小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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再会(2)



「イッセーくん・・・・・」


「八坂・・・・・」


二条城から裏京都に赴いた。八坂と九重が住んでいると聞いた屋敷に進入すると八坂と鉢合わせて今現在、

涙ぐむ八坂に抱きつかれている。俺も抱き締める。


「良かった・・・・・!良かった・・・・・!イッセーくんが甦って、本当に・・・・・!」


「俺もだよ。また、皆や八坂に会えて嬉しいよ・・・・・」


「兵藤・・・・・」


八坂の後ろに九重が佇んでいた。手招きして呼ぶ


「おまえも心配掛けた。・・・・・ごめんな」


「・・・・・」


優しく九重の頭をなでる。黙って撫でられる九重に「ごめんな」ともう一度謝ると口を開いた


「気にしないでいい。お主はちゃんと母上や私の前に現れたのじゃからな」


「ああ、ありがとうな・・・・・」


微笑みを浮かべて九重に言う。九重は顔を赤面して俺の体に顔を埋めた。恥ずかしかったのか・・・・・?


「イッセーくん」


俺の後ろからジャンヌが声を掛けてきた顔を後ろに向けると残念そうな声音で言った


「私たちは帰るわ。イッセーくんが復活したと報告もしないといけないしね」


「そうか。それと、『曹操、何時かおまえと決着をつけよう。今回のことは感謝している。ありがとう』と

曹操に言ってくれるか?」


「ええ、ちゃんと伝えるわ。恋、行くわよ」


「・・・・・恋はご主人さまを倒して、恋たちの仲間にする」


恋の言葉に苦笑いして「ああ、俺を倒して見ろ」と言った。恋は頷くとジャンヌと瞬時で姿を暗ました。


「それじゃあ、冥界に行くとしよう」


「死んだ悪魔を甦らす為か?」


「それもあるけど、俺が復活したことを知らせに行く為でもある」


「・・・・・正直、おまえは冥界に居ると不幸になると確証しているから行かせたくはないんだけどな」


嘆息するアザゼル。そうだよな。二回も冥界で同じ悪魔に殺されたし、正直、俺だって冥界には近寄りたく

はないんだけど・・・・・


「三分の一は俺のせいで冥界は大変なことになったんだ。責任を取ってケジメをつけたい」


残りはバツ悪そうにしているシヴァと悪魔。


「大丈夫だろう。俺たちが付いていくから一誠を死なすことはないさ」


「誠の言う通りよ」


お父さんとお母さんが俺の肩に手を置きながらそう言った。―――でもなぁ


「俺、カイザーさんの家で赤ちゃんの時の俺がリヴァイアサンに食べられた映像を見たん

だけど・・・・・?」


「「うっ・・・・・!」」


「他にも冥界に言ったらお父さんたちが一緒にいるにもかかわらず、色々と俺は危険な目に遭ったって

アザゼルたちから聞かされたんだけど・・・・・・?」


「「そ、それは・・・・・!?」」


「―――ぶっちゃけ、お父さんたちがいてもいなくても俺は冥界に行けば危険な目に遭うと

思うんだぁ・・・・・。二度も冥界で死んだしさ」


グサァッ!


