小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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三大勢力の会談(2)


俺と和樹、グレモリー先輩、成神とギャスパーはあれから部室から出て、旧校舎の玄関口まで移動する。

・・・・・その間、ギャスパーは成神の背中に引っ付いたままだった。まるで、何かから隠れる様な感じだっ

た。それにしてもギャスパーが男か・・・・・和樹も教えたら仰天した。全く世の中は解らないもんだ。そう

思いながら玄関を出た時だった


ドッガァァァァアアアアンッ!


俺達の目の前に何かが落ちてきた。立ち込める煙が消えた後、そこにいたのは


アザゼル 「・・・・・チッ。この状況下で反旗か、ヴァーリ」


ダメージを負った堕天使の総督アザゼルだった。


ヴァーリ 「そうだよ、アザゼル」


眩い輝きを放ちながら、俺達の前にヴァーリが舞い降りるあれが、『白い龍』アルビオンを宿し神滅具『白龍

皇の光翼』の禁手状態のヴァーリか、これで二度目だな。それに、その傍らには知らない女性がいた


「和平が決まった瞬間、拉致したヴァンパイアの神器を発動させ、テロを開始させる手筈でした。頃合いを見

てから私と共に白龍皇が暴れる。三大勢力のトップの一人でも葬れば良し。会談を壊せればそれでよかったの

です」


はははっ、まさか、ヴァーリまでも禍の団だったとは予想外にも程がある。それにどうやらこの騒動はこの女

性が黒幕の様だ。ん?成神から変な視線を感じる・・・・・おい、今の自分を鏡で見ろ。鼻息も荒くして、い

やらしい目の上にガン見で黒幕の女性を見ているその姿を


「いやらしい視線を感じるわ、−−−その子が赤龍帝なのですか、ヴァーリ?」


ヴァーリ 「ああ、残念ながらそうだよ。本当に残念な宿主だよ。これが俺のライバルだと思うと非常に残念

      に思う」


成神 「残念、残念って何度も言うな!俺だって懸命に日々を生きてんだ!・・・・・って、何でお前とアザ

    ゼルが対峙してるんだ?つーか、その姉ちゃんは誰だよ?」


俺と和樹と黒幕の女性はちんぷんかんぷんな成神を憐れむような目で見る


一誠 「そこの所は察しろよ。本当に残念な奴」


和樹 「本当だよ。残念な人過ぎて可哀想」


「成程ね。本当に残念な子みたいね。ヴァーリ、殺すの?」


成神 「だから残念って言うなぁぁぁ!!!」


ヴァーリ 「どうしようか迷っているのが本音だ。正直、俺は彼にそこまで期待を掛けている訳じゃないん

      だ。」


それについては同感だぞ。ヴァーリ


アザゼル 「・・・・・全く、俺もやきが回ったもんだ。身内がこれとはな・・・・・何時からだ?

      何時から、そういうことになった。ヴァーリ」


マスクを兜にシュバッと収納させてヴァーリは自分の顔を見せる。


ヴァーリ 「コカビエルを本部に連れ帰る途中で魅力的なオファーを受けたんだ。悪いな、アザゼル。此方の

      方が面白そうなんだ」


アザゼル 「ヴァーリ、『白い龍』がオーフィスに降るのか?」


ヴァーリ 「いや、あくまで協力するだけだ。魅力的なオファーをされた。『アースガルズと戦ってみな

      いか?』−−−こんな事を言われたら、自分の力を試したい俺では断れない。アザゼルは、戦争

      が嫌いなんだろう?ヴァルハラ―――アース神族と戦う事を嫌がるだろうしね」


成程。こいつは戦闘狂なのか心の底から戦いたいと伝わってくる・・・・・オーフィスか、無限に等しい力を

持っている龍が禍の団のトップってことだな?


アザゼル 「俺はお前に『強くなれ』といったが、『世界を滅ぼす要因だけは作るな』とも言ったはずだ」


ヴァーリ 「関係無い。俺は永遠に戦えればいいだけだ」


・・・・・訂正。こいつは超が付く程の戦闘狂だ!


アザゼル 「・・・そうかよ。いや、俺は心のどこかでお前が俺の手元から離れていくのを予想していたのか

      もしれないな。―――お前は出会った時から今日まで強者との戦いを求めていたものな」


「今回の下準備と情報提供は彼―――白龍皇ですからね。彼の本質を理解しておきながら、放置しておくな

ど、貴方らしくない事です。結果、自分の首を絞める事となりましたね」


女性はアザゼルに嘲笑した。苦笑するアザゼルを尻目にヴァーリは自身の胸に手を当て、俺と成神に向かって

言う


ヴァーリ 「俺の本名はヴァーリ。−−−ヴァーリ・ルシファーだ」


・・・・・。な、何?・・・・・ルシファーだと!?


