小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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再び!波乱万丈結婚式!


「お母さん!」


セラフォルーが涙ぐみながらベッドに入っているソーナの母親に抱きついた。ヴァルヴォラスが去った後、

皆をシトリー本邸に集合させたり、先に帰らしたりと指示を送った。


「セラフォルー・・・・・」


彼女もセラフォルーを抱き締めた。


「セイン、ウーノ。何か収穫はあったか?」


「うん!盛り沢山あった!」


「セラフォルー、ヴァレフォール家が裏で色々と悪事をしているようよ?はい、これ」


二人がセラフォルーに紙の束を渡した。セラフォルーの顔は紙を見る度に表情を変えていった


「―――へぇ、上層部に巨額の賄賂?それに、今までのレーティングゲームの勝利の半数は相手に賄賂を

渡して八百長?それに人間界でも色々とねぇ・・・・・?」


「それにこれが一番見せたかったもの」


ウーノが一枚の紙を渡した。その紙に記されているであろう悪魔文字を見たセラフォルーは―――全身に

冷気のオーラを迸らせた!


「なに、これ?『幽幻龍騎士団兵藤一誠の殺害を認める』って、あははっ、ご丁寧に名前も書いてあるよ!

面白いことをするんだねぇ!」


「因みに本物とそっくりにコピーして置いてきたわ。つまり、それは本物よ」


「うん、ありがとう。早速、サーゼクスちゃんに教えてくるね」


「ちょっと待った。教えるのは構わないけどそれ以上の行動はしないで欲しい」


足下に魔方陣を展開しようとするセラフォルーに待ったを掛ける


「・・・・・どうして?直ぐに捕まえなくちゃいけないのに」


「明日はソーナの(仮)結婚式だ。セラフォルーとサーゼクスに結婚式に出て欲しいんだよ」


「・・・・・何か考えがあるんだね?」


俺は笑顔で頷き「当然だ」と言った


「魔王の妹が結婚するんだ。当然セラフォルーも参加しないとダメだ」


「あの、私は会場に行かなければならないのですか?」


「ああ、ソーナには結婚式に出て欲しい」


「・・・・・守ってくれるのですよね?」


胸を叩き「命を賭けて守る」と言い切った


「解りました。私はイッセーくんを信じます」


「ソーナ、ありがとう。必ず俺がお前を守る」


「イッセーくん」


「ソーナ」


見詰め合う俺たち。だが、周りからもの凄く視線を感じる!周りを見ると・・・・・。羨ましそうに

俺たちを見る俺の愛しい彼女たち!