俺の言葉にお父さんたちは四つ這いになって首を前に垂らし、ショックを受けた様子を俺に見せる


「・・・・・そう・・・・・だよな。幼い頃の一誠をよく冥界に連れていく度に色々と危険なことや不幸な

目に遭っていたんだよなぁ・・・・・」


「ましてや、一誠が二度も死んでしまったよね・・・・・。ふふ・・・・・、親として私たちは

失格かしら・・・・・?一度、息子を見殺したような事をしてしまったし・・・・・」


「ああ・・・・・、そうかもしれないな・・・・・」


ズーンとお父さんたちの周りに黒い影が落とされた。そこまでショックを受けるのかよ・・・・・


「こいつらが此処まで落ち込む姿を見るなんて初めてだな・・・・・」


「俺もだ・・・・・」


「私たちもそうだったわよね?」


「ええ、そうですね・・・・・」


ルシファーたちもお父さんたちが落ち込む姿を見るのは初めてだったのか・・・・・


「イッセーくん。もう、行ってしまうのじゃ?」


「ああ、サーゼクスたちのところに行かないといけない。色々と迷惑を掛けたし・・・・・」


「・・・・・」


キュッと俺の服を掴む。顔を上げて俺に瞳を覗かせる。その瞳には「行って欲しくない」、「別れたくない」

といった想いを乗せていることが解った。俺はどうしたらいいか当惑していたら黒い翼を持つ妖怪―――

年を取った天狗が微笑みながら近づいてきた


「お行きなされ、八坂姫」


「そなた・・・・・」


「ほっほっほ」と笑う天狗は口を開く


「乙女の御顔をなされている八坂姫には兵藤殿という殿方が必要ですじゃ」


「じゃが、妾が京都から離れると異変が生じる・・・・・」


「あっ、そのことなら大丈夫だ」


「えっ・・・・・?」


俺の言葉に八坂は唖然とする。俺はお父さんとお母さんを見る。既に立ち直っていて表情が微笑んでいた。


「この数日間、俺は体が馴染むまで兵藤家で兵藤家に伝わる秘術や秘薬の作り方を教わったんだ」


八坂の手を優しく服から外してお父さんとお母さんを呼ぶ。金色の錫杖を出して八坂の真上に浮かばせて

八坂を中心に俺とお父さんとお母さんは輪になるように手を繋ぎ、全身から膨大な気を迸らせて八坂に送る。

彼女の全身が金色に輝きだし、八坂自身の気も迸らせて金色の錫杖を巻き込み奔流と化と成って上に

昇っていった


「これは・・・・・!?」


「京都全域に流れる全ての気を総括してバランスを保つ物を造る。八坂、何でも良いからイメージしてくれ。

その錫杖が八坂の脳裏にイメージした物を造ってくれる」


「わ、解ったのじゃ・・・・・」


八坂は瞑目する。心の中で何か思い浮かんでいるだろう。金色の錫杖が神々しく光輝き始めた。―――刹那


カアッ!


膨大な光が一瞬の閃光を放った。俺の視界が光によって奪われてしまった。数十秒ぐらいで視界が徐々に回復

していく。その際に視界の端にキラキラと輝く物が入った。そこに視線を向けると金色の大きな木だった。

しかも、大きな木らしくて、上にまで伸びて―――えっ?


「鳥居をイメージしたのじゃ」


八坂が呟く。俺の真上には金色の鳥居が佇んでいた。金色の鳥居って見たことも聞いたこともないぞ!?