ヴァーリ 「いや、正確に言うと俺は、先代魔王ルシファーの弟の孫である父と人間の母との間に生まれた

      『混血児』だ。−−−『白い龍』神器は半分人間だから手に入れたものだ。偶然だけどな。

     でも、ルシファーの真の血縁者でもあり、『白い龍』でもある俺が誕生した。運命、奇跡と言うも

     のがあるなら、俺の事かも知れない。−−−なんてな」


そう言う、ヴァーリの背中から光の翼と共に悪魔の翼が幾重にも生え出した。まさか、ルシファーに弟がいた

なんて。ヴァーリはヴァーリで驚いた。悪魔で本名はルシファーで白龍皇だからな。こいつも―――


リアス 「嘘よ・・・そんな・・・」


アザゼル 「事実だ。もし、冗談のような存在がいるとしたら、こいつの事さ。俺が知っている中でも過去現

      在、恐らく未来永劫においても最強の白龍皇になる」


過去現在最強の白龍皇か・・・・・だとしたら、今現在の赤龍帝の成神では歯が立たないな。弱すぎるから


「さて、覚悟を決めて貰いましょうか、アザゼル」


未だにアザゼルを嘲笑う女性は殺気を更に高めた。それにしても誰だ?この女性は


アザゼル 「・・・チッ、さっき膨れ上がったオーラの量、オーフィスの野郎に何か貰ったのか?」


堕天使の総督の問いかけに女性は笑み、応える。


カテレア 「ええ、彼は無限の力を有するドラゴン。世界変革の為、少々力を借りました。おかけで貴方と戦

      える。サーゼクスとセラフォルーとミカエルを倒すチャンスでもあります。彼らは愚かな総督。

      貴方もです。堕天使の総督アザゼル」


アザゼル 「・・・・・俺はそうだ。愚かかもな。シェムハザがいなけりゃあ、何も出来ねぇ。唯の神器マニ

      アだ。−−−けどよ、サーゼクスとミカエルはそこまでバカじゃねぇと思うぜ?少なくともてめ

      ぇよりは遥かにマシで優秀だ」


一誠 「おい、セラフォルーはどうなんだよ?入っていないぞ」


俺はアザゼルの言葉に疑問に思い突っ込むがスルーされた。女性はアザゼルの言葉に顔を歪ませる。


カテレア 「世迷言を!いいでしょう、今ここでトドメを刺します。新世界創造の第一歩として、堕天使の総

      督である貴方を滅ぼす!」


強い口調で物甲している女性。対してアザゼルは愉快そうにしながら懐から一本の短剣らしきものを取り出す


カテレア 「それは―――」


アザゼル 「俺は神器マニア過ぎてな。自分で製作したりする事もあるんだよ。レプリカ作ったりしてな。

      まぁ、殆どの物が屑でどうしようもない。だが、神器を開発した神は凄い。俺が唯一、奴を尊敬

     するところだ。―――だが、甘い。『神滅具』と『禁手』なんていう神と魔王、世界の均衡を崩せ

     るだけの『バグ』を残したまま死んじまったんだからな。ま、だからこそ、神器は面白いんだけどよ」


「安心しなさい。一度世界を滅ぼした後、私達が取り仕切る新世界で神器なんてものは絶対に作らない。そん

なものがなくとも世界は機能します―――いずれは北欧のオーディンにも動いてもらい、世界を変動させなく

てはなりません」


女性はニンマリと口の端をつり上げた後、アザゼルは吐き捨てた。


アザゼル 「ハッ!それを聞いてますますお前等の目的に反吐が出る思いだ。ヴァルハラ!?アース神族!?

