小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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再び大罪の暴龍



『グハハハハッ!いくぜぇぇぇぇ!ちびっこぉぉぉぉ!』


「ちびっこ言うな!俺は―――兵藤一誠だ!」


俺とグレンデルの拳が直撃した。やっぱり堅いな!人間の腕だと骨がギシギシと悲鳴を上げやがる!


『おいおい、生身で俺と戦うのは良いんだけど俺はグレートレッドとオーフィスの力を具現化した鎧を着た

お前と戦いたいんだよぉぉっ!鎧を着ろよ!おい!』


つまらなさそうに拳を引くグレンデル。―――お前がそう望むのなら叶えてやろうじゃないか!

ガイアとオーフィスに視線を送ると2人は頷いた。そして、2人は口を開く。


『我、夢幻を司る真龍なり』


「我、無限を司る龍神なり」


『我、無限を認め』


「我、夢幻を認め」


『我等は認めし者と共に生き』


「我等は認めし者と共に歩む」


ガイアとオーフィスが全身を深紅と黒に輝かせ、光の奔流と化して俺に向かう。そして、真紅と黒の光を

浴びた俺は彼女たちと呪文を唱える


「我は夢幻を司る真龍と無限を司る龍神に認められし者」


『夢幻の力で我は汝を誘う』


「無限の力で我は汝を葬る」


「我は愛すべき真龍と龍神と共に我等は真なる神の龍と成り―――」


「「『我等の力で全ての敵を倒す!我等の力で汝等を救済しよう』」」



「「「「「「「「「「D×D!」」」」」」」」」」


皆も一緒に呪文を唱えてくれた!心強い!俺一人だけ戦っている訳じゃないからな!真紅と漆黒の全身鎧を

纏った俺にグレンデルが口の端を吊り上げた。


『そうだ!それで良いんだよ!グハハハハ!』


嬉しそうに哄笑を上げ、再び拳を突き出してきた。俺も拳を突き出してもう一度あいつの拳と直撃する!


ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!


『おう!これだ!これを待っていたんだ!この感じをなぁ!』


「―――じゃあ、俺のとっておきを見せてやるよ」


俺は真紅と漆黒のオーラを迸らせ纏い始める。山の付近でこの辺りは人気が無い。前と違って

何も縛られずに思いきり戦える!


「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」


身体が、全身鎧がどんどん大きく成りグレンデルと同じ身長にまで大きく成った


『おいおい・・・・・そりゃあなんだよ』


「真龍と龍神の力が一つになって初めてできる技だ。名付けて『巨龍人化』だ」


『・・・・・』


唖然とするグレンデル。―――次の瞬間


『グハハハハハハハハハァッ!』


腹を押さえて思いきり哄笑し出した。


『最高だ!お前、最高じゃねぇか!俺と同等に戦うつもりかよ!?』


「ちびっこなんて言われたくないからな。本来はまだ大きく成るがこのサイズでお前と戦ってやるよ!」


『いいねぇ、いいねぇ!俺は良い時代に甦ったもんだ!行くぜぇ!グレートレッド!オーフィス!』


大地を地響き鳴らしながら俺に近づいてくる。俺もあいつに向かっていき―――


「『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!』」


ドッゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!


俺の腕とグレンデルの腕がクロスカウンターをして互いの頬に直撃した。


「ふんっ!」


左の拳をグレンデルの腹にねじり込むように突き刺す。大地から浮いたこいつに回し蹴りで

遠くに吹っ飛ばす!


