小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

兵藤達が居なくなったその日の夜、俺と部長とアーシアは一緒に寝ていたのだが、かつて無いプレッシャーを

感じて、目を覚ました。部長がベッドから飛び起きて窓の前に立った。アーシアも何かを感じて身を起こして

いる。窓から見下ろすと俺の家の前に俺達を見上げる人影が―――。


成神 「・・・・・クソ神父ッ!」


折れた手へ挑戦的で下品な笑みを向けて居るのは白髪の少年神父フリードだった。野郎!あの後、何が

あった?木場は?クソ!気に成る!フリードがこちらを手招きする


リアス 「・・・・・堕天使か」


部長は忌々しそうに呟くと指をパッチンをして、即座に学生服へ着替え、部屋の扉を開け放ったのだ。



「やぁやぁ、イッセーくん、アーシアたん。ご機嫌麗しいねぇ。元気してた?あらら、若しかしてセ〇クスし

てた?それはゴメンね。空気が読めないのがウリなの、僕ちん」


家の外に出ると、相変わらずふざけた口調でクソ神父が話しかけてくる


成神 「何か用か?」


俺が問うが野郎は嘲笑しながら肩をすくめるだけだ。こいつがさっきのプレッシャーを?いや、不気味さをこ

いつから感じるけど、それだけだ。あの重圧は上級悪魔の比じゃ―――。部長が何かに気づき、空を見上げ

た。月をバックに空で浮かんでいた者―――。漆黒の翼を生やした・・・・・男の堕天使!いち、に、さ

ん・・・・・黒い翼が十枚!?

装飾の凝った黒いローブに身を包む若い男の堕天使。部長を捉えると、苦笑する。


「初めましてかな、グレモリー家の娘。紅髪が麗しいものだ。忌々しい兄君を思い出して反吐が出そうだよ」


うおおおっ、いきなりの挑戦的な物言い!憎悪を感じるぐらいだ。部長も冷淡な表情を浮かべていた。こ、怖い・・・・・。


リアス 「ごきげんよう、墜ちた天使の幹部―――コカビエル。それと私の名前はリアス・グレモリーよ。

     お見知りおきを。もう一つ付け加えさせて貰うなら、グレモリー家と我らが魔王は最も近く、最も

     遠い存在。この場で政治的なやり取りに私との接触を求めるなら無駄だわ」


―――コカビエル!?コカビエルって!堕天使の幹部って!マ、マジですか!?聖書とか、有名な書物に記さ

れている本物さんでしょ!?超大物じゃん!やべぇよ!やば過ぎる!絶対にヤバい!


「魔王との交渉なんてバカげたことはしない。まあ、妹を犯してから殺せば、サーゼクスの激情が俺に向けら

れるのかもしれないな。それも悪くない」


部長は侮蔑したような目でコカビエルを睨む


リアス 「・・・・・それで、私との接触は何が目的かしら?」


部長の問いにコカビエルは嬉々として告げる


「お前の根城である駒王学園を中心にしてこの町で暴れさせてもらうぞ。そうすればサーゼクスも出てくる

だろう?」


な・・・・・なんだとッ!?


リアス 「そんなことすれば、堕天使と神、悪魔との戦争が再び勃発するわよ?」


「ふははは!それは願ったり叶ったりだ。エクスカリバーを盗めばミカエルが戦争を仕掛けてくれると思った

のだが・・・・・寄越したのが雑魚のエクソシストどもと聖剣が二名だ。つまらん。あまりにつまらん!

―――いや、俺を楽しませてくれそうな二人の人間が居たな。そいつらは真のエクスカリバーを持っていた

からな」


部長と俺はコカビエルの言葉に目を見開いた!真のエクスカリバー!?ど、どう言う事だ?確かイリナが大昔

の戦争で折れて今は七つの聖剣エクスカリバーに姿を変えているって聞いたけど・・・・・いや、二人の人間

って若しかして兵藤と式森の事か!?


