小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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式森家の先祖



「・・・・・酷いな。家が滅茶苦茶だよ」


僕、式森和樹は実家の式森家に来ていた。ヴァーリの情報の通りに嵐が去った後の爪が残っているように

家が戦いの跡を残していた。屋根が吹き飛ばされ、家の6割が壊れていた。花壇や畑があった場所には

魔力弾で地が抉れて無くなっていた。


「・・・・・家は元に戻せる。畑も花壇もまた一から作り直せばいい」


小さく漏らしながら僕は目の前に開いた状態の地下に繋がっている階段へ足を踏み入れた。降りて行く度に

暗く成って手のひらから火球を生みだして灯をする。少しして久しぶりに式森家の書庫の部屋に辿り着いた。


「本当に本棚にある本を全て持って行ったようだね。全然ないや」


空になっている複数の本棚を見て嘆息する。でも、あれは複製された魔導書の上に式森家の魔力しか

使えない物ばかりだから一介の魔法使いの魔力じゃあ直ぐに使い果たして気絶するのが落ち。


「えっと・・・・・あった、あった」


岩壁を触れながら探すと一部だけ盛り上がった岩を横にずらすと穴があって僕は迷わずに手を突っ込んで

魔力を流し込んだ瞬間、僕の横の地面がゆっくりと階段へと変わって更に地下に繋がる階段に成っていった。


「あの部屋に入るのはいつ以来だろう」


少しだけ懐かしく感じて地下に続く階段に足を踏んで降りて行く。


「ああ言ったけど一誠たちは来るだろうね。今頃はガイア達と話しあって誰かと一緒に来ているか、

僕のお父さんたちを連れ去った魔法使いたちの居場所を探しているかもしれない」


目の前に佇む赤い扉へ近づき魔力を流し込みながら押し開く。


「さて、お久しぶりです。元気にしていましたか?式森家のご先祖様たち・・・・・」


部屋に入った瞬間に暗かった部屋がボボボッと火が燃え出して明るくなった。―――刹那


『はははははははははっ!』


ドンチャンッ!ドンチャンッ!