「俺はあいつと戦う!お前等、此処を任せたぞ!」


「うん!こっちは大丈夫だからあのドラゴンを倒して!」


和樹が氷の魔法でフェニックスのクローンを氷漬けにしながら了承してくれた。他の皆も次々と

クローンを倒していく。


「頼んだ!」


バサッ!と翼を展開して羽ばたき吹っ飛んだグレンデルの方へと赴く。ユーグリットは未だ、

行動を起こしていないのが怪しいが・・・・・。


「―――サーゼクス。聞こえるか?」


『兵藤君かい?どうしたのだね、キミから連絡するなんて珍しいじゃないかい』


「俺たちはいま、とある山の付近で禍の団と交戦している」


『っ!?』


「報告を聞いているだろうがグレイフィアの弟、ユーグリット・ルキフグスが甦らせた邪龍、

『大罪の暴龍』グレンデルと数多のフェニックスのクローンを率いて俺たちの前に現れた」


『それは本当かね?』


「じゃなきゃこうしてお前に直接連絡する訳無いだろう」


グレンデルが巨大な火球を吐きだして俺はそのまま突き進みグレンデルの目の前に近づき

殴りながら連絡を続ける


「俺の用件はお前の傍にいるグレイフィアをこっちに来させてユーグリットを説得させる事だ」


『・・・・・』


「サーゼクス、これはグレイフィアしか出来ない事だ。でないと俺たちは間違って殺してしまうぞ。

お前に妹がいるようにグレイフィアにも弟がいるんだ。俺は家族をできる限り生きて再会させたいんだよ」


巨大な尾で俺の体が叩き付け体勢を崩されてしまうが逆に俺も尾でグレンデルの足を絡めて体勢を崩す。


「俺の仲間がグレイフィアを守る。仮にお前の眷属と共に現れようが構わない」


俺とグレンデルはムクリと起き上がり戦う意思を示す。


『・・・・・』


中々、返事がしないサーゼクスに苛立つ。


「どうするんだ!サーゼクス・ルシファー!」


声を荒げてサーゼクスに問うと一拍して


『・・・・・分かった。直ぐにグレイフィアをそちらに向かわせよう。私も一緒にね』


返事が来た。やっとか、全く・・・・・


『教えてくれ、キミ達がいる場所を』


「俺たちは―――」



―――Satan side


「・・・・・」


「サーゼクスさま、彼は何と言っていましたか?」


私のメイドであり妻、グレイフィアが訪ねてきた。


「・・・・・彼等はいま、禍の団と交戦していると連絡が来た」


「・・・・・」


「グレイフィア、キミの弟もその場にいるようだよ」


「・・・・・っ」


グレイフィアが一瞬だけ驚愕の色を染めた。


「彼の用件はキミを兵藤くんたちがいる場所へ行かせキミの弟を説得してもらう事だそうだ」


「・・・・・」


「グレイフィア、行ってくれるかね?私も今から兵藤くん達がいる場所へと行くつもりだ」


「・・・・・サーゼクスさま」


「怖いかい?久しぶりに会う実の弟に会うのが・・・・・」


彼女は瞑目して静かに首を横に振った。


「サーゼクスさま自ら戦場に立つのであれば至急に眷属をお呼びして向かってください」


「ああ、そうするつもりだよ。彼はその事も含めて連絡してきたからね」


瞳に迷いが無い。私の妻はとても強いな・・・・・・。全く、私たちを動かすなんてキミが初めてだよ。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


―――和樹side


「不死がこれほど面倒なんて改めて思うね!」


『だが、やり方によっては倒せるわ!』


「レヴィアタンさんのように氷漬けに?」


僕の視界にレヴィアタンさんがフェニックスのクローンを氷漬けにしていく。


『他にも石化にしたり、魂を抜き取ったり色々とあるぞ』


「うん、悠璃さんがいましている事だね」


大鎌を持っている彼女の周囲に嵐が巻き起こりその嵐に巻き込まれたフェニックスのクローン達が地面に

落ちたり倒れたりしていくとクローンの体から魂が浮かび彼女の口に吸い込まれていく姿に僕は見た。

こ、怖いね・・・・・。彼女の戦いは・・・・・。


『不死は聞けば絶望的に感じるだろうが、それは能力で魂は不死じゃない。俺達も何人かは不死の

能力を持った生物と戦った事もあるぞ。苦戦はしたがな』


「不死に対抗する魔法はあるのですか?」


『勿論だ。手のひらを上空に向けてごらん』


「こうですか?」


言われたとおりにすると魔力が勝手に集束していった。


『次はこう言うんだ。指定、フェニックスのクローンだと』


「指定、フェニックスのクローン」


ご先祖さまの言葉を復唱した瞬間、魔力が上空に向かって弾けた。そして、何もない空間が横に大きく

裂け、黒い空間を覗かせた。その黒い空間から無数の黒い腕が飛び出してきて

フェニックスのクローンだけを捕まえ黒い空間へと戻っていく。これは・・・・・


『「無の誘い」この技は無の世界へ連れて行く技だ。連れて行かれたら最後、

二度と元の世界に帰る事は不可能だ』


「この技から逃れる方法はあるのですか?」


黒い空間が閉じて何もない空間へと戻った空間を見てご先祖様に聞く。


『魔法を無効化するしか方法が無いな。消滅であろうとも破られない技だ』


じゃあ、一誠・・・・・ゾラードの能力しか効果が無いのか。


「・・・・・流石は世界一の魔術師、圧倒的な技で全てのフェニックスのクローンを倒すなんて」


いや、僕がやったんじゃないけどね!?ヴァーリ、キミは何で笑うの!えっ、僕と戦ってみたいだって?

