小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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アスモデウス 「木場祐斗の情報を知りたいですって?」


学校から帰って直ぐに木場の事について知りたいと彼女に頼むと部屋に連れられ「理由は?」と訊かれ俺は「正確に言うと聖剣計画だ。調べてくれるか?」と話す


アスモデウス 「構わないけど・・・どうしたの?」


一誠 「ちょっと思い出した事があったんだ。あの時、和樹の父親から提供してもらった

木場の情報の中に聖剣計画と記されていたから気になって・・・それに前に

言っていただろう?『聖剣エクスカリバーがとある堕天使に盗まれ教会側の者が

奪還、若しくは破壊する為に動いている』ってもしかして『聖剣計画』と何か

関係があるんじゃないか?」


アスモデウス 「成程・・・解った。調べてみるわ、少し時間がかかると思うけど」


一誠 「それでもいいさ、よろしく頼む」


「お礼は今夜、一緒に寝てくれたら嬉しいな」と言いながら情報収集に取りかかった


一誠 「解った。一緒に寝よう、頑張ってくれるんだからそれぐらいは安いもんだ」


椅子に座る彼女の背後から包むように抱き締め静かに言葉を発した。アスモデウスは俺に振り返り


アスモデウス 「ふふ、それじゃあキスもしてくれたら頑張っちゃうわ」


一誠 「欲張りだなぁ、流石は悪魔だ。―――だけど、そんなアスモデウス達に

俺は好きになったからな」


そう言いながら俺はアスモデウスとキスをした。更に歯をなぞる様に舐めてから

こじ開けて彼女の舌を絡める事を数十秒間、顔を離すと恍惚の表情をしたアスモデウスが

視界に入った。


アスモデウス 「・・・ズルイわ、こんなことされたらもっと頑張らないと

いけないじゃない」


一誠 「嫌だった?」


フルフルと横に振り「逆よ。嬉しいわ」と言葉を返した。


一誠 「それじゃあよろしく頼む」


アスモデウス 「任せて!より正確な情報を集めるわ!」


張り切って『聖剣計画』の情報を集め出したアスモデウスの邪魔にならない様に俺は

彼女の部屋を後にした。その後、夕食を食べ終え風呂に入ると言ういつもと変わらない

日常生活を送った。そして、俺は自室でのんびりしていたところにドアを叩く音が

聞こえた


一誠 「アスモデウスか?」


アスモデウス 「正解、情報を集めたわ。懐かしいものや驚いた情報もあったけどね」


俺の部屋に入るなりベッドに座り資料を見せてくれた。


一誠 「・・・・・」


アスモデウス 「まさか、あの時折れた『聖剣エクスカリバー』が錬金術によって新たな

七本のエクスカリバーとして実在していただなんて・・・その上、

とある堕天使っていうのは『神の子を見張る者』の幹部、コカビエルだ

なんてね。まあ、あの性格じゃあ当然かしら?」


一誠 「コカビエルって強いのか?」


アスモデウス 「私達、四大魔王と神のメイビスと戦って生き残るほどよ?」


それは凄いな!?ルシファー達と戦って生き残るだなんて・・・・・ん?


