小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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グレモリー先輩とフェニックスのレーティングゲームが終わって数日後

俺達はこれからとある場所に行く為の準備をしていた。グレモリー先輩とライザーの婚約

パーティとなる会場がある冥界だ。ルシファー、アスモデウス、

ベルゼブブ、レヴィアタンの四人は故郷である冥界に一時だが戻れる事に嬉しい様だ。


一誠 「冥界か、どんな所だ?」


ルシファー 「紫色の空で海がないから殆ど大地の世界で」


アスモデウス 「冥界は人間界―――地球と同程度の面積があるけれど、

人間界ほどの人口がないわ。悪魔と堕天使、それ以外の種族を含めても

それほど多くないの。さっきルシファーも言ったけど海もないから更に

大地が広いの」


へぇー、人間界に別世界がある事も驚きだけど海がない世界って聞いた事すらないから印象深い世界だな。


和樹 「四大魔王と称された四人だから領土もあったんでしょ?どのぐらいの領土を持っていたの?」


ルシファー 「領土ね・・・・殆ど森林と大地だけどどのぐらいだったかしら?」


アスモデウス 「えっと・・・・・忘れたわ」


レヴィアタン 「でも、広大な領土を持っていた事は間違いないよ?」


ベルゼブブ 「私の場合、試し斬りで森林を伐採紛いな事をしていたけどな」


試し斬りで伐採紛いをしたって・・・一体どれだけ森林を切ったんだ?


一誠 「だけど、今回は会場の中だから冥界の空を眺める事は出来ないな・・・さてと、最初は俺と和樹、

リーラとシンシアで会場へ行ってくる。後で呼ぶから皆―――特にルシファー達五人は全身を

隠せるような衣類を着てくれ、」


黒歌も、と伝えると6人は頷いてくれた。まだ皆を明かす訳にはいかないからな


ガイア 「我は?」


一誠 「ガイアはそのままでいいよ。ガイアが『真なる赤龍神帝』グレートレッドだって

誰も思わないだろうしね」


ガイアは「それもそうだな」と賛同する。仮に正体を知られてもどうしようもできないだろう


一誠 「それじゃあ行ってくる」


空間に裂け目を生じさせて俺達四人は裂け目の中に潜った。




木場side



此処はグレモリー家とフェニックス家、そして部長とライザーの婚約をすると聞きつけてやってきた大勢の

悪魔達が会場に集まっていた。


レイヴェル 「うっふふ、お兄様ったら、レーティングゲームで勝利してお嫁さんを手に入れましたの

       ですよ!まぁ、初めから解っていた事ですけど一応見せ場は作ったつもりなのですよ?