「しかし、可笑しいのじゃ。妾がイメージしたのは九つの鳥居の筈じゃ・・・・・どういうことなのじゃ?」


「な・・・・・に?」


『主、確かに九つの鳥居をイメージしていました。どういうことなのでしょうか・・・・・?』


メリアも八坂の考えに同じ気持ちのようだ。お父さんたちにも聞くと首を横に振った。

解らないのか・・・・・


「もしかしたら残りの八つの鳥居は表に出たかもしれないな」


「・・・・・騒ぎに成らないかな・・・・・?」


「―――既に成っていたりしてな」


少し、不安になってきた。・・・・・それよりも


「八坂、何か変わった事はないか?」


「・・・・・特にはないのじゃが・・・・・」


自分の体を見て言うが俺から見ても特に何の変化も感じない。九つの尾もフワフワと存在している


「取り敢えず、やることはやったのだから冥界に行かないか?京都に異変が感じたら京都の妖怪たちが

知らせる態勢をしてさ」


「・・・・・そうじゃの。九重、おまえはどうするのじゃ?」


「私も付いていきます!」


「ああ、一人や二人が増えても同じことだ。構わんぞ」


ガイアが了承した。心が広いなぁ・・・・・。


「八坂姫、九重さま、時々でも良いのですので、京都にお顔をお見せください」


「無論、そうするつもりじゃ。―――すまんの」


「いえ、お気にせずに。八坂姫のお幸せは我等、京都の妖怪たちの幸せですぞ」


「―――黒羽、恩義に着る」と八坂は天狗のお爺さんに深々と頭を下げた。


「ほっほっほっ!行ってらっしゃいませ!また会いましょうぞ!」


八坂はもう一度だけお辞儀をして俺を見た


「イッセーくん、いや、イッセーと呼んでもいいじゃろうか?」


「ああ、好きに呼んでいいぞ。正直、そっちの方が合っていると思うぞ」


「ならばイッセーよ。娘と共々、よろしく頼むのじゃ」


俺は頷く。こうして新たな家族が増えた。家に帰ったら宴だな



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「おおっ!懐かしいな!」


「何にも変わっていないところがまた懐かしい!」


正式に冥界に入れるグレモリー家の紋様が刻まれた紙を懐に入れる最中にお父さんたちが懐かしいそうに

言った。


「さて、あいつに会いに行くとしようか」


「そうね、ヴェネラナは元気かしら・・・・・?」


二人は城門に近づいて思いっきり城門を叩き始めた!そういえばアルマスさんたちって今はいるのかな?

俺も城門に近づく


ギギギ


と城門が音を立てて開いていく。そこから顔を出したのは―――あっ!あの時の執事!執事は

お父さんたちを見て目を見開いた!


「・・・・・っ!?あ、あなたさま・・・・・!」


「おっ、久しぶり!元気にしていたようで安心したよ!」


「ヴェネラナはいらっしゃるかしら?」


「はっ、はい!しばらくお待ちください!」


執事は踵返して城内へ姿を消したと同時に『だ、旦那さまぁー!奥方さまぁー!大変です、大変ですー!』と

叫び声が聞こえた。執事がいなくなって数十秒後、慌てて走ってくる足音が徐々に近づいてきた。少しだけ

開いた城門から出てきたのは―――アルマスさんとヴェネラナだった


「おおっ、おおっ!誠殿・・・・・!一香殿・・・・・!懐かしく、お久しゅうございます・・・・・!

また、その姿で私たちの前に現れるなんて・・・・・!」


「本当に、本当に誠さんと一香さんだわ・・・・・!―――イッセーくん!」


「うおっ!?」


突然、ヴェネラナが俺に抱きついてきた!―――そして、涙を流し始めた


「良かった・・・・・!イッセーくんが、イッセーくんが甦って本当に嬉しい!」


「・・・・・ごめんな。ヴェネラナ、心配掛けて・・・・・」


「いいの!またこうして、イッセーくんに触れられるものですもの・・・・・!」


力強く俺の体に抱きつく。俺も抱きしめ返す


「イッセーくん、キミも本当に良かった。またキミが死んだと聞いて妻は寝込んでしまったのだよ」


「そうだったんだ・・・・・」


「ああ、だが、キミが此処に居ると聞いて妻は元気を取り戻した。・・・・・ありがとう」


何もしていないのに感謝された。そのことに苦笑を浮かべて「どうも」と取り敢えず言った


「よし!今日は宴だ!誠殿たちが甦った!こんな嬉しい事はないぞ!キミ、直ぐに宴の準備をするんだ!」


「はっ!畏まりました!」


執事は再び城内に消えて行った


「俺はレイヴェルと一緒にカイザーさんのところに行きます。お父さんたちは此処で待っていてくれ」


「カイザーか・・・・・懐かしいな。ああ、待っているよ」


「うん。レイヴェル、行こう」


「はいですわ!」


今度はフェニックス家の本邸に直接移動できるフェニックス家の紋様が刻まれている紙を取り出して

レイヴェルと共にフェニックス家の本邸に赴いた。本邸に着くなりレイヴェルは早く俺が復活したと報告を

したいのか城内に走っていった。俺も遅れないように彼女の後ろを追う。


「お父さま!お母さま!」


とある扉に開ける成り、レイヴェルはカイザーさんたちの名前を言った。此処は二人の部屋か・・・・・?