やめてよ!そういうのは一誠の担当でしょうが!僕は平穏に暮らしたいんだよ!


「さて、困りましたね。手持ちの物はもうないですしグレンデルは遠くで戦っている・・・・・」


「降参したら?私はそうした方がいいと思うわ」


「この人数でこの実力者に囲まれているお前に何ができる?」


「俺たちに捕まれば痛い思いはしない」


警戒しながら皆はユーグリットに接近する。彼は短く吐き諦めの色を染めた


「仕方ありません。今回の作戦は失敗に終わって残念です」


ゴソゴソと懐から取り出した球体を


「ここで捕まるわけにはいかないので私は去ります。また会いましょう、幽幻龍騎士団の方々」


「っ!捕らえろ!」


ベルゼブブが叫ぶように言って僕たちはユーグリットに向かうが球体を地面に叩きつけ一瞬の閃光と

共に逃げた彼の方が早かった!


「くっ!きっとグレンデルの方へ向かったに違いない!」


「一誠がグレンデルと戦っているわね・・・・・」


「どうする?」


「・・・・・私達は此処で待機しましょう」


ルシファーさんの言葉に僕も賛成だ。皆も頷いてこの場に待つ事になった。一誠、頑張ってね。


―――同時刻、一誠side


「はあああああああああっ!」


『グハハハハッ!』


『まったく、一誠の拳を受けても倒れないとはそこまで戦いのバカなのだ』


『グレンデル、嬉しそう、楽しそう』


ガイアが呆れたような声音を言いオーフィスがグレンデルの表情を見てそう言った。時折り、

火球を吐きだされるが今の俺には効かないから真正面に飛び出してグレンデルの顔面に

拳を突き出す事が多い。


『もっとだ!もっと俺を熱くさせろ!こんな戦いは久しぶりだぁ!』


「面倒な程に防御力と耐久力を誇っていやがって!」


顎下から拳を突き上げてもこいつは嬉々として受け入れ俺に拳を突き出してきて当るが

この鎧には通用しない。


「―――食らえ」


グレンデルを上空へ蹴り上げ胸部の鎧が上下にスライドして砲門が出て来て光を集束し魔力を放った。

これを受けて生きているのならこいつは相当な防御力だぞ


ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!


