小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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開始!ソーナの家族の救出作戦!(2)


ちっ!とんでもない魔物だな!攻撃してもすぐに再生しやがる!ライザーみたいな不死身の能力をもって

いるのか!?


「兵藤!こいつ、さっきから攻撃しても再生するけど何か手が無いのか!?」


「取り敢えず今は攻撃の手を止めるな!攻撃しながら探り出す!お前等も何か違和感とか、気付いた事が

あれば随一に言うんだ!」


『疑似の聖剣』で刃を二つにして二つの剛腕の腕を斬り落とす。だけど、磁石みたいにくっついて直ぐに何

事も無かったかのように腕を振るう魔物! 


「こいつを一瞬で消すしかなさそうだな・・・・・」


ゴガアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!


一際大きく咆哮を上げる魔物が腕を突き出した。すると、腕から触手のようなものが飛び出してきた!


「巡さん!全て斬り落とします!」


「はい!」


椿姫と日本刀を手にしているシトリー眷属の巡が魔物から出た触手を紙一重で避けながらも斬って、斬って、

斬りまくっていった!俺もオルタの剣端を無数に枝分かれさせて『天閃の聖剣』の能力も使い神速で触手を

切断していく!刹那―――。切り落としていた触手の肉片がモゾモゾと動き出して、一気に触手を斬っている

椿姫と巡に貫かんばかりともの凄い速さで飛んで行った!


「副会長!巡!危ない!」


『えっ』


匙の叫びに気付いた時には既に二人の体と数センチだった。このまま、二人の華奢な体を貫いた

―――と思えば


バチンッ!


二人の体を守るように金色のバリアのようなオーラが現れ、音を立てて触手を阻んだ。


『・・・・・え?』


「言っただろう?御守りだって。渡しといて正解だった・・・・・。流石に今の攻撃は俺も予想

できなかったぞ」


炎の翼で切断した肉片を膨大な熱量で消失していく


「そう、これがイッセーの御守り・・・・・」


ズバンッ!


彼女は迫りくる触手を一閃した。しかも肉片を残さずに・・・・・!


「俄然、戦う気が増した!」


「副会長、乙女ですね!」


「今の私は誰にも負ける気がしない!絶対に倒して見せるわ!会長の為に!イッセーの為に!」


巡の言葉を気にしないで椿姫がそう堂々とした声音を発した途端に長刀がまた変化していった!まさか、今の

椿姫の想いにあの長刀は変化したのか!?今度は石突きのほうが刃と変わっていった!なんだあれ!?


「行きます!」


「速い!」


巡が驚くほどのスピードで巨大な魔物に向かっていった!魔物も触手で迎撃するが椿姫のスピードに追い

付かず逆に触手を一閃されていく!彼女は片脚を力み高く跳んで魔物の前に浮かぶと


「冥琳!」


自分の相棒の名を呼ぶと長刀が二つに分かれた。二刀の長刀にした椿姫は魔物の体をクロスのように斬り

裂いた!―――だけど、血が噴き出るかと思えば血液が無いのか血は噴き出なかった。代わりに体の中央に

赤い物が少し見えた。しかし、それは直ぐに肉で覆われてしまい見えなくなった


「・・・・・まさか、あれが?」


「どうしたのです・・・・・?」


「今、あの魔物の体に赤い物が見えたんだ。もしかしたら、あれが再生する原因なのかもしれない」


「―――なら、それを破壊すればいいですね」


ソーナが膨大な量の水のオーラを自分の周りに漂わせ始めた。それは次第に形を作っていく。―――あれは・・・・・ガイア!?いや、大きさは半分ぐらいの大きさだ!ソーナ、お前、何時の間にこんなことができるようになったんだ!?


「イッセーくんたちとの修行で見につけた私の最強の技です!」


ガイアを模した水のドラゴンが口内から水を放出した!放出した水は牢屋の床をガガガッ!と裂きながら

巨大な魔物に向かって行く!