「レ、レイヴェル・・・・・?どうしたのだ、そんなに慌てて・・・・・」


「それに、あなたはイッセーくんの家族と一緒にいたのでは・・・・・?」


「は、はい!ですが、お父さまたちに嬉しいご報告をしに帰ってきたのです!―――イッセーさまが甦り

ました!」


レイヴェルはそう言ったので二人に姿を現わした


「カイザー、フィル。ただいま・・・・・」


「・・・・・本当にイッセーくん・・・・・かい?」


「正真正銘、レイヴェルの婚約者の兵藤一誠だ」


「ああ・・・・・、ああ・・・・・!」


強く頷き言葉と発すと口に両手で覆うと涙を流し始めたフィル。カイザーさんも涙を流し始めてヨロヨロと

した足取りで俺に赴いてきて抱きつく


「良かった・・・・・!本当に良かった・・・・・!」


「ごめん。心配を掛けて・・・・・」


「いいのだよ・・・・・!キミが甦って生きているのならばいいのだよ・・・・・!」


カイザー・・・・・。本当に心配を掛けてごめん・・・・・


「あ、あの、もう一つ報告があるのですが・・・・・」


申し訳なさそうにレイヴェルが言葉を発した。カイザーは俺から離れて体をレイヴェルに向けた


「何だね?」


「さっき、アルマスさんの家に行ったんだ。で、俺たちの為に宴をしてくれるんだ」


「おお、そうなのかね?では、私たちもグレモリー卿の本邸に向かうとしよう・・・・・と、その前に

手ぶらで行くのはなんだから、何かこちらにも作って持って行こう!」


「ええ、そうですわね!レイヴェル、あなたも一緒に料理を作るのを手伝いなさい!」


フィルの迫力に思わずレイヴェルは首を縦に振った。


「イッセーくん。悪いのですが、先に戻ってくれますでしょうか?少々時間が掛かりそうなので」


「解った。それじゃあレイヴェル、またあとで会おう」


「はい!」


もう一度グレモリー家の本邸に直接行ける紙を取り出して転移した。あ、ソーナは学校

だったよな・・・・・。アルマスさんたちの城に着くと同時にソーナに念話で話かける


「(ソーナ)」


「(・・・・・イッセーくん?)」


「(ああ、俺だ。復活したよ)」


「(―――っ。良かったです・・・・・!イッセーくんが甦ることを信じていました!)」


「(いま、グレモリー家の本邸にいる。学校が終わったらこっちに来てくれるか?)」


「(当然です!椿姫たちも連れて行きます!)」


「(待っているよ。愛しのソーナ)」


「(はい・・・・・!待っていてください・・・・・!私の愛しいイッセー・・・・・)」


そうやり取りをしてソーナとの念話を切った。まあ、グレモリー先輩たちも来るだろうな


「戻るとしますか」


皆がいるであろう城内に赴く。案の定、皆はグレモリー本邸の城内にいた


「ただいま」


「イッセー、お帰りなさい。あら、あの子は?」


ウーノはレイヴェルがいないことに気づく。俺は事情を話す


「料理の手伝い。手ぶらで行くのは失礼だからって料理を作ってこの家に来る」


「そう、私たちも何か作って来ようかしら?」


「うーん、そうした方が良いかな?それに待っている間、皆は暇そうだしな」


「それじゃあ、料理が『できる』人だけを連れていくことにするわ」


「任せる」と言ってウーノと離れる。さて、お父さんたちは・・・・・あっちか。歩を進めてお父さんたちの

ところへ赴く。―――ダイニングルームに足を踏み入れると


「「「「あっはっはっは!」」」」


既に出来上がっていた。俺がいない間に何時の間にか酒を飲んでいるし!あそこに行ったら絶対に絡まれる!

