小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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未来からの来訪者



『さて、どこからでも来るがいい』


「ああ、よろしくな」


レーティングゲームの応用で創りあげた訓練場で以前、仲間に加えアジ・ダハーカの強さを知るために

幽幻龍騎士団は目の前のドラゴンを囲み戦闘態勢をしていた。


「ヴァーリ、今回は半減の力は無しだ」


「ああ、分かっている」


俺の横にいるヴァーリに念のために忠告した。


「―――行くぞ!」


「「「「「「「「「「おうっ!」」」」」」」」」」


全員がアジ・ダハーカに飛びかかる。


『お前達の力を見せてもらうぞ!』


俺達の目の前に全方位に千単位の魔方陣が現れた。あの時はヴァーリの能力で無効化できたが今回はしない。


「っ、何て数の魔方陣なんだ!」


「容易に千の魔方陣を展開するとは!」


和樹とゲオルク、ルフェイ、―――魔法で攻撃する家族がアジ・ダハーカの魔法を見て驚愕の声音を発する。

千の魔法が放たれた。1つ1つの魔法が巨大だ!


「さ、避けきれない!?」


「はっ!」


ベルゼブブが腰に帯剣していた刀を瞬時で抜き放った。その瞬間、千の魔法の三分の一が消滅した。


『ほう・・・・・』


「この刀はあらゆる力を滅せる。お前みたいな魔法や魔術で攻撃する奴にとってはやり辛いだろう」


すかさずアジ・ダハーカの身体に幾重の斬撃を浴びせる。―――しかし、


「っ、アジ・ダハーカの身体に傷つけてはダメ!」


アスモデウスが声を張り上げてベルゼブブに制止した。だが、既にアジ・ダハーカの身体にベルゼブブの

攻撃を受けていて身体中に血液を流していた。何故、ダメなのかベルゼブブは疑問を浮かべた。


『ふっ、流石に俺と同じアンラ・マンユ様の配下だったお前は熟知しているな』


傷を受けて尚、平然としていた。すると、アジ・ダハーカの身体に流れる血の様子が・・・・・・。


『ギャッ!ギャッ!』


『ギィィィッ!』


『ギチギチッ!』


「な・・・・・に?」


「これは・・・・・!」


傷口から爬虫類のような邪悪な生物が次々と這い出てきた!?血も生物へと変化した!


「・・・・・アジ・ダハーカは千の魔法を駆使する他に身体を傷つけると爬虫類などの邪悪な生き物を生み

だす性質。更にあいつは強力な不死性を持っているからダエーワの中で一番厄介な魔龍であり邪龍だった!」


『そう言う事だ!さあ、いけ!我が分身達よ!』


くっ、アルビオンが言っていた性質か!確かに昔の英雄がこいつを倒す事なんて不可能に近かったから

封印するしかなかったという訳だな!


「はっ!」


「氷漬けになっちゃえ!」


「虫なんて大嫌いよ!」


「食らえ!」


「うおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」


「はあああああああああああっ!」


家族達が次々と生み出される邪悪な生物達を屠っていく。というか、こいつらを相手にしていたら

面倒極まりないな!


「傷口から邪悪な生物が生まれるのなら傷口ごと凍らせればいい!」


和樹が魔方陣を展開した。すると、アジ・ダハーカの足下にも巨大な魔方陣が展開して巨大な

氷の有刺鉄線のようなものがアジ・ダハーカの身体を次々と貫き、傷口を凍らせていく。


『むっ、これは新しいな・・・・・』


和樹の魔法攻撃に感心するアジ・ダハーカ。だが、アジ・ダハーカも魔方陣を展開して和樹の魔法陣を

打ち消した。


「はいっ!?」


『俺は千の魔法を駆使するんだ。相手の魔法を打ち消す事ぐらい容易だ』


「なら―――これはどうだ!」


目を見開き驚愕する和樹をよそにゲオルクが周囲に霧を発生した。霧の中から装置のようなものを

生み出そうとする―――が。


『何をしようとするのか知らないがそうはさせない』


あろうことか、ゲオルクの神滅具の「絶霧」の和樹の魔法陣のように打ち消した!


「な、なんだと!?」


「ゲオルクの能力をいとも簡単に消すなんて・・・・・」


驚愕するゲオルクと唖然とする和樹、他の皆もアジ・ダハーカに攻撃をするがその度に傷から邪悪な

生物が這いずりだして襲い掛かっている。


『どうした、それがお前達の力か?俺を倒す程までの力がないようだな』


侮蔑するような言い方に家族達が頭にきた瞬間を感じた。


「言ってくれるじゃない・・・・・」


「絶対に頭を下げてみせるぞ」


『ほう、やってみろ』


「―――じゃあ、やってやるよ。ガイア、オーフィス。呪文を言うぞ」


「我、夢幻を司る真龍なり」


「我、無限を司る龍神なり」


「我、無限を認め」


「我、夢幻を認め」


「我等は認めし者と共に生き」


「我等は認めし者と共に歩む」


ガイアとオーフィスが全身を深紅と黒に輝かせ、光の奔流と化して俺に向かう。そして、

真紅と黒の光を浴びた俺は彼女たちと呪文を唱える


「我は夢幻を司る真龍と無限を司る龍神に認められし者」


「夢幻の力で我は汝を誘う」


「無限の力で我は汝を葬る」


「我は愛すべき真龍と龍神と共に我等は真なる神の龍と成り―――」


「「「我等の力で全ての敵を倒す!我等の力で汝等を救済しよう」」」


「「「「「「「「「「D×D!」」」」」」」」」」


俺はガイアとオーフィスの力を具現化にして真紅と漆黒の全身鎧を纏った。そして腕を上に突き出して

魔方陣を展開する。


『Infinity!』


魔方陣から巨大な魔力の塊を発射して途中で無数に分かれて家族達の身体に直撃した。


『なにをした?』


「この場にいる全員に無限の力を与えた」


『無限だと・・・・・?』


「さっきまでのこいつ等と思わない事だな。―――見せてやれお前達の力を!」


「「「「「「「「「「了解!」」」」」」」」」」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――数時間後。


