小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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葵学園


「あっ、あれじゃないっスか?」


背中にいるウェンディがとある建物を見て言った


「うん、あそこのようだね。間違いないよ。―――葵学園だ」


和樹も肯定した。駒王学園とは随分と姿形が違う。やっぱり、違う学校は違うもんだな


「・・・・・思ったけど、どうして皆は俺の体に乗る?」


「「「「「なんとなく」」」」」


「「「「「一誠だから」」」」」


空を飛べる筈のガイアたちが何故か途中で俺の背中に乗り出したんだよな。・・・・・はあ、


「衝撃に備えていろ。降りるからさ」


葵学園の真上に近づき翼を羽ばたかせて地鳴りを鳴らしながら着地した。・・・・・なんか踏み潰した感触が

足の裏から伝わったんだけど・・・・・気のせいか?


「あら、授業中だったみたいよ」


「お父さん。まさか、このことを忘れていたの・・・・・?」


窓の向こうにある各教室にいる葵学園の生徒たちが俺を見て驚愕していた。中には窓を開けてみている

生徒もいた。


「ド、ドラゴン!」


「な、何でこの学校に!?」


「そもそも、ドラゴンはこの世界には存在しない筈だぞ!」


なに、そうなのか?其れは知らなかったな。・・・・・じゃなくて


「おい、お前―――」


「しゃ、喋ったああああああああああ!?」


「ドラゴンが喋れるなんて始めて聞いた!」


「凄い!」


「感動的だわ!ドラゴンを、人語を話すドラゴンを間近で見られるなんて!」


「おい!ドラゴンの背中に人が乗っているぞ!それも凄い美人な女の人!」


「うおおおお!すっげー好み!しかも胸もでっけー!」


「あっ!あの人、イケメンだわ!超カッコいい男の人もいる!」


・・・・・いちいち反応したり、ガイアたちを見て興奮したりする生徒たち。


「・・・・・イッセー、黙らせて」


「了解」


ルシファーのお願いに俺は


「静かにしろッ!!!!!」


大声で言った。生徒たちがピタリと口を閉ざした。そのことに満足して口を開く。


「赤尉晴明教員は何処にいる?」


男子生徒に問う。しかし、今の声で全身が震えて恐怖を抱いてしまたようだ。むぅ、

どうしたことやら・・・・・


「私に何か用かね?」


「ん・・・・・?」


足下から声が聞こえた。首を下に向けると長身で白衣を着込んでいる眼鏡を付けた男性がいた。


「あなたが赤尉晴明か?」


「如何にもそうだが。・・・・・喋るドラゴンか・・・・・、興味深いな」


げっ!興味を持ってしまった!?


「それに、人語を話すドラゴンの体に悪魔がいるね?その上、妖怪もいる。これは珍しい・・・・・」


「「「「「・・・・・」」」」」


冷汗を流し始めるルシファーたち。マッドサイエンティストに興味を持たれた事に緊張が走ったようだな。

気で解るぞ


「赤尉先生。あなたに会えと、とある人から言われてあなたに会いに来ました」


「私を・・・・・?それは誰だい?」


「―――僕の父、式森和馬です」


「おおっ、キミは和馬くんの子供かい?手紙で知っていたがキミがそうか・・・・・。なるほど、

キミがね・・・・・」


赤尉晴明は納得したように和樹に向かって言った。本当に知り合いのようだな


「あっ!和樹さん!」


「げっ・・・・・」


窓から顔を出すあの時の桃色の少女。彼女はこの学校の生徒だったのか。知らなかったな・・・・・。


「私に会いにきてくれたのですね!嬉しいです!」


「違うよ!僕は赤尉先生に会いに来ただけだよ!―――って、急に怒っているの!?」


「・・・・・和樹さん?和樹さんの隣にいるメイドは誰ですか?」


ん?・・・・・ああ、シンシアのことか。あの時はいなかったからな・・・・・。もしかして嫉妬か?


