小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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いざ!魔法世界へ!


とある丘、俺たち幽幻龍騎士団と和樹の両親


「魔法世界か・・・・・。僕、始めて行くよ」


「そうなのですか?」


「うん、ずっと人間界に住んでいたからね」


「じゃあ、今回は初めて故郷とも言える世界に行くんだな」


ヴァーリの言葉に和樹は頷いた。


「どんなところっスかねぇ?」


「さあな。対して興味はないんだけど」


「・・・・・いっくんに害なす人外がいたら魂を抜き取る」


「悠璃。嬉しいけど魂は抜くな。死にたいって言うほど痛めつけるぐらいなら良いぞ」


「そ、それもどうかと思うよ・・・・・?」


そうか?俺は悠璃を見ると一緒に首を傾げた。だよな?普通だよな?


「むふぅ〜」


「で、シヴァ。弟分は補充で来たか?」


「ん〜、もう少し」


俺の背にピッタリとくっつく破壊神シヴァ。まあ、好きにさせているけどね


「では、行くとしようか。魔法世界へ」


和馬さんを中心に巨大な魔方陣が幾重にも現れた。同時に魔方陣が回りだし、光輝く。


「出発!」


カッ!


視界が膨大な光により奪われてしまった。目の前が真っ白になり、何も見えなくなった。


「目を開けていいぞ」


和馬さんの言葉に目蓋を開ける。・・・・・辺りを見渡すと足下は畳、上は木造でできた屋根、

ここは何処かの家か?


「此処は俺たち式森家が昔住んでいた家だ。一度も手入れしていないから流石に汚いな・・・・・」


確かに・・・・・埃だらけで蜘蛛の巣も張ってある。家全体が風化している


「まあ、どうでもいいな」


対して気にしていなさそうに和馬さんは歩を進めた。俺たちも後を追う。―――外に出ると町が見えた


「へぇ、俺たちのところと変わらないんだ。空に大地が浮いていたり、人が箒に乗って飛行したりとか

思っていたけど」


「あははは・・・・・。やっぱり、魔法世界ってそう思うか?だが、此処は俺たちが住んでいるところとは

似てけど違うのも確かにある」


「やっぱり学校とか?」


「そうだな。それと、この世界は魔法回数っていうものが存在している」


魔法回数・・・・・?


「魔法回数。文字通り人が魔法を使える回数を指す。一般人は二桁、エリートは数千から数万が平均だ」


「それがこの世界では当たり前のことなのね・・・・・」


「ん?じゃあ、使い切ったらどうするのだ?」


ディアーチェが魔法回数を使い切ったらどうなるのか気に成って和馬さんに聞いた。和馬さんは

嘆息して呟いた


「・・・・・魔法回数を全て使い切ったら―――塵と成って死ぬ」


「「「「「はあっ!?」」」」」


「「「「「塵!?」」」」」


なんていう世界だよ!って、こっちの世界で和樹はバンバン魔法を使っていたけど大丈夫なのか・・・・・?


「ああ、大丈夫だよ。向こうの世界に魔法回数って概念は無い。寧ろ、向こうの世界で暮らした方が天国だ。

色々な意味でな」


「はい!質問!」


「なんですか?セラフォルーさま」


「私たちの魔法回数ってどのぐらいなんですか!知りたいです!」


ああ、確かにそうだな。一番魔力回数があるのはオーフィスとガイア、和樹だろうな


「ふふふ、そう言うと思って計測器を持って来たよ」


懐から眼鏡を取り出した。あれが魔法回数を計る計測器か?