地下の部屋には大勢の男女の人達が騒ぎ、飲み、歌い、地面に寝転がっているか机に突っ伏して寝ている

光景が僕の視界に入った


「・・・・・相変わらずのようですね」


『んむ?お前は・・・・・おお、和馬の坊主じゃないか!?』


『何!おっ、本当だ!おい!和坊の坊主が来ているぞ!』


『あら!本当だわ!お久しぶり〜!』


『きゃー!また一段と可愛く成っちゃって!』


地下にいた人間たちが和樹に気づき一斉に詰め寄った。―――全員、身体が透けている状態で。


「お久しぶりです。皆さん、元気そうでなによりです」


『ははは!当然だ!式森に生まれた人間は死んでも死ねないからな!』


『だからこうして死んで幽霊となってもはしゃいで楽しく暮らしていますけどね?』



式森家のご先祖様たちには豪快な笑いをする人もいれば紳士的な人もいた。

僕もその血を受け継いでいるんだけどね。


『式森の呪縛ってやつだろうけど、こうやってずっと前に死んでいた先代たちや先に死んだ両親とまた

会えた後は、後世に残した息子と娘、息子と娘が生んだ子供とその子供が産んだ子供を此処に連れて再会して

そいつらも歳をとって死ぬとこの空間に来るようになってまた再会する』


うん、僕も小さい頃にこの人達と会わされた事があった。あの時は驚いたなぁー。あの魔法世界にある

式森家の地下と唯一繋がっている場所だから魔法世界で死んだご先祖様たちもこの空間に自動で天国にも

地獄にも行けずこの部屋に閉じ込められている形で永遠に暮らしているそうだ。


『でも、此処に閉じ込められている訳でもないから退屈ではないわ。外にも自由に出られていいしね』


『一定時間になったら強制的に戻されちゃうけど外に出られるから文句はないわよね』


『和馬と七海の近くならどれだけいても平気だからな!なにせ、『式森』だからだ!』


「―――そのお父さんとお母さんが連れ去られました」


『・・・・・どういうことだ?』


ご先祖様達は一瞬で真剣な表情を浮かべた。この人達は僕とお父さんとお母さんと同じ

『式森』だから他人事でもない


「やはり、あなたたちには気づいていなかったようですね?質問です。最近この空間から

出たご先祖様たちはいますか?」


『・・・・・いや、ここ数年は出た奴はいないな』


『テレビで外界の事が解るからあまり行かないわね』


『気に成るモノがあったら外界には行くけど最近は無いわ』


ご先祖様たちの言葉に心の中で「やっぱり・・・・・」と呟いた


「ご先祖様たちにここ数ヶ月起きている外界の事を耳に入れてもらいます。それが終わったら現状の報告、

それと御願いを聞いてもらいたいのですがよろしいですね?」


『ああ、よろしく頼む。次の式森家次期当主よ』


『我等も力が及ぶ限り貸そうぞ』


『式森に手を出した馬鹿には後悔させてやろう!』


『またあんな悲劇を次世代の式森にまで及ぶと思うと許せないわ!』


『ええ、私達が受けた痛み、苦しみ、辛さ、怒り、憎しみ、恨み、妬みは私達で十分よ・・・・・!

なのに、また式森に悲劇が起きようとするなんて・・・・・!』


ああ、やはりこの人達も・・・・・過去に式森と言うだけど酷い目に遭って死んでいった

人達なんだな・・・・・。だから、その時に抱いた想いと感情をこの空間が反応して閉じ込めて時間を掛けて

癒そうとしているんだ。―――初代、式森家当主の式森神の魔法によって・・・・・。


「では、時間も惜しいので一度しか言わず質問も答えませんので良く聞いて下さい」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「―――と、現状の報告も終わります」



『・・・・・なるほどな、外界ではそんな事が起きているのか』


『私達の他の魔法使いたちが式森の魔導書を狙った上にその管理していた和馬と七海までも

連れ去られるとは・・・・・』


『まったく、いまの魔法使いと魔法世界、魔法協会の人間は昔と比べて変わっている』


『それでも、変わっていないところもある。が、他人の物を使って強くなろうとする魔法使いは許せんな』


一人のご先祖さまの言葉に他のご先祖様たちも頷いた。


「奪われたのは複製された魔導書。つまりは偽の魔導書なのですがそれでもオリジナルと変わらない

レプリカの魔導書です。式森の人間しか使えない魔導書ですが仮にその魔導書を扱える魔法使いがいたら

大変です。あなた達の力を借りたい。誘拐されたお父さんとお母さんを救う為にも」


『和樹ちゃん、当然じゃない!私達は式森よ?家族を助けるのは当然!』


『式森は純粋な魔法使いの一族。その一族以外の者に私達の魔法を使う事は許してはならない』


『中には魔力増加の魔導書もあるわ。勿論、かなり時間と手間と揃える材料が掛かるけどそれでも魔力は

人によってはかなり上がるわ。―――最悪、無限に等しい魔力を手に入れられることも可能よ。

これは既に実証済みだから式森の人間にしか開けないようにしたけれど』


その式森のお父さんとお母さんが連れ去られた。―――まずいね


「この中で、探知魔法か索敵魔法、情報系の魔法が得意なご先祖さまはいますか?」


『それなら私ね、生前は地球の裏側まで相手の魔力を探知して居場所を見つける程の実力者だったんだから』


『俺も似たようなもんだ。俺は魔力というよりは気で探すほうだ』


2人が挙手をしながら言うと続いて他の人も挙手した。それにしても地球の裏側って・・・・・凄いな。


「それじゃあ、お父さんたちの魔力と気を探れますか?」


『式森家の魔力は似たような魔力を持つから直ぐに探れるわ』


『和馬の気は覚えている。直ぐにでも探せる・・・・・ん?』


「どうしました?」


僕がそう聞くとご先祖さまが指を赤い扉に指した。扉がどうかしたの?


