小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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一万の龍VS過去と未来の幽幻龍騎士団



「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」


ズンッ!


『ギョアアアアアアアアアアァアアアアアアァアアアアアアァアアアアアアァッ!』


槍をドラゴンの胸に突き刺し命を奪う。一万の龍と戦う過去とこの時代の幽幻龍騎士団。一誠から貰った

サマエルの血と毒で作られた武器を振るい次々とドラゴンたちを屠っていくが10000と150の差は

中々、縮まらない。


「ちっ、弱点を突いても数じゃあやっぱり負けるか!神器と神滅具を駆使しても簡単には終わる訳ないな!」


自分に向かってくる巨大な火炎球を幻想殺しの籠手で無効化して槍を投げ放って一体のドラゴンを殺す。


「(体力が無くなった奴はあの大地に行け!敵が入れないように結界を施してあるからな!)」


「「「「「「「「「「(了解!)」」」」」」」」」」


一誠の中にドラゴンはいない。ゾラードたちは現世に出てドラゴンたちを屠っているからだ。


『久々に滅びの魔力を使うか!』


オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!


赤黒い魔力がゾラードの口内から吐き出され周囲にいるドラゴンたちの体を消滅していく。


『食らえ!』


サマエルが毒を吐き、ドラゴンたちを死に至らしめていく。ナンバーズたちもISを装着し、サマエルの血と

毒で生産された銃弾で的確に撃って殺していく。


「皆は頑張っているな・・・・・。特に凄いのが・・・・・」


『不死の俺に挑むとは愚かな!』


『今まで、てめぇらに相手をしてくれなかった分、たっぷりとしてもらうぞ、コラァ!』


『まだまだ暴れるぞ!』


『混沌の恐ろしさを思い知れ!闇に沈むがいい!』


「グレンデルたち、邪龍だなぁ・・・・・」


圧倒的な力でドラゴンたちを倒していく邪龍たちだった。一誠たちも負けてはいないが体力面だと

ドラゴンたちがどうしても勝る。


「我の身体を傷つけていいのは一誠だけだ!」


「貴様等が我の身体を触れる事すら許さん!」


「「死ね」」


ドドドドドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!