     横合いからオーディンに全部かっさわれるつもりかよ。というよりもな、俺の楽しみを奪う奴は

     ―――消えて無くなれ」

堕天使の総督の持つ短剣が形を変えるパーツがわかれて光が噴出した。あれは、もしかして・・・


カテレア 「―――ッ!ま、まさか!アザゼル、貴方は!」


何かをつかんだ女性のまえにアザゼルは力のある言葉を発した。


アザゼル 「禁手化・・・・・ッ!」


一瞬の閃光が辺りを包み込む。暫くして光が止んだと、そこにいたのは黄金の全身鎧(プレート・アーマー)を

見に付けたアザゼルだった。金色にキラキラ輝き、生物的なフォルムをしていた。−−−まるでドラゴン。手

には巨大な光の槍を持っていた


アザゼル 「こいつは『白い龍』と他のドラゴン系神器を研究して作り出した、俺の傑作人工の神器だ。

      『堕天龍の閃光槍』、それの疑似的な禁手状態―――『堕天龍の鎧』だ」


鎧越し感じるドラゴンの波動。それは並じゃないのは確かだ。でも、ガイアよりは弱すぎる波動だ


ヴァーリ 「ハハハ!流石だな、アザゼルは!やっぱり、凄い!」


白龍皇ヴァーリが笑う。やっぱり戦闘狂だな。強者が現れた事に喜んでいる。アザゼルはヴァーリへ顔を

向ける

アザゼル 「ヴァーリ、てめえも相手してやりたいところだが・・・・・まぁ、宿命同士『赤い龍』と仲良く

      やってな」


ヴァーリ 「いや、それなら」


顔をこっちに向け


ヴァーリ 「兵藤一誠と魔術師と戦った方が楽しそうだ」


うわぁ・・・・・大勢の中からじゃないけど白羽の矢がこっちに立ったよ


「・・・・・力を有したドラゴンをベースにしましたね?」


アザゼル 「ああ、ちょっくら『黄金龍君』ファーブニルをこの人工神器に封じてな。二天龍―――

     『紅い龍』と『白い龍』の神器を模したのさ。今のところは成功ってところか」


先龍帝の籠手と白龍皇の光翼を真似して創った?それにまた違うドラゴンの名前が出たぞ?―――そう言えば

ガイアから教えられたな・・・・・五大龍王と言う五匹の龍が存在していると、その中に今さっき出た「黄金

龍君」ファーブニルもその一匹だ。でも本来は、五大龍王じゃなくて六匹の六大龍王だったとも言っていたな


「アザゼル!それだけの力を持ちながら、あなたは!」


「―――カテレア、『無限の龍神』をバックにしておいてよく言うぜ」


「・・・・・神器の研究はそこまで進んでいなかった筈です・・・・・」


アザゼル 「その様子じゃ、俺の組織を裏切った輩が神器研究を幾らか持ちだしたみたいだな。だが、

      無駄だ。心理に近い部分は俺とシェムハザしか知らない」


舌打ちする女性の体を青黒いオーラが覆う。・・・・・今、アザゼルはこの女性に何て言った?

・・・・・カテレア?―――まさか


カテレア 「私は偉大なる真のレヴィアタンの血を引く者!カテレア・レヴィアタン!貴方ごとき忌々しい

     堕天使に負けはしない!」


―――ッ!カテレア・レヴィアタン!?じゃあ、この女性は・・・・レヴィアタンの妹!


アザゼル 「来いよ」


カテレア 「なめるなッ!」


特大のオーラを纏って、カテレアが猛スピードで飛び出す


ザンッ!!


一瞬の出来事だった。カテレアがアザゼルに飛び込み、アザゼルも槍を持って対応した。刹那―――。

ブシュッ!カテレアの身体から鮮血が噴出した。力無く、その場に膝をつく。見れば、カテレアのはるか後方

にまで地面が裂けていた。アザゼルの一撃の余波で地面が抉れたんだろう・・・・・


和樹 (一誠!どうするの!?レヴィアタンさんの妹とルシファーさんの・・・・・解らないけどこの場に同

   時にいるよ!)


