小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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邪龍



英雄派―――曹操達を保護して数日が経った。その数日の間にも小猫達グレモリー眷属の方にも

面倒な事が起きているそうだ


「なるほどなぁ、吸血鬼同士の争い。ギャスパーの奴も大変だな」


「・・・・・先輩達は知らないですけどギャー助は得体の知れない力を覚醒したんです。それを嗅ぎつけて

女尊主義側のエルメンヒルデ・カルンスタイン。カーミラ派の中でも最上位クラスの家の純血で高位の

ヴァンパイアが訪れてきました」


「で、ロスヴァイセ達が言っている神滅具―――『幽世の聖杯』が吸血鬼側にあるのか」


「聖遺物のひとつ―――聖杯が吸血鬼、ハーフの少女が所持しているとは・・・・・」


「曹操の『黄昏の聖槍』も聖遺物がそれだったな?」


「ええ、そうです。しかし、聖や光を嫌う吸血鬼が何故、手放そうとしない上にミカエル達に預けようとも

しないなんて・・・・・いくらなんでも不自然で疑問が尽きません」


「不死者はフェニックス家で十分なのに吸血鬼も不死の力を備わっている。面倒な相手だな」


「だが、完全ではないようだ。『幽世の聖杯』の力は不完全で男尊主義側のツェペシュの派の吸血鬼は滅び

にくい身体を得ていると聞いた」


「その派閥にギャスパーの恩人が幽閉されている訳か・・・・・、かなり面倒で複雑な上に俺達が

介入できるか解らないな。吸血鬼の問題は吸血鬼で解決しようとしているんだからな」


「強引に行ったら?」


「俺達はともかく、三大勢力に悪い影響を与えるかもしれないから無理だ」


「だよねー」


「それにしても神滅具が一気にこっちに集まったわね?」


「『幻想殺しの籠手』と『無限創造龍神の錫杖』をはじめ、『黄昏の聖槍』、『魔獣創造』、『絶霧』、

『白龍皇の光翼』だな」


「15種の神滅具が6つも集まりだすとは・・・・・」


「そういえば曹操達は?」


「意識は回復しているし傷も完治している。何時も通りに動ける状態だよ」


「英雄の末裔や子孫も一気に集まりだしたね」


「信長の子孫だけじゃなくなったな」


「正直、あいつらに操られていた俺達は複雑だけどな」


「そうね」


「まっ、そこは時間を掛けてゆっくり接してくれればいい」


「ああ、そうさせてもらう」


「そうするわ」


「―――そろそろ話してもらおうか?そこにいる事は解っているぞ」


俺は扉に話しかける。一拍して扉が開け放たれてこの部屋に入ってきた存在、曹操達が入ってきた


「ああ、こっちもそのつもりだ。その前に礼を言いたい。ありがとう」


「気にするな。お前等が無事で何よりだったよ」


「さて、英雄派が『禍の団』から抜け出した事はまだ三大勢力に伝わっていないと思う。お前達はこれから

どうするんだ?」


「お前の傘下に入りたい」


「それは英雄派全体の意思か?」


「ああ、その通りだ。それに恋とジャンヌがお前に助けてもらった恩を返したいと懇願してくる」


苦笑を浮かべる曹操、曹操の口から出た二人を見ると「その通りだ」といったものが瞳に乗せていた


「・・・・・皆、どうする?」


「僕は賛成だよー!」


「また家族が増える事はいい事です」


「イッセーの夢が一歩も二歩も進めるしね」


「ふん、お前が決めることだ」


「全ては主の思いのままに」


まあ、そんな事言うと思ったよ。お前等は・・・・・


「まっ、こいつらは賛成のようだ。俺自身も賛成だ。だから―――宴の準備を初めて宴をするぞ!

新しい家族が増えた祝いだぁ!」


『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!』



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



数時間後、



「ヘラクレス!歌いまーす!」


「「「「「歌えー!」」」」」


「あっはっはっは!」


「だから、この魔方陣をこうして構築すると・・・・・」


「・・・・・なるほど、それがそうなるのか。魔法や魔術はまだまだ奥深いな」


「アーサー、勝負だ!」


「ジーク、昔の私はもういませんがいいですね?」


「構わない!」


「・・・・・美味しい」


「はぁ・・・・・呂布の食べ方を見ると何故か幸せな気分・・・・・あっ、このシュウマイも食べる?」


ザシュッ!


