小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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ソーナの元婚約者現る!


「何ですって・・・・・!?もう一度仰ってください!」


「ですから、あなたは私の妻となりました。この七十二柱の一つヴァレフォール家の次期当主。

ヴァレフォール・ヴァルヴォラスがね」


駒王学園生徒会室、私、ソーナ・シトリーは真羅たちと生徒会の仕事を務めていました。あともう少しで

仕事が終わる頃に生徒会室に魔方陣が現れ、光と共に現れ出てきて私の目の前にいるこの男。『元婚約者』、

七十二柱の一つヴァレフォール家の次期当主であるヴァレフォール・ヴァルヴォラスが突然、現れて開口

一番にそう発しました。


「・・・・・どう言うことですか、私の父が婚約を破棄したと魔王セラフォルーさまから聞きました。それ

なのに私があなたの夫?いきなり現れて何言いだすのですか。あなたと結婚式を挙げた愚かそんな話を私は

訊いていません」


「ええ、まだ結婚式は挙げていません。ですが、その証拠に―――これを」


彼が懐に取りだしたのは―――彼の家の紋様と私の家の紋様が刻まれた紙だった。しかも


『私は学園を中退してこの者を夫と結婚し、生涯この者と健やかに暮らし幸せに生活を送ることを誓います。

                     

シトリー家次期当主、ソーナ・シトリー』


と記されていた。



「っ!こんな物でっち上げです!私自身が書いた覚えもないのにどうして私の名前が記されている

のですか!?」


「さらにこれも」


彼は魔方陣を発現させて魔方陣から立体映像を映し出した。その映像には―――私が幸せそうに紙に何かを

印していた。その隣にいま私の目の前にいる男が私の肩を抱いて嬉しそうな表情を浮かべていた


「嘘・・・・・。何で私が・・・・・あそこに・・・・・?」


「解っていただきましたか?あなたは私の隣であなた自身の手でこの婚姻とも言える契約を印したのです」


「では!この紋様はなんですか!?この紋様は当主しか持つ事許されていない印で押される物の筈です!」


「あなたの御父上が『キミなら私の娘を幸せにしてくれる』と喜んで印を押してもらいました」


私は彼の言葉に耳を疑った。あの父が、そんなことを、そんなことを言う訳が無い・・・・・


「その時の映像もあります」


画面の映像が変わった。その映像には涙を流しながら印を押している父がいた


「あなたの御父上は嬉し涙を流しながら押してくれたんですよ」


その映像を見て私は・・・・・何も言い返すことができなかった。


「理解できましたか?あなたは私の妻です。さあ、私と共に冥界へ帰りましょう。結婚式の会場を準備も

今でも準備していてあなたが着るウェディングドレスは既に用意してあります。あとは、あなたが私と共に

冥界に帰るだけです」


この男は私に手を伸ばした。―――だが、


「待ってください」


椿姫が私の前に移動して庇うように立った


「なんでしょうか?」


「先程から静観していたのですが、余りにも一方的過ぎませんか?それに、私たちの主のご家族に真意を

確かめていないのに連れて行こうとしないでもらいたいのです」


「この映像と婚姻の契約、さらに、私と彼女の印が押されているのに、ですか?」


「ええ、そうです。それに、姉である魔王セラフォルーさまにもお訊きしたい。魔王セラフォルーさまは私

たちの主を溺愛しております。とてもあの方が黙って認めているとは思えません。もし、セラフォルーさまも

我が主の婚姻を認めている映像があるならば見せてもらいたい」


・・・・・そうだ。お姉さまは私がこの男と婚約することを誰よりも猛反対していた。あの人に限って

認めるわけがない!


「勿論あります」


『―――!?』


この男はハッキリとあると言った。画面の映像が変わったと同時に私がこの男と―――キスをしていた映像が

映し出されていた。その傍にお姉さまが『ソーナちゃん、良かったね・・・・・』と呟きながら佇んでいた


「満足いただけましたでしょうか?あなたの姉である魔王セラフォルーさまも私たちの結婚を認めてくれて

いる映像もあります」


『・・・・・』


私は呆然とした。椿姫も匙も他のみんなも呆然とした。だって―――


「無言は肯定とみなします。それでは、ソーナ。私と共に帰りましょう。―――」


無言で佇む私にこの男は嬉々として私の手を掴み、魔方陣を展開して冥界に連れて帰ろうとしたその時だった


「俺が行かせると思ったか?」


ドンッ!!!


