剣、私と勝負してもらおうか?」


「っ!?」


木場は目を大きく見開いて驚きの表情を浮かべた


「これは交流試合だ。勝ち負けなんて関係なくお互いの実力を知る為の試合だ。何故、逃げる?」


「・・・・・」


ベルゼブブの問いに何も言葉を発さない木場。あいつは心の中で必死に考えて堪えているだろうな。「部長の

指示通りにしないと」、「騎士として、剣士として戦ってみたい」と・・・・・。だが、そんな木場に

ベルゼブブは剣を鞘に差し入れ深い溜め息を吐いた


「貴様には少しだが興味があった。相反する聖と魔の剣を持つ貴様を・・・・・。だが、いざ対峙してみれば

とんだ腰ぬけの剣士のようだ。これなら、京都で戦ったジークフリートの方が楽しみ甲斐があった」


ベルゼブブは大きな岩の前に立つと手刀で一閃した。刹那、岩が弾け飛んだと思えば一瞬で椅子に変わった。

彼女はその岩の椅子に座り「イッセー、私は戦う気が失せてしまった。悪いが観戦しても良いか?」と

問うてきた


「しょうがない。だけど、戦う気になったら戦ってくれ」


「解った」


そう言って彼女は剣の手入れをし始めた


「それじゃあ、楽しく交流試合をしよう」


『了解!』


「―――っ!ギャスパー!」


「ひぃいいいいい!こ、怖いですぅぅぅぅぅぅ!」


カッ!


ギャスパーが「停止世界の邪眼」の能力を発動した。―――だが


「何かしたか?」


「なっ!?ギャスパーの神器が効いていないだと!」


「俺は『時空と次元の航路』って、時の力の能力の神器を持っているんだぞ。効く訳が無い以前に無効化の

能力とかあるし、時間停止の感覚は前にも体験したことがあるから対処もできる」


俺たちは何ともなく歩き続ける。


「ドラゴンブラスタァァァァァァァ!」


成神が赤龍帝のパワーを放って来た。俺はそれをただ、デコピンの動作だけでアルジェントとギャスパーの

方へ弾き返す


ドガアアアアンッ!


二人は避ける動作も見せずに成神の攻撃によって全身が光に包まれていった


「アーシア!ギャスパー!」


『グレモリー眷属、2名、リタイア!』


成神がアルジェントに駈け寄るが光と化となってフィールドに消えてしまった


「仲間を心配するのは良いことだけど、私たちのことを忘れていないかしら?」


「―――!?」


ルシファーが複数の鎌を自分の周りに展開して成神の前に立つ


「現赤龍帝の力、見せてもらいましょうか」


「イッセー!逃げて!残り時間は8分だからそれまで逃げきるのよ!」


「は、はい!」


「―――あなたたちは勝利に拘り過ぎよ」


ルシファーが手に持っていた大鎌を成神に振るうがあいつは間一髪避けて


「モードチェンジ!『龍星の騎士』ッ!」


鎧の装甲を最大に軽くしてルシファーから離れる。神速の速度でグレモリー先輩へ赴き抱き抱えた


「そう、そういう行動を取るのね?まるで、お姫さまの危機に救いに来たお王子さまね。―――でも、

あなたたちじゃなくても人数を減らすことができるわ」


「―――しまった!」


「はい、火の鳥の氷漬けができました♪」


レヴィアタンが楽しそうな声音を発した。彼女の方へ見るとライザーが氷漬けに成っていた。


『フェニックス眷属、『王』が倒されました。よって、フェニックス眷属は敗北しました』


「お兄さま、もう少し頑張ってほしかったですわ・・・・・」


ライザーに嘆息してレイヴェルがそう呟くと同時にライザーと一緒にフィールドから消えて行った


「残り10人だ、あと一人、倒せば同じだな」


「和樹さん、勝負です!」


「うん、いいよ!」


ロスヴァイセと和樹が魔術合戦を始めた。ただの魔力の撃ち合い。縦横無尽で相手を倒そうと数多の魔力を操

り動かす


「朱乃!今のうちに彼に攻撃して!」


「申し訳ないですが、そうはさせません」


「―――神」


姫島先輩の許にメイビスが立ち塞がった。姫島先輩が冷汗を流し、緊張の面もちになる


「私があなたの前に立ち塞がらなくても彼は問題なく対処できますが、私も少しは動かないといけません

からね。ですから、あなたの相手は私がします。この悪魔に幸福あらんことを・・・・・」


「うっ!あ、頭が・・・・・・!」


「ふふ、どうやら違う世界から来たあなたたちには効くようですね」


そう言って金色の翼を展開して翼から膨大な聖なるオーラを放った。その刹那、姫島先輩から焼ける音と

嫌な臭いがしてきた


「ああああああああああああああああああああああああっ!!!」


「悪魔は聖なるものには弱い」


悲鳴を上げる姫島先輩の最中、メイビスは腕を突き出すと金色の魔力で何か創りだした。―――弓だった。

弓矢も魔力で創ると弓を射る態勢に入った。


「さようなら」


彼女が弓を引いた。金色に輝く矢は一瞬で数本に増えて姫島先輩の体を貫いていった。彼女は消滅をしないで

光と化となってフィールドから消えていった


『グレモリー眷属、一名、リタイア!』


「グレモリー。これで、私たちと同じ人数に成ったわね?」


「くっ」


「次はあなたよ」


自分の周りに展開していた複数の鎌をクルクルと成神が抱えているグレモリー先輩に放った。成神は背中の噴

出口を魔力の火で最大限に噴かしてこの場から移動した


「私から逃げきれると思っているの?」


「は、はや―――」


「さようなら」


ルシファーが一瞬で成神の前に移動し鎌を振るった


ガキン!


だが、金属同士がぶつかり合う音が聞こえた。その正体が聖魔剣で鎌を受け止めている木場だった


「部長を倒させはしない!」


「―――ようやく、やる気になったようね。ベルゼブブ」


ルシファーは木場を見ずにベルゼブブの方へ顔を向けて言った。視界をベルゼブブに入れると剣を鞘に入れて

居合いの構えの態勢をしていた


「ルシファー、そいつから離れろ」


「解った・・・・・わ!」


複数の鎌を木場に襲わせて木場から離れるルシファーと同時にベルゼブブが


「居合い」


ボソリと呟いた。その瞬間、彼女の姿がブレだし、遂には姿を消した。木場は辺りを見渡しベルゼブブを

探すと


「誰を探している?」


彼女の声が聞こえた。木場はその声がした方向に顔を向けると、さっき彼女がいた場所に佇んでいる彼女の

姿がいたことにあいつは驚きの表情を隠さなかった


「何時の間に・・・・・」


「お前の負けだ」


いきなりベルゼブブが木場の敗北宣言をした。その言葉に怪訝になった木場が一歩歩いて口を開こうとした

瞬間。―――木場の体から血が噴き出した。良く見ると、左肩から下斜めに斬られた深い切り傷が

何時の間にかできていた。自分の体にできた傷とベルゼブブを交互に見て、そして、地に倒れ伏せた


『グレモリー眷属、一名、リタイア!』

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