小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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「えーっ、明日は、いよいよ授業参観日だ!お前等、親に恥を掻かせぬよう明日はしっかりするんだぞ!」


『はーいっ!』


担任 「今日の授業はこれで終わりだ!日直、号令だ!」


和樹 「起立、礼!」


『さようなら!』


「おう!気を付けて帰るんだぞ〜」


一誠 「授業参観か・・・お前の両親はくるんだろう?」


和樹 「うん、話したら『勿論!絶対に行くから!』って張り切っていたよ」


一誠 「そうか」


あの親達なら絶対に来るだろう


和樹 「一誠、帰ろう?」


一誠 「ああ」


和樹に促され教室から出て階段を下り下駄箱で上履きと靴を履き替え校庭へ出て校舎を出ようとした校門のと

ころで成神が謎の銀髪の男と何やら話している


一誠 「何しているんだ?」


和樹 「さぁ?」


暫く様子を見ていたら木場と青髪に緑のメッシュをした女生徒―――ゼノヴィアが急に現れ謎の男の首元に聖

魔剣と聖剣と思われる刃を突き付けた。何で此処に居るんだ?


和樹 「あっ、ゼノヴィアだ。何で此処に居るんだろうね?」


一誠 「俺も思ったところだ。教会・・・・・天界に帰ったんじゃないのか?紫藤はどうしたんだ?」



――――――――――――――――――――――



成神side



あー、刺激的な一日だった・・・・・。プールから出て俺は校庭の方へ歩いていた。女の子と縁が無かった

日々に比べると天国だぜ、まったく。しかし、この疲労は何だろうか?あれほど渇望した女の子の裸体!しか

も美少女さまの裸!もしかして俺はハーレムの夢を叶ったんじゃ・・・・・?いやいや、そんな訳無いか。う

ーん、ハーレムへの道は厳しいな!でも俺は諦めないぞ!校舎を出ようとした俺の視界に銀が映り込む。校門のところだ。


「・・・・・ん?やぁ、良い学校だね」


成神 「えっと・・・・・まあね」


急に話しかけられ俺は焦りながら答えた。誰だ?かなりの美少年だ。グレイフィアさんの銀髪よりも濃い銀

髪、と言うよりダークなカラーが強い。それに引き込まれるぐらいの透き通った蒼い瞳だ。ただ校舎を見上げ

るだけでの行為が幻想的に見えたんだ。俺がそう思っていたら俺の予想にもできなかった一言を漏らす。


「俺はヴァーリ。白龍皇―――『白い龍』だ。此処で会うのは二度目か、『赤い龍』―――赤龍帝。

成神一成」


ッ!こいつが、『白龍皇の鎧』の正体だったのか!?う、嘘・・・・・じゃないのか。左手が燃えるような感

じだ。俺の左手に宿るドライグが反応していると理解できるさ。おいおい、ドライグ。コイツはマジものか

よ!?待ってくれよ、心の準備なんてしている訳無いだろう。此処で戦ったら、部長達にも被害が出るかもし

れない。プレッシャーは感じない。だけど、この死を予感させられる感覚は何だろう?やれば絶対に唯では済

まないと頭だけでなく、身体も反応している。歴代の先輩方が感じてきたものをドライグと神器から通じて来

ているのか?これが『宿敵』と言う奴なのかよ!身構える俺へ『白い龍』は不敵の笑みを見せて


ヴァーリ 「そうだな・・・例えば、俺が此処で成神一成に魔術的なものをかけたり―――」


あいつの手が俺の鼻先に迫った時―――。


ザッ!