カテレア 「―――唯ではやられません!」


そう言ってカテレアは自身の腕を触手の様に変化させ、アザゼルの左腕に巻きつける。カテレアの身体に怪し

げな文様が浮かび上がった。


リアス 「あれは、自爆用の術式だわ!」


成神 「マジっすか!?」


なっ!自爆だと!?あいつ、死ぬ覚悟で此処に来たのか!アザゼルは触手を引き剥がそうとするが、一向に剥

がれる気配は無い。


カテレア 「アザゼル!この状態になった私を殺そうとしても無駄です!私と繋がっている以上、私が死ねば

      あなたも死ぬように強力な呪術も発動します!」


アザゼル 「―――ッ。犠牲覚悟で俺に大ダメージってか。安っぽい発想だが、効果は絶大なわけだ」


リアス 「イッセー、ギャスパー!距離を取るわよ!このままでは自爆に巻き込まれる!」


成神 「でも、部長!アザゼルは?」


リアス 「彼も一組織の総督なら、何とかするでしょう!それよりも私達が巻き込まれて死ぬわ!」


三人は急いで距離を取り始めた。そして、有る程度離れたところでグレモリー先輩が防御障壁を幾恵にも展開

して爆破の余波に備えようとしていたその時だった


ギャスパー 「わっ!」


突如、ギャスパーが悲鳴を上げた。良く見ると両目に何かの呪術的な紋様が浮かんでいた


ヴァーリ 「悪いな、それ、封じさせて貰う。時を止めてくるのはウザいんだ」


―――ヴァーリの仕業か

ヴァーリ 「しかしさ、能力と発動条件を知ればたいした脅威でも無いな、神器・・・能力と発動条件を知れ

     ば大した脅威ではないな、その神器(セイクリッド・ギア)は。弱点だらけだ。視覚を奪う術はいく

     らでもある。それに幻術でもくられば、味方にも被害を出す諸刃の剣と化すぞ」


ヴァーリは空を飛んでいた。俺も和樹もそれに見習い空へ飛んだ。ヴァーリがギャスパーの神器の詳細とその

弱点を言った事を思い出す。確かにギャスパーの神器の発動条件は視界に入ったものの全てを停めるものだ。

俺もあいつの神器の能力を奪ったから同じ発動条件なんだろう・・・・・何とか俺も違う方法で停める術を探

さないといけないな。じゃないと皆を間違って停めてしまうと、これからの事を考えながらアザゼル達の戦い

の様子を見る。未だに触手を解けていないでいた。槍で切ろうにもダメージを与えられずにいるようだ


カテレア 「無駄です。アザゼル、その触手は私の命を吸った特別製。切れませんよ」


アザゼルの行動を見て不敵に笑う。アザゼルは切るのを諦めたのか、溜息を吐き、肩をすくめた。

次の瞬間―――。


ザン!


左腕ごと触手を切り離した。アザゼルの左腕の傷から鮮血が迸った。切り落とされた腕の方は塵と化す


一誠 (確かに切れないなら、そうするしかないな


和樹 (そうだね・・・・・ってヤバイよ!)


アザゼルが光の槍を投げ放とうとしたところだった俺は急いでカテレアの許へ移動した。待っていろ、レヴィ

アタン!お前の願いを叶えてみせる!



――――――――――――――――――――――



アザゼルside


カテレア 「自分の腕ごと切り離した!?」


しょうがないだろう?切れないならこうするしかないんだからよぉ、


アザゼル 「片腕ぐらいお前にくれてやるよ。」


驚くカテレアに光の槍を投影した。これで言った通りカテレアは一番最初に死ぬ敵役に―――


アザゼル 「・・・・・なんで、そいつを助けた」


ならなかった。何故なら俺が投げ放った光の槍を横から来た奴が難なくカテレアに突き刺さる寸前に掴んだか

らだ。―――何でだ。どうして


アザゼル 「兵藤一誠」


バキンッ!


一誠 「・・・・・殺させない」


アザゼル 「・・・・・お前達も禍の団に協力しているのか?」


もしそうなら、俺はこいつを―――


一誠 「何で俺達がテロリスト何かに協力しなければならないんだ?意味が解らん。それに殺すなら俺達が連

    れて行っても良いよな?テロリストの幹部から情報を吐きださずに殺すなんて勿体無いだろ―――

    まぁ、本音としてはこいつを連れて行く理由があるから殺させないだけだ」


アザゼル 「理由とは何だ?」


和樹 「理由を教える必要はありません」


カテレアの背後に降りて手を肩に掴むと自爆式の呪術が解呪された。・・・・・サーゼクスの妹から報告を聞

いたが凄いな。世界一の魔術師は伊達ではないって事か、式森―――魔法界の頂点に立つ魔術師の家系、

兵藤・・・・・お前はとんでもない奴を眷属にしたんだな


和樹 「カテレアさん。事が終わるまで貴女は閉じ込めさせてもらいます」


カテレア 「なっ!?」


あいつの周りに魔法陣が展開したと思えば光輝く檻が生じてカテレアを閉じ込めやがった。脱出しようとして

いるがビクともしなかった。たく、どれだけ頑丈な檻だよ?


カッ!