「この眼鏡は∞まで計測できるように俺が造った世界で一つしかない代物だ」


「それは凄い。後で私に貸してはもらえないだろうか・・・・・?」


ジェイルが爛々と目を輝かした!余ほど興味があるものなんだろう・・・・・


「まずはオーフィス。・・・・・うん、予想通り∞だ」


「我、無限を司るドラゴン」


うん、だろうと思った


「真龍は・・・・・。すまない、計測不能だ。∞より上だと思ってくれ」


「そうか」


気にしてなさそうに言った。


「白龍皇は・・・・・、おおっ、これは凄い。五億だぞ」


「「「「「五億!?」」」」」


「使い放題だな」


口の端を吊り上げて言ったヴァーリ。五億って一生かかっても残る回数だよな・・・・・


「四大魔王と神は・・・・・平均で百億だ」


ひゃ、百億・・・・・!?ルシファーたちも自分の回数を聞いて驚愕の色を染めている


「全員まで計測するのに時間が掛かるから町でやってくれ、自分の魔法回数を計れる機械が設置されて

いるから」


「最後に俺たちの魔法回数を計ってくれないですか?」


俺たちとは俺、和樹、龍牙、信長、信奈、悠璃のこと。和馬さんは頷いて俺たちの魔法回数を計る


「・・・・・これは」


「お父さん、僕たちの魔法回数はどのぐらい?」


「・・・・・全員、五回」


「「「「「「・・・・・え?」」」」」」


「六人とも魔法回数は五回だ」


「「「「「「・・・・・」」」」」


あ、あれ?和樹が五回・・・・・?なんで、どうして・・・・・?ていうか、俺たち全員の魔法回数が

五回ってどういうこと・・・・・!?


「因みに五回は幼稚園児並みの回数だ。・・・・・一誠くんたちは幼稚園児並みの魔力しかないってことだ」


「あ、あの私はどのぐらいですか?」


「・・・・・九千万」


アリシアが自分の回数を聞くと九千万の回数だと和馬さんが言った。同じ人間なのにどうして・・・・・?


「純粋な人間だからでは?和樹はよく知らないが・・・・・」


「・・・・・そう言えば、ヴァーリは人間と悪魔のハーフだったな。だから五億という

回数が出たのか・・・・・?」


「・・・・・」


ヴァーリは俺から顔を反らした。そうか・・・・・、俺たちは五回か・・・・・


「「「「「「はあ・・・・・」」」」」」


溜め息を吐く俺たちだった。向こうの世界だと無敵の力を誇っているのになぁ・・・・・


「一つ聞く、神器と神滅具の能力を使ったら魔法回数は減るのか?」


「解らないな。試したことが無い」


「よし、ヴァーリ!お前がやれ!さあやれ!仮に減ったとしても五億の魔法回数だから一回ぐらい使っても

気にしないだろう!な!?」


「・・・・・一誠が可笑しくなった・・・・・!?」


珍しく目を見開くヴァーリ!うるせぇ!べ、別に悔しくないし、羨ましくもないからな!


「・・・・・禁手」


瞬時で白い全身鎧を纏う。試しに大きな木を半分にした。そして、禁手を解いて和馬さんに

尋ねた。・・・・・どうだ?


「・・・・・変わっていないな。神器と神滅具の能力を使っても減らないようだ」


おお・・・・・っ!じゃあ、魔法を使わずに戦える!というか、肉弾戦でも戦えるな!


「それじゃあ、目的地に行こうか」


「何処に?」


「決まっている。―――魔術教会のところだ」


腕を突き出して指を指す方向に視線を向けると町の中にそびえ立つ巨大な建物。

あそこが・・・・・俺たちが行く場所か・・・・・



――――――――――――――――――――――――――――――――――――



魔法世界から来て数十分。巨大な建物―――魔術教会に赴いている最中の俺たち。今は市街地のところに

歩を進めているんだけど


「「「「「・・・・・」」」」」


「「「「「・・・・・」」」」」


「「「「「・・・・・」」」」」


町の人から奇異な目線で向けられていた。集団行動をすればいやでも目に付くか・・・・・。和馬さんと

七海さんはそんな視線を無視して無言で歩を進める。市街地を出ると道路に着いた。信号が赤になっていて数

分待つと青に成り、道路を渡り右に曲がってさらに数十分後、ようやく魔術教会に辿り着いた。間近で見ると

デカイなぁ・・・・・。和馬さんと七海さんは魔術教会に入る巨大な門に近づいた


「止まれッ!此処が魔術教会だと知っての侵入か!?」


「貴様!何者だ!?」


魔術教会の門番らしき男たちが槍を和馬さんたちに突き付けた。


「・・・・・はあ、此処に来るのも久しぶりだから俺たちのことを知らない奴がいるようになったか」


「なにをごちゃごちゃと・・・・・・!」


「―――しょうがない。誘き出すか」


ドオオオオオオッ!


和馬さんが突然膨大な魔力を迸らせ奔流と化とした!その魔力は和樹以上!天まで魔力が雲を貫いて

伸びて行った!