「えっ?彼女は僕の専属メイドで僕が愛している女性だけど・・・・・」


「か、和樹さま!そのようなことを此処で言わなくとも・・・・・!」


シンシアが赤面した。おおう。愛の告白に弱いようだな、シンシアは・・・・・


「式森!貴様から此処に来るとは手間が省けたぞ!」


「和樹〜!私に遺伝子をくれに来てくれたのねぇ〜!」


あの時の巫女装束の少女と金髪の少女が現れた。和樹は顔を引き攣る


「またキミたち?僕に関わらないで欲しいんだけども・・・・・」


「貴様を殺したら一生関わらないと約束する」


「遺伝子さえ貰ったらいいわよ?」


・・・・・まだ知らないようだな。家のことを・・・・・・。


「ご主人様には指一本も触れさせません」


「シンシア・・・・・」


「和樹さま。私が必ずお守りいたします」


「うん、ありがとう・・・・・。僕の愛しいシンシア」


気のせいだろうか、和樹とシンシアの周囲にピンクのオーラが展開していることと桃色の髪を逆上させて

怒りにふれている少女がいる・・・・・


「ふ、ふふっ、ふふふふふふ・・・・・・っ!和樹さん・・・・・、そのメイドにかどわかされて

いるんですね?」


「へっ?キミ、一体なにを―――」


「大丈夫、大丈夫ですよ?私が、私が和樹さんの目を覚まして悪のメイドから助けてあげますから」


「・・・・・ダメだな。ありゃ・・・・・電波だぜ」


ノーヴェがやれやれと言った表情で呆れた


「はあっ!」


「あっ!こっちに向かってくるっス」


巫女装束の少女が俺の体を登って和樹に迫ってきた。


「和樹、お前の手でケリをつけな」


「解った。これは僕自身で何とかしないといけないみたいだしね」


俺の体を掛け走り、腰に帯剣していたエクスカリバーを抜き放ち巫女装束の少女に斬り掛かった


ガキンッ!


「なにっ!?貴様、剣術ができるのか!」


「魔法だけの取り柄だと思われたくないからね!それに、あの時のキミの剣術を見たけど

―――僕よりは弱いね」


「な、なんだとぉ!」


「良い機会だ。僕たち『幽幻龍騎士団』の力の一部を見せてあげるよ」


俺の体から離れて地に着く二人。二人は同時に飛びこみ剣戟を繰り返した


「くっ!」


「ほらほら!止まって見えるよ!剣道だか、剣術だかどっちでも良いけど、修行と鍛錬不足も良いところだ!

よく、そんな実力で退魔の組織にいられるね!」


「好きでいる訳じゃない!」


「はい、隙あり」


エクスカリバーの能力を使わず、和樹は相手の首元に突き付けた


「こ、こんなやつに・・・・・!」


「僕たちに比べるとキミは塵芥に等しいね。というか、普通に学校生活を送りたいのならばどうして未だに

刀を持っているの?必要ないでしょ」


パキィンッ!


素手で刀を折って少女から踵返して赤尉晴明に赴いた


「ほう。強いんだね?魔法を頼らずに勝つとは」


「『幽幻龍騎士団』は体術、剣術とか色々と学んで実力を積んでいるんですよ。それに、僕の魔法回数は

五回で使うにも使えません」


「「「「「ご、五回!?」」」」」


ん?何故か生徒たちが驚いているな。この学校では有り得ない回数だってことなのかな?


「それで、私に会えと和馬くんが言ったのだね?」


「はい、この世界に来ています。とある事情で」


「そうだったのかい。それじゃあ、いずれにしても此処に来るだろうな」


顎に手をやり考える仕草をする。でも、楽しそうにしていた


「ご主人さま、御怪我は?」


「うん、大丈夫だよ。彼女、弱かったからね」


「そうですか、お怪我が無くて何よりです」


「シンシア・・・・・・」


あー、あー、また桃色の空間が・・・・・。最近のこの二人は甘過ぎてどうし余もない・・・・・って!


「キシャアアアアアアアアアアアッ!」


桃色の髪の少女が奇声を上げた!窓から上半身を出して両手を上に突きのばし手のひらの上に巨大な

魔力が・・・・・!


「和樹さん!妻である私の前に堂々とメイドとイチャイチャするなんて!浮気ですね!?