俺の一撃がグレンデルに直撃し青い空一面が赤黒く塗り替えられた。一拍して巨大な影が降ってきた。

俺はその影を見て鎧の中で心の底から呆れた。


『が・・・・・はっ』


「まさか・・・・・まだ生きているとはな」


『しぶといにも程がある』


『それ以前にこいつは強化されているのだろう』


それにしちゃあ、無限の攻撃を受けて五体満足、満身創痍の程度で生きていられるか?普通なら

木端微塵になって死んでも良いと思うほどだぞ


「まあ、それは置いといてこいつを封印でもするか」


「―――おっと、そうはさせませんよ」


突如、グレンデルの全身から深緑の巨大な魔方陣が現れ光と共に消えた。


「ユーグリットか」


「あそこまでグレンデルを傷つけ追い詰めるとは恐れ入る」


俺の目の前に魔方陣と共に現れた悪魔、ユーグリットが俺に話しかけてきた


「お前が此処にいるとなると失敗したようだな」


「ええ、分が悪いと思い逃走するついでにグレンデルを回収しに来ました」


「一つ聞くぞ。今の禍の団を纏め上げているのは一体誰だ?」


「・・・・・そうですね。グレンデルを追い詰めたあなたに教えても良いでしょう。

今の禍の団を纏め上げているのは―――」


ユーグリットが口を開いたその瞬間、俺とユーグリットの間に複数の魔方陣が現れた。

その魔方陣の紋様を見ると―――グレモリーのものだった。その紋様を見てあいつは表情が無く成った。


「兵藤一誠・・・・・」


「久々の再会だろう?自分の姉とさ」


「・・・・・」


グレモリーの魔方陣から発する光が弾いた瞬間、赤い長髪の男と銀髪のメイド服を着た女と

その背後に複数の存在が現れた。


「・・・・・姉さん」


「・・・・・ユーグリット」


ルキフグスの名を持つ姉弟が再会したその瞬間を俺たちは見た。


「「・・・・・」」


だが、ユーグリットは足下に移動用魔方陣を展開して俺たちの前から消え去った。


「兵藤くん・・・・・」


「サーゼクス?」


「家族とは難しいものなんだね」


「・・・・・」


ポツリと悲しみが籠もった声音で言われて俺は何も言えなくなった。グレイフィアは俺に振り返って

お辞儀をした。


「申し訳ございませんでした。折角のチャンスを逃してしまい・・・・・」


「いや、あいつらとまた会うだろう。それが禍の団が壊滅するまではな・・・・・」


「弟、ユーグリットの事は私に任せてはくれませんでしょうか・・・・・」


「ああ、グレイフィアに任せる」


「ありがとうございます」


再びお辞儀をしながら感謝の言葉を言った。グレイフィアは何を考えているんだろう。

何を思っているのかは分からない。だが、俺はこれで良いと思いたいところだ。


「ところで、どうしてキミは巨大化になっているのだい?」


「グレンデルと戦っていたからだ。しばらくは動けないだろう」


「そうか、邪龍を相手によく戦えたね」


感心したように言うけど今回は肉弾戦で戦ったけどあいつ、しぶとかったぞ。


「悪かったな。呼んでおいて何もさせる事がなくなってさ」


「いや、友好を結んでいる勢力に協力するのは当然の事だ。気にしないでくれ」


「ん、そう言ってくれると有り難い。一緒に来るか?」


「ルシファーさまたちの所にかい?」


「そうだ」


「では、そうしよう。ついでに私の眷属を紹介するのもいいだろう」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「あっ、一誠!・・・・・とサーゼクスさんとグレイフィアさん?」