過去と未来のガイアとオーフィスが一瞬にしてドラゴンたちを大量に屠った。だが、それでもドラゴンたちは向かってくる。


「俺の神器と神滅具じゃあ一瞬で全てを倒す事はできないな・・・・・」


ガイアたちの攻撃を見て一誠は呟く。一誠が現在所有している神器と神滅具は『次元と時空の航路』、

『神愛護珠』、『強奪』、『幻想殺しの籠手』、『無限創造神龍の錫杖』。細かく説明すると



『次元と時空の航路』は空間系統の神器で、何もない空間に穴を広げて移動や相手の攻撃を吸収、

放出をする事も可能で有り、異空間に物を入れれば永久保存も出来る。禁手は『自由時間』。時を操る能力で

過去や未来に行き来が出来る。また、人間に使えば寿命を戻したり早くする事が出来る。同時に若返る事も

年を増やす事も可能な神器。


『神愛護珠』は回復系統の神器。アーシアの『聖母の微笑み』のような神器であるが、『神愛護珠』は

同時に防御系統の神器でもある。いかなる攻撃をも防ぐバリアや結界を張り、傷を完全に治す神器。

禁手は『聖なる神の守護天使』、6対12枚の金色の翼と頭上に金色の輪を浮かべる大天使の姿に成れ、

天使と堕天使が使う光の攻撃も可能。さらに『神愛護珠』の能力も使える上に回復能力が更に上がって失った

身体の部位を再生できる他、不治の病を浄化、治癒が可能。


『強奪』は相手の能力を奪う神器。現在、一誠が今まで相手から奪った能力と神器と神滅具は。

ライザー・フェニックスの『不死』、成神一成の『赤龍帝の籠手』、ヴァーリ・ルシファーの

『白龍皇の光翼』、ギャスパー・ブラウディの『停止世界の邪眼』、姫島朱乃の『雷光』、

真羅椿姫の『追憶の鏡』、ジークの『龍の手』の亜種、ゲオルクの『絶霧』、レオナルドの『魔獣創造』、

曹操の『黄昏の聖槍』禁手、『極夜なる天輪聖王の輝廻槍』、セインのIS、『ディープダイバー』

オットーのIS『レイストーム』、信長の『誘い』である。だが『強奪』の本来の禁手をまだ一誠は

していないが『赤龍帝の籠手』の禁手『赤龍帝の籠手』と『不死』の能力が融合した副産物として一誠が良く

『強奪』の禁手化になると『不死龍の鎧』を纏う事が多い。


神滅具『幻想殺しの籠手』は過去の一誠たちの時代では15類の神滅具の1つでグレモリー家の

滅びの魔力のような魔力を放つ事もでき、あらゆる全ての力を無効化する能力や浄化の能力も有り、

ドラゴンの姿にもなれる神滅具。


『無限創造神龍の錫杖』は無限に無機物、有機物を創造する事が出来る神滅具であるが、他にモノを

召喚する事も、死者を2度までなら蘇生でき、『幻想殺しの籠手』と同様にドラゴンの姿になれる。


「・・・・・さっさと終わらせるには『強奪』『幻想殺しの籠手』『無限創造神龍の錫杖』の

禁手に成るしかないか・・・・・」


数百の槍を一体一体のドラゴンに突き刺して絶命していきながら呟く。すると、この時代の一誠とクロノスが

ドラゴンを屠りながら一誠に近づき背中合わせをする。


「数が多くて面倒だと思わないか?」


「ああ、俺もいま思っていたところだ」


「同じく。ドラグニルは弱い訳じゃないけど面倒なのはドラグニルではなく神滅具の能力だ」


「丁度、過去のお前とこの時代の俺と息子のクロノスがいる。お前、まだ禁手になっていない神器と

神滅具があるだろう?」


「禁手に至っているけど使う機会が無いから使わなかっただけなんだ。それはお前もそうなんだろう?」


「あれはマジで危険だからな。お前の言う通り、使う機会が無い。―――だが、今はどうだ?」


「・・・・・なるほどな、今なら出来るか」


「父さんたち・・・・・?一体、何の話をしているんだ?」


「クロノス、お前にはまだ見せていない禁手化が三つある。その1つはお前の中にある『強奪』だ」


「・・・・・そう言えば、神滅具の禁手も見た事無いや」


「だから、この場で見せてやろうと思う」


「いや、お前も見るべきの力だ。幽幻龍騎士団を引き継ぐ者なら尚更な」


「・・・・・」


「それじゃあ・・・・・するか?」


「ああ、そうだな。―――ゾラード!」


「メリア!俺たちの中に戻れ!―――禁手に成るぞ!」


『『『『っ!?』』』』


禁手という言葉に過去とこの時代のゾラードとメリアが驚愕する。それは過去とこの時代の幽玄龍騎士団も

同じだった。自分たちが知らない禁手がまだ存在していたのかと過去とこの時代の一誠に視線を送る。

そして、ゾラードとメリアはそれぞれの主の中に戻った。


「俺は『幻想殺しの籠手』の禁手に成る」


「俺は『無限創造神龍の錫杖』の禁手だな?・・・・・どっちもチートな能力だがな」


それぞれの神滅具の禁手を決めた―――次の瞬間。全身を金色と紫のオーラを纏いだした。

2人から発する異常な力を感じて戦いは一時中断した。


「「禁手化ッ!」」


カアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!


