小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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新たなシトリー眷属と英雄派




ドッゴオオオオオオオオオオオオオオオオオン


『―――くっ!』


とある場所で戦っている―――いや、襲撃されている集団がいた


「・・・・・一体何のマネだ?」


「・・・・・」


一人の男がローブを着込む人物に問うが返答をしなかった


「俺達が何かお前達に裏切るような事をしたか?」


「・・・・・」


「だんまりか」


「おい、どうする!?流石にこいつを相手にするのは骨が折れる上に面倒だぞ!」


「というか、私達の力じゃあ勝てるかすら怪しいわ!」


「・・・・・難しい」


「くっ!何であいつらはよりによってあんなものを―――」


ゴアアアアアアアアアッ!


巨大な火球が襲撃されている集団に向かった。集団は一斉にその場から離れて火球から逃れる


「どうする!―――!」


「・・・・・止むを得ない。俺達は―――から抜けるぞ」


「マジかよ!?」


「理由も分からないと同時に理不尽で仲間を犠牲にする訳にもいかない」


「くそ・・・・・っ!何が一体どうなっていやがる・・・・・!?」


「だけど、何処に逃げる?俺達は・・・・・」


「―――彼等の所に行くぞ」


「・・・・・確かに考える中では一番安全な場所だが、俺達を受け入れてくれるのか?」


「きっと受け入れてくれる。―――行くぞ!」


『・・・・・了解っ』



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



Phantom  Dragoon.