「やあ、式森君。久しぶりだね?」


「どうして此処に・・・・・?」


その疑問に俺が解消すると皆は納得した。


「ユーグリットは?」


「グレンデルと共に逃げた」


「そう、まあこっちはこっちで勝ったからいいね」


和樹はアジ・ダハーカを見て気にしていなさそうだった。


「兵藤くん・・・・・あのドラゴンは一体・・・・・」


「『魔源の禁龍』アジ・ダハーカ」と教えるとサーゼクスが目を大きく見開いた。


「ユーグリットの他にもはぐれ魔法使いたちがこいつを勢力に加えようと現れた。

俺たちはとある事件で此処にきたら偶然にこいつと出会った」


「事件・・・・・?」


「和樹の両親がはぐれ魔法使いたちに連れ去られたんだ。その理由はこのドラゴンの贄にしようとしていた。

まあ、なんとか阻止したけどな」


「そうか、キミたちにそんな事が遭ったのか・・・・・。邪龍がこの山に?」


サーゼクスの問いに頷く。


「アジ・ダハーカは英雄スラエータナオに退治されそうになったけど逆にできなくてついにはこの山の

地下深くに幽閉されたと、はぐれ魔法使いとアジ・ダハーカからそう聞いた」


「・・・・・このドラゴンをどうするつもりだね?」


「殺したらまた禍の団の手で甦させられてしまうと面倒だから俺たちが引き取る事にした」


「このドラゴンは邪龍だよ?封印はしなくても大丈夫なのかい?」


「封印して俺の中にいてもらうんだよ」


「ふむ。それならサマエルもキミの中にいるから安心だね」


納得してくれたようで安心した。さてと・・・・・。


「アジ・ダハーカ、お前を封印して俺の中にいてもらうぞ」


『殺されるよりはマシだ。だが、たまに俺を現世に出せ』


「人間を食べないのならいいだろう」


封龍剣「神滅龍一門」を手にしてアジ・ダハーカに近づく


「―――封龍―――」


大剣をアジ・ダハーカに突き刺した。すると大剣から膨大な光が発して目の前のドラゴンを包んでいく。

そして、一瞬の閃光が弾きだしアジ・ダハーカの姿が消え代わりに黒い宝玉が地面に転がっていた。


「よろしくな。アジ・ダハーカ」


宝玉を胸に付けると波紋を生じながら黒い宝玉が沈んでいく。完全に宝玉が無く成ると身体からドス黒い

オーラが噴出した。


「・・・・・邪龍を宿すとこんな感じか」


「大丈夫かね?」


「ああ、何ともないな。ゾラード、サマエル、メリア。戻ってくれ」


未だ、現世にいるゾラードたちに言い俺の中に戻らす。これで俺の身体に宿っているのが幻想を司る龍

「幻想喰龍」ゾラード、創造を司る龍「創造神龍」メリア。究極の龍殺し「龍喰者」サマエル、

「魔源の禁龍」アジ・ダハーカの四匹と成った。


『チクチクと俺の身体に突き刺さるんだが・・・・・』


『慣れだ、我慢しろ』


『ねーねー、キミが体験した話を聞かせてー?』


『来るな!それ以上俺に近づくな!痛い、痛いから!』


『こんな感じが毎日続くんですね。よろしくお願いします。アジ・ダハーカ』


うん、一気に賑やかになったな。


『まったく、トカゲが一匹増えるとうるさくて敵わないな』


『おい、誰がトカゲだ?それに貴様は誰だ』


『トカゲに名乗るほどでもないな』


『教えるよ。喋る大剣の名前は馬鹿神って言うんだ』


『誰が馬鹿神だ!私は創造神ブラフマーだ!』


『ブラフマーだと?』


アジ・ダハーカがブラフマーの名を聞き覚えがあると言った感じに復唱した


『ん?知っているの?』


『いや、知らない上に変な名前だな』


『兵藤一誠!今すぐに新米のトカゲを現世に出せ!肉体もろとも魂を切り刻んで地獄に送りこんでやる!』


あーあー、怒っちゃったよ。同時に喧嘩仲間ができた瞬間じゃないか?


『何を怒っているんだ?』


『ククク、気にするな。気にするだけ無駄だ』


『ええ、ゾラードの言う通りです』


『トカゲ供ぉおおおおおおおおおおおおおっ!』


・・・・・無視しよう。もう慣れた事だからな


「えっとサーゼクス。眷属の紹介の事だが・・・・・」


「ああ、そうだね。ルシファーさまたちと話し込んでいて忘れるところだったよ」


にこやかに笑うサーゼクスが羽織を着た男を呼んだ


「紹介しよう私の眷属の『騎士』、沖田総司だ」


「幽幻龍騎士団の方々、初めまして私はサーゼクスさまの眷属、『騎士』を務めてさせていただいている

沖田総司です」


「・・・・・・沖田総司?まさか、新撰組一番隊隊長の?」


「はい、その通りです」


・・・・・何て言う人を眷属にしているんだこの悪魔は!?本物かよ!本物のサムライだぞ!


「次に『戦車』のスルト・セカンドだ」


「おう!初めましてだな!幽幻龍騎士団!俺はサーゼクスの旦那の冥界最強の『戦車』が一人!