一誠 「あの性格?コカビエルの性格って何だ?」


アスモデウス 「戦闘狂と戦争狂」


―――まだ戦闘狂なら可愛げがあるけれど戦争狂って・・・


アスモデウス 「古の戦争で楽しげにしていたのは間違いなくコカビエルよ。

・・・・・どうやら今でも性格は変わっていないようね」


「あの戦争狂め・・・」と珍しく彼女が毒づいた


一誠 「聖剣の事についてはメイビスに訊いた方がよさそうだな。聖剣エクスカリバーは

元々、メイビス・・・天界の剣だったんだろう?」


アスモデウス 「そうね。そうした方が良いわ・・・・・さてと」


ゴソゴソと俺のベッドに潜り込んで「いらっしゃい」と誘ってきた。その誘いに乗り

ベッドに入り彼女と向き合う様な形に寝転ぶ。すると腕を俺の首に脚を俺の脚に

絡みつけてきた。彼女の体温が布越しに感じる。そして、風呂から入ったばかりなの

だろうか・・・・・体から甘い匂いが俺の鼻に入って来た。


一誠 「良い匂いだ・・・・・」


アスモデウス 「うふふ、ありがとう・・・・・。もっと私の甘い匂いを吸い込み

私に抱かれながら眠って」


自分の豊満な胸に俺の顔を抱き寄せ胸の谷間の間に挟む形に成った俺はそのまま

目を閉じて意識を落とし眠りに入った。



翌朝、次の休日



メイビス 「聖剣計画・・・・・エクスカリバー・・・・・コカビエル・・・・・」


俺は朝一番にメイビスへアスモデウスが情報を集めたくれた資料を説明しながら手渡し

それを見て少し悲しみが混じった声音を発した


ルシファー 「此処で懐かしい敵だった名前が聞けるとはね・・・」


ベルゼブブ 「私達と戦っていながら、しぶとく生きていたからな」


レヴィアタン 「でもでも、今でも性格が変わってないんでしょ?絶対に騒ぎを起こすよ」


コカビエルと戦ったルシファー達だからその強さを知っていて言える言葉だった


一誠 「あては無いけど、人間界に行って調べてくる・・・・・メイビス、聖剣の方は」


メイビス 「貴方に任せます・・・・・すいません、少し気分が悪いので部屋で休みます」


レヴィアタン 「あっ・・・・・メイビス」


彼女はそう言って朝食を食べずに自室へと戻って行ってしまった。

―――見せない方が良かったか・・・・・


一誠 「・・・・・俺はダメだな」


『・・・・・』


俺の呟きに皆は俺に視線を向けた


一誠 「長い間、ルシファー達と暮らしていたから何でも知っていると思っていたけど

どうやら俺は天狗になっていたみたいだ。逆にメイビスを悲しませてしまった」


自嘲する様な薄笑いをしながら俺は皆に伝える


ルシファー 「―――そんなに自分を責めないで」


一誠 「ルシファー?」


レヴィアタン 「今回はタイミングが悪かっただけ。一誠くんは悪くないの」


ベルゼブブ 「そうだ。悪いのは聖剣計画を実行した者達だ」


アスモデウス 「確かにメイビスが悲しむのは無理もないわ。でも、事実を受け入れて

それを乗り越えていかなければならない時もあるの」


ルシファー、レヴィアタン、ベルゼブブ、アスモデウス、が俺に言葉を掛けてくれる


ガイア 「こいつ等の言う通りだ。一誠、お前は何も悪くないんだ。だから、そう

気を落とすな。折角、一誠が作ってくれた料理が美味しくなくなるではないか」


和樹 「ガイアさんも慰めるのかと思ったけど・・・・・・一誠より料理の方が

大事なんだ・・・・・」


シンシア 「今の言葉はどうかと思いますが」


リーラ 「そうです」


ガイア 「なっ!?ち、違うぞ!我は―――」


アタフタと慌てて弁解しようとする彼女に俺はそれを見て耐えきれずに


一誠 「はっはっはっはっ!」


笑った。そんな笑う俺を皆は不思議そうに視線を向けてきた事が解った


一誠 「そうだな。ガイアの言う通りだ。俺が落ち込んでいたら折角の料理が不味くなる

    ・・・・・ありがとう」


ガイア 「・・・・・ふん、解ってくれればそれでいいのだ」


気を取り直したガイアの顔は何処か安心した表情だった。その後、俺はメイビスの分の

朝食を渡しに行こうとするがリーラに「それは私がします」と瞬時で俺の手元から奪った


和樹 「ほら、一誠。僕も一緒に手伝ってあげるから調べに行こう?それに・・・・・

    今はそっとした方が良いよ」


一誠 「・・・・・解った」


渋々と和樹の言葉に俺は従い一緒に人間界に行った。メイビス・・・・・


―――――――――――――――――


人間界に着いた俺達は取り敢えず駅付近に来た。


一誠 「さて、此処に来たのは良いけど何処から探せば・・・・・」


和樹 「本当に充てもなく探さないと行けないんだね」


「しょうがないだろう?見た事すらないんだから」と町中を歩いて探す事にして十五分


和樹 「・・・・・ねえ、教会側の人って一体どんな服装なんだろうね」


一誠 「ん?確かメイビスの話だと白を強調する衣類を身に纏っているって聞いたけど」


和樹 「じゃあ、『絶対』にあの人達だよ」


俺に教会側の特徴を聞いた和樹はとある所に真っ直ぐ指を指した。その指先を

辿って行くと


「えー、迷える子羊にお恵みを〜」


「どうか、天の父に代わって哀れな私達に御慈悲をぉぉぉぉ!」


路頭で祈りを捧げる白ローブの女の子二人。・・・・・メイビスは女性だから天の母だと

思うんだけど知らないのか?その上何やら相当困っているようだ。通り過ぎる人々も奇異な視線を向けていた


「なんてことだ。これが超先進国であり経済大国日本の現実か。これだから信仰の匂いもしない国は嫌なんだ」