       あはははっ!」



木場 「言いたい放題だね」


朱乃 「そうですわね」


小猫 「・・・」


「中継されているのを忘れているのよ」


木場 「ソーナ会長」


ソーナ 「結果はともかく勝負は拮抗・・・いえ、それ以上であったのは

誰が見ても明らかでした」


背後から僕達に声を掛けられた。僕達は後ろに振り向くと眼鏡を掛けた

女性がいた。この人は駒王学園3年生、駒王学園生徒会会長。名は支取蒼那、

だけど本名はソーナ・シトリー。現魔王レヴィアタンを輩出した

『元72柱』の一つシトリー家の次期当主だ。


木場 「来ていたのですね」


ソーナ 「えぇ、親友の婚約パーティですもの、それと、あの二人も

     来ているのだけれど見かけたかしら?」


その二人は姉妹で悪魔の存在を知る人間達、何時も一緒に離れず

行動しているためとある学校では一部有名だ。そして、その姉妹は変わった

渾名がある・・・それはいつか話そう


木場 「いえ、見ていませんが・・・よく、冥界に連れてこられましたね?」


蒼那 「私の姉に頼んだ様なのよ・・・全く何時の間に」


と、嘆息しながら呆れていた。


朱乃 「あらあら、何処かで探検でもしているのでしょうね」


ソーナ 「・・・・そうね」


暫く僕達は会長と話している最中、会場にフェニックス家の魔方陣の紋様が

宙に現れると同時に炎を巻き起こしながらライザー・フェニックスが現れた。

ライザー 「冥界に名立たる貴族の皆様!御参集下さりフェニックス家を

代表として御礼申し上げます本日皆様に御出で願ったのは、

この私ライザー・フェニックス様と名門、グレモリー次期当主

リアス・グレモリーの婚約と言う歴史的な瞬間を共有して

いただきたく願ったからであります」


会場にいる悪魔達は静かにライザーの言葉に耳を傾ける


ライザー 「それではご紹介いたします!我が妃リアス・グレモリー!」


バッと後ろに振り向いたライザーと同時にグレモリー家の紋様の魔方陣が

現れ婚約パーティなのにウェディングドレスを纏った部長が現れた


『おおっ・・・・・』


ライザー 「では、私の妃であるリアス・グレモリーが登場しましたので、婚約パーティを始め―――」


バァァァアアアン!!!


成神 「部長ォォォォォ!」

婚約パーティが始まろうとした刹那だった。突然、扉が誰かの手によって勢いよく開け放てられ会場全域に

響き渡る大声で部長を呼んだ。やっと来たんだね・・・イッセーくん!

――――――――――――――――――――――


成神side


成神 「此処にいる上級悪魔の皆さん!そして部長のお兄さんの魔王様!俺は駒王学園オカルト研究部、

    リアス・グレモリー眷属の『兵士』、成神一成です!リアス・グレモリーを取り戻しに来ました!

    そして!」


俺は息を大きく吸って叫んだ


成神 「リアス・グレモリーの処女は俺のもんだ!手を出すんじゃねぇぞ!焼き鳥野郎!」


あの野郎は形容しがたい表情だったが関係ない!俺はライザーの許へ歩み寄るが衛兵が邪魔に

掛かってくるけど木場や小猫ちゃん、朱乃さんが止めに掛ってくれた。ありがとう!そして俺はライザーの

許へ辿り着いた


「どういう事だ。説明しろライザー」


「リアス殿。これは一体?」


部長やライザーの関係者か身内達が困惑している様子だった。


「私が用意した余興です。ドラゴンの力を見たくてグレイフィアに頼んでしまいましてね」


「サーゼクス様!?そのような御勝手な事はしては困りますぞ!」


サーゼクス 「私は可愛い妹の婚約パーティを更に派手に盛り上げたく

       彼を呼んだまでです。」


「では、彼を呼んでお主はどうしたいんだ?サーゼクス」


紅髪の中年男性が魔王様に問いかける。もしかして部長のお父様か!?


サーゼクス 「父上、我々の目の前でドラゴン対フェニックスの戦いの演出をして貰います。

       これ以上の催しに勝る演出は無いでしょう?」


魔王様の一言で全員黙ってしまった。魔王様はそれを了承したと確認して俺に視線を向けた。


サーゼクス 「ドラゴン使いくん、お許しが出たよ。ライザー、私とリアスの前でその力を

       今一度見せてくれるかな?」


リアス 「兄様!?」


ライザー 「サーゼクス様に頼まれたのなら断れる訳もない、良いでしょう。このライザー身を固める前の

      最後の炎をお見せしましょう」


奴はやる気だ。これで俺と奴の戦いの舞台が整った。


サーゼクス 「さて、ドラゴン使いくん。キミが勝った場合の代価は何がいい?」


「サーゼクス様!?何て言う事を仰るのです!」


「彼は下級悪魔なのですぞ!対価などと・・・」


サーゼクス 「こちらから要求した事だ。下級だろうがなんだろうが彼は悪魔、何かをさせるにはそれ

       相応のものを払わなければなるまい。さぁ、何が良い?何でも願いあげるよ。地位か?

       爵位かい?それとも絶世の美女かな?」


何が良い?決まっている!俺は


成神 「リアス・グレモリー様を『それはちょっと、待ってくれるか?』!?」


『っ!?』


俺が望みを言おうと口を開いた瞬間だった。突然、会場に謎の声が響いた。


「誰だ!?出てこい!」


会場にいる悪魔達は会場を見渡しながら言う俺もライザーも部長も

木場達もだ。すると、空間に次元の裂け目が生まれた中を覗くと万華鏡を

覗いた様な空間が存在した。そして裂け目から二人の少年とメイド服を

着込んだ二人の女性が出てきた。俺はその二人を見覚えがあった。

なんであいつ等が此処に!?


