小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

ちょっとした恋とジャンヌの日常


「ほら一誠、これで気分が良く成る筈だ」


「ああ、ありがとうな」


大罪の暴龍グレンデルと戦いグレイフィアの弟、ユーグリット・ルキフグスの存在を知って数日が経った。

華佗の調合した茶を飲んで一息する


「まさか、グレイフィアに弟がいるなんて驚いたな」


「ルシファー達のような家族がまだ『禍の団』に所属していると聞いて俺も驚いた」


「ユーグリット・ルキフグス。元『禍の団』のカテレア、クルゼレイ、シャルバのように世界の破滅、

再構築を目論んでいる訳ではなさそうだな」


「じゃあ、目的は解らないという訳だな?」


「カテレア達の目的だった事も否定はできないがユーグリットの言った言葉が気に成るな」


『姉に、グレモリー眷属の従僕に成り下がったグレイフィア・ルキフグスに伝えておいてください。

―――あなたがルキフグスの役目を放棄して自由に生きるのであれば、私にもその権利はある、と』


ルキフグスの役目・・・・・?ルシファー達に関する事なのかそれとも別の事なのか・・・・・


「考えるのは良いが安静しろよ」


「分かっているさ。修行もしないし激しい運動もしない」


「うん、分かっていれば良い。会話する程度や将棋を指すぐらいなら大丈夫だ」


「完全に病人扱いだな」


「サマエルの毒はそこまで凄いってことだ。黒歌、小猫の仙術で毒の気を払ってやっと落ち着いてきた状態

だからな。俺もサマエルの毒を解毒する方法を探している。解毒剤を完成できたら直ぐに持って来てやるよ」


「神医と称されている華佗の子孫だけであって負けていないな。超える気か?」


「ああ、超えるさ。この名を受け継いだからには超えるぐらいしないといけない。

先祖もそう心待ちにしていると思うからな」


いい子孫がお前の名を受け継いで良かったな、神医華佗。


「それじゃあ、俺は帰るとするよ」


「ありがとうな」


「はは、お前に感謝の言葉を送られて何度目だ?」


「そこは気にするなよ。感謝しているのは本当なんだから」


「そっか、そう言われて俺は嬉しいぜ。じゃあな」


医療道具を持って俺の部屋から出ていった


「・・・・・さてと、本でも読もうかな」


部屋に設置されている本棚に近づき一冊の本を取ってベッドに寝転がりページをめくる。


―――数分後


コンコンッ


「入って良いぞ」


ドアを叩く音が聞こえた。俺がそう声を掛けるとドアが開け放たれた。


「・・・・・ご主人様」


「どうした?」


「・・・・・大丈夫?」


「ああ、まだ安静しろと信頼している医者に言われていたけど大丈夫だ」


元、英雄派の恋が見舞いにきてくれた。恋はトコトコと俺のベッドに近づいて来て・・・・・


「一緒に寝る」


布団に潜り込んで俺の隣に寝転がった。・・・・・全く、動物みたいな奴だな


「ん・・・・・」


恋は俺の腕を掴むと、横に伸ばして真紅の髪を押しつけ枕代わりにすると抱きついてきた。

本気で一緒に寝ようとしているようだな、おい・・・・・。


「・・・・・温かい」


「そうか?」


「恋、ご主人様と一緒に暮らせて嬉しい」


「それは俺もだよ。まさか、こんな早く一緒に暮らすことができるなんて驚いた」


「ジャンヌも喜んでいた。曹操も何時もより楽しそうにしている」


「英雄派の構成員だったあいつらはどうしている?」


「ん、元気にしている。ご主人様達が創った地球で元気に暮らしている」


そう、曹操達と一緒に英雄派に属していた英雄の子孫や末裔、魂を受け継いでいる構成員達も救済した際、

新世界ザナドゥに暮らすように提案した。まあ、人間の敵である悪魔と堕天使がいるから当然のように

反発されたんだけど曹操と恋に説得されて渋々ながらも納得してくれた


「それはなによりだ」


「ご主人様・・・・・」


恋は俺の身体に顔を埋めた。その表情は幸せそうに・・・・・


「・・・・・おやすみ、恋」


「おやすみなさい・・・・・」


恋の頭を優しく撫でて微笑む。恋は目を閉じてスヤスヤと眠り始めた。本を手に取って読みながら呟いた


「・・・・・こんな可愛く寝る少女が呂布の子孫だとは思えないな」


「本当よねー」


「・・・・・ノックしてから入れよ」


「うふふ、ごめんなさい♪」


悪びれた様子もなく恋と同じ英雄派だったジャンヌが俺の部屋に入ってきた


「よいしょっと」


「おい」


「いいじゃない、恋もしているんだからさ」


俺を挟むようにジャンヌが布団に潜り込んで来た。


「見舞いにきてくれたんじゃないのか?」


「同時にイッセーくんと一緒に寝る目的で来たの」


「お前もか・・・・・」


片手で持っていた本を奪われて恋と同じように俺の腕を枕代わりにして身体に抱きついてきた


「はぁ・・・・・幸せ」


「安らかな顔をしているな」


「英雄の魂を受け継いだ者として英雄らしくとは言えないけどそれらしく目的と行動をしてきたからね。

だけど、あんな形で英雄派が解散して私は一人の女として生きていける。複雑だけど幸せよ?」


「はは、そうか」


「これからはイッセーくんの為に力を貸すわ」


「俺だけじゃなくて他の皆にも力を貸してくれ、俺もあいつ等も力を貸してくれるからさ」


「うん、ありがとう」


「どう致しまして」


ジャンヌを肩腕で抱き締めたらジャンヌも俺の方に身体を寄せてきた


「大好きな男に抱かれるなんて幸せね。考えもしなかったわ」


「なら、考えられるようにしていくぞ」


「ふふ、嬉しい!」


嬉しそうな顔をしてジャンヌは俺の顔に近づいてキスをしてきた。


「ん・・・・・今のイッセーくんは安静の身だから一緒に寝るだけにするわ」


「・・・・・健康だったら襲われていたか」


「離れてシテいなかった分はしないと♪覚悟してね!お姉さんが退治しちゃうから!」


「逆に食ってやる」


「きゃっ、退治する側が食われちゃうわ♪」


と、俺はジャンヌとその後でも楽しく会話した。―――俺にまた守るべきものが増えたな。

・・・・・そろそろあの神器の禁手も慣れないといけないかもしれない・・・・・

-164-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




ハイスクールD×D 13【BD付限定版】 イッセーSOS (単行本)
新品 \0
中古 \9915
(参考価格:\4725)