「毒づかないでゼノヴィア。路銀の尽きた私達はこうやって、異教徒どもの慈悲なしでは

食事も摂れないのよ?ああ、パンのひとつさえ買えない私達!ああ、主よ!これも

また試練なのですか!?」


「ふん。元はと言えば、お前が詐欺まがいのその変な絵画を購入するからだ。

訳解らん・・・・・何故そんなものを購入するのだ。無意味だぞ、今回の極秘には」


彼女が指差す方に聖人らしきものが描かれた下手な絵画があった。・・・・・

メイビスが見たら絶対にショックを受けるぞ・・・・・あれは


「何を言うの!この絵には聖なるお方が描かれているのよ!展示会の関係者もそんな事を言っていたわ!」


「じゃあ、誰か解るのか?私には誰一人脳裏に浮かばないが」


下手な絵画には外国風の人物が貧相な服装をして、頭上に輪っかがあるだけで背景では

小さな天使がラッパを持って宙を舞いている。俺は密かに携帯で写真を取りリーラに送り

鑑定してもらう様に頼んだ。それとリーラも来て貰う様にして貰おう


「・・・・・たぶん、ペトロ・・・・・さま?」


「ふざけるな。聖ペトロがこんな訳無いだろう」


「いいえ、こんなのよ!私にはわかるもん!」


「ああ、どうしてこんなのが私のパートナーなんだ・・・・・。主よ、これも試練ですか?」


「ちょっと、頭を抱えないでしょ・貴女って、沈む時はとことん沈むわよね」


「うるさい!これだからプロテスタントは異教徒だと言うんだ!我々カトリックと価値観が違う!聖人をもっと敬え!」


「何よ!古臭いしきたりに縛られているカトリックの方がおかしいのよ!私達プロテスタントは由緒正しい教会よ!カトリックの方が異教徒だわ!」


「なんだと、異教徒め」


「何よ、異教徒!」


ついには顔をぶつけながら喧嘩を始めたぞ、あの二人・・・・・。


和樹 「あれが教会側の人?何か個性的だね・・・・・色々と」


一誠 「一応、俺も祈りを捧げている身だけど・・・・・見てられない」


仕舞いには「ぐぅぅぅぅぅぅ・・・・・。」と、少し離れて様子を窺っている俺と和樹の

耳にも届く腹の虫。あの絵画を買って以来何も食べていないようだな。腹の虫が鳴るなり、

二人は力なくその場にくずれ折れる


「・・・・・まずどうにかして腹を満たそう。そうしなければエクスカリバー奪還どころではない」


―――ビンゴと俺は思い、和樹に目線を向けるとコクンと頷き俺達は二人に近づく


「・・・・・そうね。それじゃあ」


一誠 「教会側の者で間違いないな?」


二人に尋ねると青髪に緑のメッシュを入れた少女が此方に顔を向けて逆に訊いてきた


「誰だ、キミ達は?」


一誠 「まあ・・・・・お前達と似たようなものだ」


胸に下げた十字架を見せながら俺はそう言い


一誠 「取り敢えず。お前達を救済しよう」


近くのファミレスに指を指し二人に向かって言った。背後には丁度リーラが現れたし



―――――――――――――――――――――――



「うまい!日本の食事はうまいぞ!」


「うんうん!これよ!これが故郷の味なのよ!」


ガツガツとファミレスで注文したメニューを腹に収めて行く教会側の二人。俺は作った

料理を持って二人の前に置いて行く。実はリーラ達メイドが経営している

フェミレスだったのだ。勿論、店員は第二、五の装甲猟兵待女中隊だ


リーラ 「・・・・・」


ジィ・・・・・と、茶髪のツインテールの少女が購入した絵画を鑑定するリーラ


和樹 「どう?」


リーラ 「・・・・・残念ながら、これは出鱈目な絵の上に存在しない絵画です。私が今

まで見てきた絵画の中にもありません。その展示会はきっと貴女達の様な教会の人を騙す

手口の人間なのでしょう・・・・・直ぐに部下に調べさせ逮捕に成る様な証拠を見つけさ

せます」


「そ、そんな!?」


「ふぅー、落ち着いた。・・・・・ほら言わんこっちゃない、だから私は買うのを

止めたのだ」


リーラから事実を言われショックを受ける少女に青髪の少女は呆れながら言った。


「それにしても、こんな極東の地でもキミみたいな信仰の匂い―――香りが強い者が

いたとはね。此処は評価を改めるべきかな?」


「貴方は何処の教会の者?カトリック?プロテスタント?それとも他の教会?」


さっきまでショックを受けていたのに・・・・・感情の起伏が激しい少女だな


一誠 「どこの教会も属していない。唯、家に教会があってとある人と祈りを捧げている」


「そうなの?貴方の家の教会・・・・・一度見てみたいわ!貴方と一緒に主へ祈りを

捧げている人も含めて!」


その人物って言うのはメイビス―――神だけどな


和樹 「そう言えば自己紹介をしていなかったね。僕は式森和樹、こっちは兵藤一誠、

彼女は一誠のメイドのリーラ・シャルンホルストだよ」


リーラ 「ご紹介を与りました。一誠様のメイドで有るリーラ・シャルンホルストです。

以後お見知りおきを」


一誠 「よろしく、兵藤一誠だ」


「私はカトリック教会に属しているゼノヴィアだ」


「プロテスタント教会に属している紫藤イリナです!兵藤くん、私達を助けてくれてありがとう!ああ、主よ。心優しき同志に御慈悲を」


胸で十字を切る紫藤。何時も俺の傍に居るんだけどな・・・・・その主って


ゼノヴィア 「で、私達に接触した理由は?それにキミ達とは初めて有った上に

私達を教会側の者だと見抜いた―――何者だ?」


イリナ 「そうね、若しかしてあの場に居なかったけどリアス・グレモリーの眷属の方?