リアス 「なっ!?」


『っ!』


ライザー 「お前等は人間界にいた・・・」


一誠 「ライザー、久し振りだなぁ?」


和樹 「お久しぶりです。グレモリー先輩」


兵藤と式森が部長の婚約パーティの事は知らない筈なのにこの会場に現れた。


成神 「お前!何でここにいるんだ!?」


木場 「どうして?いや、今の力は・・・・・」


朱乃 「そうですわ・・・悪魔の存在を知っているだけでの筈・・・」


小猫 「・・・・・」


ソーナ 「彼らは・・・?」


兵藤達を知っている俺達は困惑した。会長はどうやら知らない様子だった。


ライザー 「・・・お前等、何しに来た?」


一誠 「んなもん、決まっている」


和樹 「魔王様にお願いがあってきました」


リアス 「!?」


こいつらの発言に驚いた。まさか、直接魔王様にお願いをしに来るなんて前代未聞だ!


レイヴェル 「あの不届き者達を捕えなさい!」


『はっ!』


ライザーの妹が兵藤達を捕えるよう衛兵に指示を出した!会場にいる

衛兵達は捕えようと動き出した。式森はともかく兵藤はただの人間だ!

悪魔である衛兵に捕まってしまう!


和樹 「―――神導『光輝の牢獄』」


『っ!?』

式森の足元に巨大な魔方陣が展開したと同時にその魔法陣の中に足を踏み入れた衛兵達が次々と牢獄の様な

光輝く檻に閉じ込められてしまった!何なんだ!?あれが魔法使いの力だって言うのか!衛兵が一瞬で

捕まったぞ!


レイヴェル 「・・・・・っえ?」


まさか逆に捕まるとは思わなかっただろう、ライザーの妹が目を大きく開いた。


和樹 「相手の力量を計らないで僕達を捉え様だなんて馬鹿だなぁ」


一誠 「唱詠も無しに発動するなんて流石だな、和樹」


『お見事です。和樹様』


レイヴェル 「貴方達は一体誰ですの!?」


未だに脱出できない衛兵を一瞥してから兵藤達に怒声を上げながら問い出し始めた


一誠 「俺は兵藤一誠」


和樹 「僕は式森和樹、世界一の魔術師と神魔導師と自評している魔術師だよ」


式森の事は知っている部長から聞いた情報だ。だけど、兵藤の情報は不明だと言われた。俺の視界に

紅髪の中年男性が「兵藤・・・」と口を小さく動かした。


「キミはもしかして兵藤誠殿と兵藤一香殿の関係者かね?」


一誠 「関係者どころか俺は兵藤誠と兵藤一香の間に生まれた人間です。二人の子供ですよ俺は」


紅髪の中年男性の問いに兵藤は素直に答えると目を見開いて「おおっ・・・」と言った。あいつの両親と

知り合いなのか?


「―――先の戦争前に謎の爆発事故で兵藤誠殿と兵藤一香殿の両名は死にその息子は行方不明だと

知らされていたが・・・そうか、キミがあの御二方の子供だったのか」


リアス 「・・・・・えっ?」


サーゼクス 「・・・父上、今の話は本当なのですか?」


「うむ、彼の両親がまだ生存していた頃は友人関係だったのだよ。勿論、妻もそうだ。」


紅髪の中年男性・・・部長の父親が振り向いた先に部長に随分と似た亜麻色の髪を持った美少女が

近づいてきた




一誠side


まさか、グレモリー先輩の両親がお父さん達の友人だったとは


「初めまして、私はヴェネラナ・グレモリーですわ。兵藤くん・・・いえ、イッセーくん。こうして合うのは初めてですね」


「そうだな。再びキミを私の視界に入れられるとは・・・嬉しい限りだ」


一誠 「俺の事を知っている様だけど俺はアンタ達の事は知らないぞ」


「それは当然です。何故なら私達は貴方がまだ赤ん坊の時に一香殿達から抱かせて貰った時から

知っていたのですから」


―――お父さん達、まさか俺が生まれた嬉しさに俺を世界中にいる知人達に紹介した訳じゃないだろうな・・・・?