アザゼル 「チッ。人工神器の限界か。まだ改良の余地が多分にあるな。まあ・・・・・核の宝玉が無事だっ

     たからまた作りなおせる。もう少し俺に付き合って貰うぜ、『黄金龍君』ファーブニル」

禁手化の使用時間が過ぎて鎧が解除される、その事に俺は舌打ちして手に持っている核の宝玉に軽くキスをし

た。俺の研究はまだまだこれからだな。・・・・・さてと、残りは


ヴァーリ 「さすがアザゼル。でも、鎧が解除されたな。まだまだ人工神器は研究が必要な訳か」


一誠 「マニアと言うよりマッド・サイエンティストだな。腕よりもそっちに重要って・・・」


夜空から降りてくる白い鎧を着たヴァーリに俺は向き直る。兵藤、褒め言葉として受け取るぜ


アザゼル 「さて、ヴァーリ。どうする?俺はまだやれるぞ?鎧が無くても片腕でも十分にお前と戦える」


光の槍を出現させ、刃をヴァーリに向ける。こいつを止めないといけないからな。それに―――こいつを行か

す訳にはいけないからな!


――――――――――――――――――――――――――――――――



一誠side


良し、まず一人目だ。残りはヴァーリだけだな、だけど、ルシファーとどんな関係になるんだ?解らない

な・・・・・


一誠 「ヴァーリ、お前も捕まえて連れて行く」


ヴァーリ 「ほう、俺もか?あの兵藤の子供のお前に御目が留まるとはな光栄極まりない事だ」


一誠 「どうやら、禍の団にも俺のお父さん達を知っている奴が居るようだな」


ヴァーリ 「其処に捕まっているカテレアもその一人だが?」


その言葉を聞いてカテレアに振り向くと大きく目を見開いて驚いていた


ヴァーリ 「何でも姉と一緒に助けられた事があるそうだ」


一誠 「・・・・・そうなのか?」


カテレア 「ええ、そうです。まさか、貴方があの方達の子供だとは・・・・・

      既に死んだと思っていました」


和樹 「因みに僕と僕の両親も一誠のお父さん達と交流を持っていたよ?」


奇数なものだな。まさか、お父さん達を知っている人がカテレアもだなんて・・・・・いや、必然か?


一誠 「それを聞いてますます貴女を連れて行かないと行けなくなった。お前もだ、ヴァーリ」


炎の翼を展開して空に飛びヴァーリと対峙する。ヴァーリは俺と成神を交互に見て苦笑した


ヴァーリ 「しかし、運命ってのは残酷だと思わないか?俺のように魔王プラス伝説のドラゴンみたいな思い

      つく限り最強の存在と人間でありながら古の頃の悪魔のレーティングゲームの覇者として君臨し

      続けた兵藤夫婦の子供の存在がいる半面、そちらの様にただの人間に伝説のドラゴンが憑く場合

      もある。いくらなんでもこの偶然は残酷だと俺は思うな。ライバル同士のドラゴン神器とは言

      え、所有者二名の間の溝はあまりに深すぎる。どう思う?兵藤」


自身を指差す成神を一瞥して俺は答える


一誠 「そうだな。俺も調べてもらったけど、こいつは悪魔に転生する前までは普通の両親と普通に暮らし、

   普通に学校生活を送っていた極普通な男子高校生だった。先祖だって能力者や術者がいた訳でもない。

   勿論、先祖が悪魔や天使に関わった事もない。本当に何の変哲もなかった。友人関係も特別な存在でも

   ない。唯一、お前が特別なのは神滅具を宿した事だけだ。」


成神 「人のプライバシー侵害にも限度があるぞ!?それに普通って連呼するんじゃねぇ!」


和樹 「だってそうだろ?この場にいる中でお前が一番普通なんだよ。僕の場合は魔術師の家系で無限に等し

    い魔力を持っているから世界一の魔術師と言われているんだ。まあ、キミよりは劣るかもしれないけ

    どそれでも、実力はキミ以上だ」


ヴァーリ 「つまらないな。余りにつまらな過ぎて、キミの事を知った時、落胆より笑いが出た。『ああ、こ

      れが俺のライバル何だ。まいったな』って。せめて親が魔術師ならば、話は少しでも変わったか

      もしれないが・・・・・。そうだ!こういう設定はどうだろうか?キミは復讐者になるんだ!」


いきなりこいつは何を言い出すんだ?復讐者?こいつの大切な人を殺すつもりか?殺して復讐者と成って成神

の怒りを憎しみを自分に向けさせてより倒し甲斐がある存在にさせる算段か?