「水は時にダイヤさえも切断できます。―――私の場合はそれを遥かに超えます!」


ズバンッッッ!!!!!


魔物の体を一刀両断した。それだけでは終わらずに魔物の後ろの壁にまで深く裂いていた


「なんだ、あれ・・・・・」


魔物の体の中に赤い玉みたいなものが一刀両断されたことで姿を覗かせる。今の攻撃でも傷一つ付いて

いないって一体どういうことだ!?って、また再生しやがる!


「あの赤い玉を壊さない限り、あいつと付き合わないといけないみたいだな」


トントンと金色の錫杖の柄で叩く


「しかも、今の一撃でも玉に傷一つ付かないってことは結界でもあるんだろうな・・・・・」


「もしかして、父と母は倒すことが不可能だと理解して封印したのでしょうか・・・・・?」


「多分そうだろう。まあ、この魔物は何なのかソーナの両親に聞くしか―――?」


魔物の様子がおかしいことに気づいた。何故か体を震わせているのだ。すると、バキッ!ゴキッ!

グニュリッ!ゴキュッ!と嫌な音を立てて体が変化していく!その姿はまるで―――ドラゴン!


ギュアアアアアアアアッ! 


咆哮を上げるドラゴン化と成った魔物!翼を羽ばたかせ頭を牢屋の天井に向けたと思えば口内から魔力の

オーラを放出する!その攻撃に耐えきれずに天井が崩壊して外と繋がった!魔物は翼を羽ばたかせ外へ

飛び出していった!


「っ!あの魔物!体まで変化できるなんて反則も良いところだ!」


「イッセーくん!このままじゃ、冥界が!」


「解っている!龍化!」


ゾラードの姿と化となった。皆を体に乗せて魔物が壊した天井へ飛び出して外へ逃げて魔物を追う!

―――いた!


「行かせるか!」


口内から光の柱みたいな魔力を魔物に向けて放つ。しかし、あの魔物は容易く避けた。そのまま何処かへ

首を動かしながら飛行し続けた


「・・・・・何処に行くつもりだ?」


「何か探しているようにも見えます」


「・・・・・まさかだけど、封印した会長の両親を?」


・・・・・有り得るな


「暫く泳がせ見せるか」


「(一誠!)」


そう口にした途端、和樹から念話が来た


「(どうした、見つかったか?)」


「(まだ見つからない。それより、ソーナ先輩の元婚約者の家にいったセインとウーノさんから連絡

あったんだけど、そこにもいないらしいんだ。牢屋にも、部屋中探しても)」


「(そうか、解った。今、俺たちは魔物を追っているところだ)」


「(魔物・・・・・?一誠、何で魔物と戦っているの?)」


まあ、疑問に思うよな。


「(ソーナの本邸にある牢屋に行ったら封印されていたんだよ。そしたらソーナの家族がいなくなったから

なのか、封印が解かれて俺たちは魔物を倒そうとしていたんだけど、まんまと逃げられた。今、追っている

ところだ。だけど、魔物は何かを探している様な仕草をしているんだ)」


「(・・・・・その魔物はソーナさんの家族を探しているのかもしれないね)」


やっぱり和樹もそう思うか


「魔物が降りていきます!」


ソーナの言葉に反応して俺も付いていくように降下する。魔物の降下していく先に森の中にポツンと古ぼけた

家が佇んでいた。シトリー領内にあんな家あったんだな


「あの家は・・・・・?」


「会長、知らないのですか?」


「ええ、あんなところに家があるなんて―――」


ドッガアアアアアアアンッッ!!!


魔物が先に地上に降り立つといきなり家を壊し始めた!


ギュアアアアアアアアアアアアッッ!