でも、私が十字を切っても痛がらないようだけど・・・・・」


和樹 「僕達は人間だよ。それとグレモリー眷属に属してすらない」


一誠 「俺達は別の眷属だ」


『別の眷属?』と異口同音で紫藤とゼノヴィアが訊いてきた。


イリナ 「わざわざ悪魔に成るの?」


一誠 「いや、俺は有る理由で悪魔と堕天使が好きじゃないんだ。だから―――異種

としてゲームに参加させてくれるように頼むつもりだ」


ゼノヴィア 「異種としてか・・・・・まあ、私は悪魔に成らない事を進めるよ?」


その言葉、有り難く受け取るよ。


和樹 「それで、さっき『接触した理由は何だ?』って、訊いたよね?」


イリナ 「そうそう、それで、理由は何なの?」


一誠 「俺達も『聖剣エクスカリバー』の奪還、若しくは破壊の手伝いをしようと

紫藤達に接触した。更にエクスカリバーを盗んだ『神の子を見張る者』の幹部、

コカビエルとの戦いもだ」


『っ!?』


理由を告げた瞬間目を大きく見開き驚いて親が居に顔を見合わせた。当然の反応だな、

グレモリー先輩とその眷属にしか話していない情報を俺が言ったから


ゼノヴィア 「―――リアス・グレモリー達とは関係ないのだな?」


和樹 「今回の騒ぎは僕達も少なからず関係しているんだ」


イリナ 「僕達?」


一誠 「俺の眷属にはコカビエルと聖剣エクスカリバーと関係している悪魔と天使がいる」


『悪魔と天使?』と再び異口同音で発した二人に俺は頷く・・・・・って、やばっ


一誠 「今言った言葉、天界に居る熾天使のメンバー―――特にミカエルには

言わないでくれ」


イリナ 「ミカエル様に?何故かしら?」


一誠 「関わりある一人だからだ。約束してくれるなら此処の支払いは俺が出す。

    してくれないなら―――解るな?」


ゼノヴィア 「・・・・・悪魔ではないけど悪魔が居るな。此処に」


俺の言葉に理解したのか彼女の言葉に賛同するかのように何度も頷く紫藤


和樹 「じゃあ、交渉成立で良いね?」


ゼノヴィア 「ああ、何より行き倒れに成りかけた私達を助けてくれた恩もある。

主も解ってくれる筈」


イリナ 「そうね、同じ主に信仰を捧げている兵藤くんに助けてくれた恩を仇で

返す様な事をしたら天罰が降りそうだしね」


二人は納得してくれたようだ。危なかった・・・・・


ゼノヴィア 「私達と協力すると言うならば力はあるのだろうな?」


和樹 「勿論だよ。特に一誠は赤龍帝と戦って無傷で倒したんだ。十分に力があると思う」


イリナ 「イッセーくんなら私も無傷で倒したわよ?でも、何か自滅ぽかったけど」


自滅?・・・・・ああ、時間制限が付いたままの状態で戦ったのか


ゼノヴィア 「人間でありながら悪魔に転生した赤龍帝を倒すほどの力か・・・・・」


手に顎を乗せてぶつぶつと何やら呟き始めた彼女を余所に


和樹 「因みに僕は魔術師だよ。こう見えても」


イリナ 「嘘!魔法使い!?じゃあ、箒に乗って空を飛べるの!?」


和樹が自分を魔術師だと明かすと瞳を輝かせながらズイッと身体を前に出して紫藤は和樹

に尋ね始めた


和樹 「残念だけど、僕は箒に乗って飛ばないよ。でも、ちゃんと空を飛べるから」


一誠 「更にこいつは世界一の魔術師で自称『神魔導師』だ。神と魔王の領域まで極めた

魔術師だ。」


イリナ 「凄い!神の領域まで達した魔法使いを見るのは初めて!それだったら聖剣も

創れるかしら?」


和樹 「勿論、聖剣どころか魔剣も創れるよ」


