小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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兵藤家


『ごちそうさま、リーラ(シンシア)美味しかったよ』


『ありがとうございます。一誠様、和樹様』


学校から帰ってリーラとシンシアが作った夕飯を食べ終わったところだ。セッテとディエチに外出の準備を

させ俺はソファーに腰を下ろし二人を待っているとアスモデウスが訪ねてきた


アスモデウス 「一誠、ちょっと良いかしら?」


一誠 「どうした?」


アスモデウス 「これから外へ行くのだろうけど、一つ注意してほしい事が有るの」


一誠 「どう言う事だ?これから行く人間界で何か起きているのか?」


アスモデウス 「とある堕天使が『聖剣エクスカリバー』を盗んだのよ。教会側の者がエクスカリバーを奪還

若しくは破壊する為に来ているの」


人間界でそんな事が起きているなんてな


一誠 「解った。気をつけて行ってくる」


アスモデウス 「えぇ、気をつけてね」


数分後、二人が外出の準備ができた様で俺は二人の許に歩を進む


一誠 「じゃあ、皆行ってくる。ディエチ、セッテ、行こうか?」


『行ってらっしゃい』


『うん(ええ)』


現在、人間界の時刻は既に夜だ。夜の街に何かあるかな?玄関に向かい靴を履き空間を歪ませ中に

潜ろうとしたその時、有る事を思い出した


一誠 「そうだ。行く前に二人に話しておきたい事が有るんだ」


『???』


何を言うのだろうかと思っている二人にトーレとクアットロの時に話をしたサプライズの事を説明する


ディエチ 「成程ね、良いじゃないか」


セッテ 「そうですね、私も賛成です」


一誠 「じゃあ、賛成してくれるんだね?」


『勿論』


首を頷き賛同してくれた二人、残りは二人だな・・・他の皆は今頃トーレ達が話しているだろうし取り敢えず

優先する事は―――


一誠 「さてと、行こうか二人共!」


この二人と楽しい時間を過ごす事だ


―――――――――――――――――――


ディエチ 「うわぁ、空気が澄んでいると星空があんなに綺麗だ。」


セッテ 「―――こんなに輝いている」


空間から出た俺達は今この街で一番高い丘の上にいる。二人は街で何かするより星空を眺める事を選んだ。


一誠 「ディエチは、星が好きなのか?」


ディエチ 「そうだね、綺麗な星空を見る事が好きだよ。見るたびに記録を残しているんだ。」


セッテ 「確かに星空もいいですが、私は桜ですね」


成程、ディエチは星を眺める事が好きなのか・・・セッテは自分の髪を触り


セッテ 「私の髪の色と同じ桜が好きなのです。この辺りには無いみたいで、残念ですが・・・」


少し残念そうにションボリとした。そんな顔を見たくなかった俺はどうやって彼女を笑顔にするか考えた瞬間


一誠 「・・・!」


一つだけ思い浮かび空間を歪め二人に跡に続くよう催促する


ディエチ 「どうしたんだろう?」


セッテ 「取り敢えず行きましょう」


二人も俺の跡に続き空間の裂け目に潜りに消えた。


セッテside


一誠 「どうだ。綺麗だろう?」


彼の跡に続いて空間の裂け目から出ると私は目を見開き


セッテ 「・・・・・」


ディエチ 「・・・・・」


私は茫然とした。何故なら


サァァァァ〜〜〜〜〜


辺り一面は桜の木だらけだったからだ。月光が桜を照らし光輝かせる事でより一層に幻想的に思わせる


セッテ 「―――此処は?」


一誠 「此処は1年間ずっと桜が咲く島なんだ。アスモデウスが珍しいと色々と調べていたんだ。下見として

    アスモデウスと来た時には驚いたけどな」


ディエチ 「凄い・・・こんなに桜が咲いているなんて、それに1年も?」


私は徐に腕を伸ばし手の平を翳すと巨大な桜から一枚の桜の花びらがヒラリと舞い降りた。


一誠 「どうだ?セッテ。気に入って貰えたか?」


セッテ 「・・・」


手に舞い降りた桜の花びらをギュッと胸に抱え彼の言葉を聞いた瞬間、胸から込み上がる様な感覚がした途端

に瞳から涙が出て私の頬を濡らした。彼は仰天したかのように目を見開いて私を見詰めた。


一誠 「セッテ!?」


涙を流す私をハンカチで拭いてくれた。彼を見ると心配そうにしていて瞳には泣く私が映り込んだ。

―――私は静かに彼の胸に額を当てて


セッテ 「あり・・・がとう・・・ござ・・いま・・・す」


感謝を言った。


一誠 「どうして泣くんだ?俺、何かセッテに泣かす様な事をしたのか?」


セッテ 「違うんです。私は嬉しいから涙を流して・・・こんなに綺麗な桜を見せてくれて私は

     嬉しいんですよ?」


私は彼を上目で見る様に見上げ泣いた理由を言った。すると「ありがとう」と言う言葉が聞こえた


ディエチside


一誠 「ディエチ?」


ディエチ 「ありがとう、私もお礼を言うよ」


彼に此処に連れて来てくれた事を感謝した。夜空に浮かび星空を眺めるのは好きでだけど、桜も良いなとこの

桜を見てそう思った。


一誠 「どういたしまして、また此処に行きたいならも行こう。連れて行くからさ」


私と私の姉のセッテは同時に彼の言葉を聞いた後に頷いた。また彼に何処かへ連れて行ってもらおう・・・

今度は神秘的な場所が良いなぁ―――って、何時の間にカメラを持っているんだい?


一誠 「帰る前に写真を撮らないか?―――夜桜と星空のコラボだ。きっと良い写真が出来る筈だ」


『・・・賛成!』


彼の提案に賛同した後。一番大きな桜の木を背後に私は右、左はセッテ、彼は私とセッテの間の真ん中だ。

今は彼がタイマー式のカメラの所にいる・・・あっ、戻って来た。


一誠 「準備はできた。残り十秒だけど何かポーズでもしたらどうだ?」


ポーズ・・・なら


ディエチ 「えい」


私は彼の腕に抱きついた。うん、これが良いかも


セッテ 「成程、悪くないどころか良いですね」


私と同じように彼の腕に抱きついて身体を密着させる


一誠 「・・・二人共、他にないのか?」


『これしかないので』


異口同音で言った刹那


一誠 「っ!?」


カシャ!


と、何故か彼が前にかがんだ瞬間、カメラから一瞬の光が見えた。


セッテ 「いきなり前かがみになってどうしたんですか?」


一誠 「いや、何か背後から飛びつかれて・・・・・」


ディエチ 「―――でも、誰もいないよ?」


彼の背後を見るが巨大な桜の木しかなかった。彼は訝しげながら「変だな・・・?」と首を傾げた。


此処で余談だが3人で撮った写真の中には、長い金髪の女性が楽しそうに笑いながら、一誠の背後に

写っていたとか


「ふふ、また遊びに来てね?」

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