「な、なななな!?」


「この膨大な魔力は・・・・・!?」


門番が腰を抜かして顔に恐怖を浮かばせていた。すると、巨大な門がゆっくりと開いていった。一人分が

通れるぐらいの空間になったら門から一人の男性が出てきた


「全く、懐かしい魔力を感じると思えばこんなところで魔力を放出しないで貰いたいですよ。しかも、

わざわざ私を呼ばせるなんて・・・・・」


「これしか方法が無くてね。あんたを呼ぶのにはさ」


「・・・・・連絡先を教えた筈なんですがね?」


「・・・・・忘れていた」


また忘れていたのかよ!?和馬さん!


「取り敢えずその膨大な魔力の放出を止めて中に入ってください。この魔法世界を最も嫌っていたあなたが

この世界に来たのです。何か話があるのでしょう?」


「その通りだ。理解が早くて助かる」


「・・・・・そちらの方々は?魔力が尋常ない程の持ち主もいるようですが」


男性が俺たちを怪訝そうに見た。和馬さんは俺の肩に手を乗せて口を開いた


「『幽幻龍騎士団』だ。噂ぐらいなら聞いているだろう?」


「『幽幻龍騎士団』・・・・・。各勢力の中で無敵と称されている勢力・・・・・。その勢力が何故

この魔法世界に?」


「取り敢えず中に入らないか?話はそこでする」


「・・・・・解りました。それでは私の跡について来てください」


男性は踵返して巨大な門の中へ戻った。俺たちも男性の跡を追う。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「では、あなた方が来た理由を聞かせてもらえませんでしょうか?」


VIPルームと思われる部屋に俺たちはいた。他の皆は立っていたり腰を下ろしたりと楽にしていた。和馬さんと

七海さんは男性と立ち向かう様に席に座っていた。俺はその後ろで佇んでいた


「先日のことだ。この世界の住人である宮間家、風椿家、神城家の娘たちが俺たちの子供、和樹を会いに

来たんだ。会いに来るのなら別にとやかく言うつもりは無いが、あろうとこか、俺たちに何の話もなく勝手に

婚約されていたんだ。仕舞いには神城の娘は自分のわがままで和樹の命を狙い。宮間、風椿は自分の家の為に

息子の遺伝子だけを目的で和樹に近寄った。しかも、兵藤誠と兵藤一香の子供である兵藤一誠にまで

攻撃を仕掛けた」


「兵藤・・・・・?この子があの人たちの子供・・・・・?」


「ご紹介を与った兵藤一誠だ」


「・・・・・いっくんの従姉の兵藤悠璃」


キョトンとした表情で俺を見る男性に自己紹介をする。・・・・・何故か、悠璃までも自己紹介をした。

まあ、同じ『兵藤』だから名乗った方がいいと思ったのかな?