そう言って両手をパンッ!と合わせたら手が光輝き和樹は手と手を離したと同時に

スゥ・・・・・一本の剣が現れた。


ゼノヴィア 「・・・・・」


イリナ 「・・・・・」


「ほらね?」と和樹から創造した名も解らない一本の聖剣を渡されたゼノヴィアは「ふむ」

と、見定め始めた


ゼノヴィア 「成程・・・・・確かに聖剣だ」


イリナ 「若しかして・・・・・エクスカリバーも創造できちゃったりして?」


和樹 「できなくなはいけど、あれって結構苦労するんだよね。

魔力の消費が半端じゃないよ」


「魔力を殆ど使うしね」と疲れた様子を見せる和樹に俺は二人に左腕を突き出して


一誠 「俺も一応ドラゴンの力がある。これで何も心配する必要もないだろう?」


成神から能力を奪った赤龍帝の籠手に酷似した黒い籠手を見せる


ゼノヴィア 「―――キミ達の力があれば三本のエクスカリバーの回収とコカビエルとの

戦いはやり易くなるだろう・・・・・よろしく頼む。兵藤、式森」


一誠 「一誠でもイッセーでも好きに呼んでも構わないぞ」


和樹 「僕も和樹と呼んでもいいよ?これから共闘する仲間だからね」


イリナ 「解ったわ!和樹くん、えっと・・・・・イッセーくんと被っちゃうなぁ

一誠くんと呼んでもいいかな?」


俺はその呼び方を了承する。確かに被るなあいつと


一誠 「それとこれも渡しとく」


空間を歪ませ百万の札束をテーブルの上に置くと二人はギョッっと目を見開かせた


ゼノヴィア 「今のは神器の能力か?それにこの大金は一体・・・・・?」


一誠 「紫藤が騙されて購入した絵画でもう金が無いんだろう?この事件が解決するまで

一体どう過ごすんだ?」


イリナ 「はうっ!?」


ゼノヴィア 「・・・・・」


急に奇声を発した紫藤に責める様な視線で睨みつけるゼノヴィア


一誠 「どうする?要らないなら戻すけど」


ゼノヴィア 「・・・・・すまない。何時かこの恩を返す」


青い髪を俺へ下げたゼノヴィアに続いて紫藤も頭を下げた


イリナ 「ぅぅぅぅぅ・・・・・。一誠くんが眩しく見えるよぅ」


一誠 「俺は苦しんでいる人々を救済しようと心に決めているんだ。だから気にするな」


「それと」とメモを取り出して俺の携帯番号を書き走らせ


一誠 「これが、俺の携帯番号だ」


二人に渡すと二人も俺と同じようにメモを取り出して数字を書き始めた


イリナ 「だったら、私のも教えた方がいいわね。はい、私の番号よ」


ゼノヴィア 「これが私の番号だ」


俺と和樹に番号を記したメモ用紙を渡した後に腕を突き出した


ゼノヴィア 「短い付き合いに成るだろうが良い関係でいよう・・・・・よろしく頼む」


イリナ 「そうだね!仲が良い方が私は好きよ?」


紫藤もゼノヴィアが突き出した手に乗せながら発し


一誠 「ああ、そうだな」


和樹 「ははっ、何かこういうのも良いね」


俺と和樹も彼女の手に乗せ


ゼノヴィア 「しまっていくぞ」


『応!』


一致団結して聖剣エクスカリバー奪還or破壊を結成俺達だが


「おい」


誰かが俺達を呼び掛けた。俺達は声がした方向を見ると


成神 「・・・・・」


小猫 「・・・・・」


木場 「・・・・・」


匙 「・・・・・」


グレモリー先輩の眷属の成神、小猫、木場にシトリー先輩の眷属の匙が俺達を見ていた。


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