「羨ましいっス!」


「そうねぇ・・・・・」


「だけど、ソーナが大変な目に遭っているから・・・・・」


「今回の主役はソーナ。だから・・・・・我慢しないと・・・・」


皆、ごめん。終ったら満足するまで甘えても良いから許してくれ・・・・・


「ところで、えっと、お名前は・・・・・?」


「そう言えば名前を言っていませんでしたね。皆さま、初めまして。私はソーナとセラフォルーの母、

エリアス・シトリーと申します。この度、私を助けていただき誠に感謝しております」


深くお辞儀をするソーナとセラフォルーの母、エリアス・シトリー。


「ところで、あれはどうにかならないのか?」


窓に指さす。そこには


ギュルルルルル・・・・・


未だにドラゴン化になっている魔物が窓にへばり付くようにしてエリアスを見詰めている。とても俺たちと

戦った魔物とは思えない


「長年、封印されていたものですから甘えたいけど私の体調を気遣って我慢しているようです」


「そういえば、あの魔物―――使い魔の名前は何だ?」


「リヴァです。それとあの子は体と姿を自由に変れることができます」


「ああ、戦って理解したよ。おまけに不死身だってことと弱点もだ」


その言葉にエリアスは目を大きく見開いた


「ソーナ。あの子と戦ったのですか?」


「てっきり、お父さまたちが封印した凶悪な魔物かと思って・・・・・、ごめんなさい」


「いえ、それより、よく無傷の上に生き残った方が驚きです。上級悪魔では歯が立たないのですから」


「サイラオーグとグレモリー先輩、ライザー辺りの上級悪魔なら弱点を教えれば勝てると思うぞ?」


と、例を挙げて言ってみた。皆は頷いて納得の様子だ


「・・・・・もう、こんな時間か」


「あっ、本当だ。明日、学校だけど休めば問題ないよね」


「アザゼルたちは不思議に思うが、小猫、ゼノヴィア、ロスヴァイセ、イリナ。お前たちは学校に行けよ。

イリナ以外、グレモリー先輩の眷属なんだから悪魔家業はちゃんとしないとダメだぞ。当然、

この事は秘密だ」


四人は渋々と頷いた。一緒に助けたい気持ちなんだろうけど・・・・・ごめんな


「エリアスさん。俺たちの家で寝てください。あいつが夜中にエリアスさんを攫おうとするかも

しれないから」


「・・・・・解りました。あの、リヴァも良いですか?」


「体を小さくしてくれたら問題ない」


「ありがとうございます」


感謝を言ったら使い魔の名前を呼んだ。あの使い魔は知能があるのか窓を壊さずに開け放ち顔を部屋の中に

突っ込ませてきた


「体を小さくしてちょうだい。娘の婚約者の家に泊まりに行きますよ」


唸り声を上げるとリヴァの体がどんどん小さくなっていった。一定の大きさに成り翼を羽ばたかせて

エリアスの傍に降りた


ギュルルル・・・・・ッ


「ごめんなさいね。今まで寂しい思いをさせて・・・・・」


慈愛と悲哀が混ざった満ちた瞳でリヴァを見詰めて頭をなでる。リヴァは嬉しくて幸せそうに目を細めて

エリアスに撫でられ続けた


「行くとしようか。はい、背に乗ってください」


「すみません。失礼します」


彼女を背に負ぶさる。―――なんて軽いんだ。もう少し体重を増やしても問題ないぞ


ギュルルル


リヴァが唸り声を発すると翼を羽ばたかせ何故か俺の頭の上に座った。


「すみません。私から離れたくないみたいで・・・・・」


「大丈夫だ。リヴァ、よろしくな」


一度戦った使い魔に声を掛けるとベシベシと頭を叩いてきた。


「『よろしくな』と言っています」


「解るのか?」


「長年、私と一緒に暮らしていますから解ってくるのですよ」


空間に穴を生じて俺たちは中に潜りながら俺は歩きながらエリアスさんと会話する。そして、家に戻ったら

軽くエリアスさんとリヴァに料理を作り、食べさせてリーラとシンシアに彼女の体を洗ってもらうことと

寝室に案内するように指示を送った。(リヴァは性別が無いみたいだから一緒に入っていった)そして、

俺たちは就寝についた



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



ソーナside


翌日の夜、今の私の姿は紫色のウェディングドレスを身に付けている。イッセーくんは必ず私を

守ってくれる。私は彼を信じて待つだけ・・・・・


コンコン


「どうぞ」


部屋の扉が開け放たれた。入ってきたのは―――ヴァルヴォラス


「ソーナ、綺麗ですよ。よく、私の妻に成ると決意してくれた。私は嬉しいです」


「・・・・・あなたに言われても嬉しくありません」


「あははは、これは手厳しい」


苦笑するこの男を見ずに話を続ける


「お父さまとお母さまは?」


「既に会場の席に座って待っておいでです。私とあなたの入場を・・・・・」


バチンッ!


