小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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グレモリー眷属side


「はあ・・・・・、まさか、あなたが女性に成るとはね」


「うるさいな。俺だって好きで女に成ったわけじゃないんだぞ」


「あなたのクラスメートたちのお陰で一時間目は大掃除をしたわよ。学校中の窓ガラスが声で割れるなんて

驚きだわ」


「知るか。俺だって驚いているんだからよ」


「・・・・・あなた、女性だから口調はどうにかならない?―――変よ」


「ふん、俺の勝手だ」


「はあ・・・・・」


部長が嘆息した。今は二限目の休憩を取って急遽、グレモリー眷属、シトリー眷属、幽幻龍騎士団が

オカルト研究部に集まっている


「兵藤・・・・・だよな?」


「匙でも俺とは思えないか?」


「いや、ビックリするほど綺麗だし別人だぞ。瞳が真紅だしさ」


「これは俺も解らない。まあ、皆は受け入れてくれたから安心しているけどな」


苦笑する表情を見るとドキリとした。あ。あいつは男なんだぞ!?今は女でもあいつは男だ!なに、

あいつに緊張しているんだ俺は!?


「ぅぅぅ・・・・・。女としての自信が無くなりますぅ・・・・・」


「先輩、綺麗ですぅ!」


アーシアが涙ぐみショックを受けていてギャスパーは瞳をキラキラと輝かせて珍しく興奮している!


「アザゼル、何か分かったか?」


「まだ何にも解らない。念のためによ、サーゼクスとミカエルの奴等にもお前の状況を話して元に戻る方法を

調べさせているんだが・・・・・」


「まだ、見つからない・・・・・か」


「はあ・・・・・」と溜め息をこぼす。


「なあ、神器とか神滅具の能力で何とかならないのか?」


「なんとかならないから今、俺は女に成っているんだろうが。そこんとこ理解しろ、このド変態」


「だからド変態って言うな!って、本当に使えないのかよ?」


俺は少し気に成りもう一度訪ねると面倒くさそうな表情で言った


「本当だって、まったく。まさか、神器と神滅具が使えないとは思わなかった」


「だけど、近距で戦う術があるから安心だね」


「本当だよ。色々と鍛練して、修行してよかったよ。念には念を、備えあれば憂いなしだな」


・・・・・へえ、そうなんだ。じゃあ、こいつは近接でしか戦えないってことか。―――なら!


「・・・・・なあ」


「なんだ」


「三分間でいいから俺と勝負してくれ」


「・・・・・・は?」


何言っているんだ、こいつは?と思っているんだろうな。こいつは怪訝な顔をして俺に問い掛けてきた


「何で俺がおまえ何かと勝負しないといけないんだよ」


「お前に一矢を報いる作戦があるからだ。勝てなくてもな」


「一矢を報いる作戦ねぇ・・・・・?一応、俺はお前の攻撃を全て知っているつもりだけど、俺が知らない

ものがあるのか?」


「お前が三分間の勝負をしてくれるのなら見せてやるよ」


実際は嘘だ。木場と鍛練しているだけであって何も変わってはいない。俺の本当の目的は―――お前の全裸を

見て保存だ!


『相棒、俺は止めた方がいいと思うぞ。折角、サマエルの毒を闘戦勝仏が抜き取って命辛々

生き延びたのによ』


大丈夫だって!あいつは今の姿は女なんだ!男の時と比べて少しは力が落ちている筈だ!そこを突けば

なんとかいい勝負ぐらいは成る筈さ!


『そうか、相棒がそう言うのなら俺は何も言わない』


ああ、見ていてくれ!絶対に俺は一矢を報いるんだ!


「で、どうするんだ?」


「此処でやるのか?」


「いや、旧校舎近くの野球大会練習場でやろう。あそこなら余計な破壊をしなくて済むんだ」


「ふーん、じゃあ、勝負してもいいけど条件がある」


条件?なんだそりゃ、


「俺は今、神器と神滅具が使えない状態だ。だからお前も『赤龍帝の鎧』を纏わずに戦い、

お互い同じ立場で戦う。これが条件だ」


「・・・・・分かった」


トリアイナコンボが使えないのが痛いけど生身でやるしかないか!


「イ、イッセー?あなた、一体何を考えているの?」


「部長、見ていてください。今までコイツに味わった屈辱を俺が張らしてみせます!」


「へぇー、そこまで意気込むんならなにかあるんだろう。面白そうだ、良いぜ、俺が許可する」


アザゼル先生が了承の言葉を言った!


