小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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三大勢力のトップ会談(1)





今夜、サーゼクスが言っていた三大勢力のトップ達が会議を行う日だ。俺達も誘われた為向かう準備をする、


レヴィアタン 「一誠くん」


呼ばれて後ろに振り向くと、ルシファーとアスモデウスとベルゼブブそして、レヴィアタンの顔に真剣な表情

を俺に見せる


一誠 「どうした?そんな顔して」


ベルゼブブ 「お願いが有る。聞いてくれないか?」


一誠 「・・・・・解った。みんなの願いって何?出来る限りやるけど」


アスモデウス 「実は―――」


彼女達からのお願いを聞いて俺と和樹は驚いた。


一誠 「本当なのか?ルシファー達に・・・・・居るなんて、その上―――」


ルシファー 「私はいないわよ。でも、レヴィアタン達はその事実を知って悲しんだの。どうにかしたいって」


アスモデウス 「今回の会談に必ず現れると思うの。もし、私達の内の誰かがいたら

        ―――お願いできるかしら?」


縋る様に懇願してくる彼女達の願いを俺は当然


一誠 「解った。みんなの願いを叶えてみせる」


強い意志を胸に抱えみんなの願いを叶える事に決めた。その後、人間界に行って駒王学園に向かった。

だけど、俺達の目に飛び込んできたのは


和樹 「うわぁ・・・・・一体何?この結界は?しかも悪魔、天使、堕天使の軍隊までいるよ」


一誠 「アスモデウスの情報はやっぱり凄い、尊敬するよ。だけど、此処に重要人物が居るって敵に知らして

    いる様なもんだぞ」


学園全体に強力な結界で囲まれていて、外にいる俺達のところには和樹が言った通り悪魔、天使、堕天使の軍

隊が結界で囲んでいる学園の周りを囲んでいた


和樹 「って、のんびりしている場合じゃないね。どうする?」


一誠 「どうするってそりゃあ・・・・・正面突破だろう」


俺達は堂々と結界に囲まれている学園の校門のところへ向かうが


「止まれ!お前達は何者だ!」


「唯の人間じゃないな!?」


「まさか、テロリストか!」


悪魔、天使、堕天使の皆さんに足止めされました。・・・・・面倒くせぇ!


和樹 「えっと、僕達も会議に参加するようにサーゼクス様に誘われたものですが・・・・・」


困った風に和樹は説明するがこいつらは知らない様で


「貴様等の様な貧弱の人間の二人が重要な会談に誘われる筈は無かろう!」


「その通り!我々にはそんな報告は届いていない!」


「此処から立ち去れ!さもなくば貴様等をテロリストとみなし排除する!」


一触即発の空気が漂い始めた。念には念を最終確認の為に俺は言ってみる


一誠 「俺の名前は兵藤一誠、古のレーティングゲームで覇者として君臨し続けた兵藤誠と兵藤一香の子供

    だ。『兵藤』の名前を聞き覚えのある悪魔の奴はいないか?」


この名前を知っている奴がいるならそいつと話し合う事が―――


『兵藤?誰だ?』


一誠 「・・・・・本当に知らないのか?」


『知らん!』


和樹 「えっ!本当に知らないの!?」


『くどいっ!知らんと言ったら知らん!』


異口同音で知らないと言われた。アルマスさん達の頃の時代に生きていた悪魔はいないのか!?和樹は目を見

開いて驚いているけど俺も驚きだ!


「ええい、面倒だ!こいつ等を排除する!」


「こいつらはきっとテロリストに違いない!」


「みなもの!テロリストが現れた!であえ!であえぇぇぇ!」


『御用だ!御用だ!御用だ!御用だ!御用だ!』


一誠 「おい!そこの奴等!言い方が古いぞ!?その手のマニアか!」


和樹 「そんな事を突っ込んでいる場合じゃないよ!どうすんの!?僕達、勘違いされているよ!」


あああッ!もう、面倒くさいな!どうしてこんな目に遭わないといけないんだよ!?