「『魔法使い』との契約か。それが今日するんだな?」


「ええ、だから冥界に帰らないといけないの」


「ここに世界一の魔術師、又は魔法使いがいるから良いんじゃないか?」


「あはは、それを言ったらルフェイも魔女としての力は相当なものだよ?」


「和樹さんにそう言ってもらえると光栄です!」


「ルフェイも潜在能力が十分ありますよ」


「うーん、私達も入るのかな?」


「どうだろう?私達が住んでいた世界と全然違うからね」


「魔導師は魔法使いと魔術師とは似て非なるものだから何とも言えないわね」


魔導師のギンガ達が自分もそうなのか?と話し始めた


「候補として入れるわ。世界一の魔法使い、魔術師である和樹を一番の候補だもの」


「うーん、嬉しいんだけど、僕には必要ないんだよねー」


「和樹ならどんな悪魔でも一発で契約完了できると思うが?」


「うん、僕の両親もそう思うよ。だけど、式森家は悪魔と契約するのは絶対にしないんだ。昔、

何度か悪魔と契約をした人達がいたんだけど結局、悪魔を頼る事なんて一度も無かったんだ」


「世界一の魔術師だから悪魔なんて不必要って事?」


「ぶっちゃけていうとそうなんだ。ほら、前に魔法世界に行った事あるでしょ?あの世界には悪魔なんて

存在していなかったんだ。あの魔法協会のトップも悪魔と契約をしていないんだ」


「そうなんだ、・・・・・ん?ヴァイラが言っている魔法使いの協会と和樹が言っている魔法使いの協会が

あるに聞こえるんだが・・・・・」


「うん、そうだよ。でも、僕が生まれた世界の魔法使いの協会とこの世界の魔法使いの教会とは犬と狼の

ような違いだ。因みに僕の世界は狼、この世界の魔法使いの協会は犬だよ」


「お前の世界の魔法使い、魔術師って強いんだな・・・・・」


「だから魔力回数なんてものが存在しているんだろうね」


「じゃあ、魔法使いの協会の理事を務めている悪魔とは?」


「会った事すらないよ。名前だけは聞いているけど僕にはどうでもいいことだよ」


和樹が興味無さそうに言った。まっ、俺も仲間や家族、お父さんや母さんとその知り合い以外なんて

興味は無いな


「変な魔法使いと契約しないようにね?一誠が怒っちゃうよ」


「ふふっ、大丈夫よ。私は一誠以外の男なんて興味無いんだから」


「ははっ、嬉しい事を言ってくれる」


「そろそろ冥界に行ってくるわ」


『行ってらっしゃい』


ヴァイラは移動魔方陣で冥界に向かって俺達から姿を消した


「となると、ソーナと椿姫、小猫にゼノヴィア、ロスヴァイセもその話が来るんだな」


「私は後にしてもらう事にしています。―――新しい眷属を迎えたいので」


「ん?新しい眷属?」


「はい、『戦車』と『騎士』の候補が決まったのです」


「ほう、それは良かったではないか」


「数が増えたね!」


「それで、相手はどんなヒトなの?」


「『戦車』の方は駒王大学に所属している者で、『騎士』の方は―――死神です」


「し、死神!?ハーデスのところじゃない!」


「一体どうやってハーデスの部下の死神と接点を持ったんだ・・・・・?」


「本来は別のヒトだったのです。しかし、その方と都合がつかなくなりました。

そしたら彼女が現れたんです」


「彼女?死神に女性もいるのか?」


「そう言えば一誠は知らなかったわね、死神にも男女がいるのよ」


「それは驚いたな・・・・・」


「しかも、その死神は最上級死神の娘です。今日の深夜に会う約束に成っています」


「最上級死神の娘って・・・・・どうしてそんな娘が貴女の眷属になるの?」


「それは本人に聞いた方が早いかもしれません。それと彼女は半神で死神と人間のハーフです」


「・・・・・死神って子供を産める事ができるんだな」


「うん、僕も流石に驚いたよ」


「死神のイメージは身体が骨って感じなんだけど・・・・・」


「いえ、ちゃんと肉体がありますよ」


「「「「「そ、そうなの!?」」」」」


「はい、というか、会ってみれば解りますよ」


クスクスと笑うソーナに死神の事を余り知らない俺は少しソーナの眷属となる死神に興味が湧いた



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



深夜になり俺はシトリー眷属と公園に佇んでいた


「新しい眷属が二人も入ると10人に成るんだな」


「ああ、それでもグレモリー眷属に勝てる気がしないんだよな・・・・・」


「加えて、ゼノヴィアと小猫にロスヴァイセは俺達が強くしているから更に勝てる確率が低く成っているな」


「お前、敵に塩を送っていないか?」


「何言っているんだ、ソーナと椿姫も強く成っているんだぞ」


「うっ、それはそうなんだが・・・・・」


「なんならお前を強く鍛え上げるぞ。それなら文句は無い筈だ。いや、この際だ、新しく入る二人も含めて

シトリー眷属全員、俺達で鍛えるとするか。そうすればグレモリー眷属と同等の強さを手に入れるぞ。

ソーナも賛成だろう?」


「ええ、私も賛成です。それにサジ、あなたはイッセーのお陰であの鎧の力を手に入ったではありませんか」


「グレモリー眷属の要は兵藤君ならシトリー眷属の要はあなたですよ」


「会長・・・・・」


「龍王の力、サジの力を期待していますよ」


「はっ、はい!会長の期待を答える為に頑張ります!」


嬉しそうだなぁー、と俺は匙の顔を見てそう思った。・・・・・・ん?


「どうやら、来たようだぞ」


此処に来る1つの気配が感じた。その気配の方へ顔を向けると一人の男がゆっくりとこっちに近づいてきた。

巨躯の体で灰色の髪をしていて、前髪が長く、目元が隠れている外国人の男だ


「あいつが?」


「ええ、そうです。彼がシトリー眷属の『戦車』名前は―――」


「・・・・・ルー・ガルーと呼んでくれ」


「ルー・ガルー・・・・・。フランス語で確か狼男の一種を指しているな。獣人、もしくは亜人種か?」


「・・・・・」


「まっ、お前が誰であろうともソーナは受け入れるから問題は無いだろう?」


「ええ、ルー・ガルー。いえ、ルガールとこれからはそう呼びます」


「・・・・・ああ」


「ルガール、最後に聞きます。私の眷属となり、私や私達と共に生きると誓ってくれますか?」


「・・・・・誓う」


「では、あなたは予定通りに『戦車』の駒をお渡しします」


「・・・・・」


ソーナはルガールに『悪魔の駒』の『戦車』を私はルガールはその駒を手に取った瞬間、駒が一瞬の光を

発してルガールの身体の中に消えた。


「皆、この時を持って彼は私達の仲間になりました。仲良くするようにお願いしますね」


『はいっ!』


「って、ソーナ。もう一人はどうしたんだ?」


(マスター、遅れてすいません)


突如、第三者の声が公園に響いた。不意にガサガサと公園の茂みから音が聞こえてそっちに振り向くと

死神らしい恰好をして、髑髏の仮面を被った存在が現れた。同時に仮面を外し仮面に隠された素顔が覗けた。

深い紫色の長髪と金の瞳をもった中学生ぐらいの少女だった。おおっ!本当に肉体がある!人間の顔だ!


