小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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友好と新世界へ(6)


アナウンスが流れた。俺は考える仕草をする


「木場が倒されたから残りは・・・・・。グレモリー先輩と成神、小猫にロスヴァイセ、ソーナに匙、

真羅先輩の7人か。時間は残り4分」


時間は余裕だけど・・・・・。あいつと戦わないといけないからなぁ・・・・・。龍王化となっている匙を

見詰める


「ルシファー、アスモデウス。グレモリー先輩と成神を・・・・・」


『解った』


アスモデウスが指を鳴らすとグレモリー先輩たちの足下に魔方陣が浮かんだ。魔方陣から蔓のようなものが

グレモリー先輩と成神の下半身を覆った


「な、動けない!ぐ、こ、この!」


「イッセー!」


「はい、さようなら」


動きを封じられた二人に何時の間にかゼノヴィアと戦っていたルシファーが鎌を動かし、襲いかからせた。

グレモリー先輩が滅びの魔力で対応するが鎌がグレモリー先輩の魔力を斬った。そして、そのまま鎌は二人の

体を切り刻んでいく


「弱い」


そう呟くルシファーにグレモリー先輩と成神が光と化となってフィールドから消えてしまった


『グレモリー眷属、『王』が倒されました。よって、グレモリー眷属の敗北です!』


「・・・・・やっぱり、強いですね。ルシファーさまは」


「・・・・・そうですね」


「私も何時かあの領域に・・・・・!」


ロスヴァイセ、小猫、ゼノヴィアがルシファーたちの実力を見て口から零すと彼女たちも光に包まれて

消えて行った


「残りはソーナ、匙、真羅先輩のシトリー眷属・・・・・。レヴィアタンはソーナと、ベルゼブブは真羅

先輩と、俺は匙をやる。試合終了時間まで相手をしてくれ」


『解った』


バッと瞬時で二人の前に移動し、攻撃をし始める。俺はゆっくりと匙の方へ赴く


『兵藤ぉぉぉおおおおおおお!』


口内から黒い炎を吐きだす。その瞬間、その場から空中に跳び黒いドラゴンの顎を捻りあげるように腕を突き

上げ、拳を突き刺した


『ぐほぉっ!』


その衝撃に頭が上に向いた。さらに金色の翼、炎の翼、ドラゴンの翼を展開してドラゴンの頭の真上に飛んで

そこで、クルリと体を回しながら右足を伸ばしてそのまま勢いよく―――ドラゴンの頭に踵落としを食らわす


ドゴンッッッ!!!


『がっ!』


「まだまだぁ!」


頭部を中心に殴打、蹴り、さらには光の魔力、炎の魔力も攻撃する。匙も異能の炎で俺に攻撃するが今の状態

の俺には効かなかった


『試合終了時間残り一分です!此処で仕掛けが発動します!』


「そうか。―――はっ!」


牙を折りながら殴ったあと、直ぐに尾の所に移動して尾を掴みジャイアントスイングをして地上へ投げ

放った。受け身も取れずに地上と衝突しクレーターを作った。その際に龍王化を解いてしまった。そんな匙の

許に降りて話かける


「どうした、もう終わりか?」


「・・・・・ぐ、まだ・・・・・だ!」


ドオオオオオオオオオオンッ!


匙はフラフラと立ち上がった瞬間、轟音が聞こえたと同時に地面が震えたと思えば亀裂が生じ、その隙間から

赤い液体が溢れ出てきた。―――げ、仕掛けってこういうことかよ


『フィールド全体にマグマの海と化となります!急ぎ、足場となる場所へ赴いてください!』


「守護結界」


俺と匙を包む大きな金色のドームが出来上がった。マグマは俺たちを避けるように流れて行った


「ほら、来いよ。ソーナに対する気持ちはその程度なのか?」


「―――っ!」


ガンッ!