一誠 「やっぱり、悪魔と堕天使は嫌いだぁぁぁぁぁっ!!!序でに天使もだ!」


目の前の軍隊と戦う羽目になってしまい俺と和樹はエクスカリバーを手にして突貫した


一誠 「できるだけ戦闘不能の状態だ!」


和樹 「解ったよ!」


そして数分後


『すいませんでしたぁぁぁぁぁっ!!!』


俺達の眼前で土下座するボロボロの悪魔、天使、堕天使の軍隊達がいた。かなり痛みつけてやりながらエクス

カリバーを悪魔にエクスカリバーオルタを天使に向けたら面白い程に俺達から逃げて逃げまくった。堕天使の

場合は普通に焼き払った。


和樹 「本当にそう思っている?」


『心の底から思っています!』


一誠 「俺達に申し訳ないと思っているか?」


『はい!とある海より深く反省して、とある山より高く思っています!』


頭を下げながら俺達の言葉を返す軍隊の面々


一誠 「なら、この会談が終わるまでそのままずっと正座していろ」


『えっ、そ、それは・・・・・』


一誠 「よし、和樹。二本のエクスカリバーでこいつ等を―――『解りました!貴方様の言う通りに会談が終わるまで正座し続けます!』それでいい」


和樹 「それじゃあ、行こう?もう始まっちゃっていると思うし」


学園に張ってある一部の結界に俺達が潜れるぐらいの大きさを開けていた和樹が促す


一誠 「・・・・・緊急時以外に動くなよ」


『はい!』


釘を差して和樹が開けてくれた結界の中に入って行った


「こ、怖かった」


「本気で死ぬかと思ったぞ・・・・・」


「てか、足が痺れてきたんだけど・・・・・」


「耐えろ、俺だってそうなんだ・・・・・」


「此処で崩したらもっと怖い事をさせられると思う・・・・・」


「ううう・・・・・」


正座をして足の痺れに耐える悪魔、天使、堕天使。その後、学園来た軍隊達の間では二人の事を二恐神と呼ば

れることになっていた。


―――――――――――――――――――――――――


学園の新校舎に向かいそこに設けられている職員会議室の前に辿り着いた


コンコン


和樹 「失礼します」


と断わってから扉を開くとそこには。


豪華なテーブルに囲む様に悪魔側はサーゼクスとセラフォルー、グレイフィア。堕天使側には6対12枚の常闇の

翼を展開している堕天使と白龍皇ヴァーリ。天使側では堕天使と同じ数に金色の翼を展開している男と天使の

女が座っている。壁側に座っているグレモリー眷属とシトリー先輩もいた。先に声を掛けてきたのはヴァーリ

だった


ヴァーリ 「数日振りだな。だが、来るのが遅かったが何をしていた?」


一誠 「学園を囲んでいる結界の外にいる軍隊の奴らに攻撃されていたんだよ」


和樹 「僕達はテロリストと勘違いされて危うく殺されかけました。どうしたら僕達をテロリストと勘違いさ

    れるんですか?貴方達の軍隊は馬鹿の集まりなんですか?魔王として堕天使の総督として大天使とし

    てどう責任を取ってくれるんです」


俺と和樹が非難じみた言葉で此処にいるトップ達に言う


サーゼクス 「外にいる者達はどうしたのだ・・・・・?」


和樹 「僕達の謝罪より自分達の部下の心配ですか・・・・・。無意味な血は流していません。外にいる軍隊

    全員を返り討ちにして正座をしてもらっています。今でもしていると思いますよ?」


「あの数の軍隊を返り討ちにするとは・・・・・コカビエルの言った通りの強さの様だな」


ヴァーリの横にいる堕天使の男がそう呟いた。コイツがアザゼルで間違いない様だな


一誠 「コカビエルはどうなったんだ?堕天使の総督アザゼル」


