小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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未来へ!そして、対面


「皆、準備は良いな?」


あれから一時間後、巨大な桜の木に集結した幽幻龍騎士団。それに・・・・・。


「未来か・・・・・流石に未来まで冒険をした事がなかったな」


「でも、私達が殺されているなんて信じられないわね」


「イッセーが殺されたなんて信じがたいな・・・・・」


「本当ね・・・・・でも、私達の子供がいるそうよ?」


「・・・・・イッセー先輩と私の子供・・・・・」


「未来の私はどうしているんでしょう・・・・・」


お父さんとお母さんを呼んだ。未来では更に強敵がいるだろうし呼んでも問題は無い筈だ。


「・・・・・」


「それにしても、キミが一誠とガイアの子供かー。うん、確かに息子と我が友の子供だ」


「ふふふ、私はお婆ちゃんになったのね」


2人に頭を撫でられたり頬を擦ったりとまるで息子のように接せられている。


「・・・・・」


「クロノスが顔を赤くしているとは、久しぶりに見ますね」


「そうだね、きっと嬉しいんだと思うよ」


「違う、恥ずかしいんだよ」


「おいおい、親子のスキンシップに恥ずかしがる事は無いぞ?」


「そうそう。ほら、こうして一誠を抱きしめたのよ?」


そう言ってお母さんが背後からクロノスを抱きしめた。・・・・・むぅ。


「フフッ、実の息子に嫉妬しておるのか?」


「・・・・・ああ」


「我に甘えれば良いだろう?」


「・・・・・そうする」


俺もガイアに甘えようとする。するとクロノスが俺の目の前に現れた。


「なんだ?」


「・・・・・ありがとう」


「それを言うのはまだ早いと思うぞ。全て終わってから言え」


「・・・・・そうだな」


「・・・・・それにしても何でお前達まで来るんだ?サーゼクス、セラフォルー。そしてお前もだ―――」


直ぐ近くに此処にいない筈のサーゼクスとセラフォルー。サーゼクスの傍にはグレイフィアがいた。

更に―――初めてこの地に足を踏み込んだサイラオーグまでもいた。傍らに神滅具である『獅子王の戦斧』の

レグルスまでもいた。


「だって!ソーナちゃんから『未来に行きますので探さないでください』とまるで別れの言葉のような

言い方をするんだもの!」


「私はセラフォルーに誘われたからね。丁度、私達は休暇だったのだよ」


「久しぶりだな、兵藤。俺はサーゼクスさまに特産品を届けていたら誘われたんだ。『冥界の未来を

見たくないかね?』。何時か魔王に成る俺が未来に行かない理由なんてあるか?」


「サーゼクスおじさんとセラフォルーおばさんにサイラオーグさん・・・・・若いな」


「凄い!過去の3人まで会えるなんて信じられない!」


「セラフォルーおばさんは相変わらず魔法少女の服装なんですね・・・・・」


「キミがソーナちゃんとイッセー君の子供?」


「フィーナ・シトリーです。初めまして、セラフォルーおばさん」


「・・・・・まだおばさんの年齢じゃないんだけどねぇ。でも、ソーナちゃんの顔とそっくりだね。

物ごとに冷静でしょう?」


「はい、冷静ではないと戦況を見極める事などできませんから」


「うん、まさしくソーナちゃんの子供だね!」


「それと、その服装はどうにかなりませんか?」


「・・・・・やっぱりソーナちゃんの子供だ」


ガッカリと頭を垂らした。・・・・・そりゃあ、俺とソーナの子供なんだからなぁ。ソーナはフィーナの

言葉に賛同のようでウンウンと首を何度も縦に振った。


「当り前です!何時までもその服装では困ります!もっとちゃんとした服装を着て下さい!」


「その通りです。母上もセラフォルーおばさんには困っていましたよ。しかもセラフォルーおばさんと

父上の子供にまで魔法少女の服に嵌まってしまってそれしか着なくなってしまい・・・・・」


「それホント!?私とイッセー君の間に子供がいるの!?」


セラフォルーが俺との間に子供がいると表情がより一層に輝かしてフィーナに詰め寄った。フィーナも

苦笑を浮かべ首を縦に振った。


「・・・・・まあ、ある意味ではお前達も来てくれた方が良いかもしれない。色々な意味で」


「それはどう言う事だね?」


「未来に行けば分かるさ―――俺たちを未来に案内してくれ」


「ああ、俺達の未来に来てくれ」


クロノスの足下から巨大な魔方陣が展開した。紋様はドラゴンの形だった。こいつは神龍と人間の

ハーフって事だな。オーフィスの場合は龍神と人間のハーフと言う事に成る。こいつはもしかしたら俺より

強いかもしれないな。


カッ!