「イッセー、彼女がシトリー眷属の『騎士』となる死神です」


(・・・・・これからマスターの眷属となるベンニーアと申します。以後お見知りおきを。兵藤の旦那)


「初めて会ったのに良く知っているな」


(冥府でも旦那達の話はよく聞きますので誰も知らない死神はいませんぜ。同時に敵にしたくない、

相手にしたくないと言っているほどですから
)


「・・・・・俺達は疫病神か?」


(まあ、気しないでください。―――事実ですから)


「・・・・・」


気にするなって言った直後に事実って言われても・・・・・


「ところで、どうして遅れたのですか?」


(此処に来る途中、変な集団を見つけましてね。報告がてらその集団の事を調べていやした)


「変な集団・・・・・?」


(で、調べている最中に発見されて戦闘になっちゃいましたが相手が強くてたまらなかったので

―――此処に逃げてきやした
)


『・・・・・はい?』


(ああ、あいつですぜ、マスターと兵藤の旦那)


ビシッ!と指をある方向に指した。俺達はベンニーアが指す方向に顔を向けると―――


「・・・・・ご主人様?」


「・・・・・恋?」


『禍の団』、英雄派の恋が得物を手に持って佇んでいた。何故かボロボロの状態だった


「なんで彼女が此処に・・・・・?その前に変な集団っていうのはまさか―――」


「ご主人様ぁ!」


此処にいる筈が無い彼女が武器を手放して俺に抱きついてきた!な、何でだ・・・・・?


「ご主人様!ご主人様!」


「恋・・・・・」


(おや?知り合いでしたか?)


「ええ、そうです。しかし、あなたがいう変な集団とは英雄派の事ですか?」


(その通りですぜ。何故か全員はボロボロでしたので不思議に思ったんですこれが)


「ボロボロ・・・・・?あの英雄派がダメージを負っているのですか?」


(満身創痍でした)


「・・・・・一体、誰が英雄派をそこまで追い詰めたの・・・・・?」


「ご主人様!お願い!恋達を助けて!」


「―――曹操達が近くにいるのか?」


「いる!恋達、攻撃された!邪悪な龍に!」


「・・・・・邪悪な龍だと・・・・・?」


「こっち!早く!」


俺は強引で恋に手を引っ張られて公園から離されてしまった


「(ソーナ!ガイア達に知らせてくれ!)」


「(はい!解りました!)」



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



恋と共に闇の中を駈け走り、とある廃工場に辿り着いた。ベンニーアに見つかってから移動したようだな


「皆!」


恋が大声で工場の中に入った。俺も続いて中に入ると


「・・・・・なんだこれ」


英雄派の構成員達の服がボロボロで身体中が傷ついて地面に横たわっていた


「恋・・・・・、敵を倒したか?」


「ご主人様を連れてきた!」


「・・・・・兵藤一誠を?」


工場の奥に英雄派のトップである曹操がいた。ヘラクレス、ジャンヌ、ゲオルグ、ジークフリート、

レオナルドもいたが満身創痍で構成員と同じように横たわっていた中で俺は曹操達に近づいた


「・・・・・曹操」


「・・・・・やあ、兵藤一誠」


「友達として聞こう。お前達に何があった?『禍の団』の英雄派がここまで徹底的にダメージを負わせられる

なんて相当な実力者だろう?」


「同じ身内にやられたのさ」


「身内だと?『禍の団』にやられたのか?それとも英雄派にいた誰かにか?」


「旧魔王派・・・・・いや、とある一人の悪魔にやられたのさ。―――巨大な龍を、邪龍を俺達に攻撃を

仕掛けたんだ」


「クーデターか?」


「解らない、突然だったんだ。俺達は裏切った覚えもない。恨みも憎しみも売った覚えもない」


「・・・・・その邪龍は何なんだ?」


「オーフィスに聞けばあるいは解るかもしれない。あれほどの戦意と殺意を満ちた龍なんて今の時代に

存在はしない。―――あれはヴァーリのほうが可愛いと思わせるほどの戦闘狂だ」


・・・・・ヴァーリが可愛いと思うほどの戦闘狂!?どんな龍だよ、そいつは!


「・・・・・友よ」


「なんだ?」


「頼みがある。俺達を助けてほしい」


「・・・・・」


「俺達はもう『禍の団』から抜けだした。英雄派は既にあの邪龍によって

滅ぼされたようなものだ。だから―――」


「お前、何言っているんだ?」


「・・・・・」


「―――救済するに決まっているだろう。俺達、友達じゃないか」


カッ!と工場中を照らす程の輝きが発した。光が収まると―――幽幻龍騎士団のメンバーが

勢ぞろいして登場した


「もう一度言うぞ。俺は、俺達はお前達を救済する!」


「・・・・・ふっ、ありがとう。友よ」


そう言ったと同時に曹操は気を失った。今まで警戒していたが俺達の登場に気が緩んだようだ。

俺は大天使化となって声を張り上げた


「皆、一人残らず救済するぞ!」


『了解!』

-160-
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