アザゼル 「俺の組織の軍事法会議でコカビエルの処刑は執行された。『地獄の最下層』で永久冷凍の刑だ」


和樹 「そっか、それじゃあ二度と出てこられないね」


アザゼル 「そう言う事だ。それと兵藤一誠、お前に伝言がある。コカビエルからだ」


コカビエルから俺に伝言?何だ?戸惑う俺にアザゼルは気にしないでそのまま俺に言った


アザゼル 「『兵藤一誠、最高に楽しかった。俺を楽しませてくれた礼にお前とあいつら五人の事を黙ってお

     いてやる』だそうだ。五人って一体誰の事だ?それに、あんな子供の様に笑顔をするコカビエルを

     見たのが久し振りだったぞ」


ヴァーリ 「俺も気に成ってはいた。あの時、一瞥したが五人のうち四人は魔王クラスかそれ以上の魔力の保

      持者だった。もう一人は天使だったな」


一誠 「黙秘権を使わせてもらう」


二人の問いに俺は黙る事にした。まだ、彼女達の存在を明かす訳にはいかないからな


和樹 「それで、話はどこまで?さっきも言った通り僕達は『貴方達の軍隊にテロリストと勘違いされ殺され

    かけて遅れた』ので話が解りませんから」


一誠 「それに謝罪もしないなんてトップがする事か?俺は今回の事で悪魔と天使、堕天使を嫌いになったぞ。理不尽に殺されかけたんだからな」


アザゼル 「・・・・・悪かったな」


サーゼクス 「・・・・・すまない」


レヴィアタン 「・・・・・ごめんなさい」


「・・・・・すみませんでした」


俺達に頭を下げるトップ達に俺は溜息を吐く


一誠 「で、話は?」


サーゼクス 「私がアザゼルに神器の事について話していたところだ。アザゼル。改めて訊くが、どうして

       ここ数十年・・・・・今でもそうだが神器の所有者や神器をかき集めている?最初は人間達や

       神器を集めて戦力増強を図っているのかと思っていた。天界か我々に戦争をけしかけるのでは

       ないかとも予想していたのだが・・・・・」


「そう、何時まで経っても貴方は戦争しかけてはこなかった。『白い龍』を手に入れたと聞いた時には、強い

警戒心を抱いた物です」


二人の意見を聞いて、アザゼルは苦笑する


アザゼル 「神器の研究の為さ、なんなら、一部研究資料もお前達に送ろうか?って研究していたとしても、

      それで戦争何ざしかけねぇよ。俺は今の世界に十分満足している。部下に『人間界の政治まで手

     を出すな』と強く言い渡しているぐらいだぜ?宗教にも介入するつもりはねぇし、悪魔の業界にも

     影響を及ぼせるつもりもねぇ。―――ったく、俺の信用は三竦みの中でも最低なのかよ」


サーゼクス 「それはそうだ」


「そうですね」


レヴィアタン 「その通りね☆」


一誠 「俺もない」


俺達の意見が一致した事にアザゼルは面白くなさそうに耳をかっぽじった


アザゼル 「チッ!神や先代ルシファーよりもましかと思ったが、お前等もお前等で面倒くさい奴らだ。こそ

     こそ研究するのもこれ以上性に合わねぇか、あー、分かったよ。−−−なら、和平を結ぼうぜ元々

     その心算もあったんだろう?天使も悪魔もよ?」


へぇ、これで三勢力は和平を結んだのか?グレモリー先輩達の方を見ると・・・・・驚愕の色を染めていた。

アザゼルの平和発現がそんなに驚くものだったのか?


「ええ。私も悪魔側と『神の子を見張る者』に和平を持ちかける予定でした。このままこれ以上、三すくみの

関係を続けていても、今の世界の害となる。天使の長である私が言うのもなんですが、戦争の大本である神と

魔王は消失したのですから」


天使の言葉にアザゼルが噴き出して笑う。どこか笑う要素でもあったか?