腕を振るい、家の壁を砕いていった。頭を突っ込んで何かを探している様子だ。そんな魔物の体に何処からか

魔力が放たれた!同時に声が聞こえた


「な、なんだ!?このドラゴンは!」


「倒せっ!」


「くそっ!なんで此処に!?」


「まさか、幽幻龍騎士団のドラゴンなのか!?」


「何としても此処を死守するんだ!」


家から続々と出てきた悪魔たち。その言葉に俺は怪訝な顔に成った


「俺たちのことは冥界に知れ渡っていると思うけど。あの家を死守する?」


攻撃をし続ける悪魔たち、魔物はそんな悪魔たちに気にせずに家の中に頭を突っ込んで何かを探す


「・・・・・なぁ〜んか、気に成るなぁ」


「そうですね」


「そうだよな」


皆もあの光景を見て気に成るようだ


「ソーナ。確か、不審な行動をしている奴等を独断で捕縛できる権限があったよな?」


「―――なるほど、そういうことですね」


「ああ、あいつらを捕まえて吐かせよう。一体此処で何をしているのか」


俺はもの凄い勢いで魔物に向かって行った。魔物も俺に気づいたのかその場から瞬時で飛んだ


「またドラゴン!?」


「いや、待て!あのドラゴン・・・・・。兵藤一誠のドラゴンだ!」


「な、なんだと!?ま、まずいじゃないか!」


「やばい!逃げるぞ!」


一人の悪魔が足下に魔方陣を展開して逃げ出そうとした。


「逃がすと思うか?」


大勢の悪魔たちに顔を向けて瞳を煌めかせる。すると、大勢の悪魔たちが動きを止めた


「今のうちに捕縛してくれ」


『了解!』


ギュアアアアアアアアアアアアッ!


魔物が魔力を放って来た。俺の体に直撃するけど、魔力は無効化された。


「お前も停まっていろ!」


カッ!


空にいた魔物が動きを停めた。そしたら、魔物は地上に墜ちていった


「さてと、あの魔物も頑丈に縛っておくとしよう」


翼を羽ばたかせて魔物のところへ赴いた



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「それじゃあ、話してもらおうか?どうして、シトリー領にお前たちがこの家にいたのかを・・・・・」