「はぁ〜!疲れたぁー!」


「しぶといにも程があるわ・・・・・」


「フェニックスの不死の能力と同じ力を持つドラゴンなんて初めて聞くわ」


「はい、私も驚きですわ」


アジ・ダハーカとの勝負が終わり全員はリビングでのんびりとしていた。結局、アジ・ダハーカは皆に

コテンパンにされてしまった。


『お、おのれ・・・・・。無限の力がこうも俺を追い詰めるとは・・・・・』


「無限と不死じゃあ無理があるって」


『無限の力がなければ俺を倒す事が不可能だろうが!』


「そうじゃなくてもヴァーリやガイア、オーフィス、俺がお前を倒せるぞ」


『くっ・・・・・!』


『まあ、お前は良くやった方だ。俺が勝負したら手も足も出ないからな』


『でも、キミはこの場にいるドラゴンの中じゃあかなり強い方だよ?』


『ふん、当然だ。俺は悪神アンラ・マンユさまが生み出したドラゴンだぞ』


『アルビオンの能力で負けましたがね』


『二天龍・・・・・そういえば、赤い奴はどうしているのだ』


『うん、アルビオンと同じで現赤龍帝をしているよ。今は悪魔に転生した人間に宿っている』


『悪魔に転生した人間だと?』


疑問を浮かべたアジ・ダハーカ。そっか、こいつは「悪魔の駒」が作られるずっと前に封印されて

いたんだよな。今の世の中の状況が知らないか。


「魔王と悪魔と神と天使と堕天使の三つ巴戦争をしている最中にドライグとアルビオンは何故か喧嘩しながら

邪魔したお陰で封印されたんだよ。で、今アルビオンを宿しているのがヴァーリだ」


『ふん、バカだな』


『・・・・・』


即答で罵倒されたアルビオン。対してアルビオンは何も言わない。


「さてと・・・・・・」


皆が小腹空いているだろうし何か作ろうかなと思った。・・・・・すると、不意に外から気配を感じた。

それはこの場にいる全員も気づいた。


「・・・・・誰だ?」


「また、セルベリアさんみたいな異世界から来た人が・・・・・?」


「それにしては魔力が・・・・・」


「うん、膨大だね」


「全員、警戒して表に出るぞ」


指示してグラウンドに赴く。今までにない魔力の大きさに緊張が走る。これは和樹並みの魔力だ。

オーフィスより劣るが・・・・・。シグナムも言ったように誰だ?こんな量の魔力を持つ奴が他に

いたのか?・・・・・いや、そもそもどうしてこの次元の狭間に、俺達の家に感じるのか疑問が尽きない。

―――グラウンドに足を踏み込んでその中央で壮大に佇む巨大な桜へ歩を進む。


「あっ、あそこに誰かいるっス」


「それも数人・・・・・」


人影を確認すると各々と武器を構える。俺もエクスカリバーを異空間から取り出して戦闘態勢に入る。


「「「「「・・・・・」」」」」


巨大な桜を見上げている数人が俺たちに視線を向けてきた。・・・・・どこか見た事が

ある顔だな・・・・・?


「―――ッ」


「えっ?」


何故か、こっちを見た瞬間に涙を流した見知らぬ数人。思わず俺達は足を停めてしまう


「な、なに・・・・・・?」


「泣いているんだけど・・・・・」


「それにあの顔にどこか見覚えがあります」


「そうね、まるで―――」


ウーノが口を開いた瞬間に巨大な桜の傍にいた数人が―――瞬時で消えた。そして、次に現れたのは

―――俺たちの目の前だった。


「(速いっ!)」


反射的にエクスカリバーを目の前に現れた謎の人間に振り下ろした。


ガキンッ!


「・・・・・・なに?」


「・・・・・」


俺は信じられないものを目にした。俺の攻撃を受け止めたこいつではなく、エクスカリバーを受け止めた物を

見て目を見開く。


「エクス・・・・・カリバー・・・・・?」


目の前にいる人間・・・・・ガイアのような真紅の長髪に顔の左側に傷痕がある男の手に俺が持っている

エクスカリバーと全く同じ物を持っていた。こいつは・・・・・。


「あ、あの!」


「・・・・・?」


真紅の長髪の男の傍にどこか和樹の面影がある茶色のロングの少女が声を掛けてきた。


「私達は決して怪しいものではありません!ですから、武器を収めてはくれませんか・・・・・?」


「俺達の家に無断で侵入してきた奴が怪しいものじゃないと?」


「あ、あう・・・・・」


少し睨むと少女が恐縮した。・・・・・こいつか、和樹並みの魔力を持っている奴は。

真紅の髪の男に視線を向ける。


「お前達は何者だ?」


「・・・・・」


「答えろ」


有無を言わせないほどに視線を鋭くする。すると、今まで黙っていた黒髪に眼鏡を掛けたクールな男が口を開いた。


「―――私達は『幽幻龍騎士団』。未来から来た貴方の子供です」

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