二本の剣が白龍皇の首元に刃を突き付けていた。瞬時に現れたのは木場とゼノヴィアだった。聖魔剣と前に見

せてくれた聖剣デュランダルを白龍皇に向けている気配なんて一切感じられなかった。『騎士』の神速で俺の

ピンチに駆けつけてくれた?聖魔剣、聖剣、ともに強烈なオーラを発し続けていた。ふ、二人とも目つきが鋭

くて、怖いぞ


木場 「何をするつもりかわからないけど、冗談が過ぎるんじゃないかな?」


ゼノヴィア 「此処で赤龍帝との決戦を始めさせる訳にはいかないな、白龍皇」


ドスの効いた声音を発した木場とゼノヴィアの二人。だがしかし、そいつは少しも動じずに―――


ヴァーリ 「止めておいた方が良い。―――手が震えているじゃないか」


白龍皇の言う様に、木場とゼノヴィアの手元は震えていた。絶大の聖魔剣と聖剣を握りしめていながら、二人

は表情を強張らせている。


ヴァーリ 「誇って良い。相手との実力差が解るのは、強い証拠だ。―――俺とキミたちとの間には決定的な

程の差がある。コカビエルごときに勝てなかったキミたちでは、俺には勝てないよ」


「じゃあ、そのコカビエルごときに勝った俺達なら」

「キミに勝てるっていう事だね?」


俺と木場、ゼノヴィアに白龍皇の他に声が聞こえた。俺達の背後からだ。俺達は背後に振り向くと


和樹 「やあ、白龍皇、此処で有ったのは二度目だね」


一誠 「あの時の白い全身鎧の正体がお前か」


堕天使の幹部コカビエルを倒した兵藤と式森が白龍皇に話かけながら近づいていた



――――――――――――――――――――――



一誠side



ヴァーリ 「あの時の魔術師と一緒に居た者か」


一誠 「一応、名乗らせてもらう。俺は兵藤一誠、こっちは式森和樹」


和樹 「よろしく。白龍皇って呼ぶのも変だからヴァーリって呼ばせて貰うよ?」


名乗りながら何となく握手を要求したら握手をしてくれた。何気に人との付き合いは良いんだな


一誠 「それと成神、後ろから様子を見ていたけど戦おうとしたか?もしそうなら止めておけ、お前は一瞬で

殺されるぞ。それ以前に人間の俺に負けた赤龍帝の力なんて高が知れている。まあ、未完成の

禁手状態だったみたい様だけど」


成神 「ぐっ・・・・・」


ヴァーリ 「そうなのか?」


和樹 「うん、本当だよ」


俺の言葉に言い返せない成神の様子を見て白龍皇―――ヴァーリは真意を問うと和樹が代わりに肯定してくれた


和樹 「ところでキミは何しに来たの?成神との宿命の対決を望みに会いに来たの?」


ヴァーリ 「いや、別に戦いに来た訳ではない。ちょっと先日訪れた学舎を見てみたかっただけだ。アザゼル

      の付き添いで来日していてね、ただの付き添いはつまらなくて此処に来たのは退屈しのぎに過ぎ

      ない」


―――アザゼル。「神の子を見張る者」の幹部を纏める堕天使の総督か


和樹 「何をしに来日してきたの?」


ヴァーリ 「知らないのか?」


コイツの言葉に俺と和樹は少し訝しげる


ヴァーリ 「お前達はグレモリー眷属ではないのか?」


『違う』


手を前に出して左右に振りながら否定する俺と和樹


ヴァーリ 「そうか、知らないなら教えても損はないだろう。簡単に言うと先日、コカビエルが事件を起こし

      ただろう?更に教会側の者とグレモリー眷属の者達も関わってしまい悪魔、天使、堕天使の三

     すくみのトップが会議をする事になった。何やらアザゼルが話したい事があるみたいでね、俺も会

     議に参加する事になった。グレモリー眷属もきっと、先日の事件に関わっているからその報告をす

     る為に会議に参加するだろう」


一誠 「成程な。でも、俺達に関係なんて・・・・・あるな」


和樹 「はあ・・・・・僕達も参加しないとダメなのかな?正直、面倒くさいんだよね」


参加する事になったらサボタージュでもしようかな。会議を開く程、重要でもなさそうな気もするんだけ

ど・・・・・?


ヴァーリ 「成神一成、兵藤一誠。キミ達はこの世界で何番目に強いと思う?」


一誠 「この世界で何番目に強いかって?」


いきなり自分達は何番目に強いかと問われて俺は怪訝な顔をしてヴァーリから目を離して成神を横目で見ると

困惑している様子が視界に入った。自分の強さがわからないんだろうな。実際、俺も世界にどれだけ通用する

強さなのかわからない。唯、解るとすれば――――不動の存在がいるって事だな


ヴァーリ 「成神一成、キミの場合は未完成のバランスブレイカ―状態としたキミは上から数えて4桁―――

     千から千五百の間ぐらいだ。いや、宿主のスペック的にもっと下かな?」


成神はヴァーリの真意が解らない様で怪訝な顔になったまま、黙って話を聞く


ヴァーリ 「この世界は広い、そして強者も多い。『紅髪の魔王』と呼ばれるサーゼクス・ルシファーで

      さえ、トップ10内に入らない程だ」


へえ、そうなのか?どうでもいい話だけど確かに多いだろうな。まだ見ぬ強者達が・・・・・


ヴァーリ 「だが、一位は決まっている。―――不動の存在が」


成神 「お前は自分が一番だとでも言うのかよ?」


ヴァーリ 「いずれわかる。ただ、俺でも」


俺を一瞥して成神に視線を戻した


ヴァーリ 「兵藤一誠でもない。―――成神一成は貴重な存在だ。十分に育てた方が良い、

     リアス・グレモリー」


と、思っていたら成神の後方に向けた。あー、何か・・・・・気の感じが荒々しいな。どうやら機嫌が悪いよ

うだ。それと、姫島先輩にアルジェント、小猫もいるようだ。気の気配を感じて俺は背後に顔を向けず

ヴァーリを見続ける


リアス 「白龍皇、何のつもりかしら?あなたが堕天使と繋がりを持っているのなら、必要以上の

    接触は―――」


ヴァーリ 「―――『二天龍』と称されたドラゴン。『赤い龍』と『白い龍』。過去関わった者は碌な生き方

     をしていない。―――貴女はどうなるんだろうな?」


リアス 「―――っ」


碌な生き方・・・・・か、俺はどうなるんだろうな?お父さん達の名は世界を轟かせるほどの有名の様でその

名を受け継いでいる俺はどんな人生を送るんだろう


ヴァーリ 「今日は別に戦いに来た訳じゃない。ちょっと先日訪れた学び舎を見てみたかっただけだ。

      アザゼルの付き添いで来日していてね、唯の退屈しのぎだよ。―――ここで『赤い龍』とは戦わ

      ない。それに―――俺もやる事が多いからさ」


それだけ言い残すと踵を返して、この場を後にしようとするヴァーリを呼び止めながら近寄る俺に不思議そう

な顔を見せた


ヴァーリ 「どうした?兵藤一誠」


一誠 「ん、俺の携帯番号だ。知っておいて損は無い」


徐に番号が記されたメモ用紙を渡すと俺とメモ用紙を一度、交互に見て頷いた


ヴァーリ 「・・・・・そうか、なら用が有る時に連絡しよう」


そう言って番号を記した紙を懐に仕舞いそのままこの場を去った。

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