浮気をしているんですね!?絶対に許しません!」


「俺の家族に攻撃しようとしているお前も許さないがな」


巨大な魔力を触れ、消散させる。魔法回数の無駄遣いだぞ


「邪魔しないでください!これは私と和樹さんの問題です!」


「和樹はお前と婚約していないしする気もないぞ。あそこにいるメイドが未来の妻なんだからさ」


「一誠!?何言っているのさ!」


「一誠さま!お恥ずかしい事を言わないでください!」


二人は顔を真っ赤に染めて俺に食って掛かった。―――だってさあ


「昨日、ダイニングルームで二人は熱く愛し合っていたし、一昨日は桜の木のところで愛し合っている

ところを発見したし、さらにその前には誰も入っていない時に風呂で―――」


「わぁー!わぁー!わぁー!」


「何を言っているのか聞こえません、何を言っているのか聞こえません、何を言っているのか聞こえません」


指を突きあげながらここ数日、和樹たちの情事のことについて言うと二人は様々な反応をした


「まあ、そんなことをしているほど二人は好きだからお前が入る余地が無いってことだ。てか、お前と和樹を

くっつけさせる気なんて俺は毛頭もない。嫉妬で和樹たちを攻撃するしさ。おまえを家族に迎えようとする

気もない」


「キ、キシャアアアアアアアアアアアアアッ!」


逆上してまた奇声を上げ今度は俺に魔力を放って来た。俺は魔力を消すが


「・・・・・いい加減にしなよ」


「だな」


「イッセーに攻撃をするなら」


「私は、私たちは許しませんよ?」


悠璃、ベルゼブブ、トーレ、ユーリが何時の間にか桃色の髪の少女の周りにいた


「・・・・・魂を抜き取ってあげようか」


「悠璃、抜き取るな」


「・・・・・解った」


悠璃が手を発光させて胸を貫こうとしたところを見て即座に静止した。


「赤尉教員。俺は『幽幻龍騎士団』の兵藤一誠だ。よろしく」


「・・・・・あの人たちの子供かい?だが、ドラゴンだが・・・・・?」


「おっと、そうだった。みんな、降りてくれ」


ガイアたちに降りるように促し、龍化を解いた。


「まさか、龍になれる人間がいたとはね・・・・・。驚きだよ。そして、キミが兵藤一誠くんか。

会えて嬉しいよ」


「あなたと交流をするように和馬さんに言われてね。和樹が言ったように会いに来た」


「そうかい。ふふ、興味深いものがたくさんあって興奮しちゃいそうだよ。それにこの世界に悪魔が自ら

来るなんて初めてのことだ」


「そうなのか?」


ルシファーたちに問う。彼女たちは頷いた


「魔法世界に来るのは始めてよ。行きたいと思ってもいなかったし、行く機会もなかったからね」


「基本、召喚系の使い手が悪魔と契約する側だからね。それに召喚系の魔法使い、魔術師は実力のある悪魔と

契約するのをステータスの一つとしている。特に将来性の在りそうな若手悪魔は交渉の場に呼び

出されやすい。名うての悪魔は既に先客がいるか、取引で来たとしても高値となるので、手のつけられない

若手悪魔を買いあさる魔法使い、魔術師も少なくはない。先物買いといえるだろうな。―――近い将来、

冥界の若手悪魔たちに必ずコンタクトをとってくる筈だ」


「因みに若手悪魔の中で人気がある悪魔は誰だ?」


「んー、今のところは魔王の妹たるリアス・グレモリーをはじめ、赤龍帝、聖魔剣、雷光の巫女、

聖剣デュランダル使いだろうね」


なんだ、やっぱりあいつらだったのか。でもまあ、ルシファーたちには関係ないことだろう。俺の家族、

仲間、愛しい彼女たちだ。契約を持ちかけるようなことがあったら阻止してやる


「キミたちの世界の魔術教会にも全世界にいる魔法使いにも若手悪魔の世代に関するだいたいの評価を発表

しているだろう」


「なに?この世界だけではなかったのか?魔術教会があるのは・・・・・?」


「和馬くんたちは此処の出身地だ。裏と表、コインと同じように魔術教会は裏と表に存在している。まあ

、どっちが裏で表なのか私はどうでも良いことだがね。―――ところで」


「はい?」


「和馬くんたちはどうしてこの世界に?二度とこの世界には来ないと思っていたのだが・・・・・」


ああ、この人も和馬さんたちの事情を知っている人物だったのか


「えっと、宮間家、風椿家、神城家に用があると言ってこの世界に来ました。僕たちはこの世界を

見るようにと言われて一緒に来たんです」


「私たちの家にようがあるだと?其れは一体どういうことだ!」


巫女装束の少女が折れた刀で和樹に突き付けた