ヴァルヴォラスの手が私の肩を触れようとした瞬間、手を払い除けて音を立てて彼の手を阻んだ


「あなたの夫となっても私の体には指一本も触れさせませんので」


「おやおや、愛が痛いです。綺麗な花には棘があると言うのはあなたみたいなことを

言うのですね・・・・・」


手をぷらぷらと振って苦笑の笑みを浮かべたまま言った。この男、気味悪い・・・・・


「・・・・・どうしてそこまで私を拘るのですか。私以外にも綺麗な女性がいる筈です」


「ええ、確かにいるでしょう。ですが、私は心から愛したいと思ったのはあなたが初めてなのですよ。

今までどんな女性を見てもそんな感情が起きませんでしたが、あなたを見た瞬間、私の運命の女性だと

感じたのです」


「・・・・・あなたの趣味が解りかねます」


「これから解っていけばいいですよ。何故ならあなたは今夜、私の妻と成る女性ですから」


・・・・・私はイッセーくんの妻が良いです・・・・・


「そうそう、彼、兵藤一誠に助けを求めても無駄ですよ?なにせ、この会場にはランキング3位の最上級

悪魔とその眷属、数百の悪魔の軍勢をとあるコネで呼び出しました。彼がソーナを助けようとしたとき、

最上級悪魔と数百の悪魔の軍勢の手によって倒されるのですから」


「ランキング3位!?あなた、一体どうやって動かしたのですか!?」


「聞こえませんでしたか?とあるコネを使って呼んだのですよ。『会場に乗り込んでくるであろう

テロリストを倒して欲しい』と依頼してね?」


あなたは、あなたは何てことをしたのですか・・・・・!


「ヴァルヴォラス、あなた、彼の実力を知らないのですか?」


「承知していますよ?ですが、流石に彼等を倒すのは無理があるでしょう。現魔王を匹敵する力を持つと

言われている悪魔にね・・・・・さあ、そろそろ時間です。会場に行きましょう」


「・・・・・解りました」


彼と少し離れて共に会場に赴いた。豪勢な扉の前に立つと扉が勝手に開け放たれていった


『新郎新婦のご登場です!』


実況がそう告げたと同時に巨大な会場広場は拍手の音で包まれた。


「参りましょうか」


ヴァルヴォラスは腕を差し出してくるが私は先に歩を進める。その行動に会場にいる悪魔たちは不思議

そうにしていた。ヴァルヴォラスも急ぎ足で私の隣に歩いてくる


「ダメじゃないですか。先に行っては」


「私の勝手です」


神父を模した悪魔の方へ赴く。その途中にお父さまとお母さまの姿がいた。そして、神父を模した

悪魔の前に立ち止まると実況が告げた


『えー、では、これより、シトリー家次期当主のソーナ・シトリーさまとヴァレフォール家の次期当主の

ヴァレフォール・ヴァルヴォラスさまの結婚式を始めたいと思います』


パチパチパチッ!


拍手が再び会場を包んだ。そして、悪魔にお辞儀をして設置されているテーブルと椅子に赴き席に座った

その時だった。会場の扉が再び誰かの手によって開け放たれた。


「すまない。遅れてしまった」


「やっほー☆ソーナちゃん!」


その人物は現魔王、サーゼクスさまと私の姉セラフォルーだった。突然の二人の魔王の登場に会場にいた

悪魔たちは唖然、驚愕、思わず立ち上がる悪魔もいた。その人物がヴァルヴォラス


「サ、サーゼクスさま!?それに、セラフォルーさま!?どうして此処にいらしたのですか!?」


「うん?私の妹が結婚するのに姉である私が妹の結婚式に来てはいけないのかな?」


「い、いえ・・・・・。そういう訳では・・・・・」


「なら、良いでしょう?―――それにどうしてだか知らないけど何時の間にか私は二人の結婚を認めて

いたようだしね・・・・・?」


お姉さまの意味深な言葉にヴァルヴォラスの頬に冷汗が流れた。


「それにしても酷い話だよ。妹の結婚式なのにどうして姉である私を呼ばなかったのかな?