素手で俺の顔を覆う鎧を殴ってくる


「効かねえよ!」


「がっ!」


仕返しに匙の顔面に思いっきり殴ると吹っ飛んで結界にぶつかっていった


「お前の想いはそんなちっぽけなもんか!サイラオーグの奴はこの鎧を砕いたぞ!」


「お、俺と・・・・・あの人を一緒に・・・・・すんじゃ・・・・・ねぇよ」


「いや、していないし。それ以前にサイラオーグに失礼だろう?強くなろうとしない奴何かと一緒に

したらよ」


「なんだと!?俺だって強くなろうと必死に―――ぐあっ!」


「何処がよ」


フラフラと体を立たせて食って掛かる匙に腹部に蹴りを入れ、跳躍して横顔に横に薙ぎ払うように蹴った。


「ソーナは俺の婚約者だ!」


「イ、イッセーくん!?」


突然、大声を張り上げて匙にそう告げるとレヴィアタンと戦っていたソーナの顔が赤面になった。

生徒たちは『おおっ!』とか『キャー!』とか黄色い声が聞こえた


「お前みたいな弱い奴に俺の大事なソーナを奪わせやしない!」


「・・・・・っ」


「―――お前の力はそんなものなのか!お前の限界はそこまでなのか!?あの時の夜、俺にソーナを賭けた

戦いをしたいって言ったのはお前だろう!」


「―――――」


地面に横たわる匙の気配が変わったのが解った。ソーナが「えっ」と口からそう零したのが聞こえた


「立てよ!お前がソーナに対する想いはそんなものか!?その程度なのか!」


「ん・・・・・なわけ・・・・・ねぇ・・・・・だろう・・・・!」


―――あいつは息を切らしながら腕に力を入れて四つ這いになり、足に力を入れて立ち上がろうとした。

全身に黒い炎を纏いながら


「俺は会長が、会長のことが・・・・・好きだぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


ゴオオオオオオオオオオゥゥゥゥ!


匙がソーナに大声で告白を言ったと同時に黒い炎が匙を完全に覆った!


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」


そんな最中に黒い炎を放って来た!光の光線を放って炎を吹き飛ばし、匙に攻撃するが、匙の体が黒い炎と化

となって攻撃を避けた!


「―――炎そのもののようだな・・・・・。その鎧は・・・・・・」


俺の眼前に立つ匙の姿は黒い全身鎧の姿。その鎧に黒い炎が燃えて揺らいでいた。


「がふっ!」


「だが、光の攻撃によるダメージはあるようだな。となると、炎の攻撃は効かないってことに

成るか・・・・・」


突如、腹を押さえて血を吐きだす匙の姿に分析する


「よし、その鎧は『黒邪の龍王の黒炎の鎧』と命名しよう」


「『黒邪の龍王の黒炎の鎧』・・・・・」


俺が黒い全身鎧の名前を付けたら匙も小さい声でオウム返しをした。


「はっ!」


瞬時で匙の懐に入り拳を握り固め腹部に突き刺した。でも、こいつの体は炎でできているのか体を突き破って

匙の背中から俺の拳が出た。まるで、燃え盛る炎に拳を突き出したような感覚だ。匙の体から腕を引き抜くと

瞬く間に再生していった。


「今度は蹴りだ!」


こいつの体を横薙ぎに蹴ると鎧が破壊したが、壊れた個所に炎が発生して鎧を修復していった。


「お前、痛みとかないのか?」


「い、いや・・・・・。何にも感じない・・・・・。攻撃を受けた感じはするんだけど・・・・・。

変な感じだ」


「なら、斬撃はどうだ?」


エクスカリバーオルタを空間の穴の中から取り出して腕を両断してみた。だが、両腕の断面から炎が燃え

上がり、見る見る内に腕が再生していった。切断された腕のほうは燃え上がり、―――消失した


「斬撃もダメ・・・・・か。打撃も効かない、斬撃も効かないなんてまるでライザーのようだな。その鎧は」


「ライザー・フェニックスのような?」


「ああ、あいつも何度も心と精神力で再生できるからな。お前の場合は何だ?うーん、気に成るが、まあ、

いいだろう。その答えはお前自身が見つけろ」


『幻想殺しの籠手を』纏い匙を殴る。今度は俺の拳が匙の体を突き通らずに直撃した。無効化の能力がある

この籠手なら触れることができるみたいだな


「トドメだ!」


顔面に目掛けて拳を振るう。―――次の瞬間


ビー!


『試合終了です!勝者、理事長チームです!』


拳が匙の顔を覆う鎧にぶつかる寸前、アナウンスが流れた。


「―――ソーナは俺の大事な少女だ。お前には渡さない」


「・・・・・」


「だが、ソーナに告白してみろ。ソーナがお前の告白を受けるのなら俺は黙って二人を応援する」


と匙にそう言い残して俺はベルゼブブたちを呼び寄せてこのフィールドからあとにした


「ねえ、ソーナさんを賭けた戦いってどういうこと?」


和樹が歩きながら尋ねてきた


「そのまんまだ。あいつはソーナのことが好きなんだ。でも、俺がソーナの婚約者だから、ソーナを賭けた

戦いを申し込まれたんだよ」


「・・・・・もしかして、この交流試合ってその為に?」


「いんや、グレモリー先輩たちの実力を知ってもらいたくて交流試合をしてもらった。まあ、違うと言ったら

嘘に成るけど」


「で、僕たちが交流試合に勝ったけど、結局はソーナさんに任せるの?」


和樹の何気なく棘がある言葉に頬をポリポリと掻いて冷汗を流して「ああ」と肯定した


「まあ、結果は解り切っているけどね」


「そうね」


「うん!」


ルシファーたちは既に解っているようだ。さてはて、匙はどう受け止める・・・・・?