突如聞こえた声と同時にヴァルヴォラスは何故か吹っ飛んで行った。まるで誰かに殴り飛ばされたかの

ように・・・・・。でも、今の声は―――


「たくっ」


再び声が聞こえた。すると、私の視界に手を叩きながら、その人物はゆっくりと姿を現わした。その人物は

やっぱり―――イッセーくんだった。私たちはイッセーくんの登場に驚きを隠せなかった


「大丈夫か?」


「ええ、でも・・・・・どうして・・・・・?」


「あまりにも遅いから来たんだよ。そしたら、扉越しからシトリー眷属じゃない、グレモリー眷属じゃない、

俺が知っている気じゃない別の気を感じたんだ。エクスカリバーオルタの能力で姿を消して生徒会室に入ると

どうだ。この悪魔がソーナと結婚しているとふざけたことを言っていたからな。本当かどうか、確かめたくて

暫く姿と気配を消して様子を見ていたんだ」


彼は睨むようにヴァルヴォラスを見た。


「ぐっ、あ、あなたは・・・・・・!」


「知っているだろうが敢えて名乗る。幽幻龍騎士団、兵藤一誠。ソーナの婚約者だ」


「彼女を返せ!」


ヴァルヴォラスは手に魔力を出して威嚇をした。しかし、私の婚約者はそんなのお構いなしに話かけた


「それより、聞きたいことあるんだけど。さっきの映像は何時撮ったものだ?」


「・・・・・それを聞いてどう―――」


「答えろ」


金色の翼を出して今イッセーくんが再び質問した。ヴァルヴォラスは冷汗を流しながら質問に答えた


「・・・・・三日前」


『―――!?』


私はそれを聞き、目を見開いた。三日前、この男は三日前と言った。その日、私たちは―――新世界

ザナドゥに行っていた日だ。


「なるほど、質問に答えてありがとう。帰って良いぞ」


「・・・・・解りました。では、ソーナ。一緒に―――」


「お前一人で帰れ。それと気安く俺のソーナを呼ぶな」


怒気を帯びた顔付でイッセーくんは私の肩を抱きながら言った。彼はここに来て初めて表情を変えて

忌々しげにイッセーくんを睨んだあと、「結婚式は二日後です。また、迎えに行きます」と言って足下に

転移用魔方陣を展開してこの部屋から姿を消した


「ソーナ、気づいているだろう」


「はい。・・・・・ですが、あの紋様の印は間違いなくシトリー家の物でした。印から感じる魔力も

本物です」


「だとしたら―――ソーナの家族は誘拐されている可能性はある」


「そ、そんな!」


私はショックを受けてしまった。・・・・・どうして、父と母まで・・・・・!


「ソーナの父親に印を押させた映像も見たんだけど、あれは嬉し涙じゃなくて悲しみの涙を流していたぞ。

そして、もう気づいていると思うけど映像にソーナとセラフォルーが映っていたのは間違いなく偽物だ。

変装が得意悪魔か、神器の能力で化けたと思う」


「お姉さまは・・・・・」


「心配しなくても大丈夫だろう。仮にも現魔王なんだからな」


・・・・・ですよね。お姉さまに限って誘拐されることはないですよね


「今回の事件、『禍の団』とは関係ないだろう。あいつはソーナ、お前を狙っている。それが何よりの

証拠だ」


「・・・・・」


「グレモリー先輩たちにも知らせておくか?」


私はイッセーくんの問いに首を横に振った


「いえ、これは私の問題です。私自身の手で父と母を助けに―――」


「おいおい、ソーナ。それは違うぞ」


「え?」


「周りを見てみろ」と彼は言った。私は視線を動かすと私の眷属たちが映った


「シトリー家次期当主、ソーナの眷属もいるじゃないか。こいつらも巻き込まないでどうする?」


イッセーくんの言葉に皆は頷いた


「そうですよ!会長!俺たちは会長の眷属悪魔です!会長が何処に行こうともついていきます!新しい力を試したいですしね!」


「会長。会長だけ行かせるわけにはいきません。『王女』を使わずに先行したらチェックメイトされて

しましますよ」


『そうですよ!私たちもなんて言おうともついていきます!』


「因みに俺もだからな。お前は俺の愛しい人であり家族だ。ガイアたちも喜んでソーナの力に成るだろう。

―――助けよう、ソーナの家族を」


・・・・・そうでしたね。『王』の駒が先走ったら撃破されてしまいます。簡単なこと忘れてしまうなんて

まだまだですね


「・・・・・皆、力を貸してください!」


『当然!』



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



Phantom  Dragoon.




「当然だ。我等の家族であるソーナの家族を救うぞ」


「そう言ってくれると信じていた」


学校から戻った俺たちはガイアたちにも伝えた。


「それじゃあ、冥界に行かないとダメだよね」


「行ったとしても最初は何処から探せばいいんでしょうか?」


「ヴァイラ、ソーナ。戦術だとどうする?」


戦術が得意な二人に訊く


「重要な拠点からその周囲を探すべきだわ」


「それに、何かを隠すのなら自分の傍に隠すか、安全な場所―――誰も探せない場所とか、知らない場所に

隠すと思います」


「ソーナ、あの悪魔の眷属は何人いる?」


「確か・・・・・全員いると記憶があります」


俺たちはあの悪魔+眷属とソーナの実家の場所、地理、色々と二人に問いながら作戦を考えること二時間弱


「よし、この作戦で実行するぞ。まずは―――ソーナの家に行こう。他のみんなも各自連絡を取りながら

動いてくれ」


『了解!』


「結婚式は二日後、ソーナ。匙たちを学園に呼んでくれ。今回の作戦は短期決戦だ。幽幻龍騎士団と

シトリー眷属が初めてチームを組んでの作戦だ。できるだけ早く家族を見つけ出さないといけない」


「解りました。直ぐに来させるようにします」


彼女は携帯を取り出し、匙たちに連絡を取り合った。―――覚悟しろよ?ヴァルヴォラスっていう

悪魔くんよ!

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