「兵藤・・・か、懐かしい名だ」


俺達の許に長髪の金髪を揺らしながら近づいてきた。


「フェニックス卿、もしや貴方も?」


「ああ、私も彼の両親と友人だったのだよ。無論、彼が生まれたと嬉しそうに

私に赤ん坊を抱かせながら言っていたよ」


ライザー 「・・・・・父上、俺は初めて聞きましたが」


「昔の事だ。言う筈もなかろう」


ははは・・・・・もう、誰がお父さんと友人だって言われても俺は驚かないぞ、


「そうだ。自己紹介をしないといけないな、私はアルマス・グレモリーだ。イッセーくん」


「では、私も自己紹介をしよう。カイザー・フェニックスと言う。今度、私達の家に遊びに来ると良い。

そこで誠殿達の話を聞かせてくれないか?」


一誠 「―――解りました。何時になるか解りませんが、遊びに行かせて貰います。アルマスさんの家にも

行きますね」


「ああ、楽しみにしているよ」と笑顔と共に言ってくれた。俺は悪魔が嫌いだけど、こういう人達なら・・・

大丈夫かな


サーゼクス 「兵藤くん、さっき私にお願いがあって来たと言っていたがそれは何かね?」



一誠 「それは―――」


パチンと指を鳴らすと俺の背後に空間の裂け目が生じた。中からガイア達十九名が出てきた


一誠 「成神と同様、グレモリー先輩を取り戻す権利を・・・そして、悪魔の駒と変異の駒が欲しいです。

    俺達がレーティングゲームを参加する為に」


『っ!?』


サーゼクス 「―――すまないが悪魔ではないキミたちに駒を渡すとなると上層部達が騒ぐだろう・・・

       申し訳ないがそれはダメだ」


やっぱりダメか、だったら次の作戦に移るか


一誠 「だったら、この会場にいる悪魔たち全員に納得できる様な事を

したら貰えますか?」


サーゼクス 「私達が納得する様な事とは?」


一誠 「赤龍帝である成神とライザーを倒す事です」


俺がそう言うと成神とライザーが目を見開いた。この会場にいる悪魔達を納得させるには十分な人材だ。


ライザー 「高が人間のお前が俺を倒すだと?俺は弱い者いじめするのは趣味ではないんだけどな」


成神 「悪魔と人間の身体能力は違うんだ。兵藤、お前が勝てる訳」


一誠 「―――言いたい事はそれだけか?」


静かに胸元にぶら下がっている十字架を外す。次の瞬間、ドンッ!と俺を中心に周囲がはじけた!

風圧が巻き起こり、俺の足元は激しく抉れ、クレーターと成った。会場に点々と置かれて有ったテーブルが

吹っ飛ぶ、中には悪魔も吹っ飛んで行った。クレーターの中心で白く発光する俺の体に纏っているのは黒歌に

教わった仙術+生命力だ。


『・・・・・』


「いやはや、彼らの息子だと改めて感じますな、フェニックス卿」


「そうですな、私達の力を既に凌駕している様だ。」


グレモリー先輩とライザーの父親達が俺の力を見て感想を発した。これも皆のお陰だけどな


一誠 「で、これを見ても闘う気はないのか?成神、ライザー」


唖然としている二人に問うがグレモリー先輩の兄である

魔王が俺に話かけてきた


サーゼクス 「凄まじい力だ。長年、唯生きていた訳ではなさそうだね」


一誠 「当然だ。俺は目標の為に動いているんだから・・・それで、見ての通り俺は力を持っている。

    この二人と戦って勝ったら俺の願いを叶えてくれますか?」


サーゼクス 「それは・・・「良いではないかサーゼクス」父上?」


俺の言葉に悩む魔王にグレモリーの先輩の父親が話に介入してきた


「イッセーくんの願いを叶えてあげなさい、」


「私からもお願いする。彼の両親には助けてもらった事があるのでな、その恩を少しでも返したいのだ。彼の

願いを叶えてくれるかね?」


サーゼクス 「フェニックス卿・・・・・解りました。兵藤くん、キミの願いを叶えよう。無論、

       ライザーとドラゴン使いくんに勝ってからだ」


一誠 「感謝します。アルマスさん、カイザーさん」


二人に感謝する際に「気にするな」と言われた。こうして俺は成神とライザーの二人と戦う事になった

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