『・・・・・』


十分後、俺たちの傍には巨大なドラゴンと化と成った魔物と捕縛されている大勢の悪魔たち。その悪魔たちに

問い詰めるが誰も口を開こうとしなかった


「この家に一体なにがある?」


『・・・・・』


「どうして、この家を死守しようとしたんだ?すぐに壊れそうな家なのにさ」


『・・・・・』


・・・・・口を閉ざし沈黙する悪魔たち


「いい加減、楽になりたくないか?全て洗いざらい喋ってさぁ」


『・・・・・っ』


それでも、黙る悪魔たち


「―――みんな、家の中を探索してくれるか?俺はこいつらを問い詰めるから」


「解りました。みんな、行きましょう」


「ま、待て!行くんじゃない!恐ろしいものがいるんだぞ!?それも魔王クラスじゃないと倒せないほどの

ものが!」


一人の悪魔が突然口を開き焦りの色を染めた


「じゃあ、俺が行こう。俺はその魔王クラス以上の力を持っているからな」


「き、貴様でも無理だ!それに、誰の許しがあってこの領に入りこんだのだ!?」


「じゃあ、お前等は何だ?シトリー家次期当主のソーナの話によるとお前等みたいな悪魔は知らないと

言ったぞ。それに、俺はソーナの婚約者でソーナにも許可を得てこの領土に足を踏み込んでいる。お前等は

一体誰の許可でこの領土に足を踏み込んでいる?」


「ぐっ・・・・・」


押し黙る一人の悪魔


「お前等、さては―――ヴァルヴォラスの家の者だな?」


『・・・・・』


「沈黙は肯定と捉えるけどいいんだな?」


『ち、違う!』


「じゃあ、シトリー家の悪魔だったらシトリー家の紋様を何でもいいから出して見せろ」


否定する悪魔たちに証拠を見せろと言うと誰もしなかった


「はい、お前等はヴァルヴォラスの奴らの者だと決定だ」


「違う!俺たちはただ―――」


「ただ、なんだ?」


「・・・・・っ」


何か言いかけた悪魔に問うと慌てて口をと出す。・・・・・ふぅ


「―――これだけ、人数がいるんだ。その内吐いてくれる奴がいるだろうから大丈夫だろうな」


『・・・・・?』


「ソーナ、皆。家に何かあると思うから探索して行ってくれ」


「・・・・・まさか、イッセーくん」


ソーナは気付いたようだが「行け」と指示する。彼女は無言で頷き、崩壊した家に匙たちを引き連れて

探索をしに行った


「もう一度聞く。どうして、シトリー領にお前たちがこの家にいたのか、どうしてこの家を死守して

いたのか・・・・・」


『・・・・・』


「・・・・・」


俺は無言で一人の悪魔の頭を鷲掴みにして持ち上げる


「がっ!?」


「まずは―――。一人目」


グシャアッ!


悪魔の頭を握りつぶした。ただの肉塊となったものをまだ生きている悪魔たちに放り込む


『ひぃ!?』


「禁手」


大天使化となって金色の翼を全部使って12人の悪魔を捕まえる


「―――光よ」


『ぎゃあああああああああああああああああああああああああああ!?』


「悪魔には光が毒だからなぁ。一瞬で消滅しない分、かなりの痛みがお前たちを与える」


そう言いつつ今度は両手で二人の悪魔を持ち上げてギリギリと握力を上げる


『があああああっ!』


グシャッ!・・・・・ドサッ


「さてと・・・・・、まだまだいるな?」


手を血に染めてまま、視線を残りの悪魔たちに向ける。


「今度は誰にしようかなぁ?・・・・・うん、今度はお前にしよう」


手を伸ばして一人の悪魔の頭を掴もうとした。―――刹那


「ま、待ってくれ!話す!俺たちが此処にいる理由と!死守しようとした理由も何もかも全部話すから!

こ、殺さないでくれぇ!」


顔をぐしゃぐしゃにして懇願する悪魔。伸ばした腕を戻してその悪魔の前に座る


「初めからそう言えばいいんだよ。バカな悪魔だなぁ。・・・・・で、理由は何だ?」


「お、俺たちは―――」


悪魔が真相を告げてくれた



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「そういうことか」


こいつらはヴァルヴォラスに金で雇われた&ヴァルヴォラスの家に住んでいる悪魔たちで此処を守れと

言われてこの家を守っていたところに魔物のドラゴンに襲われたと・・・・・


「おい、ヴァルヴォラスは何処にいる?」


「し、知らない!そう言って俺たちをここに置いて何処かへ行ったんだ!」


・・・・・もしかすると、こうなることをあいつは予測していたのか・・・・・?だとしたら、

此処も外れ・・・・・?