ヴァレフォール家の次期当主のヴァレフォール・ヴァルヴォラスと現当主ちゃん?」


「そ、それは・・・・・!」


「何か、私に隠し事でもあるのかな?」


「め、滅相もございません!私たちの手違いでお呼びするのを忘れていただけです!」


ヴァルヴォラスの父親がお姉さまの追及に慌てだす


「魔王さま方。どうぞ、お席にお座りに成ってください。私たちの結婚式に魔王さまたちを手違いで

お呼び忘れていたところわざわざこの会場に来ていただいたのですから・・・・・」


この男は席に座るように促すがお姉さまは首を横に振った


「気にしないでいいよ。それに、私たちだけじゃないよ?まだ、この会場に来る人がね」


お姉さまは開けたままの扉の奥を見詰めた。刹那―――。足音が聞こえた。


「悪いな。少し遅くなったけどもう、結婚式は始まっているかな?」


暗闇の奥から声が聞こえた。その声の主は会場に進入してきた。


「―――俺の名前は幽幻龍騎士団、兵藤一誠!俺の愛しい女、ソーナ・シトリーを連れ戻しに来た!

ヴァレフォール・ヴァルヴォラス、お前なんかに俺のソーナを渡すかぁ!」


そう、私が愛してやまない彼―――兵藤一誠が現れた!


「兵藤一誠!?」


「何故、彼が此処に・・・・・!?」


「本物だ・・・・・!凄い、生で見られた!」


会場がお姉さまの登場以上に騒ぎ出した。


「・・・・・兵藤一誠、表にいた者たちはどうしたのですか?」


「ああ、盛大な出迎えをしてくれてありがとうな。―――お礼に一人残さずに殲滅させてもらった」


「私の妻を奪うつもりか・・・・・!」


「『私の?』・・・・・違うだろう。―――『俺のだ』」


イッセーくん・・・・・!


「さあ、ソーナ。迎えに来た。表にはシトリー眷属たちも待っている。一緒に帰ろう」


イッセーくんは微笑みながら私に近づいてきた。私も立ち上がろうとしたが


「ダメですよ。ソーナ、彼に近づいては危険だ」


ヴァルヴォラスに阻まれた


「兵藤一誠。キミに試練を与えよう」


「試練・・・・・?」


「そうです。ソーナを連れていくのであればそれなりの事を示して頂かないとこの場にいる貴族たちも

納得しないと思いますので」


「・・・・・なるほど、一理あるな・・・・・。で、その試練ってなんだ?」


イッセーくんが尋ねるとヴァルヴォラスは「力と戦術勝負です」と答えた


「戦術勝負・・・・・?ゲームをやるのか?」


「チェスですよ。チェス。私はこう見えて戦術も得意なんですよ」


「へぇ、面白そうだな。それで、力は?」


「この方と勝負をしていただきます」


そう言って指を鳴らした。すると、会場の奥から数人の悪魔がイッセーくんに近づいてきた。

サーゼクスさまとお姉さまはその悪魔たちを見て信じられないものを見た目で見た


「キミたち・・・・・。どうして此処にいるのだね?」


「うそ・・・・・、何で?」


「サーゼクス、こいつらは誰だ?」


イッセーくんは知らないようだ。実を言うと私もよく知らないのですがね。―――彼等を


「私たちは此処に来るであろうテロリストを倒して欲しいと依頼をされたので来ただけです。

サーゼクスさま、セラフォルーさま」


一人の男性が一歩前に出て説明をした。イッセーくんは苦笑して問う


「ヴァルヴォラス。こいつ等を倒せばいいんだな?」


「簡単でしょう?因みに彼等はランキング3位の悪魔とその眷属たちです」


それを聞いて―――口の端を吊り上げ不敵の笑みを浮かべた


「レーティングゲームのランキング3位・・・・・。これは凄い奴を戦うことになったもんだな。

俺は・・・・・」


「兵藤一誠。逸脱した存在であり、テロリストと疑われた不安要素の塊・・・・・。現魔王さまたちと

匹敵する私たちの力を思い知るが良い・・・・・!」


「―――ランキング3位の称号を引きずり落としてやるよ」


睨み合うイッセーくんとランキング3位の最上級悪魔。イッセーくん、あなたが勝つを

信じています・・・・・


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