小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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俺、和樹、木場、紫藤、ゼノヴィアは逃げたフリードとバルパーの後を追っている最中

古ぼけた今でも崩壊しそうな教会に辿り着いた。


紫藤 「かなり古そうね」


ゼノヴィア 「だが、この教会から奴等の気配が感じる―――それともう一つの気配」


「おやぁ?もう此処に来ちゃったんです?早かったですねぇ!早すぎっしょ!」


ガキン!


上から再び白髪少年神父―――フリードが俺に聖剣を振りかざした


一誠 「また上からの奇襲か?」


「ヒャハハ!そのエクスカリバーちゃんを此処まで持って来てくれたって事はサンタさん

の様に俺さまのプレゼントとして渡しに来てくれたんですかぁ?俺さま、嬉しくて涙が止

まりません!感謝感激!ありがとうございます!」


一誠 「勘違いするな!クソ神父!お前のプレゼントは敗北だ!」


木場 「兵藤くんの言う通りだ!」


俺が強引にこいつを振り払うと後方に下がると当時に一気に木場が詰めていく、

二刀の魔剣でフリードを攻め立てていった


「チッ!『光喰剣』だけじゃないってか!複数の魔剣所持、もしかして『魔剣創造』でご

ざいますか?わーお、レアな神器持っているとはなかなか罪なお方ですこと!」


フリードは口調とは裏腹に随分楽しそうだ。戦闘狂は本当の様だな


「だが、俺さまの持っているエクスカリバーちゃんはそこんじょそこらの魔剣くんでは―――」


ガキィィン!


破砕音を立てて、木場の魔剣が二刀とも砕け散った。流石はエクスカリバーと言うべきか


「相手に成りはしませんぜ」


木場 「くっ!」


再び魔剣を創造しだす木場だが、再びフリードが持つエクスカリバーに破壊音を立てて砕け散る


一誠 「手を貸そうか?」


木場 「まだやれるよ!」


俺のサポートを拒否する。てか、何かイラついているようだな?


ゼノヴィア 「一度、私とこのエクスカリバーに負けているんだ。教会とエクスカリバー

       に憎んでいる先輩は二度負けるなんて事、プライドが許さないのかもしれ

ない」


そう言うことだったのか、ご説明ありがとうございます。ゼノヴィア先生


「ハハハ!随分とエクスカリバーを見る顔が怖いねぇ。もしかして、憎悪とか持ってるの?

何があったか知らないけどさ!こいつで斬られると悪魔くんは消滅確定ですぜぇ?死んじ

ゃうよ!死んじゃうぜ!死んじゃえよッ!


飛び出してくるフリード、木場が幅広い魔剣を創りだして受け止めようとするが―――。


ガキィンッ!


青白い聖なるオーラを纏った聖剣の一撃は木場の剣を易々と砕いてしまう。間髪いれず

フリードの二振りめが襲い掛かる。不味いな木場がやられると思い成神から奪った


『赤龍帝の籠手』を発現して木場に手を向けて


『Transfear!!』


一誠 「木場!譲渡するぞ!」


黒いオーラを発して木場を包み全身からオーラが迸る。かなりの魔力があいつを覆った


木場 「これはイッセーくんと同じ・・・・・貰った以上は使うしかない!『魔剣創造』!」


周囲一帯に刃が咲き乱れる!・・・・・と思ったけど、何故か木場の背後の宙から数多の

魔剣が水の波紋の様に浮かび現れ出てきた。一体なんだ!?木場自身も目を見開いて仰天

しているし!


木場 「これは・・・・・!?いや、今は驚いているときじゃないね!」


魔剣をフリードに突き向けると木場の背後に浮かぶ数多の魔剣が続々と飛び出して牙を向

いた


「うっは!これはおもしろサーカス芸だね!このくされ悪魔がぁぁぁ!」


狂喜に彩られた表情でフリードは続々と飛んでくる魔剣を一本一本打ち落としたり破壊し

ていった


「俺さまのエクスカリバーは『天閃の聖剣』!速度だけなら、負けないんだよッッ!」


あいつの持つ聖剣の切っ先がブレだし、ついには消え去った。それだけの速度で聖剣が動

いているって事か?飛んでくる魔剣を打ち落としたり破壊したりしながらフリードは木場

に向かって斬りかかる!器用な奴だな!おい!

バキィィィン!


木場 「ダメか!」


アイツが両手に持っていた魔剣が粉々に散っていった


「死・ね!」


フリードの凶刃が木場へ降り注ごうとしたその時―――。


和樹 「上に飛んで!」


エクスカリバーに魔力を籠めていたのだろう。黄金のオーラが神々しい光を放っていた。

木場は和樹の言う通り背中に蝙蝠の様な翼を生やし空に飛んで行った。


和樹 「約束された勝利―――エクスカリバァァァッッ!」


両手で下に振り下ろすと聖なる金色の膨大な光の奔流がフリードとその背後に佇む古ぼけた教会をも呑みこんでいった。金色の奔流が通り過ぎた時はあいつと教会は跡形もなく消滅していった。