と思っていたら強い光の輝きが俺の視界を奪っていった。



―――そして、光が止むと俺の視界には真魔の世界の空の色が映った。


「・・・・・街の構造が少し変わっている・・・・・?」


「はい、やはり時間が経つと色々と変わるものですよ」


「・・・・・それもそうだな」


「皆がいるのはこっちだ」


クロノスが先に歩を進めた。俺達はゾロゾロとクロノスの先導のもとについていく。

不意に疑問が思い浮かんだ。


「過去の俺達を連れてくる事は?」


「言っていませんよ?理由は・・・・・分かりますよね?」


「そう言う事か。そう言う所も受け継いでいるんだな」


「はい、過去の父上もそのようで」


「俺のお父さんもそうだからな」


笑みを浮かべてクロノスの背中を見る。あいつも人を驚かす事が好きなようだな。街中を歩き数分間。

クロノスについていくと昔、真魔の世界を作る際に壮大な建物を作った場所が見えてきた。あそこに俺達の

子供がいるのか・・・・・。


「―――クロノスさま!」


「おや、お出迎えが来ましたよ?」


「・・・・・」


壮大な建物の中から長い銀髪を激しく揺らしながらメイド服を着た少女は―――空に跳んだ。・・・・・はっ?


「スピニングサンダーキックゥゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!」


「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!?」


・・・・・な、何故か銀髪の少女がクロノスじゃなくて俺に飛び蹴りをしてきた!地面を滑って

約数メートルでようやく停まった。


「あ、あれ・・・・・・?」


「な、何をする・・・・・・」


「え、えっとぉ・・・・・どちらさまでしょうか?」


「うおい!それが初対面に飛び蹴りをしておいて人に訪ねるか!?先に謝れ!」


スパンァァァアアアアアアアアアアッ!


メイド服を着ている割にはメイドらしくない行動だな!メイドであるリーラとシンシアに至ってはポカンと

口を開けている始末だし!


「いたっ!・・・・・あれ、この感じどこかで・・・・・」


「ネリー、あれほどクロノスに飛び蹴りをするなと言ったではありませんか。貴女の飛び蹴りは百発百中、

クロノス以外の違う人に当るのですから」


「フィーナ!それにルシフェルとシアも今までどこに行っていたんですか!?皆、心配したんですよ!」


「人の話を聞きなさい。それと、貴女は自分の両親の顔を解らないのですか?」


「えっ、両親・・・・・?」


「一誠様・・・・・大丈夫ですか?」


「ああ・・・・・大丈夫だ、リーラ」


「一誠・・・・・リーラ・・・・・?」


「ネリー、この人達は過去の幽幻龍騎士団の人達だ。―――俺達の若い頃のお父さんとお母さんだよ」


「・・・・・」


「父上、彼女は兵藤・ネリー。父上とリーラさんの子供ですよ」


「―――俺を飛び蹴りしたこいつが俺とリーラの子供だと!?」


「・・・・・いきなりご主人様に飛び蹴りをするメイドなんていませんが」


「言うのが遅れた。ネリーは怒るとお仕置きと称して飛び蹴りをするんだ。でも、俺に当らず他の奴等に

どうしても当ってしまう不思議なメイドなんだ」


「それを早く言えよ!?」


スパンッ!