「・・・・・もらう」


「か、可愛い・・・・・!」


「僕、レヴィって言うんだ!よろしくね、レオナルド!」


「・・・・・よ、よろしく」


幽幻龍騎士団と英雄派達はグラウンドで巨大な桜を中心に立食パーティをしていた


「・・・・・」


「お前の仲間は楽しそうにしているな」


「そうだな、あそこまであいつ等がはしゃいでいるのは初めてだろう」


「曹操」


「オーフィス・・・・・久しぶりだな」


「久しぶり、曹操。邪龍を話す」


「邪龍はヴリトラしかいない筈だ。今の現世にいる邪龍は」


「アルビオンも気に成っている」


『曹操、邪龍はあまりにも残虐で暴虐に封印されているか退治されている筈だ。前者なら誰かが封印を

解いた。後者はどうやってかは知らないが甦らせた可能性がある』


「退治された・・・・・つまり滅んだドラゴンで有名なドラゴンは何なんだ?」


『戦いと死を司るドラゴン「三日月の暗黒龍」クロウ・クルワッハ、「魔源の禁龍」アジ・ダハーカ、

「原初なる晦冥龍」アポプス。この三匹が邪龍の筆頭格に挙げられた存在だ。他にも北欧のニーズへッグ、

初代ベオウルフが退治した「大罪の暴龍」グレンデル。

同じく英雄の初代ヘラクレスが試練で倒したラードゥンは伝説の果実を守護していたドラゴンではあるが

退治されてしまった』


「同じ邪龍でもヴリトラのほうが可愛いと思ったぞ。それと今思ったが、邪龍と二天龍とどっちが強い?」


『無論、我等が強いぞ。だが、邪龍と争うのを各ドラゴンは避けていた。相手にするとこの上も無く面倒な相手だからな。触れたら最後、決着がつくまで邪龍は楽しみながら戦う』


・・・・・触らぬ『邪龍』に祟りなしって事か


「アルビオンはその邪龍と戦った事があるか?」


『ああ、だが、面倒だった。「戦おう!」としつこくて私に勝負を吹っかけてくるのでな。

無視して去ればどこまでもついてくる程だった』


うわ・・・・・、それは嫌だな


「あいつら、面倒」


「我も何度か見掛けた事があるが暴れる事と戦う事しか興味ないドラゴンだったぞ」


「それで曹操、お前達が相手をした邪龍の特徴は?」


「・・・・・浅黒い鱗をした二本足で立つ巨大なドラゴンだった」


「「『「大罪の暴龍」グレンデルに間違いない』」」」


ガイア、オーフィス、アルビオンが声を揃えて邪龍の名前を言った。えっ、今の特徴で分かるものなのか?


『グレンデル・・・・・甦られたようだな。滅んだドラゴンの中で

最硬クラスの鱗を誇っていたドラゴンでもある』


「面倒なものが『禍の団』に甦らせられているとは・・・・・」


「でも、負けない」


龍神だもんな、それに此処には真龍と龍神、天龍に龍王が揃っている。エデンの園の頃からいたゾラードと

メリア。そして、俺の中にいる『最強の龍殺し』と呼ばれているドラゴン―――サマエルがいる。

油断はしないが邪龍が相手でも負ける気は絶対にしない。


「恐らく、他にも邪龍が現世に甦っているか、封印を解かれているかもしれない。

英雄派に攻撃を仕掛けたのはウォーミングアップをさせる為のものかもしれないな」


「・・・・・そんな事の為に俺達を攻撃したなんてたまったものじゃないな」


「運が悪かったかもな」


「一誠も冥界に行けば恐ろしいほど不運になるしな」


「・・・・・それを言わないでくれ。軽く冥界に対して恐怖を抱いているんだから」


「天界に行けば豪運に成るかもしれないぞ?」


「・・・・・そうかもな」


短く息を吐いた。ホント、俺の運って異世界に左右されるのかよ?


「兵藤一誠、俺達を仲間にしてくれた事に感謝している。だからその感謝の印にこちらが持っている情報と

得た情報提供をする」


「そうか、それはありがとうな」


「あそこにフェニックス家の悪魔がいるだろう?―――気を付けろ」


「・・・・・どういう事だ?」


気をつけろ?レイヴェルに何かあるのか・・・・・・?


「俺達は以前、裏ルートからフェニックスの涙を手に入れられたが

今度は別の方法で他の奴等はフェニックスの涙を手に入れる事を始めた」


「その方法は?」


「―――フェニックスのクローンを生みだし、『フェニックスの涙』を量産する事だ」


俺は曹操から発せられた言葉に衝撃した

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