眩い光が冥界の空を照らす。戦いの場にいる全員が余りにも眩しい光に視界を奪われ顔を腕で覆う。

―――しばらくして光が止むと視界が回復していくにつれ一誠たちの姿を捉える事が出来た。


「・・・な・・・・なんだ・・・・・あれ・・・・・は」


ドラグニルが恐れ戦く。今まで感じた事が無い力に・・・・・。


「これが『幻想殺しの籠手』の禁手、―――『幻想喰龍之鎧』だ」


一誠の姿は黒と紫の龍を模した全身鎧。全身から異様なオーラが絶えず陽炎のように出てその場にいるだけで

人に恐怖、絶望、二つの負を抱かせる。


「そして、これは『無限創造神龍の錫杖』の禁手―――『無限の創造神龍観音』」


この時代の一誠は金色の衣服を身に包む観音の姿で背後には金色の5匹の龍が口に

『魔』『聖』『命』『万』『神』の文字がある珠を咥えていた。手には変化していない

 金色の錫杖を持っていた。


「(全員、死にたくなければドラゴンから離れろ。―――異論は認めない)」


背筋がゾッとする声音で過去とこの時代の幽幻龍騎士団に促す。一誠は何かとてつもない事を仕出かすと

判断して指示通りにドラゴンたちから急いで離れる。その光景を見て怪訝な表情を浮かべるドラグニル。


「・・・・・何のマネだ?」


「俺たちがこれからする事がドラゴンたちの傍にいる家族たちも巻き込んでしまう。だから退かせた」


「まさか、この数とたった2人で相手にしようとでも?」


「その通りだ」


「・・・・・」


腕を前に突き出した。数匹のドラゴンが口を開いて一誠たちを飲み込もうとした―――刹那。


―――ヒュンッ!


数匹のドラゴンが風を切るような音と共に姿を消した。


「・・・・・は?」


「・・・・・」


唖然とするドラグニルを気にせず、腕を突き出す次の瞬間。―――1万もいた筈のドラゴンがドラグニルを

 乗せているドラゴン以外の姿を音も無く消失した。


「・・・・・あれ・・・・・?」


周りを見渡すが、1万の大群のドラゴンがいない。しばらく放心状態になったが覚醒すると口を開いた。


「俺のドラゴンが・・・・・いないだと・・・・・?」


「『幻想喰龍之鎧』は俺の視界に入ったものを全て滅する」


「・・・・・待て・・・・・なら、俺も消滅していた筈だ。・・・・・どうして俺は

生き残っている・・・・・?」


「そんなの、決まっているだろう?―――お前に絶望と恐怖をじわじわと味わわせてやるからだよ」


『聖』と『魔』の珠を咥えている龍が光輝いた。―――すると、この時代の一誠の前に浮くととある

剣を生みだした。ドラグニルは見覚えがある剣だった


「っ・・・・・それは・・・・・!」


「ああ、『魔帝剣グラム』と『聖剣アスカロン』だ」


「バカな!どうして、そんな簡単に魔剣と聖剣が造れる!?」


「『無限の創造神龍観音』の能力はこの金色の龍が咥えている『魔』『聖』『命』『万』『神』に関し、

超えたモノ生み出すものだ。『聖』は聖獣、聖剣、聖具、聖なる物を超えるモノ、『魔』は魔法、魔獣、

魔剣、魔具を超えるモノ、『命』は生物を生みだす他、無限に命を生き返らす事が出来る。

『万』は物質を超えた物質を生みだす事だな。そして『神』は神器、神滅具を生みだす宝珠だ」


「―――っ!?」


「過去の俺、一本だけ貸そうか?」


「おいおい、この鎧の状態を知っているだろう。―――触れたら全て消失しちゃうんだぞ」


「あっ、そうだったな。じゃあ・・・・・聖と魔を融合するか」


そう言って聖剣と魔帝剣を重ねた瞬間、二つの剣が白と黒に光輝き混じり合った。二つの剣はこの時代の

一誠の手から離れて一瞬の閃光を放った。


「新たな聖魔剣の完成だ。名前は・・・・・『聖魔神帝剣』アスラムにしよう」


二又の白と黒の刀身で金色の柄、聖と魔のオーラを混じりながら刀身に纏う剣が宙に浮いていた。

この時代の一誠は剣の柄を掴み眺め始めると一誠が疑問を浮かべる


「グラムって龍殺しの呪いを持っているけどお前は大丈夫なのか?龍の属性を持つ者が龍の力を高めると

使い手ですら呪う剣だが・・・・・」


「ああ、聖の力も混じっているから呪いは緩和しているんだ。だから俺を呪う事は無い」


―――ガンッ!