『この空間に誰かが来るぞ、お前の友達か?』


「えっ?」


―――刹那


ドッガアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!


赤い扉が爆発に巻き込まれて僕たちの方へ吹っ飛んできた!でも、ご先祖様たちが幽体なのになんなく

扉をキャッチした。魔力で受け止めたのか・・・・・?


『・・・・・お前の友達にしちゃあ荒い入り方だな?』


「残念ですが、僕の友達ではないですよ。こんな入り方をする友達なんていません」


『じゃあ、誰だ?』


「それは―――」


「和樹さああああああああああああああああああああああああああああああああんっ!」


「僕の敵です」


桃色のツインテールをした少女がこの部屋に入ってきた。


『・・・・・おいおい、あの女の子。とんでもねえ物を身体の中に入れているな』


「えっ・・・・・どう言う事ですか?」


『気づいていないのか?いや、気づく訳がないか。ありゃあ住みついているからな』


住みついている?一体、彼女に何が住みついているんだ?


「やっと見つけましたよ!和樹さん!」


「宮間さん・・・・・」


「もう、酷いじゃないですか!魔法協会の理事長に『永遠に閉じ込めて下さい』と言って

私を置き去りにして!あの牢屋から出るのは苦労したんですから!」


えっ、あの牢屋から出てきたの!?僕は信じられないものを見た目で彼女、宮間さんに視線を向けた。


「きゃっ、そんなに見詰めないでください・・・・・恥ずかしいです」


『・・・・・和樹、これか?』


「違います。彼女は俗に言う電波少女なんです」


『あー、お前も式森の呪いが掛かっているな?とんでもねぇ女に付き纏われてさ』


そんなご先祖様に力なく溜め息を吐いた。一誠は冥界に呪われているのかと思うほど運がない。

僕は式森の呪いに変な女の子に付き纏われて最悪。キミの気持ちが解るような気がしてきたよ・・・・・


「さあ、私と一緒に帰りましょう!」


「何で僕がキミと帰らないといけないんだ。それと家が壊れているけどキミは人の家に不法侵入したと

気付いている?」


「和樹さん!一緒に帰って二人きりで暮らしましょう!愛があれば何でも許されて叶えられるんですから!」


「愛があれば何でもできる訳がないよ。それに許される訳無いって」


呆れながら首を左右に振る。今度は人間界に出入り禁止にするよう理事長に言わないとダメだ。

仮にもあの人は式森の次に強い人なんだからそれぐらいはできる筈だ。


「もう2人で暮らす家を用意しています!そこで私と和樹さんはもっと解り合って

愛を育んでそれで・・・・・きゃっ!」


『・・・・・和樹ちゃん、私はあの子と付き合うのは進める事はできないわ。一人の女として』


『私も同感、あの子は周りを見ていないわ。寧ろ、親の血を濃く受け継いで間違った教育を受け育った子よ。

可哀想に・・・・・間違った教育で育てられていなければ純粋な心を持った魔術師になっていたでしょうに』


女性のご先祖さまたちが宮間さんを見て反対の意見を言った。他にも女性のご先祖さまたちも

首を縦に振って頷いた。僕、絶対に彼女と付き合う気はないよ?