スルト・セカンドさまだ!さー、戦け!跪け!なんてな!ガハハハハハッ!」


ご、豪快な『戦車』だな。俺の家族にいないタイプだ。


「セカンド、そのような言葉を発してはいけません。相手は友好を結んでいる勢力のトップの

方々なのですから」


スルト・セカンドと名乗ったオレンジ色の髪逆立った巨躯の男を宥める紅色のローブに身を包む男。


「彼はマグレガー・メイザース。近代西洋魔術の使い手にして、かの『黄金の夜明け団』の

創立者の一人でもある。七十二柱の本を編集して翻訳した事でも有名かな」


「なっ!魔術関係の偉人じゃないですか!」


「そんな人がどうして悪魔に・・・・・」


「信じられないぞ・・・・・」


「俺も和樹が魔術師だから魔術師が関連しているものを色々と調べたが・・・・・サーゼクスの眷属に

そんな凄い奴がいるとは・・・・・」


俺たちが驚いているとマグレガーが笑みを浮かべた。


「いえいえ、私にとっては世界一の魔術師の家系である式森家の現当主と奥方、その次期当主の子供と

出会えた方が光栄ですよ。式森家の事は色々と伺っているので何時かお会いしたいと願っていました。

そして、兵藤一誠さま。初めましてマグレガー・メイザースです。以後お見知りおきを」


「ああ、よろしくな。和樹が色々と世話になりそうだな」


「ふふ、私が教える事は何もありませんよ」


そう謙遜するマグレガー。一度、和樹と勝負してもらいたいな。戦闘経験が豊富そうだし

禁術の研究の一人者でもあるからな。


「あの、さっきから気になってはいましたがそこにいる角を生やした獣は・・・・・麒麟ですか?」


龍牙が視線をとある存在を見ながらサーゼクスに向けて話しかけた。まあ、あの神獣しか俺は知らないぞ


「そうだよ。彼は、私の『兵士』の炎駒。日本で言うと神獣であり伝説の生き物である麒麟だね」


「お初にお目にかかります。私はサーゼクスさまの『兵士』、炎駒と申す者です。以後、お見知りおきを」


「・・・・・サーゼクス。お前、俺の家族に負けないほどの奴等ばかりだな」


「ハハハ、いやー、兵藤くんには負けるよ?私の眷属がキミの家族の影に隠れてしまうさ」


いや、絶対にお前の方が凄いって!心の中でサーゼクスに突っ込んでいるとあいつは口を開いた。


「それで、もう一人の『兵士』を紹介しよう。ベオウルフ」


「はい!」


茶色の髪をした男がサーゼクスの隣に来た背広という出で立ちだ。・・・・・いま、

ベオウルフって言ったか?


「私のもう一人の『兵士』、ベオウルフだ」


「俺は炎駒と同じ『兵士』のベオウルフ!英雄ベオウルフの子孫だ!よろしく!」


「・・・・・おいおい、グレンデルと思いきり関係している英雄の子孫かよ。グレンデルの奴、

これを知ったらどう思う事やら」


「あー、俺も初代ベオウルフが倒したグレンデルが甦ったと聞いてこれは宿命的かな?と思った」


「じゃあ、またグレンデルと戦う事に成ったらサーゼクスに頼んでお前を戦わせよう。うん、それがいいな」


うんうんと頷いているとベオウルフが慌てだした。


「ちょ!それは勘弁してくれよ!俺は初代ベオウルフと違って凄くないんだぞ!?」


「ガハハハッ!それはいいな、そうしてもらえ!宿命的な戦いが起きるなんてそうそう無い事だ!」


「見せ場を見せるチャンスができて良かったですね」


マグレガーの言葉に「良くない!」と怒り出す。そんな光景を見ながらサーゼクスに問う。


「サーゼクス。これで全員なのか?」


「いや、もう一人セカンドと同じ『戦車』がいるが事情があって今はいないんだ。名前はバハムート。

「深海の光魚」とも呼ばれている神獣だよ」


「また神獣・・・・・神獣が悪魔に転生って一体どんなことをしたらサーゼクスの眷属になれたのか

不思議だぞ」


「えっと『女王』のグレイフィアさん。『戦車』のスルト・セカンドさんとバハムートさん、『僧侶』の

マグレガー・メイザースさん、『騎士』の沖田総司さん、『兵士』のベオウルフさんに炎駒の7人が

サーゼクスさんの眷属と言う事ですね?」


和樹がサーゼクスに聞くと首を縦に振った。数が少ない分、

もの凄い奴等が眷属となっているのか・・・・・。


「私の眷属の紹介が終わったね。では、私達は冥界に戻るとするよ」


「ん、俺たちも戦闘の爪痕を元に戻してから家に帰る」


「今後とも仲良くしてもらえるかな?」


「俺たちに害を及ぼすことがない限り仲良くするつもりさ」


「うむ。二度とキミに害を及ぼさないように魔王代理としてセラフォルーと頑張るよ。それじゃあ」


サーゼクスの眷属と共にサーゼクスは移動用魔方陣で俺たちの前からいなくなった。


「さてと」


指をパチンと鳴らし、全てを元に戻した。


「俺たちも帰るとするか」



―――???


「ドラゴン・・・・・」


「この少年たちは一体・・・・・」


「これは調べる必要があるな」


「はっ、至急に調べて来ます」


「よろしく頼むよ。くれぐれも気付かれないように」


「その通りだ。感付かれると面倒だからな」


「もし、あの少年たちが我等の計画を邪魔するのであれば―――排除するのだ」


一誠達が知らない場所で新たな闇が蠢いていた。

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