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



匙side



「・・・・・」


兵藤に負けたあと、俺はどうやら気絶していたみたいだ。この学校の保健室のようだ・・・・・。


「サジ」


「会長・・・・・」


ベッドにいる俺の顔を覗き込むようにする会長がいた。体を起して会長を見る


『ソーナに告白してみろ。ソーナがお前の告白を受けるのなら俺は黙って二人を応援する』


兵藤が言った言葉が思い出した。俺、言っても良いのか・・・・・?


「サジ、イッセーくん相手に良く頑張りましたね」


「俺は負けました・・・・・」


「ええ、実力も試合もどっちも負けましたね」


一刀両断で切り捨てられてしまった。アハハ・・・・・。言葉がきついですよ


「ですが、その引き換えにあなたは新しい力を得ました」


―――『黒邪の龍王の黒炎の鎧』。ライザー・フェニックスのような能力・・・・・。


「アザゼル先生曰く『あれは始めてみる「禁手」だ。今後、あの力を完全にコントロールをしていけば、

もしかしたらイッセーを倒せるかもしれないぞ。何せ兵藤が打撃と斬撃が効かないって証明してくれたん

だからよ』と言っていました」


「俺が、成神に・・・・・?」


「その為には成神くんのように修行をしないといけませんね。―――それとも、イッセーくんに頼んで修行

してもらうように頼みましょうか?元々は彼と戦った結果、その力を得たのですから」


・・・・・会長、俺を殺す気ですか?俺、死んじゃいますよ


「いえ、あいつのように修行をして見ます。最悪の場合、兵藤にお願いしてみます」


「そう、匙がそう言うならいいわ」会長が苦笑しながらいった。もしかして俺の心情を見破った?


「顔に出ています」


「マジすか!?」


会長は頷いた。今度は顔に出さないようにしないと


「サジ、あなたには期待しています。頑張ってください」


「―――はい!」


微笑みを浮かべながら会長は俺を見詰めてくれた・・・・・。俺はその微笑む会長を見て意を決した


「・・・・・会長」


「なんですか?」


「―――会長が好きです」


「・・・・・」


会長は黙ってしまった。でも、俺は続けて言う


「俺は会長が大好きです!何時もクールな会長が好きです!たまに可愛く微笑んでくれる会長のことが好き

です!どうか、俺と付き合って下さい!」


会長に頭を下げて告白する!会長は未だに口を閉ざしたまま・・・・・。俺は会長が言葉を発するまで頭を

下げた。


「・・・・・ごめんなさい」


会長から発せられた言葉は拒否の言葉だった


「やっぱり、兵藤のことが・・・・・」


「ええ、彼を愛しています。申し訳ないのですが、あなたの好意を受け止めることができません」


はあ、一世一代の告白だったのになぁ・・・・・。俺はあからさまにガッカリした表情を浮かべて肩を落とす


「そうですか・・・・・。はぁ、振られちゃったな。俺、淡い希望を抱いて告白したんですが・・・・・。

やっぱり、兵藤には負けますね」


俺は涙を流しながらそう口にした。会長は本当に申し訳なさそうに頭を下げた


「ごめんなさい。しかし、貴方に好意を持っている女性はいます。気付いてあげないと可哀想ですよ?」


「えっ、マジっすか!?」


お、俺に好意を抱いている奴がいたのか!?始めてきたぞ!い、一体、誰だ?