「・・・・・そうですか。見ない間にこんなに成長したのですね」


「で、俺は魔術教会がこの件のことを知っているのかと思って訪ねてきたんだ」


和馬さんの言葉に男性は首を横に振る


「当然、認知していませんよ。私たち魔術教会はバランスを保つだけに存在する組織です。政略結婚や名家、

退魔組織、企業の内部事情までは関与していません。ですが、それを言いに来たのではないのでしょう?」


「ああ、お前の言う通りだ。おまえの力を借りたい。世界一の魔術師の一族を道具扱いしようとした愚かな

馬鹿どもに少し、懲らしめたいからな」


「別に私の力を借りようともせず自分の手で粛清すればいいじゃないですか?それだけの権利は

ある筈・・・・・」


「それもそうだが黙って粛清してみろ。いくら式森家だからといって罪人になるぞ。俺は念のためにお前から

『正式』と『公認』が欲しいんだよ」


なるほど、その為に此処に来たのか。合点したよ


「・・・・・今回は『どのぐらい』するのですか?」


どのぐらい?この男性は一体何を言っているんだ?まるで度合いを確かめるような言い方だ・・・・・


「宮間家には名家の剥奪と財産の半分を没収、神城家には退魔の生業を廃業、風椿家は企業の勢力拡大を

禁止。と、このぐらいだ」


「ははは、相変わらず容赦が無い粛清。あなたの粛清で一体、どれだけの魔法使い、魔術師、錬金術師の

一族が悲惨な目に遭ったか・・・・・」


「ふん、そんなの俺たち『式森家』がこの世界で遭った酷く悲しく、辛く、無残で悲惨な黒歴史とも言える

過去よりいいもんだ。―――本当だったら過去の式森家の人間の恨みと憎悪を晴らしたいんだぞ。この魔法

世界を滅ぼしてさ」


「・・・・・」


和馬さんがそう言うと男性は口を閉ざした。


「だから俺や七海はこの世界を捨て、誠と一香さんの助力で人間界に住んだんだ。―――こんな世界なんて

滅びればいいんだ!」


机を思いっきり叩いた。その拍子に机に罅が入った。・・・・・そこまでこの世界が嫌っているのか。

この人は・・・・・


「・・・・・解りました。あなたの粛清を認めましょう。この世界を滅ぼすわけにはいきませんからね」


「ありがとうな」


男性は懐に手を入れると判子のような物とペンを取り出し、傍にあった数枚分の紙を手に取り、何かを

スラスラとペンを走らせた。最後には判子を押して和馬さんに渡した


「これであちらにも抗議や反論、異論は言えません。仮に言ったとしても受け付けませんので」


「・・・・・解った。確かに受け取った」


「念のためにこちらからも宮間、神城、風椿家に報告をしておきます。特に保護対象の『式森家』の

次期当主の命を狙う神城家は有ってはならない」


嘆息した男性。この人も苦労しているんだなぁ・・・・・


「―――今度、人間界で酒を飲もう」


「ええ、そうしましょう。人間界のお酒と食事は美味しいですから」


和馬さんが男性に言いながら立ち上がる。七海さんも続いて立ち上がり席から離れ、和樹のところへ行った


「また会おう。―――親友」


「また会いましょう。―――親友」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「まさか、あの人と親友の関係だったとは・・・・・」


「まあな、腐れ縁って奴さ」


「そ、そうですか・・・・・」


魔術教会から出て直ぐ和馬さんに話しかける。和馬さんは前を向きながら答えてくれた


「さて、俺と七海は宮間家、神城家、風椿家に向かう。一誠くんたちはこの世界を見て回るといい」


「お父さん、僕は行かなくてもいいの?」


「お前は一誠くんといるんだ。―――また殺されかけないぞ?」


「あ、あははは・・・・・」


和樹は苦笑いした。・・・・・巫女装束の少女のことを思い出したようだな


「・・・・・そうだ、赤尉先生に会いに行って来い」


「赤尉先生・・・・・?」


「葵学園の保健委員、赤尉晴明。彼と交友を持っても損はしない。いや、必要だと思うよ」


「・・・・・どんな人ですか?」


和馬さんは真っ直ぐ顔をシュテルに向けると「マッドサイエンティストだ」と言った。

マ、マッド・・・・・?


「興味があるものを直ぐ納得するまで研究、解剖、調査するんだよ。あの人は・・・・・」


「そ、そんな人と交友持った方が良いって・・・・・!というか、既にマッドサイエンティストはこっちに

もいる!」


ビシッ!とジェイルとダンタリオンに指で指す。本人たちは「いやー、照れるね」と嬉しそうに言った!

和馬さんは頬をポリポリと掻きながら言った


「まあ、大丈夫だろう。俺の名前を言えばそんなことをしないさ・・・・・多分」


「多分!?多分って何!?不安を煽らないでよ!」


「大丈夫だって、あの人は良い人だ。何度かお世話になったこともある」


「・・・・・本当でしょうね?一誠に手を出したら斬るわよ?」


信奈が帯剣している刀を動かして声音を低く言った


「本当に大丈夫だ!俺を信じてくれ!」


「・・・・・大事なことを言い忘れていないよね?赤尉先生って言う人のことについてさ」


「・・・・・・・・・・無い!」


間が長かったぞ!本当に忘れていないのか!?いや、絶対に何か忘れているだろう!俺や皆は訝しげな視線を

和馬さんに集中する。その視線に和馬さんは頭をガジガジと掻きだしたと思えばポケットから


「あー、もう!大丈夫だから行ってきなさい!空を飛んでも此処は魔法世界だから誰も気にしないから!」


パンフレットのような物を強引に和樹に渡した。―――話を反らしたな?


「何時帰ってくるの?」


「長く掛かるだろうから解らない。だから、先に人間界に戻ってもいいぞ。帰り方は此処の世界に来た時に

いたあの家だ。あそこは移動用魔方陣でもあるから和樹の魔力を込めれば大丈夫だ」


「・・・・・解った」


「それじゃあ俺たちは行ってくる。ちゃんと葵学園に行くんだぞ」



移動用魔方陣を展開して和馬さんと七海さんは魔方陣の光と共に消えて行った


「・・・・・俺たちも行くとしようか」


「「「「「うん」」」」」


皆は頷く、空を飛べる者は空を飛び、空に飛べない者は俺が龍化になって背に乗せてまだ見ぬ

葵学園へと赴いた


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