「・・・・・俺自身の不運は緩和できないけどな」


どこからか振ってきた金ダライがこの時代の一誠の頭に激突した。一誠は

「やっぱり俺なんだな・・・・・」と改めて思った。


「・・・・・それじゃあ、始めるとするか」


ドラゴンの翼を出してこの時代の一誠はドラグニルの前に瞬時で現れた。


「っ!?」


「『聖魔神帝剣』アスラムの切れ味を知れ!」


思いきり縦に振ってドラグニルに斬りかかるとこの時代の木場に稽古を付けてもらっているのか

神速の速度でかわした。


ズッバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!


だが、漆黒の龍が『聖魔神帝剣』アスラムの斬撃で身体が真っ二つになった。肉塊となったドラゴンは

力を失いアグレアスドームに落ちる。


「くっ、何て切れ味なんだ・・・・・!?木場さんの魔帝剣グラムを遥かに超えている!」


コウモリのような翼を出して空に浮く。ドラグニルは『ドラゴンを呼ぶ笛』を吹くと複数の魔方陣が

展開して光が弾いた瞬間、数体のドラゴンが現れた。


『ロックンロォォォォォォォォォル!』


『ぐぅ・・・・・ごごごごん・・・・・』


『代価ちょうだいな』


『呼ばれて来てみたけどどうしたんだ?赤龍帝の坊主』


『・・・・・』


「タンニーンと・・・・・玉龍?」


一度だけ京都で会った緑のオーラを発する東洋のドラゴンを見て呟いた。


「みんな、俺に力を貸してくれ!幽幻龍騎士団を倒すために!」


『・・・・・あー、アルビオンがいた幽幻龍騎士団が冥界で大暴れしているってジジイから聞いたな』


『暴れてもいいならいいぜ!ロックに暴れてやる!』


『ぐ、ごごごごん・・・・・』


『こいつは召喚されても寝ているとは・・・・・』


『代価をくれるなら手伝う』


「おー、懐かしいドラゴンが一気に集結したぞ」


この時代の一誠がタンニーンたちを見て―――不敵の笑みを浮かべた。


『・・・・・お前は・・・・・兵藤一誠か?』


「おう、久しぶりだなぁ?タンニーン」


『あっ、本当じゃんか!久しぶりだな!甦ったのか!?』


「お陰さまで今は冥界を滅ぼすところ真っ最中だ」


『・・・・・俺の領地、谷にいたドラゴンたちが帰って来ないと言う事は・・・・・』


「ああ、一万もいたけど俺たちが滅ぼした」


この時代の一誠はタンニーンに当然のように言うと「そうか・・・・・」と哀感が漂わせる。


「さて・・・・・タンニーンと4匹の五大龍王、ドラグニルに召喚されたが俺たちと戦う気はあるか?

あるのなら―――」


そう言いながら手を上げるとグレンデルたち邪龍がタンニーンたちに近づき邪悪な笑みを浮かべる。


『グハハハハ!懐かしいじゃねぇか!』


『久しいな、ヴリトラもいるがお前たちがこうして揃っているのは今回が初めてだろうな』


『今度はお前たちが相手か?誰でも良いけどな』


『龍王か・・・・・悪くないな』


「―――こいつらと相手をしてもらうぞ?」


戦う気満々と全身から禍々しいオーラを発する邪龍たちを見てそう言った。そして、その4匹の邪龍たちを

見て嫌そうな顔を浮かべ、


『げっ!グレンデルにアジ・ダハーカ、クロウ・クルワッハにアポプス!?