「後は和樹さんを迎えに行くだけなんですから行きましょうよ!―――和樹さんのお父様とお母様も

待っているんですから!」


・・・・・僕のお父様とお母様?どういうことだ?宮間さんの口から衝撃の言葉を聞いて唖然とした

僕に一人のご先祖さまが口を開いた


『おい、精霊を使う西洋魔術師。和樹のお父様とお母様が待っているってどう言う事なのか

説明してもらおうか?』


「あなたは誰ですが?見たところ、和樹さん以外の人は幽霊のようですが」


『・・・・・はぁ、最近の魔術師は頭が馬鹿な奴しかいなくなったのか?』


僕もたまにそう思う時もある。彼女に至っては「なっ!?」と目を大きく見開いて怒っている始末だ。


『ここは式森家だ。つまり、ここにいる全員が式森家の人間なんだ。見ての通り死んでいる人間達だけどな』


「幽霊は幽霊らしくとっとと成仏してください!」


『いや、成仏できているならとっくに成仏しているしな?』


『・・・・・あっ、宮間ってどこかで聞いた事があると思ったら精霊と契約して戦う名門家の

西洋かぶれの魔術師の一族ね?懐かしい名前だわ』


「知っているんですか?」


『ええ、宮間って精霊と契約して戦う魔術師だから面白そうだから生前は軽く何度か相手をしたわ。

ついでに、魔導書にも契約の事に関して書き記したけど・・・・・そう、彼女が宮間ね・・・・・

だいぶ宮間の一族も変わっているようで』


懐かしそうに、でも、少し悲しそうに宮間さんを見詰めるご先祖さま。過去の宮間さんの一族の人に

友達でもいたのかな?


「誰ですか!私の和樹さんにベッタリとくっつかないでください!」


『いいじゃない、弟のようなものなんだから、私って生きていた頃は兄と姉がいたから可愛い弟が

欲しいなって思っていた時もあったんだよねー』


「ぐぬぬっ!和樹さんも何か言ってやってください!」


「いや、宮間さんからベッタリくっついている風に見えるんだろうけど温もりも感じなければ

感触もないよ?魔力でコントロールして物に触れるようにしているだけで―――」


うん、逆に冷たいんだよね。幽霊だからかな?シンシアのような柔らかくて弾力性がある四肢に

あの温もりがないよ。


『・・・・・和樹ちゃん、既にキミは女性の身体の魅力を知ったのね?』


「・・・・・僕、声に出していましたか?」


『ううん、心から聞こえたわ。というより、式森の人間はこの空間で口に出さず心で呟くと

筒抜けになるのよ?』


・・・・・ということは、この場にいるご先祖さまたちも聞こえた事になるんだよね?


『その通りよ?』


『はっはっはっ!もうその歳で女の味を知ったか!』


『ふふ、式森の未来はまだ続くそうで安心しました』


『良かったわー、和樹くんがそこまで進展している好きな女の子がいて本当に良かったわー』


『よし!今日は式森の未来が続く事が解った祝いで宴を始めるぞー!』


『『『『『『『『『『おおーーーっ!』』』』』』』』』』


「ちょっとー!?お父さんとお母さんの救出が先でしょー!

 (ちょっとー!?お父さんとお母さんの救出が先でしょー!)」


『あっ、そうだったな』


思わず口と心で同時にそう言うとご先祖さまたちは宴を中断してくれた。・・・・・全く、

こういうところは誰かと似ているね!


「・・・・・和樹さん、女の味を知ったってどう言う事ですか・・・・・」


「宮間さん、僕は既に付き合っている人がいるんだ」


『堂々と言いやがったぜ!告白を断るパターンを!』


『時にはハッキリ言う事も大切』


『和樹くんは紳士的に育ってくれたようだね』


そこっ!少し黙って聞いて下さい!