アザゼル 「ハッ!あの型物のミカエル様が言う様になったじゃねぇか。あれほどメイビス様、メイビス様、

      メイビス様って言っていたのにな?」


「・・・・・失った者は大きい。ですが、居ない者を何時までも求めても仕方が有りません。我等は人間達を

多く導くのが使命です。神の子らをこれからも見守り、先導していくのが一番大事な事だと私達セラフのメン

バーの意見も一致しています。」


天使の男・・・・・ミカエルの言葉を聞いたアザゼルは愉快そうに言う


アザゼル 「おいおい、ミカエル。お前、今の発言は『堕ちる』ぜ?−−−と思ったが、『神のシステム』は

     お前が受け継いだんだったな。お前達が受け継いだ事で今は良い世界になったもんだ。俺も含め

    『神の子を見張る者』の中枢の奴等が、『堕ちた』頃とはまるで違う」


その言葉にサーゼクスとセラフォルーも同意見を口にする


サーゼクス 「我等も同じだ。魔王がなくとも種の存続する為、悪魔も前先に進まねばならない。戦争は我等

       も望むべきではない」


セラフォルー 「うん、そうだね。でもそれだけじゃないよ?次の戦争をすれば私達は―――」


アザゼル 「そう。次の戦争をすれば俺達、悪魔・天使・堕天使は今度こそ共倒れだ。そして、人間界にも

     影響を大きく及ぼし、世界は終わる。俺達はもう戦争をもう起こせない」


さっきまでふざけた調子だったアザゼルが一転して真剣な面持ちと成った


アザゼル 「神がいない世界は間違いだと思うか?神がいない世界は衰退すると思うか?残念ながらそうじゃ

      ない、そうじゃなかったんだ。」


堕天使の総督は腕を広げながら、言った。


アザゼル 「俺もお前達も今こうやって元気に生きている。―――神がいなくても世界は回る、きっとこれか

      ら先でもな」


一誠 「・・・・・っ」


和樹 「・・・・・」


メイビスはもう神じゃない。今は天使であり一人の女性だ。だけど、神ではなくなってもメイビスは今でも祈

りを捧げている。それなのにそんな事言われたらメイビスがこれまで祈りを捧げてきた意味が無くなるじゃな

いかッ!!!


サーゼクス 「−−−と、こんな所だろうか?」


俺が怒りを堪えている間に話が進んでいた様だ。この会談来なければ―――ん?何だ?かなりの数の気配を感

じる。和樹も気が付いた様だ


一誠 (お前も気付いたか?)


和樹 (うん。で、どうする?)


一誠 (・・・・・此処から出よう。早期解決、先手必勝だ)


和樹 (分かった。それにしてもアスモデウスの情報は凄いね。ドンピシャだよ)


一誠 (そうだな。彼女達の願いを叶えれそうだ)


俺と和樹は踵を返して職員会議室を後にしようとしたが後ろから呼び止められた


サーゼクス 「何処に行くんだい?」


和樹 「ちょっと用事が出来たのでこれで失礼させてもらおうかと」


ミカエル 「待ってください。貴方達が所有しているエクスカリバーを見せてくれませんか?」


一誠 「エクスカリバーを?・・・・・解った」


和樹に頼むと腰に帯剣しているエクスカリバーを鞘ごと俺に渡して俺も鞘ごとエクスカリバーオルタを鞘ごと

ミカエルに渡す。鞘からエクスカリバーを抜き取り「メイビス様・・・・・」と、ボソリと言葉を零す。次に

エクスカリバーオルタを鞘から抜き取ると


ミカエル 「っ!」


「っ!?」


ドス黒いオーラが光を喰らわんとばかりにミカエルや天使の女にゆっくりと向かって襲いかかった。直ぐに鞘

に納めるとドス黒いオーラが消失した


ミカエル 「ハァ、ハァ、ハァ・・・・・」


「・・・・・っ」


冷や汗を掻いて肩で息をするミカエルと天使の女の瞳に怯えが見えた。オルタのオーラに宛てられたからか?