「誰とは言いませんが、私の事を諦めて貴方に好意を抱いている女性と付き合って貰えれば私は嬉しい

限りです」


「・・・・・会長は俺の事をどう想っていたんですか?」


「弟、といったところね」


「お、弟・・・・・」


俺は会長に『弟』としか想われていなかったのか・・・・・。


「そう言うことですので私のことは諦めてください」


「―――解りました、俺、諦めます。『弟』としか想われていなかったら断われても

当然ですよね・・・・・」


苦笑する俺に会長が再び「ごめんなさい」と律義に謝ってくれた


「・・・・・少し、一人にしてくれませんか?」


「・・・・・解りました」


席から立ち上がり、保健室の扉に赴き扉を開けると「ごめんなさい」と三度目の言葉を口にしてからこの部屋

から出て行った。―――刹那


「うっ、ぅぅぅ・・・・・っ」


静かに泣き、涙を流した。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――



ソーナside


「・・・・・何しているのですか?」


『・・・・・!?』


二村と花戒が保健室のドアの前で佇んでいた。この少女たちはサジに好意を抱いているのは知っている


「私は皆の所に戻ります。―――サジのことをお願いします」


『・・・・・』


彼女たちに伝え私はイッセーくんがいるところに赴く。今のサジにはきっとあの二人が必要の筈・・・・・


「ソーナ」


ふと、階段を降りようとした私を呼ぶ声が聞こえた。後ろに振り返ると、私の婚約者のイッセーくんが

こっちに歩いてきた


「イッセーくん、どうして此処に?」


「お前に謝りたくて来たんだ。・・・・・ごめん、勝手にソーナを物扱いのようにあいつとソーナを賭けた

戦いをして」


彼は私に謝罪の言葉を発したと同時に頭を下げた


「・・・・・いえ、私はこれで良かったと思います」


「・・・・・?」


「私はイッセーくんの婚約者です。ですが、そんな私にサジが好意を抱いていました。お酒に酔った勢いで

告白されましたがあの子は記憶になかったようです」


イッセーくんは「ああ、俺も知っている。訊いてみたらそんな夢を見たって言っていた」と言いました


「もう一度、告白を断るのに困惑しました。また、あの子を悲しませてしまうと思うと・・・・・」


「ソーナ・・・・・」


「ですが、サジが龍王変化とは違う力を得た。それは紛れもなくイッセーくんのお陰です。私はその光景を

見て意を決心し、サジの告白を断ろうと思いました。私の代わりにサジの傍にいてやれるサジに好意を抱く

少女たちがいますから・・・・・」


「・・・・・そうか」


短く口から零す。彼は徐に私を覆う様に背中に腕を回して私を腕の中に抱えた


「ごめん、辛い思いをしてしまって」


「気にしないでください。イッセーくんが勝っても私がハッキリ断わらない限りあの子は決してあきらめない

と思います。ですから―――」


私は彼の顔を真っ直ぐ見て言ったら突然、イッセーくんがキスをしてきた


「もういい。何も言わないでくれ」


「―――はい」


唇を離すと力強く、でも、まるでガラスを割らないように腕に力を込めてイッセーくんはそう言った


「皆の所に戻ろう」


イッセーくんは私を腕の中から解放して階段を降りて行った。私も彼の隣に歩き出し、彼の腕に抱きついた


「どうした?」


「なんでもありません。ただ、こうしたいだけです」


と、彼が問い掛けてきたので私は気にしないでと風に言った


「それなら、これの方が良いだろう」


「―――!?」


彼が素早く私を抱き抱えました。所謂、お、お姫様・・・・・抱っこです


「お、降ろしてください!」


「ははは、だが、断る!このまま皆の所に戻ろう!見せびらかしてやるんだ!」


彼は私の言葉を聞かずにお姫様抱っこしたまま皆がいる処に赴きました。そして、本当に私を見せびらか

しました。しかも、全校生徒がいるところで・・・・・!


『おおおっ!理事長、やるー!』


『キャー!私にもしてくださぁーい!』


「ソーナ!あなた、ずるいわ!」


「そうですわ!同じ婚約者としてずるいです!」


「イッセーくん☆私にもして欲しいな!」


私と同じイッセーくんの婚約者のお姉さまとレイヴェルさん、シーグヴァイラがイッセーくんにお姫様抱っこ

を要求してきました。


「ダメです!今は私がしてもらっているのです!」


『代わって!』


「お断りします!」


ギュッと彼の首に腕を回して断固拒否の姿勢を見せびらかします!


「ソーナ、言っていることとやっていることが違うぞ?」


イッセーくんは先程のことを言っているのでしょうね。ですが


「問題ありません」


「そ、そうか・・・・・」


冷汗を流して苦笑するイッセーくん。そんな表情もまた好きですよ?―――そうだ。


「イッセーくん」


「なんだ?」


「私、ソーナ・シトリーは兵藤一誠のことが好きです!」


皆の前で私らしくない大胆な告白を言った。そして、すぐに彼にキスをした


『ああああああああああああああっ!!!』


『キャアアアアアアアアアアッ!!!』


『おおおおおおおおおおおおおおっ!!!』


悲鳴と興奮の声音がこの場を支配した


「お、お前・・・・・・」


「ふふっ、イッセーくん。大好きですよ」


彼に抱えられたまま、私は微笑んで愛情の言葉を言った。そして、ガイアさんたちも『自分も!』と

強請ってきました


『代わって!』


「お断りします!」


「おーい、喧嘩するなよ」

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