そう思い、そっとその場から離れる。・・・・・悠璃のところに行こう・・・・・。と思って廊下を

歩きだす。悠璃は・・・・・この部屋か?とある部屋の前に立ち止まりドアを叩く


コンコン


『・・・・・はい』


「俺だけど、入って良いか?」


『いいよ』


本人の了承を得てドアを開け放つ。悠璃は天蓋付きのベッドに腰を下ろしていた


「・・・・・何か用?」


「特にはない。だけど、俺の従姉なんだろう?まだ、悠璃のことが全然知らないから色々と話をして悠璃を

解っていきたいと思っているんだ」


「そう・・・・・。なら、私もいっくんと話をする。私もいっくんのことを良く知りたいからね」


チョンチョンと自分の隣に座るように促してきたので俺は素直に彼女の隣に座る


「ん・・・・・」


「この状態でか?」


「うん」


コテンと体を倒して頭を太股に乗せてきた。だけど、少し彼女の体勢が危ないからベッドの真ん中辺りに

移動した。


「さて、宴の準備ができるまで話をしようか」


「うん、そのつもりだよ」


その後、俺は従姉とお互い知る為に色々と話し合いをした



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



コンコン


「はい」


『イッセー?宴の準備が終わったにゃん』


「解った。直ぐに行く」


宴の準備が終わったか。なら行くとしよう


「悠璃、行こう」


「・・・・・うん」


俺たちはベッドから降りて部屋の扉を開け放ち、部屋の外にいた黒歌と一緒にダイニングルームに―――と

行こうとしたら黒歌に手を掴まれた。はて?