一誠 「見たんなら返してもらうぞ」


和樹 「行こう?」


ミカエルからエクスカリバーとオルタを返して和樹に渡しオルタを腰に帯剣して職員会議室から出た


アザゼル 「おい、ミカエル。大丈夫か?」


ミカエル 「・・・・・ええ、何とか大丈夫です。少しだけあの黒いオーラに宛てられて体力と魔力を強制的

     に奪われた様な感覚に襲われましたが・・・・・」


サーゼクス 「対天使用に作られた聖剣エクスカリバーオルタ・・・・・悪魔には光を天使には闇

       を・・・・・と、彼等が言っていたな」


顎に手を乗せて一誠達が言っていた事を思い出して言葉に出す


ミカエル 「あれは危険な聖剣です。破壊しなければならない程ですよ。少しでもあのオーラに触れたら私の

      ように魔力と体力を奪われます」


アザゼル 「へぇ、光を喰らう聖剣か・・・・・面白いな。今度、研究させて貰うとしようか。ククク、天使

      側にも唯一の弱点が生まれたな?」


ミカエル 「彼等は一体何者ですか?そもそも、エクスカリバーを作ること自体有り得ない事ですよ」


サーゼクス 「妹の報告を聞いただろう?古のレーティングゲームで覇者として君臨し続けた人間の兵藤誠と

      兵藤一香の間に生まれた子供、兵藤一誠。魔術の家系で生まれた世界一の魔術師と同時に魔王と

      神の領域にまで達した神魔導師、式森和樹、式森くんには有名な魔術師や錬金術師、他にも有名

      な人物達の血が流れているからエクスカリバーを創れるのだよ」


「確かに報告は聞きました」と真剣な表情でミカエルは答えた


ミカエル 「彼等が味方で良かったですが、敵になったら私達は―――滅ぼされますよ」


サーゼクス 「心配無いだろう。何より敵に回す様な事をしなければいいさ」


アザゼル 「当然、俺達も含めてだ。・・・・・あんな小さかった赤ん坊が大きく成長しやがって」


セラフォルー 「何か言った?」


アザゼル 「っ別に、何も言っちゃいねぇよ」


セラフォルー 「ふうん・・・・・?」


ジィと疑惑の籠った瞳でアザゼルを見るセラフォルーに眼を背けたアザゼルで有った


――――――――――――――――――――――――――――――――――――


新校舎の職員会議室から十数分、力・・・・・人の気配が集まっている場所に向かっている。場所は―――旧

校舎だった。二階に上がる階段を上っている最中に和樹が口を開いた


和樹 「こんなに早く来るなんてね『禍の団』」


一誠 「だけど、何で旧校舎の方に居るんだ?何か重要な事を仕出かすつもりなのか・・・・?」


和樹 「ん〜、旧校舎―――オカルト研究部部室のようだね。其処に一体何が」


「あるんだろう?」と言いかけた時だった


『!?』


俺は反射的にエクスカリバーオルタの力を解放し和樹は自分の魔力を解放して見えない何かから防いだ


・・・・・


一誠 「今のは一体・・・・・」


和樹 「解らない。でも、禍の団の仕業に違いないよ」


一誠 「となると、急いだ方が良いな。また妙な事をされたら面倒だ」


首を頷き急ぎオカルト研究部部室に辿り着いて扉の前に腰を低く座り目の前にいる和樹に声を殺して話す