「じゃあ、この魔物は何でこの家を・・・・・?」


「イッセーくん!」


ソーナが叫ぶように俺を呼んだ。振り返ると、腰まである黒い髪の女性がソーナと椿姫の肩に支えられながら

歩いてきた


「ソーナ、その女性は・・・・・」


「はい、私の母です・・・・・っ」


「ですが、数日間。何も口にしていないようで・・・・・」


俺はソーナの母親に近づく、グッタリとしていて気を感じると弱弱しい気だ。


「母は体が弱いのに・・・・・!」


「取り敢えず、気を送る」


静かに怒るソーナに「横に寝かせてくれ」と伝え、手に仙術の光を発光させソーナの母親の胸に添えて気を

送りこむ。少しずつだが、弱弱しい気が回復していった。


「・・・・・うっ」


数分後、ソーナたちが見守る最中、ソーナの母親が声を漏らしたのが聞こえた。


「お母さま!」


ソーナが呼ぶ声が聞こえたのか、目蓋を閉じたまま顔をソーナに向けると目をゆっくりと開け、

「ソー・・・・・ナ・・・・・」と弱弱しく声を発した。もう、大丈夫だな


「お母さま!」


「ソーナ・・・・・。あなた、どうして此処に・・・・・?」


「あなたを助ける為に来たんだ」


仙術を止めた俺が説明すると顔をこっちに向けた瞬間、目を少しだけ見開いて瞳を潤わせてツゥーと涙を流し

始めた


「懐かしい・・・・・。誠さんと一香さんを見ているようだわ・・・・・。久しぶりね、イッセーくん」


「俺にとっては初めてなんだけどな」


「ふふっ・・・・・。そうね、あの時は赤ん坊の時でしたから・・・・・」


俺の頬に手を添えるソーナの母親


「ところで、ソーナの父親は何処にいるか解るか?ソーナの家族を助ける為に冥界に来たんだ」


「・・・・・ごめんなさい。突然、私を無理矢理に此処へ連れてこられ閉じ込められていたので

解らないの・・・・・」


「じゃあ、あれはなんだ?あれのお陰であなたを見つけられたんだけど・・・・・」


ドラゴンと化と成った魔物に視線を向ける。未だに停止されている。ソーナの母親は魔物に視界に入れると

「・・・・・やはり、解かれていましたか」と納得した言葉を発した


「お母さま、あの魔物は一体何なのですか?」


「・・・・・その昔、まだ、三大勢力戦争が続いた最中、私たち悪魔の研究委員たちが戦争を有利になる

ような魔物を次々と造りあげては戦争に出してデータを取り、そのデータをベースにさらに強力な魔物を造り

あげ、造りあげた魔物を戦争に出し、またデータ集めをさせてそのデータのベースでより強力な魔物を戦争が

終わるまで造っていったのです」


まるで、魔獣創造みたいだな


「・・・・・知っての通り、戦争は無くなりました。戦争が終わった途端に自分たちが造っていった人造魔物

たちを次々と処分したのです。―――ですが、一体だけ、研究上から命辛々逃げた人造魔物がいました」


「・・・・・それが、あの魔物ってことか?」


「はい。その時は小さな魔物でした。私がまだ小さかったとき、森の中に探険していたら、怪我をした魔物が

いました。当時の私は人工で造られた魔物だとは知らずにその魔物を保護し―――使い魔として一緒に

生活をしたのです」


『え!?』


驚きの展開!人工とはいえ、魔物を使い魔にするなんて凄いことをする!いや、凄くないのか?


「ですが、保護した魔物を見せ『この子を使い魔にする!』父上たちと母上に言ったら猛反対されました。

『魔物は危険だ!成長したら危険な魔物に成るのだぞ!』と、言われました」


ソーナの母親は遠い目をして懐かしそうに言葉を発し続ける


「しかし、猛反対される私の前に立ち、父上たちに『なら、危険な魔物に成らないように育てればいい

じゃないか』と説得してくれた人たちがいたのです」


「それが、俺のお父さんとお母さんなのか?」


その言葉に問うとコクンと頷く。


「誠さんたちの説得のお陰で使い魔にしても良いと了承してくれました。その後でも何度か私の家に遊びに

来たり、私が夫と結婚式に来てくれたり、セラフォルーが生まれた時にも来てくれたのがよく覚えています」


「・・・・・そうなのか」


「今でもよく覚えていますよ。赤ん坊のイッセーくんを幸せそうに私たちに知らせて見せてくれた

時のことを・・・・・」


・・・・・絶対に俺はその時でも何か遭ったんだろうな。良く生き延びたよな。俺って・・・・・


「では、どうして使い魔を氷の中に閉じ込めたのですか・・・・・?」


「・・・・・私の使い魔が戦争の為に造られた魔物だと当時、戦争中に魔物を造っていた研究委員たちが

突然、家に押し掛けてそう言ったのです。そして、私の使い魔は危険だから連れ去り、処分すると私に

一方的に告げました」


『・・・・・』


「私は当然、猛反対しました。でも、研究委員たちは私の言葉を聞いてもらえませんでした。使い魔を連れ

去ろうとする研究委員たちの邪魔をした研究委員たちの傍にいた衛兵たちに捕まり殴られ、蹴られ、暴行を

受けました。暴行を受ける私を見て私の使い魔が怒り、衛兵と研究委員たちを殺していきました。

―――私の制止を振り切って」


助けようとしたんだろうな・・・・・。自分を大切に育ててくれた親を、主を・・・・・


「しかし、それが過ちでした。上層部は『主の言うことを聞かずに殺してしまうその魔物を処分する』と

決めたのです。直ぐに上層部は軍隊を出動させ魔物の討伐を命じました」


上層部・・・・・っ!あの悪魔どもか!