ゼノヴィア 「―――これが、本来のエクスカリバーの力」


イリナ 「凄い・・・・・」


木場 「・・・・・」


本来のエクスカリバーの力を見て教会側のゼノヴィアと紫藤が呆気にとられる。木場は

上空からその光景を見て沈黙した。


和樹 「・・・・・逃げ足が速いね」


『えっ?』


和樹の呟くと同時に背後から気配を感じた。後ろに振り返ると


「ぜぇ・・・ぜぇ・・・ぜぇ・・・」


無傷・・・・・とは言えないけどそれでも五体満足で肩で息をするフリードの姿が視界に

入った


「あ、危なかったです!危なかったですよ!俺さま達の根城ごとお掃除させられるところでした!ふざけんじゃねぇぞ!?クソ魔術師が!」


「全くだ。まさか俺達までも巻き添えを食らわすとは・・・・・面白い」


突然、第三者の声が聞こえた。発信源である声の主に顔を向けたらそいつは上空に佇んで

いた。漆黒の翼を5対10枚が生えている男・・・・・堕天使か


一誠 「お前が―――コカビエルで間違いではないな?」


俺の問いに男の堕天使が首を頷き「そうだ。俺がコカビエルだ」と肯定した。そして、俺

と和樹が持つ聖剣を見て「ほう」と言葉を漏らすと


「折れる前のエクスカリバーが再び見る事に成るとは―――しかも二本。お前がエクスカ

リバーを創ったと訊いたがそれは本当か?」


コカビエルはエクスカリバーを創った本人である和樹に向けて尋ねた。


和樹 「初めまして、『神の子を見張る者』の幹部、コカビエル。そうだよ、僕の御先祖様

に有名な錬金術師の血が流れているからね」


「報告を聞いたが実際にこの目で見るまでは信じられなかったが・・・・・くくく、

そのエクスカリバーを奪えばミカエルの奴も否応なく現れるだろうな」


うわぁ〜、コイツって危ない思考の持ち主だな


イリナ 「っ!此処私が喰い止めるから皆は逃げて!」


紫藤が突然、そう言いだし始めた。何言っているんだ?


ゼノヴィア 「イリナ、君だけじゃ敵わないのは火を見るより明らかだ。それに彼等と

共闘する方が賢明だ」


木場 「僕も賛成だね。バルパーの姿が見えないのが不自然だけど・・・・・」


和樹 「そう言えばそうだね。何処に居るんだろう?」


「私なら此処に居る」


ガコンッ!と教会があった所から何かが外れた様な音が立った。其処を見ると大地から

バルパーが現れ出てくる。どうやら、避難していた訳じゃなさそうだな・・・・・


「コカビエル、私の実験に堪え切れず死んでしまったぞ」


バルパーの両手には二本の剣が握られていた。あれはエクスカリバーか?


「ふむ・・・・・なら、お前が使えフリード」


「わーお!ありがとうございますですぅ!ボス!俺さま、超感謝感激!」


あいつは嬉々の表情を浮かべながらバルパーの許へ移動して二本の聖剣を手にした


一誠 「ゼノヴィア、残りの二本の聖剣の名前は解るか?」


ゼノヴィア 「ああ、一本は刀身を透明にさせる能力を持つ『透明の聖剣』、もう一本は

       幻影と幻覚の能力を持つ『夢幻の聖剣』だ」


厄介なエクスカリバーだな、・・・・・ん?


一誠 「和樹、それとこのエクスカリバーにも同じ能力があるのか?」


和樹 「えっ?・・・・・ん〜、どうだろう、わからないや」


創った本人さえも知らない様なので試しに能力があるかどうか使役してみたら


一誠 「おー、使えるぞ。これ」


刀身が槍状に姿を変えた。和樹の方も刀身が透明になっていた


「わーお!流石は真のエクスカリバーちゃん!」


同じ能力が使える事が解ってフリードは感服した。和樹、神魔導師の名は伊達では無いな


「くくく、そのエクスカリバーを見ると過去の事を思い出す。過去の魔王たちと神と戦

った頃をな」


あー、こいつもルシファー達の事が死んだと思っているんだ。実は生きているんだけどな


「早く戦争をする為にはまず、その聖剣を頂くとしよう」


コカビエルの姿が一瞬で俺の視界から消えた。気配を感じ探すと・・・・・っ!まずい!


一誠 「紫藤!後ろだ!」


イリナ 「えっ?」


「遅い!」


黒い翼が鋭い刃物と化し、紫藤の身体を容赦なく斬り刻んだ。地面に叩きつけられ、紫藤

の体は鮮血を噴き出していた。手元から離れた聖剣をコカビエルが手に取った。くそ!


一誠 「紫藤から離れろ!コカビエル!」


背中に黒い炎の翼を生やし膨大な質量の火柱をコカビエルに放つが易々と火柱から避けられる


「ほう!その力はフェニックスの力だな!?色が違うがフェニックスの力を感じるぞ!」


面白いものが見つかった!と、そんな表情をするアイツを余所に瞬時で紫藤の所に近寄る

―――まだ、生きて居るな


一誠 「お前等!一旦、退却するぞ!」


傷ついた紫藤を抱きあげ『神愛御珠』の力を発動し傷を癒しながら和樹達に促す


ゼノヴィア 「不本意だが仕方あるまい!」


和樹 「解った!」


木場 「・・・・・くっ!」


三人は俺の言う通りに動いて此処から逃げて言った事を確認して俺はコカビエルに問う


一誠 「コカビエル、俺と戦いたいなら駒王学園に来い。其処で戦いの続きをしよう」


「くくく、凄まじい殺意を放ってくれる!興味が湧いた。お前は誰だ?」


一誠 「兵藤一誠、あいつ等にはまだ言っていなけど幽幻龍騎士団と言う眷属の『王』だ」


自己紹介をしてこの場から消えた。だが、俺は気付かなかった。コカビエルは目を見開き

そして―――口の端を吊りあげ歓喜の笑みを浮かべた事を

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