 面倒なドラゴンばかりじゃねぇか!』


『・・・・・あー、本当だねぇ。確かに面倒だよ・・・・・』


『・・・・・』


『おいおい、あいつらと戦うのはちょっとよぉ・・・・・』


4匹の五大龍王は難色を示した。邪龍と相手にするのがこの上なく面倒だからだ。その光景に

ドラグニルは呆然とする。


「お、おい・・・・・?」


『赤龍帝の子供よ。お前は邪龍が一体どんなドラゴンなのか、まだ分かっていないようだな』


「タンニーン・・・・・?」


『邪龍とそれに近い属性のドラゴンを相手にするのが面倒だ。各ドラゴンも邪龍と争うのを避ける程だ』


『・・・・・僕、帰って寝るねぇ・・・・・』


『オイラもだ!こいつらと関わるだけでも面倒だってもんだい!』


『俺様、帰る』


『ファック!こいつらと相手をするのはゴメンだ!』


と、それぞれ魔方陣を展開してこの場から去ろうとし始める。流石にその行動をする4匹のドラゴンに

ギョッと目を大きく見開く。


「ま、待ってくれ!お前たちの力を貸してくれ!それに玉龍とミドガルズオルムがいる勢力は三大勢力と

同盟関係なんだろう!?」


『確かにそうだけど、オイラは別に呼ばれただけで赤龍帝の坊主の言う事を聞くとは

一言も言っていないぜ!』


『「一部」の世界の終末なら僕は力を貸さないよぉ・・・・・世界全体の終末ならとにかく・・・・・

 ふあああああっ・・・・・』


そう言って、玉龍とミドガルズオルムは冥界からいなくなった。他の2匹のドラゴンも何時の間にか姿を消

していた。


「・・・・・そんな」


愕然とするドラグニル。そんなドラグニルに未だいるタンニーンが話し掛ける。


『ドラゴンを支配しても心までは支配する事は出来なかったようだな』


「・・・・・」


「―――タンニーン、話しがある」


『話だと?』


「お前もこの冥界に住むドラゴンであり悪魔だ。悪魔なら代価を払って人間の願いを叶えるよな?」


『・・・・・何が言いたい』


「きっと冥界にいるドラゴンはお前しかいないだろう?」


『・・・・・』


この時代の一誠の言う通り、ドラグニルが召喚した1万のドラゴンの中にタンニーンの領地にいたドラゴンも

含まれている。過去と未来の幽幻龍騎士団がそのドラゴンたち諸共滅ぼしたが為、

タンニーンしか存在しない状態に成っている。


「そこで俺と取引をしよう。俺が1万のドラゴンを甦らす代わりにお前はこの場から去れ」


『・・・・・っ!?』


タンニーンはこの時代の一誠の言葉に驚愕の色を染めた。1万の数のドラゴンを甦らす事は普通、

不可能な事。だが、タンニーンは不可能を可能にする男を知っている。―――幽幻龍騎士団、兵藤一誠。


「YESならこの場から去れ、NOなら俺と戦ってもらうがお前はどっちを選ぶ?」


『聖魔神帝剣』アスラムを突き出してタンニーンに問い掛ける。―――タンニーンの答えは・・・・・。


―――ゴバァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!


NOだった。巨大な火炎球を吐きだして攻撃を仕掛けた。


「・・・・・残念だ」


悲しそうに呟いた次の瞬間、火炎球が二つに割れ―――


「さようなら、タンニーン」


タンニーンの体までも一刀両断して絶命した。


「そんな・・・・・!タンニーンまでもが・・・・・!?―――くそっ!」


魔方陣を展開してドラグニルは一本の剣を握る。その様子にこの時代の一誠は首を傾げる。


「俺と剣を交えようとでも?」


「俺は木場さんに稽古を付けてもらっているからできるほうだ。ドラゴンだけ操る事しか出来ないと

思われたくないからな!」


「・・・・・はっ」


「何が可笑しい・・・・・」


「たかが『木場』程度の奴に稽古付けてもらっても付け焼き刃だろう。それに、お前は神滅具を使う以外は

滅びの魔力がメインのウィザードだ」


「・・・・・」


「それに・・・・・」


ヒュッ!と一瞬、空気が振動したと思えばこの時代の一誠が消えた。ドラグニルは気を集中して敵を探す。


「(どこだ・・・・・どこにいる・・・・・)」


「お前はレーティングゲームだけして戦闘経験を積んでも本当の殺し合いをした事が無い」


ブチンッ!―――ブッシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!