「アザゼルが許可の言葉を言ったことだし行くとしようか。時間もないしな」


兵藤が立ちあがり、踵返して先に野球場に赴いた。ふっふっふ・・・・・。絶対に拝んでやるぜ!



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



Phantom  Dragoon.


「それじゃあ、審判は俺がやるぜ。時間制限は三分間、この野球大会練習場がエリアだ。一応、式森の魔法で

結界を張ってあるからどんな攻撃をしても気づかれもしないし俺たちの姿も見えない。

だから気にしないで戦え」


「はい!」


「わかった」


「それじゃあ・・・・・開始!」


アザゼルの勝負開始の言葉と同時に成神の懐に入り、腹部を狙って拳を突きだした。


「ぐほぉ!」


たった一撃であいつは吹っ飛んでしまった。おいおい・・・・・


「女に成ったからと言って力が落ちたと思ったのか?まあ、確かに筋力が男の時より無くなっているけど

逆に体が軽くてスピードが倍に成った。今のは挨拶代わりだ」


「ぐあっ、くそ・・・・・!小猫ちゃん以上のパンチだな!プロモーション『騎士』!」


トリアイナコンボは使えないから通常のプロモーション、しかも「騎士」か。速さには速さをか・・・・・?

悪くはないんだけどな・・・・・


「おりゃああああああ!」


成神が拳の嵐を繰り出した。俺は冷静に拳が付き出る瞬間を見極め、上半身だけ動かして避ける


「止まって見えるぞ?そんなんじゃ、サイラオーグの体には当らない」


「うるせぇ!ドラゴンショット乱れ撃ち!」


「・・・・・まあ、ギリギリセーフだな」


左手に赤い籠手を装着して魔力をショットガンのように撃ち出してきた。


「ふっ」


魔力の雨を避けながら俊敏に成神へ向かう。


「くっ!速い!」


「お前の攻撃が遅過ぎるだけなんだ・・・・・よ!」


成神の前に立ち駒のように周りまた成神の腹部に裏拳で直撃させた


「ぐはあ!」


「さらに追加だ」


手のひらから気の玉を作り出し、再び成神の腹部に当てた


ドッガアアアアアアアアアンッ!


成神の腹部から爆発が起きた。その際に成神はまた吹っ飛んでいった


「おいおい。生身のほうがよっぽど弱いな・・・・・。これなら鎧を纏わせた方がまだ良かったぞ。まあ、

どっちみちにしろ、俺が勝つか。―――あと、何分だ?」


「残り一分を切った」


匙がストップウォッチの時間を見て言った。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


吠えながら成神が突貫して来た。全身ボロボロで傷だらけだ


「さっきより遅いぞ」


足で払い、成神が宙に浮かぶと小さく跳んで体を横に捻り、クルリと体を旋回した遠心力を乗せて手刀で

こいつの首筋に直撃させる


「がッ!?」


「もういっちょ!」


左の握り拳で無防備な背中に突き出す!


「ぐっ!?」


「お前、一矢を報いる気があるのか?」


ひれ伏す成神に呆れながら問う。匙から「残り三十秒!」と伝えてきた。


「くっそ・・・・・!」


「ん?」


俺の脚を弱弱しく左手で掴んだ。―――口の端を吊り上げた表情を見て俺は今頃気づいた!


「・・・・・!?おまえ、まさか―――!」


「へへっ、『洋服崩壊』!」


バババッ!


こいつが技名を言い放つと、それと同時に俺の靴と制服、下着類さえも全て弾け飛んだ!俺は全裸になって

アザゼルたちに俺の体を晒すことになった!


「おおっ!良い身体だな!?男に成った兵藤の女の体は!」


「す、凄い・・・・・!あれが、女の体・・・・・!お、俺は奇跡の瞬間を目の当たりにしている!俺は

今、女の体を生で見ているぅぅぅぅぅぅ!」


「・・・・・美しい、綺麗だ」


「あわわわ!せ、先輩の服が弾け飛んじゃいました!た、大変ですぅぅぅぅ!」


「あ、あれが一誠の・・・・・!う、ちょ、ちょっと、かなりやばいかも・・・・・」


「一誠さん・・・・・、とても綺麗ですよ・・・・・・。眩しいぐらいに・・・・・」


外野にいた男子陣が俺の体を見て興奮している。ギャスパーは俺の身を心配してくれた。というか、おい、

和樹と龍牙。なに俺の体を見て興奮しているんだよ!?