「一言で言うと『粛清』だね。先日、キミたちの行動に式森家現当主が怒り、魔術教会に『正式』と『公認』

の承諾を得てキミたちの家に粛清をしに赴いているよ」


「「「なっ!?」」」


「『式森』は魔術教会によって保護対象とされているんだ。それなのにキミたちの家は自分の欲望の為に

子供を僕に近づいた。あろうことか命を狙われたんだ。当然の結果だと思うよ?」


「ふ、ふざけないでよ!どうして私たちの行動で粛清されなくちゃいけないの!?」


金髪の少女は怒り、和樹に食って掛かるが赤尉教員は顔の表情を一つも変えず「因みに粛清の内容は?」と訊いてきた


「宮間家には名家の剥奪と財産の半分を没収、神城家には退魔の生業を廃業、風椿家は企業の

勢力拡大を禁止」


「「「―――っ!?」」」


三人の少女たちは粛清の内容に絶句した。和樹は体を巫女装束の少女に向けて言い放った


「神城さんにとっては良かったね。これで、家を継ぐこと無く平凡な人生を暮らせれるよ?」


「・・・・・」


「他の二人の家は自業自得ってことだね。僕の遺伝子だけを狙ってきたんだからさ」


「そ、そんな・・・・・」


金髪の少女はショックが大きいのか顔が暗くなって「どうして・・・・・、なんで・・・・・」と呟き始めた


「別に死ぬわけじゃないし、生きて生けるんだから問題ないでしょ?他のやり方で家を大きくすれば

いいだけだし」


「そうだな。生きていれば希望があるってことさ」


俺も頷きそう言った。


「さて、俺たちはそろそろ行こうとしよう」


「おや、もう行ってしまうのかね?」


少し残念そうにいう赤尉教員。俺は指を空に指しながら言った


「この世界を飛びながら見て回ろうと思っている。色々と面白く、興味深いものがありそうだからさ」


「そうかい。それもいいかもしれないね。世界を知っても損はない」


「あと、人間界にある駒王学園っていうところに俺たちは通っている。何か用があったら来てくれ」


龍化に成り皆を乗せる。翼を羽ばたかせ上昇する


「また会おう。赤尉晴明」


「また会いましょう。赤尉先生!」


「ああ、また会おう。兵藤くん、式森くん」


別れの言葉を言い。俺は葵学園から飛び去った



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「さて、どの方角に行く?このまま真っ直ぐ行くか?」


「南に行きましょう!」


「いや、東の方角だ」


「西!」


・・・・・バラバラで言うなよ。まあ、世界を見回るんだ。何処でも良いけどさ


「ふふっ」


「どうした、ガイア」


「いやなに、全員で旅なんて楽しいそうだなと思ってな」


「はは、だからお父さんとお母さんは世界中を冒険しているんだろうな。人と触れ合い、自然を触れ合い、

面白く楽しいことを体験しながら世界を回っている」


「ああ、我等も何時か全員で世界を見て回ろうな」


「それじゃあ、最初の一回目は時間が許される限りにこの世界を旅しようか」


「そうだな。・・・・・一誠」


「ん?」


「好きだ」


「はは、ああ、俺も好きだよ。愛しのガイア」


目を細め、ガイアに愛の言葉を言う


「イッセー、我も好き」


「俺も好きだぞ」


「俺もだぜぃ!」


「ふふ、私も好きよ?イッセー」


「僕も好き」


「私もよ!」


「はい!」


ガイアの声が聞こえたのかオーフィスをはじめ、皆が次々と俺に好きだと言ってくれた。


「人気者だな?」


「当然だろう?俺は皆のことが好きなんだからな」


「その包容力が皆を纏めている。おまえの力は神をも超えている。―――絆という力でな」


「絆か・・・・・。悪くない力だ」


絆があるからこそ皆がお互い助け合っている。絆があるからこそ皆が一緒にいる。絆があるからこそ皆が

此処にいる


「みんな!」


だからこそ―――


「ずっと俺たちは一緒だからな!誰一人も欠けずにずっと永遠に一緒だ!」


俺は皆がいるから――――


「「「「了解!」」」」」


「「「「「当然!」」」」」


「「「「「俺(私)たちはずっと一緒!」」」」」


「「「「「俺(私)たちは幽幻龍騎士団!」」」」」


「「「「「「「「「「何時までも、何時までも一緒にいる!永遠に!」」」」」」」」」」


皆が傍にいるから―――俺は無敵になれるんだ!





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