「イッセー、そっちじゃないにゃん」


「違うのか?」


「人数と料理が多いから外で宴をすることに成ったの」


「なるほど、確かにそれなら外の方がいいかもな」


黒歌の言葉に納得したら、外に赴いた


「イッセー!遅いぜぃ!」


「悪い、悪い、・・・・・ていうか、多いな!?」


「すいません、張り切って作り過ぎました・・・・・」


アルマスさんたちのメイドが作った料理があればウーノたちが作った料理もある。さらにレイヴェルたちも

いたのでフェニックス家で作った料理が数多くあった!これは立食パーティだな


「いや、オーフィスとかスバルたちが食べてくれるだろう・・・・・」


「任せて!」


「残さず食べます!」


「食べる」


本人たちも張り切っている。そこにアルマスさんが口を大きく開いた


「それでは!イッセーくん、誠殿、一香殿の復活を祝い―――宴を始めよう!乾杯!」


「「「「「乾杯っ!」」」」」


宴が始まった。料理に手にしたり誰かと話し合ったりするみんなの姿が視界に入った。


「兵藤一誠」


「ライザー」


悪イケメン顔のライザーが俺に話しかけてきた


「おまえ、大変だな。何度も殺されてよ・・・・・」


「その度に甦っているしな。俺って本当に冥界に呪われているかもしれない」


「おまえに弱点が無いと思っていたが、意外と冥界が弱点なのかもな?」


「だからシヴァが破壊しようとしたんだと思う」


尻目に見る。黙々と料理を食べている俺の(自評)姉、破壊神シヴァ


「俺も少しだけ姿を捉えたんだが、異様なオーラを放っていて近づくことすらできなかったぜ」


「恐怖を抱いたんだろう?本能が近づくなってさ」


「まあ、その通りだがな・・・・・」


気まずそうに頬をポリポリと掻く


「まあ、あの姉はもう冥界を破壊しようだなんて思ってはいないさ。俺が此処に居るんだし」


「ああ、おまえが甦ってくれて良かったぜ。―――おまえを燃やすことができるんだからな」


口の端を吊り上げてライザーが言った。そんな言葉に苦笑する


「逆におまえを殴り飛ばしてやるよ」


「ははっ、やってみろよ」


少し睨み合う形になった俺とライザー、だが。直ぐに止めた


「絶対におまえを倒す。それだけは忘れるなよ」


「首を洗って待っているさ」


ライザーは鼻で笑うと踵返してライザーの眷属たちのところへ行った


「・・・・・」


さて、俺も何か食べよう―――


「イッセーくんッ!」


と思ったが、横からセラフォルーが飛び込んできた!腰を落として構えセラフォルーを受け止めた


「イッセーくん!イッセーくん!イッセーくん!」


「ただいま、セラフォルー」


泣きながら俺の名前を何度も呼ぶセラフォルー。彼女を優しく抱きしめて挨拶する


「うん!お帰りなさい!私、信じていたよ!イッセーくんがまた甦るって!」


「今回はお父さんたちのお陰だ。ところで、どうして此処に?」


親指で彼女が流す涙を拭き取りながら尋ねる


「ソーナちゃんから聞いたの!『イッセーくんが甦ってグレモリー家の本邸にいる』って!急いで仕事を

終わらしてサーゼクスちゃんにも伝えてイッセーくんに会いに来たの!」


「そのサーゼクスは?」


「私は此処に居るよ」


後ろに声が聞こえ俺は振り返る。グレイフィアとサーゼクスがいた。


「久しぶりだな、サーゼクス」


「・・・・・すまない。またキミを殺めてしまうことになって」


「―――聞いたぞ。俺のことやシヴァを止める為に曹操たちに協力を求めた責任を取る為に

魔王を辞めたんだって・・・・・。寧ろ、俺が謝らなければならない」


「いや、元凶は私たち悪魔だ。友好を結んだ勢力のトップを悪魔が殺した。これは事実だ。既に各勢力にも

伝わって当然のことだと思っているだろう。特に、兵藤くんのお父さんと関わりを持っている

勢力にはね・・・・・」


顔を曇らせて言った。そんな表情をするサーゼクスに本当に申し訳ないと複雑な気持ちで一杯だ


「・・・・・アルマスさんとヴェネラナのところに甦った俺のお父さんたちがいる。行って来て話くれば

いいよ」


「ああ、そうさせてもらうよ。あのレーティングゲームの覇者と話せるなんて奇跡に近いよ」


「失礼します」


サーゼクスとグレイフィアはお父さんたちのところへ赴いた。同時に


「イッセーくん!」


「イッセー!」


「兵藤!」


シトリー眷属が俺に駈け寄ってきた。ソーナと椿姫が俺に抱きついてきた。


「イッセーくん!良かったです!」


「本当に良かった・・・・・!イッセーが甦って本当に・・・・・!」


「この野郎!心配したんだぞ!?」


「ソーナ、椿姫、匙、ごめんな。もう死なないようにするから・・・・・」


三人を宥める。少し落ち着いて二人は俺から離れる


「ソーナ、セラフォルーが魔王を辞めて代理になった事は聞いた。・・・・・ごめんな」


「いえ、寧ろお姉さまは『イッセーくんと会える時間が増えて嬉しい』と仰っておりました。それに謝るの

なら私の方です・・・・・」


「いや、俺だ。ワザと元凶であるあいつの傍にソーナをいさせた俺が悪かった。ソーナを傍にいさせないで