「だから、キミとは付き合う気はないし結婚もする気ないよ。

キミが言う約束だって身に覚えもないんだから。寧ろ、僕はキミのような人間は嫌いだよ」


僕はハッキリと彼女を否定した。こんな断わり方は最低だろう。でも、彼女は一方的な愛を向けてくる。

周りの迷惑を考えずただ自分の幸せだけ願って他の女性と仲良く話しているだけで猛烈な嫉妬心を剥きだす。

その嫉妬心は魔力で攻撃してくるもんだから溜まったもんじゃないよ


「・・・・・嘘です、和樹さんが私を嫌いなんて言う筈がないです」


「嫌いだよ。これは嘘偽りもない事実だ。僕はシンシアと言う女性がキミより一番好きだ。宮間さん、

僕の事を諦めて他の男の人と付き合ってよ。―――僕と僕の家族達が迷惑するんだ」


「・・・・・そう、そうですね。・・・・・解りました」


「そうか、解ってくれ―――」


「あなたは和樹さんの偽物ですね!?」


・・・・・一瞬だけ彼女に理解してくれたと思った自分が馬鹿だった。


『『『『『『『『『『俺(私)たちも同じ気持ちだから』』』』』』』』』』


「本物の和樹さんはどこなんです!?教えなさい!この和樹さんの偽物め!」


「僕が本物なんだけどなぁ・・・・・」


「黙りなさい!キシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」


『あなたが黙りなさい』


「うぐっ!?」


突然に宮間さんが地面に倒れた。


『式森に攻撃をするというのであれば私達も黙ってはいないわ。尚且つ、現式森当主を連れ去ったですもの。

許しはしないわ』


『それに式森の許しも無いのに式森の土地に踏み込んだあなたは敵です。

和樹の友達でも知り合いでもなければ敵です』


「ぐっ・・・・・!私を解放しなさい!私は和樹さんの偽物を倒す役目があるんですから!」


『開放も何も、私達は何もしていないわよ?』


うん、確かにご先祖さまたちは魔法を使った様子はない。この部屋に何か仕掛けでもあるのか?


『さてと、答えてもらおうか?和馬と七海の居場所を』


『別に素直に言わなくても私達は探せれるから問題ないけどね』


『それでも落し前はしてもらわないと納得できない』


「だ、誰が言うもんですか!」


はぁ、宮間さん。今の状況に気づいていないのかな。いや、気づいていないんだろうね。

必死に起き上がろうと奮闘しているんだから


『ならいいや、放っておいて行こうぜ。和樹、お前の体の中に入らせてもらうぞ』


「・・・・・はい?」


『私達は長く現世にはいられないのよね。つまり誰かに憑依した形でなら普通の人間と同じ時を過ごせるの』


「あっ、そういうことですか」


『大丈夫だ、式森の体は頑丈だから百や千の幽霊に憑かれても自我は崩壊しない。ましてや俺達は式森だ。

逆に知識と力が上がる方だからデメリットは一切無しだ』


それってある意味、本当の意味で世界一の魔術師だよ。


『それじゃあ、失礼するぜ』


そう言って式森のご先祖さまたちが人魂と化となって僕の体の中に入ってきた。力が暴走する気配が

全然ないやと思っているとこの部屋にいたご先祖さまたちが皆いなくなった。―――逆に


『おっ!俺達が入ってもまだ広いな!今の式森は俺達より優秀のようだぜ!』


『温かいわねぇー。炬燵の中に入っている気分だわ』


『魔力も異常がなく安定している。問題もないな』


『ひゃっほーい!楽しいぜぇー!』


僕の中で賑やかな声が絶えず聞こえてきた。


「一誠もヴァーリも龍牙もこんな感じで身体の中にいるモノと会話をしているんだね」


『友達ですか?』


「うん、親友と友達―――家族だよ」


『ふふっ、そうですか。それじゃあ私達が案内するので動いて下さい』


ご先祖さまの言葉に頷きこの地下から出ようとする


「待ちなさい・・・・・!私を置いていく気なんですか・・・・・!?和樹さんの偽物め!」


「キミとは無関係だからね。それに僕が式森和樹の偽物なら関わりたくないでしょ?」


「和樹さんは何処にいるのですか・・・・・!」


「・・・・・じゃあ、僕のお父さん達はどこに連れ去ったのか教えてよ。そしたら僕も

『本物の式森和樹』の居場所を教えるよ」


彼女に振り返ってそう言うと四つ這いになって顔を上げて僕を睨んでいた。


「・・・・・本当ですね」


「嘘は言わないよ」


「・・・・・和樹さんのお父様とお母様の居る場所は―――」


「・・・・・なるほどね」


「約束です!和樹さんは何処にいるのですか!?」


そうだね、僕も約束を守らないといけないや


「式森和樹は―――キミの目の前にいるよ」


「・・・・・えっ」


「キミの目の前にいる人が正真正銘の式森和樹だよ」


移動用魔方陣を展開してこの場から離れようとする


「じゃあね」


次の瞬間、僕は光に包まれて式森家から離れた。―――待っていて、お父さんとお母さん!

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