「へへ、お前の体を保存したぜ・・・・・?」


「おまえ、一矢を報いるって言うのはこの事だったのか・・・・・!」


「半分はそうで半分は部長たちの為だ・・・・・!俺が負けてもお前の全裸を見ることで

一矢を報いた・・・・・!俺は満足だ!」


「―――そうか、なら・・・・・」


ドンッ!と俺の全身からドス黒いオーラが迸った。首に掛けていた大剣のネックレスを外し大きくして上に

振り上げ


「死ね」


一気に成神の首に向かって振り下ろした。―――が


ガギイイイイイインッッ!!!!!


「・・・・・お前等、邪魔するなよ」


「一誠さん!落ち着いてください!」


「流石にやり過ぎだよ!」


「それ以上はダメだ!」


「イッセーくんを殺させないよ!」


「あ、あっぶねぇ!」


龍牙、和樹、ゼノヴィア、木場、アザゼルが封龍剣を、聖魔剣、聖剣、大剣、光の槍で受け止めた


「・・・・・お前等、人の裸を見て欲情したくせに良くそんなことを言えるな?」


「「「「うっ・・・・・」」」」


「特に和樹と龍牙、なにお前等は俺を欲情しているんだよ。少しガッカリしたぞ」


「「・・・・・」」


返す言葉も見つからないようだ。


「ブラフマー。服と下着を頼む」


『解った』


体が光に包まれたと思えば駒王学園の制服を身に着けていた


「ありがとう」


ブラフマーに感謝を言い。元の大きさに戻して首に掛けて


「匙、後は何秒だ?」


「ご、五秒だ」


「十分だな」


成神を掴み上空に放り投げる。瞬時で成神の傍により頭を下に向けるように掴んで固定する


「お、おい?このままじゃあ頭から落ちるぞ!?」


「そうしているんだ。―――殺されないよりはマシだろう?」


ニヤリと笑みを浮かべ成神を見ると慌て俺を止めるように言うが


「や、やめ―――!」


「くたばれ!この超ド級のド変態が!」


「う、うわあああああああああああああああああああああっ!」


ドッガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッッ!!!


成神と一緒に野球大会練習場の地面に凄い速さで落ちた。その際、大量の土埃が発生して和樹たちは俺と

成神の姿が見えなくなった。


「二度とお前なんかに近づくかよ」


成神にそれだけ言い、和樹たちを置いて先に教室に戻った。たく、しなければ良かったぜ



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



龍牙side



ッ!一誠さんは先に戻ったようですね・・・・・。・・・・・ぅぅ、後で謝らないといけませんよね。

今は女性ですけど一誠さんに欲情してしまうなんて・・・・・


「イッセー!イッセー!?」


グレモリー先輩が土埃の中で成神さんを探している。大剣で振り払うと土埃が一瞬で吹き飛んで行った。

視界が元に戻って辺りを見渡すと巨大なクレーターができていました。その中央に下半身だけ出ているものが

ありました。グレモリー先輩と姫島先輩、アルジェントさん、ギャスパーくんは急いでそこに赴いて引っ張り

始めました。


「・・・・・ねえ、和樹と龍牙?」


「「はい?」」


「―――最低ね」


「「ぐはっ!?」」


シーグヴァイラさんに呼ばれて振り向いたらゴミを見るような目で見て言った!

こ、これはきつい・・・・・!


「サジ、あなたもです。よく、私たちの前であんなことを言いましたね?」


「あなたにはガッカリさせられました」


「か、会長、副会長・・・・・!?」


「「最低ですね」」


匙さんもソーナさんと真羅先輩にもの凄く冷たい瞳で睨まれてしまい口を開くこともできなかった


「木場、お前もそうだったなんてな。少し、意外だったよ」


「・・・・・先輩も先輩と同じなんですね」


「木場くん・・・・・」


「これは改めて認識をしないといけませんね・・・・・」


ゼノヴィアさん、小猫ちゃん、イリナさん、ロスヴァイセさんが木場くんに避難じみた言葉を言った!

木場さんは慌てて「ち、違う!僕は―――」と言い訳を言い始めた


「・・・・・混沌化となっているな」


一人だけ安全圏にいたアザゼル先生がポツリと呟いた。あ、あの人にも言われる立場なのに・・・・・!


「龍牙、人の話を聞いているのかしら?」


「は、はい!聞いております!」


「サジ、あなたにはお仕置きが必要ですね?」


「そ、そんな!?」


「木場もイッセーと同じだったとはな」


「・・・・・『おっぱいドラゴン』ならぬ『おっぱい聖魔剣』?」


「お、おっぱい聖魔剣!?違うんだ!僕はイッセーくんじゃないよ!小猫ちゃん!」


僕たちは自分の仲間に延々と説教、非難されたりと授業が始まっていても続いた。ぅぅぅ・・・・・。

兄上、女性って怖いんですね・・・・・?



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