直接叩けば良かったんだ。そうすればこんな事には成らなかったんだ」


「キミがそれを言うのならば私が本当の元凶だよ。イッセーくん」


聞き覚えのない声が俺の名前を言った。ソーナたちの後ろからだった、シトリー眷属が道を作るとそこに

通る悪魔―――ソーナの両親だった


「こうして会うのは初めてだね。私はソーナとセラフォルーの父親、シーラ・シトリー。娘たちが世話に

なっている」


「いや、こっちも二人には世話になっていから気にしないでくれ」とソーナとセラフォルーの父親にいうと

いきなり土下座をした


「―――すまない。私の言動でキミを大変な目に遭わした。・・・・・どうか、私に罰を与えて

くれ・・・・・。じゃないと、私の気が収まらないんだ。何でもする、何でも与える。私の命が

欲しければ―――」


「それ以上言うな」


俺は馬鹿なことを言うシーラさんの発言を遮る


「俺は生きているんだ。こうしてソーナやセラフォルーの傍に立っている。だから、俺は気にしていな

いんだ。愛しいヒトと一緒にいられるんだからさ」


「だ、だが!それでは私の気が収まらないのだ!頼む!私に罰を与えてくれ・・・・・!」


懇願するシーラさん。指で頬を掻きながら「そんなに罰を与えて欲しいのか・・・・・?」と問うと

シーラさんは頷いた


「なら―――お父さん!」


「・・・・・はっ?」


お父さんを叫ぶように呼んだ。シーラさんは口を開けて呆然とした。

すると、俺の隣に音もなく現れたお父さん


「一誠、どうした?って、シーラじゃないか!久しぶりだなぁ!」


「ま、誠殿・・・・・!?」


「嘘・・・・・!?」


「えっ!イッセーくんのお父さん!?」


「ええええええええええ!?」


シトリー家全員が驚愕の表情を浮かべた。そう言えば言っていないし、知らないんだったな。

お父さんとお母さんが復活したってことを・・・・・


「こ、これは・・・・・一体・・・・・?」


「お父さん、シーラさんが罰を与えて欲しいんだって、自分の所為で俺を殺してしまったことでさ」


「なに?そうなのか・・・・・。よし、解った」


お父さんはシーラさんに近づき腕を掴み強引に立ち上がらせる


「罰は・・・・・この宴を楽しむことだ!」


「・・・・・・はっ?」


「はははっ!アルマスやカイザーもいるし今日は楽しいな!エリアスさんも一緒に!妻の一香もいるんだ!

さあ、早く!」


「え、ええ・・・・・・!?」


当惑する二人の背中を押しながら奥へと進んで行った


「イッセーくん。ど、どういうことなの・・・・・?」


「見て聞いての通り、俺だけじゃなくてお父さんとお母さんも復活したんだ。―――俺ともう一度

暮らしたいが為に閻魔大王に頼みこんで甦ることを許したんだ」


「え、閻魔大王・・・・・!?」


匙の言葉に俺は頷く


「ああ、閻魔大王と友達になったってさ」


お父さんたちと閻魔大王の関係にシトリー眷属は絶句した


「お、おまえの両親って、なにもんだよ・・・・・!?」


「太古のレーティングゲームの覇者で世界中に名が知れ渡っている超有名で俺と同じ逸脱した人間」


「さらりと至極的に普通で言うなよ!?」


「だって、本当のことだし」


他に何があるっていうんだ?教えて欲しいもんだ・・・・・


「はあ・・・・・、おまえはその子供で色々と凄い奴だったな」


「おいこら、なに溜息つくんだ」


嘆息する匙に問いだす


「・・・・・何十人のも女性と少女と付き合っているハーレム大王で新世界ザナドゥでは神と称されて

いたり、最上級悪魔をいとも簡単に倒したり、グレモリー眷属をたった一人で倒したり、前魔王と神を

救ったり、真龍と神龍を仲間にしたり、白龍皇とその仲間たちを仲間に加えたり―――」


「ああー、もう喋るな。色々と思い当たる節があり過ぎる・・・・・」


自分の指を言う度に立たせて言う匙に片手で顔を覆い、もう片方を匙に手を突き出して制止する。てか、

ハーレム大王って何なんだよ!?


「まっ、おまえが復活したんだ。俺は嬉しいぜ、目標を失わずに済んだんだからな」


「俺が目標ねぇー・・・・・?」


「な、なんだよ・・・・・?」


「じゃあ、目標の為に俺たちと修行をするか?一気に成神の実力を超えるぐらいならできるぞ?」


俺が良い笑顔で匙に言う。匙は


ズザザザザァッ!


「い、いいいいいや!自分なりに努力する!」


一気に俺から離れて拒否した。


「「サジ・・・・・」」


ソーナと椿姫は瞑目して嘆息する。あいつは強くなってはいるんだろうけど、まだまだ伸びる余地が

あるのに・・・・・


「・・・・・それじゃあ、宴を満喫しよう。グレモリー眷属たちも後から来るんだろう?」


ソーナに訊くとコクンと首を縦に振った。ゼノヴィアたちも早く会いたいしなぁ・・・・・


「そうだ、新しい家族も増えたんだ。紹介するよ」


ソーナと椿姫の手を掴み、シヴァと悠璃の二人の許へ赴いた。彼女たちと早く仲良くなって欲しいからな!




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