一誠 「行くぞ」


和樹 「了解」


エクスカリバーの能力『透明の聖剣』と『夢幻の聖剣』を発動して俺達自身と聖剣を透明にして俺達の姿をし

た幻影を作りだして扉を勢いよく開け放ち注意を引き付ける


和樹side


室内の中には不気味な黒いローブ着た魔術師の人達で占拠されていた。本当に魔術師まで禍の団にいたなん

て・・・・・


「―――ッ!悪魔!?」


「いや、違う・・・・・人間?」


突然、部室に入った僕達に臨戦態勢の構えを取った魔術師たちが悪魔じゃなく人間の僕達に困惑した。それに

しても室内にいるこの魔術師達は女性だけの様だ


和樹 「テロリストに成り下がって同じ魔術師として悲しく残念に思うよ」


「貴様!私達を愚弄するか!?」


和樹 「弱い犬ほどよく吠えるね?僕達の実力を理解できてない証拠だよ」


「それはお前の事だ!お前から感じる魔力は私達よりか魔術師の子供以下の魔力しか感じないじゃないか!」


そうだね。『その僕』はそれぐらいの魔力しかないからね


和樹 「だったら、早く僕達を倒してみなよ?じゃないと―――手遅れになっちゃうよ」


一誠 「そう言う事だ」


「クソガキが!後悔しろッ!」


女の魔術師達が僕達に魔力の弾を放った。幻影の僕達は避ける事もせず敢えて攻撃を受けて血を噴き出しなが

ら倒れた


「ははははっ!口先だけのようだったわね!」


「私達を愚弄するからこうなるのだ!」


僕達を倒して勝利に浸っている。うん、やっぱり


和樹 「キミ達は弱い」


『っ!?』


彼女達の背後から透明の聖剣の能力を止め捕縛魔法で身動きをできなくした


「なっ!?お、お前は!」


「じゃあ、こっちの奴は―――」


一誠 「幻影だ。見事までに引っ掛かったな?その上、こいつを助け出した事すら気づいていなかったようだし」


「い、何時の間に!?」


一誠の横には金髪の女の子が佇んでいた。この子がさっきの・・・・・?


「くっ、解けない!」


和樹 「無駄だよ。キミ達程度の力じゃあ、その捕縛魔法からは抜け出せない」


「子供以下の魔力しかない筈なのにどうして!?」


和樹 「その問いに答えてあげる。僕の名前は式森和樹、魔術師なら知っている筈だよ?『式森』の名を」


僕は自分の名前を明かすと女魔術師達は眼を見開いて仰天した


『し、式森!?』


「世界一の魔術師と共に幻の魔術師と言われたあの!?」


「表には姿を決して見せない筈の式森の者がどうして此処に!」


和樹 「其処まで言う程、僕はお人好しじゃないんだ。取り敢えず眠って貰うよ」


そう言うと同時に彼女達はゆっくりと目を閉じて眠ってしまった


――――――――――――――――――――――――――――――――


一誠side


金髪の女の子が俺達の前に立って頭を下げた


「あ、あの!助けてくれてありがとうございます!」


和樹 「気にしないで良いよ。処でお前は誰なんだい?」


「ぼ、僕はギャスパー・ヴラディと言います。リアス・グレモリーの下僕の僧侶です・・・・・」


・・・・・はい?グレモリー先輩の眷属だって?