「私の使い魔はそれを察知したのか、私の許から去りました。―――そして、数年後のことです。私の目の

前に現れた私の使い魔は氷に閉じ込められていました。私の使い魔を連れてきたのはセラフォルーなのです」


「お姉さまが・・・・・?」


「その時は既にソーナも生まれ、魔王レヴィアタンとして魔王を務めていたセラフォルーが自ら処分して私に

渡したのです。『上層部のおじさまたちには内緒だけど、この氷はお母さまがこの家から離れた時に開放

するようにしたよ。上層部のおじさまたちに私たちの家にお母さまの使い魔を置かせて欲しいと説得したら、

「この魔物の見張り役としてくれるのなら構わない」と言ったよ』と手を回してくれました」


セラフォルー。気を掛けていたんだな・・・・・。


「そんなことが・・・・・。だから、牢屋の場所を教えても絶対に行かせてはくれなかったのですね」


「ええ、きっと見ても怖がると思いましたから。あなたは怖いものを見ると直ぐ泣いてしまうのですから」


「そ、そんなことをイッセーくんの前で言わないでください!」


「あら、ごめんなさい。―――ソーナ。あなた、冥界から離れた時と大分、変わりましたね。人間界で色々と

学んで、イッセーくんの婚約者と成って、イッセーくんと暮らしながら愛してもらっているのでしょう?」


ソーナの母親の指摘にソーナの顔は赤面した


「イッセーくん。ソーナとセラフォルーのことをよろしくお願いします」


「はい。必ず彼女たちを幸せにすると誓います」


ソーナを抱き寄せてソーナの母親に誠意を示す。ソーナは瞳を潤わせて俺の名前を呼んだ


「ソーナ。お前は俺の愛しい女だ。絶対に離さないし、誰にも触れさせない」


「イッセーくん・・・・・。私は既に身も心もイッセーくんのものよ」


俺の首に両腕を巻き付けて俺と見詰め合う。―――そんな時だった


「やはり、来ましたね。ソーナ」


『―――!?』


俺たち以外の声が聞こえた!声が聞こえた方向に振り向くと―――七十二柱の一つ。ヴァレフォール家の次期

当主。ヴァレフォール・ヴァルヴォラスが大勢の悪魔を引き連れて俺たちの前に現れた!その隣には

ダンディな男性がいた


「お父さま!」


「じゃあ、あの男性がソーナの・・・・・」


「さあ、ソーナ。私と一緒に結婚式の会場に行きましょう。既に準備ができました。明日の為に下見するのも

悪くないでしょう」


あの悪魔はソーナに近づいてきた。俺はソーナを庇うように立つ


「よお、悪魔くん、数時間ぶりだな。このシトリー領に無断で入ってくるとはどういうことだ?」


「無断ではありませんよ。ちゃんとソーナの父上、シーラ・シトリー殿から許可を得ていますよ」


「・・・・・ああ、私が許した」


感情の無い声でソーナの父親が発した。俺はヴァルヴォラスに問う


「どうして、ソーナの父親がお前といるんだ?シトリー領の本邸にいる筈だ」


「私の父上がお呼びになって結婚式の会場の下見をしていたのですよ。私が此処に行くと言うと告げると

一緒についてきたのです」


「それじゃあ、何故、ソーナの母親がこの家にいたんだ?」


「さあ、私には存じませんね。―――ですが、あなたがソーナの母親を誘拐してこの家に監禁したのでは

ありませんか?なにせ、テロリストと言われたことも有りましたからね」


・・・・・簡単には行かないか


「どうして、そんな大勢の悪魔を引き連れてきたんだ?ソーナを迎えに来るのにしちゃあいらないん

じゃないか?」


「シトリー領に不届き者がいると知らせが届きまして、ソーナの夫と成る私自ら出向いて捕縛しようと

私の家の者を連れてきたのです」


「へえ、金で雇った悪魔やお前の家の悪魔を捕縛か?―――証拠隠滅をしようと来たんじゃないのか?