成神 「おい!二人の人間の中に兵藤って奴が居なかったか!?」


「ん?ああ、居たとも。そいつらが真のエクスカリバーを持っていた。俺はお前の根城で聖剣を巡る戦いをさ

せてもらうぞ、何せ、あの兵藤の子供の上に真のエクスカリバーを持っている。戦争前には最高の余興だ!」


なっ!あいつが!?・・・・・そう言えばフリード達が兵藤と式森にエクスカリバーを貰うとか頂くとか言っ

ていたな。てか!何でわざわざ駒王学園で戦う事にしているんだよ!


リアス 「・・・・・戦争狂め」


部長が忌々しそうに呟くが、コカビエルは狂喜の笑いを上げるだけだ。


「そうだ。そうだとも!俺は三つどもえ戦争が終わってから退屈で退屈で仕方がなかった!アザゼルもシェム

ハザも次の戦争に消極的でな。それどころか、神器なんてつまらんものを集め出して訳のわからない研究に没

頭し始めた。そんなクソの役にも立たないものが俺達の決定的な武器に成るとは限らん!・・・・・まあ、そ

このガキが持つ『赤龍帝の籠手』クラスのものならば話は別だが・・・・・そうそう見つかる訳でもない

だろう」


コカビエルの視線が俺に及ぶ・・・・・見られているだけなのにすんげぇプレッシャーだ。本能がコイツは

やばいって警告してくる!それでも俺は強気の姿勢だけは崩さずに問う


成神 「・・・・・お前等は俺の神器もご所望なのかよ?」


「少なくとも俺は興味ない。―――だが、アザゼルは欲しがるかもしれんな。あいつのコレクター趣味は異常

だ。どちらにしろ、俺はお前の根城で聖剣を巡る戦いをするぞ、リアス・グレモリー。戦争をする為にな!

サーゼクスの妹とレヴィアタンの妹、それらが通う学びだ。さぞ、魔力の波動が立ち込められていて、混沌が

楽しめるだろう!」


無茶苦茶だ!こいつ、マジで頭がイカレてやがる!


「ひゃははは!最高でしょ?俺のボスって。イカレ具合が素敵に最高でさ。俺もついつい張り切っちゃうの

よぉ。こんなご褒美をまでくれるしね」


フリードが取りだしたのは―――エクスカリバー!しかも両手に一本ずつ!腰にも二本帯剣してやがる!


「右のが『天閃の聖剣』、左のが『夢幻の聖剣』、腰のは『透明の聖剣』でござい。ついでに俺さま達の根城

にきた娘さんから『擬態の聖剣』もゲットしちゃいました!もう一人の女の子が持っている『破壊の聖剣』と

あの二人が持っている真のエクスカリバーもゲットしたいところですなぁ。ひゃはっ!俺って世界初のエクス

カリバー大量保持者じゃね?しかも聖剣を扱えるご都合な因子をバルパーのじいさんからもらっているから、

全部使えるハイパー状態なんだぜ?無敵素敵!俺って最強じゃん!ひゃははははははははっ!」


フリードは心底おかしそうに哄笑を上げる


「バルパーの聖剣研究、此処までくれば本物か。俺の作戦について来た時は正直怪しい処だったがな」


コカビエルとバルパーは手を組んでいるって事か。


リアス 「エクスカリバーをどうする気なの!?」


部長が問う。コカビエルは十枚の黒い翼を羽ばたかせ、学園の方に身体を向けた。


「ハハハ!戦争をしよう、魔王サーゼクス・ルシファーの妹リアス・グレモリーよ!」


「はい、さらば!」


カッ!


フリードの野郎は懐から目くらまし様のアイテムを発光させる!くそっ!またこれか!暫く視力を奪われた

俺達だが、回復した頃にはコカビエルとフリードも姿を消していた!


リアス 「イッセー、学園へ向かうわよ!」


成神 「はい!」


堕天使の幹部が相手という大決戦が始まろうとしていた!


-34-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




ハイスクールD×D 13【BD付限定版】 イッセーSOS (単行本)
新品 \0
中古 \9915
(参考価格:\4725)