「っ!?ぐあああああああああああああああああああああああああああああああああっ!」


コウモリのような羽がもぎ取られ、ドラグニルは地面に向かって落下する。


「楽に落ちると思うなよ?」


落ちるドラグニルの前にこの時代の一誠が姿を現わしてそう呟いた。目の前に現れた敵に向かって剣を

振るうが


ザンッ!


「ぐあッ!」


それ以上の早さでこの時代の一誠がドラグニルの剣を持つ腕を両断した。


「まったく、俺はこんな奴に殺されたかと思うと―――」


ドッ!


「っ―――!」


「自分がムカつくぞ」


今度は右足を両断した。さらに左足も切断する。


「おっ、おおおおおおおおおおおおおおお!」


残った腕を突き出して滅びの魔力を放った。


「そんな魔力は俺には効かないぞ」


滅びの魔力に対して黒い籠手を装着した手で前に突き出して無効化しながらドラグニルの顔面を鷲掴みにし、

残った腕も両断して手足が無いダルマにした。


「―――そらよ!」


ボールを投げる仕草で思いきりアグレアスドームに投げつけステージに叩き付けた。


ドッゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!


大量の煙が立ち込める。そんな最中、ドラグニルはステージに叩きつけられていても意識があった。


「がっは・・・・・!」


口から大量の血反吐を吐きだして息を整える。


「お、俺が・・・・・お母さま・・・・・お父さま・・・・・待っていてください・・・・・!もう一度、

もう一度、ドラゴンを召喚して―――」


「その前にお前を殺してやるよ。―――俺の手で」


「っ!?」


立ち込める煙の中、ユラリと人影が浮かんだ。スタスタと歩く音が近づきドラグニルの前に姿を現わす。


「クロノス・・・・・ッ!」


「ドラグニル・・・・・」


真紅の髪の男、クロノス。手にはエクスカリバーを持っていた。


「この時を俺は待っていた」


「くそ・・・・・!」


口から滅びの魔力を吐く。しかし、クロノスを守るように神々しい輝きのバリアが滅びの魔力を防ぎ、

クロノスの身体には届く事は無かった。


「俺の大切な両親を奪ったお前を殺すと決めていた」


「・・・・・っ!」


全身に滅びの魔力を纏い、滅びの力のオーラを拳のようなものに変形させてクロノスを捕まえようとする。


「かつての友だったお前を殺す事が俺の役目であり務め」


刀身に神々しい光を纏い、迸らせて滅びの力を一閃する。滅びのオーラは四散してドラグニルの攻撃を

無効した。


「それがいま果たせる」


ドラグニルの傍に跪き胸倉を掴んで持ち上げた。


「最期に言い残す事は?」


「クロノス・・・・・ッ!」


「・・・・・」


胸倉を掴んだまま上空へ投げ飛ばす。エクスカリバーの刀身に魔力を流し込み、神々しい光を発して

纏わせる。


「エクス―――カリバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァッ!!!!!」


上空に放り投げたドラグニルにエクスカリバーを振り下ろした。光の斬撃が奔流と化と成ってドラグニルを迫る。


「ぐううううううおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」


魔方陣を展開してクロノスの一撃を防ぐ。―――だが、ドラグニルの上にも敵がいた。


「―――エクス」


「―――ッ!?」


「カリバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァッ!」


この時代の兵藤一誠。『無限の創造神龍観音』の『聖』の宝珠で造ったエクスカリバーを振り下ろし、

光の斬撃を放った。すかさずもう一つの防御魔法陣を展開した瞬間に光の斬撃は直撃する。


「「ドラグニル・・・・・ッ!」」


「おおおおおおおおああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!」


二つの斬撃に圧倒され防御魔法陣に少しずつ罅が入った。―――そして、魔方陣がガラスのように砕け

ドラグニルを襲った。


「「―――ドラグニルウウウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!!」」


「お父さま、お母さまああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」


光は悪魔にとって毒。光の斬撃を直撃したドラグニルは光に呑まれ、姿形も残さずこの世から消失した。

―――それがドラグニルの最期だった。



































「―――じゃあな、ドラグニル。俺の親友」











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