一誠 「マジ・・・・・?知らなかった上にどうして此処にいたんだ?」


ギャスパー 「・・・・・僕、神器を上手く制御できないので、此処に残っていたんです」


和樹 「神器?キミ、神器を所有しているの?グレモリー先輩の眷属だから前は人間だったってことかな?」


ギャスパー 「僕、元は吸血鬼と人間のハーフです」


『吸血鬼!?』


意外な事実に俺達は驚愕の声を上げたら「ヒィィィィ!」と悲鳴を上げて近くの段ボール箱の中に入って隠れ

てしまった。・・・・・って、何で此処に段ボール箱があるんだよ


一誠 「驚いた。まさか、ハーフとは言え吸血鬼を眷属にしていたなんて・・・・・」


和樹 「その上、神器持ちだよ・・・・・ギャスパーちゃん。キミの神器の名前教えてくれるかな?」


ガタガタと段ボールが動いたと思えばズッ、ズボッと二つの穴を開けてそこから紅い眼光がこっちに覗きこん

だ。おい、怖いぞ・・・・・さすが吸血鬼だな


ギャスパー 「て、『停止世界の邪眼』です。時間を停める能力の神器です」


時間を止める・・・・・それは厄介な神器だな


和樹 「そっか、此処に来る前に不可解なものを感じたのはギャスパーちゃんの神器の能力だったのか、危う

    く僕達も停められるところだったよ」


ギャスパー 「す、すみません。僕のせいでご迷惑を掛けてしまいました」


一誠 「対処はできたんだから気にするな」


段ボールの蓋を開けギャスパーの頭を撫でながらそう言う裏腹に強奪を発動して能力を奪った


和樹 「それじゃあ、此処から出よう?グレモリー先輩達も異変に気づいて此処に来る筈だから」


一誠 「和樹。その必要は無くなった様だぞ?」


和樹が此処から出て皆のところに行こうと催促したが部室の中央に魔法陣が現れたと同時に成神とグレモリー

先輩が佇んでいた


『ギャスパーッ!』


ギャスパー 「部長!イッセー先輩!」


三人は駆け寄り抱きあった


一誠 「来るのが遅かったな。グレモリー先輩と成神」


グレモリー 「貴方達がギャスパーを?」


和樹 「この部室に僕と一誠以外に誰が居るんですか?序でにギャスパーちゃんを拘束していた魔術師達も無

    力化しときました」


そう言って徐に手を突き出して捕縛した女魔術師達を何処かへ転送した


一誠 「何処に転送したんだ?和樹」


和樹 「僕達の家の牢屋だよ。同じ魔術師として許せないから再教育するんだ」


リアス 「ちょっと、勝手なことをしないでちょうだい。生きているなら冥界の役所に送らないと

    いけないの」


こいつ成りの考えにグレモリー先輩は反発した。和樹はそんなグレモリー先輩に言い返す


和樹 「他にもテロリストがいるからその人達を捕縛すればいいじゃないですか。それに、ギャスパーちゃん

    を救出したのだから見逃してくださいよ。また、借りを作りたいんですか?」


成神 「・・・・・なあ」


一誠 「何だ?」


グレモリー先輩と和樹が言い合っている最中、成神が俺に問いかけてきた


成神 「ギャスパーの性別って解っているのか?」


一誠 「・・・・・?女の子だろ?それに女子の制服を身に纏っているんだから」


至極当然に言う俺だが首を横に振り否定の素振りをした


成神 「残念、あれは女装野郎です」


女、女装!?俺はギャスパーの容姿を見て眼を見開いて仰天した!


一誠 「ギャスパー!お前、男だったのか!?」


ギャスパー 「ヒィィィ!だ、だ、だ、だって、女の子の服の方が可愛いもん」


開いた口が塞がらなかった。だ、騙された。見た目で判断した訳じゃなかったけど、まさか、男だったのかよ!?


成神 「お前の気持ちは十分に解るぞ。実際、俺もそんな感じだったからな」


うんうんと、首を頷きそう言う。お前もこの容姿を見て驚いたのか・・・・・でも


一誠 「変態なお前と一緒で嫌だな。主に精神的に」


成神 「何だと!?」


俺の言葉に反応して食って掛かった。お、どうやら和樹達は話が終わったようだ


和樹 「ごめん、ごめん、話はついたよ」


リアス 「・・・・・」


晴れ晴れとした顔をする和樹に対して疲れた表情をしているグレモリー先輩。一体どんな話し合いをすればそうなるんだ?


成神 「大丈夫ですか?何か疲れた感じですけど」


リアス 「大丈夫よ。気にしないでちょうだい・・・・・彼に口で勝つのが無理だわ」


和樹 「その上、魔力と実力もね?―――それじゃあ、サーゼクス様のところへ行こうか」


部室の扉を開けながら和樹は俺達に言った。俺は和樹の後に続くとグレモリー先輩達もついてきた。さて、誰

が来るんだろうな・・・・・この騒動を起こす黒幕は


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