ヴァーリ 「俺がキミの両親を殺そう。そうすれば、キミの身の上が少しは面白いものになる。親を俺のよう

     な貴重な存在に殺されれば晴れて重要な運命に身を委ねられると思わないか?うん、そうしよう。

     どうせ、キミの両親は今後も普通に暮らし普通に死んでいく。そんなつまらない人生よりも俺の話

     した設定の方が華やかだ!な?」


ビンゴ、でもなぁ?ヴァーリ、それはダメだ。だって


一誠 「人の幸せを不幸にさせる訳にはいかない。俺が相手になってやるぞ」


炎の翼の間に火球を生みだしてヴァーリに向けて放つと火球から膨大な質量をもった炎が火柱と成って襲いか

かった


ヴァーリ 「ハハハッ!コカビエルを倒したその力、俺に見せてくれ!」


光の閃光と化して俺の攻撃から避けながら俺に向かってきた。確か、対象に触れたら十秒ごと力を半分にさせ

る能力だったな。


一誠 「禁手化」


すぐさま不死龍の鎧を纏いヴァーリに高速で向かう。黒と白の閃光が衝突して上空に蛇と蛇が絡まる様にぶつ

かり合いながら飛んだ


ヴァーリ 「中々やるじゃないか!俺のスピードに追いつけるなんてさ!」


一誠 「それはどうも!」


『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』


真紅の宝玉から機械音の様な音声が聞こえた。倍化だ。エクスカリバーを帯剣から抜き取り


『Transfer!!』


力を譲渡した。その結果、エクスカリバーオルタはいつも以上の漆黒のオーラに包まれ巨大な剣となった


一誠 「―――エクスカリバー」


聖剣をヴァーリに向けて振り払うとこの世の全ての負が集まったのかと思わせる程の膨大の漆黒のオーラが発

生して


ヴァーリ 「ッ!?」


『Half Dimension!!』


白龍皇を飲み込んだ。だけど、申告のオーラに飲み込まれる寸前、何か能力を使った様な気がする・・・・・

理由はオーラが半分まで減ったからだ


和樹 「一誠!殺してどうするの!?」


一誠 「・・・・・いや、ヴァーリは死んでいないぞ」


俺の視界の眼前には白い全身鎧に罅だらけのヴァーリが空に佇んでいた。


ヴァーリ 「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」


五体満足みたいだけど、どうやら鎧の中までダメージが通ったようだな


ヴァーリ 「ふふふ、俺が此処まで傷つけられたのは久しぶりだ。―――兵藤一誠、俺は残念だ」


突然「残念だ」と言われ、訝しみ首を傾げたらヴァーリは俺の心を読んだかのように理由を話してくれた


ヴァーリ 「キミが赤龍帝だったら、どれほど喜ばしいことだったか。もしそうなれば最高のライバルになっ

     て最高の宿命の対決に成っていたんだろうに・・・・・それが今回の宿主は極普通の男子高校生

     だ。歴代赤龍帝の中できっと最弱だ」


成神の事をまるで侮蔑する様なもの言い方で俺に語る。否定はしないけどさ


ヴァーリ 「さて、話は此処までにしよう。鎧も修復しきった事だし続きをしようではないか」


一誠 「やっぱり時間稼ぎを計っていたか。まあ、解っていたけどさ」


話を聞いている間、アイツの鎧は見る見るうちに罅が修復されていったのを確認していたからな


一誠 「最後に訊く、さっきオーラが半分に減った様な感じがした。『白龍皇の鎧』の力か?」


ヴァーリ 「その通りだ。もう一度見せよう、俺の力を!」


腕を大きく広げ光の翼も巨大に伸びていく姿のヴァーリを俺は攻撃をせずに唯、見守ると


『Half Dimension!!』


宝玉の音声と共に眩いオーラに包まれたヴァーリが眼下に広がる木々へ手を向ける。


グバンッ!


木々が一瞬で半分の大きさになってしまった。更に


グバババババババンッ!


周囲の木々が圧縮されるかのように半分になっていく。ヴァーリ、学校の風景を壊すなよ


ヴァーリ 「これが『白龍皇の光翼』の禁手、『白龍皇の鎧』能力だ」


周囲のものを半分にする能力で間違いない様だな。厄介な能力だ。この能力も奪うとするか・・・・・ん?


一誠 「ヴァーリ」


「下を見て見ろ」と人差し指を地上に差しながら促すとヴァーリは不思議そう地上を見た。そこには


成神 「ふざけんなァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァッッッ!!」


激怒して怒号の声音を発する成神の姿が居た。

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