ハリセンでクロノスの頭を叩く。その光景を見ていた俺とリーラの子供のネリーという少女が頬を涙で

濡らし始めた。


「っ・・・・・お、お母さま・・・・・お、お父さま・・・・・!」


そして、俺とリーラに抱きついてきた。涙声を上げながら・・・・・。


「ひぐっ・・・・・!ひぐっ・・・・・!うっ、ううう・・・・・っ!」


「「・・・・・」」


もう見ても高校生ぐらいの少女なので俺を父と呼ばれるのはどうしても違和感がある。

リーラも少し戸惑っている。


「ネリー。気持ち分かるけど皆を呼んでくれないかな?私も皆を呼ぶからさ」


「ぐすっ・・・・・はい・・・・・」


俺たちから離れたネリー。「ごめんなさい」と俺にお辞儀をして建物の中にシアと一緒に入っていった。


「クロノス・・・・・」


「皆・・・・・お父さんとお母さんが殺されて悲しんだ。でも、俺達は前に進まなければならなかったんだ。

心に悲しい想いを抱きながら・・・・・」


「ああ、そうだな・・・・・」


「行こう」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――某室


俺達はいま、広い空間で未来の子供達を待っている。ルシフェルは一旦、自室に戻ると言っていなくなって

クロノスとフィーナと一緒にいる事に成った。


「父上、貴方の中に邪龍はいますか?」


「ああ、アジ・ダハーカはいる」


「そうですか・・・・・」


「それがどうかしたか?」


「私達の父上は邪龍を数匹宿していたのです。その中にアジ・ダハーカもいました」


「・・・・・グレンデルもいたか?」


「いました。それにクロウ・クルワッハとアポプスも宿しています」


「・・・・・マジかよ」


『懐かしい名が出たな。そうか、奴等も甦ったのか?それともこいつに倒されて加えられたのか?』


「両方だ。しかも邪龍もコキュートスに封印されているからお母さんと一緒に助けてくれ、

邪龍でも家族だから」


「分かった。あいつ等も過去だろうが俺だと気づき協力してくれると思うだろう」


ガタンッ!


不意にこの部屋の大きな扉が開けられた音が聞こえた。俺や他の皆は扉の方へ振り替えた。扉にはネリー、

シアが大勢の俺達と変わらない身長の少年少女、中には男性を引き連れてこっちに近づいてきた。

最後にルシフェルも入ってくる。


「お待たせしました」


ペコリとネリーがお辞儀をした。


「ネリーそいつらが?」


「はい、こちらにいる方々が2代目幽幻龍騎士団、今現在の総力でございます」


こいつらが未来の幽幻龍騎士団・・・・・。


「なぁ、ネリー。あいつ等は誰なんだ?・・・・・どこか父さんたちに似ているし」


「それは俺が説明する」


「クロノス!」


赤い髪に金色の瞳を持つどこかノーヴェに似ている少女がクロノスの存在に驚く。


「おまっ、何処に行っていたんだよ!」


「シアとフィーナ、ルシフェルと『過去』に行っていた」


「過去・・・・・ですって?」


「ああ、そしてこの人達は過去のお父さんたち、旧幽幻龍騎士団のみんなだ。俺達は過去のお父さんたちを

この未来に連れてきたんだ」


「「「「「「「「「「―――ッ!?」」」」」」」」」」


目でもはっきりと分かった。息を呑み、驚愕の色を染めあげて目を見開いて絶句した。

俺は一歩前に出て口を開く。


「初めましてだな、未来の幽幻龍騎士団。俺は兵藤一誠・・・・・まあ、いずれお前達の父親と成る存在だ。

未来のお前達に会えて嬉しいぞ」


「・・・・・クロノス。冗談だよな?」


「冗談ではない。正真正銘、俺達の父親だ」


「・・・・・」


「この歳で父親と呼ばれると凄く違和感がありまくりだ」


苦笑を浮かべて本音を言う。いや、年齢は確かに凄くとってはいるけど精神年齢がな・・・・・。


「じゃ、じゃあ・・・・・私達の若い頃のお母さんもいるの?」


「ああ、一人残らずいるぞ」


「全員、顔を見せるように並べ」


俺は未来の幽幻龍騎士団に顔合わせをしようとガイア達に指示した。


「「「「「「「「「「・・・・・ッ」」」」」」」」」」


そしたら、未来の幽幻龍騎士団が涙を流した。ようやく会いたかった人に巡り合えたかのように・・・・・。


「取り敢えず・・・・・今日は顔合わせとして立食パーティでもするか?皆、積もる話もあるだろうし」


「そうだな。それじゃあ、料理が出来る組はパーティに出す料理を作ってくれ。その他の奴等はパーティの

準備をしてくれ」


「俺も手伝うぞ。クロノス」


「いいのか?」


「俺の料理に関してはお前が誰よりも知っていると思うが?それに、こいつらにも手伝わせながら

話しあわせたい」


「・・・・・分かった。それじゃ、過去と未来の幽幻龍騎士団」


「宴の準備をしようか!」

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