それに、このタイミングでお前がこの領に現れた。いくらなんでタイミングが良過ぎて不自然だ。さらに言え

ばどうしてお前にシトリー領に不届き者がいると知らせが届く?その知らせは最初に魔王の代理人である

大公、アガレス家へ届き、その知らせをシトリー家に連絡してシトリー家の悪魔が取り締まる筈だ。

俺の婚約者アガレス大公、次期当主のシーグヴァイラ・アガレスからもそう訊いている」


ヴァルヴォラスに問うと微笑むだけで何も言わなかった。ソーナの父親に話かける


「ソーナのお父さん、俺を覚えているか?」


「・・・・・」


「ヴァルヴォラスをソーナの夫と認めているみたいだな?」


「ああ、ソーナを誰よりも幸せにしてくれると思っている」


感情の無い声音で俺はソーナの父親と会話のやりとりを始めた


「どうして、ヴァルヴォラスがソーナを幸せにしてくれると思って結婚を認めているんだ?」


「実力も才能も財政も何もかも私たちより上だ。名声も高く将来は最上級悪魔になる素質もあるからだ」


「・・・・・ソーナがヴァルヴォラスに負けると思っているのか?」


「ああ、彼の方が実力あるぞ」


人形のように首を頷いた。


「ソーナのお父さん、ソーナの意見も聞かずに結婚を許すのか?」


「前からソーナは彼と婚約を結んでいたことだ」


「ソーナと結婚するのには何が必要だ?」と問うと「知略と力」と答えた。


「―――なら、俺が知略と力でコイツに勝ったらソーナを俺の妻にしてもいいな?」


「ああ、良い―――」


「すいませんが、そろそろ良いでしょうか?」


ソーナの父親の言葉を遮るように俺に話しかけてきた


「その前に彼女の母親をシトリー本邸に連れていく。彼女は体調がすぐれないようだ」


「はい。それに私は父と母と久しぶりに話したいので・・・・・。ヴァルヴォラス、よろしいですね?」


「ソーナのお父さんは結婚式の会場の下見をしに行ったんだろう?なら、戻ってきたことだし、ソーナと

一緒に彼女の母親と家に帰っても問題ないよな?結婚式は明日だ。最後に家族水入らずゆっくりと話したい

こともあるだろうからな」


俺は真っ直ぐヴァルヴォラスの顔を見て言った


「・・・・・っ」


此処に来て初めてヴァルヴォラスの顔が変わった。少し焦りの色が浮かんだ。すると尻眼を動かして背後に

いる悪魔を見た。俺はその様子を窺いつつソーナの父親に問う


「それじゃあ、ソーナのお父さん。一緒に家に帰りましょうか。ソーナと久しぶりに会話したいでしょ?」


「ああ、そうだな。―――いや、私は彼の家に泊まろう」


『!?』


俺たちの所に数歩、歩を進めた途端、急に手の平を返したようにこの男はそう言ってヴァルヴォラスの傍に

戻った


「―――自分の妻が体調を崩しているのにあなたはその悪魔と一緒にいるつもりか?」


「ああ、私は彼と一緒にいる」


人形のようにまた首を頷いた。・・・・・こっちに引き込むのは無理か・・・・・


「・・・・・戻ろう」


ソーナの母親を抱き抱えたところでヴァルヴォラスに振り返る


「それじゃあ、悪魔くん。俺たちは帰るとする」


「―――ソーナ。明日、迎えに行きます」


あいつは悪魔の軍勢とソーナの父親と共にこの場から去っていった。俺たちもソーナの実家に戻る

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