小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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転校生&白龍皇再び&古の神器&新たな仲間と家族(2)





ヴァーリ 「ぐはっ!」


身体を旋回して遠心力がついた俺の蹴りで鎧が砕け散ると共に吹っ飛んで行くヴァーリ。コイツと会ってあれ

から十数分が経った。俺を強制的に連れて行こうと俺に戦いを挑んできたが


一誠 「確かに成神よりは強い。でも、相手が悪すぎたな?ヴァーリ」


砕けた白い全身鎧の部分が再び元の状態に戻っていく様子を眺めながらヴァーリに問う。そう、十数分間、俺

に触れずに攻撃されっぱなしでいた


ヴァーリ 「此処まで力の差があるとは・・・・・」


一誠 「死ぬ寸前な程の修行をしているからな・・・・・・」


あの時の光景を浮かべると涙が出そうになる。本当に厳しくて怖くて―――止めよう。今は目の前の事に集中

するべきだと思っていたそんな時だった。


「どうやら心配は無用だったようだな」


『―――っ!?』


俺とヴァーリ以外に第三者の声が聞こえた。俺はその声に聞き覚えがある。いや、違うな。聞き慣れた声だ。

ずっと俺の傍にいた真紅の髪を持つ少女の声だ。でも、何で此処にいるんだ?俺は視線を下に向けると


ガイア 「来てやったぞ。一誠」


真なる赤龍神帝グレートレッド、又の名をガイア。彼女が俺の真下に佇み俺を見上げていた。彼女の許に降り

立ち理由を聞く


一誠 「ガイア?どうして此処に来たんだ。和樹から聞いていなかったのか?」


ガイア 「ああ、勿論聞いた。だが、『心配はするな』と聞いたが『来るな』と聞いていないし言われてもい

     ない。だから我は様子を見に来た」


そう言うがガイアの瞳には不安で一杯になっていた。そんなガイアに苦笑して頭を撫でる


一誠 「ありがとう・・・・・心配してくれて、それとごめん。不安させて」


ガイア 「・・・・・ふん」


アルビオン 『―――有り得ん。だが、このドラゴンの波動、まさか・・・・・』


ヴァーリ 「アルビオン?」


上空でアルビオンが何か感じ取りその正体を気づいたようだ。そんなアルビオンにヴァーリは不思議そうにし

ていた。


ガイア 「和樹から『ヴァーリと話をする』と聞いたが、どうなったらアルビオンと戦う事になっている

     のだ?」


一誠 「禍の団に勧誘されているんだよ。そんで、俺が断ったら戦う事になった。どうやら、俺を行動不能に

    して連れて行くみたいだったみたい・・・・・だ?」


彼女の疑問に答えるとガイアの体から真紅のオーラが迸り始めた!・・・・・まさか、怒っているのか?


ガイア 「―――許さん、我の一誠を悪の道に誘おうとしたその罪、万死に値するぞ!」


一誠 「あー、ガイア?別に俺は「一誠、我も手伝う。さっさとこの馬鹿な龍を倒すぞ。勿論、

    アレでな!」・・・・・了解」


どうやら、何を言っても無駄みたいだ。しかもアレでかよ・・・・・


ヴァーリ 「アレ・・・・・?それに彼女は一体誰だ?」


アルビオン 『ヴァーリッ!気をつけろ!あいつは、あいつは―――』


警告を発するアルビオン。だが、何を言おうがもう遅い。俺とガイアは手を繋ぎ呪文を唱える


ガイア 「我、夢幻を司る真龍成り」


一誠 「我、夢幻を司る真龍に認められし者」


ガイア 「我は認めし者を愛し共に生き」


一誠 「我は愛しい真龍と共に歩み」


『我等の道に阻むものは夢幻の悠久に誘おう』


『真なる真紅の赫龍神帝ッ!!』


カッ!!!


俺とガイアを中心に赤より濃く明るい色の閃光に覆われた。閃光が止むとガイアの姿は無く真紅の全身鎧を纏

う俺しかいなくなった。


ヴァーリ 「赤・・・・・っ!?赤龍帝の他に赤いドラゴンと言えば!」


アルビオン 『グレートレッドだッ!呪文の中でも「真龍」と言っていた!だが、何故だ!何故、グレート

       レッドが此処にいる!?』


ガイア 『我が此処にいて何か問題があるか?アルビオン』


一誠 「ヴァーリ、続きをしよう・・・・・。まあ、この一撃でお前は負けるがな」


真紅のオーラを纏った拳を突き出しヴァーリに挑発する


ヴァーリ 「―――俺の目の前にグレートレッドが現れるとは・・・・・兵藤一誠、お前は一体・・・・・」


一誠 「兵藤一誠、兵藤誠と兵藤一香の間に生まれた存在だ。それと、グレートレッドと呼ぶな。彼女の名前

    は『ガイア』だ」


ヴァーリ 「ガイア?それが真龍の新たな名か・・・・・此処で兵藤一誠と諸共倒せば俺の目的が達成となる

      な・・・・・っ!」


何か、目的が変わっていないか?俺を勧誘しに来た筈なんじゃあ・・・・・?


一誠 「お前、俺を勧誘しに来たんじゃないのかよ?」


ヴァーリ 「ああ、確かに勧誘する為にお前を呼んだ。だが、其れと同時に他の理由も有ってお前を禍の団に

      勧誘したんだ」


一誠 「それは何だ?」


俺が問うとヴァーリは無数の魔弾を放って来た。避けずに敢えてヴァーリの魔弾を受けるが

鎧には傷一つもない


ヴァーリ 「俺は一応、三大勢力トップの暗殺失敗とお前の事を報告してオーフィスに話をしたら、何故か

      オーフィスが『兵藤、連れてくる』って言われてね」


光の高速で動きながら更に圧縮した魔弾を打ち出し続けながら接近してくる。腕を突き出し手の平から膨大な

真紅の波動を放ち数多の魔弾を全て打ち消し、接近するヴァーリも吹き飛ばす。その際、縮地の技、瞬光で

ヴァーリの背後に回り


ガイア 『オーフィスが?』


一誠 「禍の団のトップが人間の俺を連れて来いと?」


拳を構えながら疑問の問いの言葉を発すると


アルビオン 『―――ッ!ヴァーリ!後ろにいる!気をつけろ!』


ヴァーリがアルビオンの声に反応して、両腕をクロスして防御のしようとするが―――。


バガンッッ!


気とガイアのオーラを纏った拳を打ち出すと、難なくヴァーリの防御を両腕の籠手ごと破壊して腹部に打撃が

突き刺さった。白く輝いていた『白龍皇の鎧』は呆気なく壊れていく―――刹那


ヴァーリ 「こ、これは・・・・・っ!?」


自分の体の異変に困惑するヴァーリ。白龍皇の鎧は元に戻らずヴァーリは真っ逆さまに落ちて行く


ガイア 『流石に生身のままで落ちたらアルビオンとはいえ死ぬぞ?』


彼女の言葉に真っ逆さまに落ちるヴァーリの真下に次元の裂け目を開き其処に落とし閉じ込めた。

すると、ガイアが話かけてきた


ガイア 『一誠、客が来たようだ』


ああ、気の気配で解るさ。流石に学園の目の鼻の先のこの公園でドンパッチやったら誰でも気づく・・・・・

グレモリー先輩とシトリー先輩と二人の眷属に何故かアザゼルまでもいるな


ガイア 『どうする?このまま正体を明かすか?』


彼女の問いに俺は首を横に振る


一誠 (禍の団の所へ行ってみようと思う。例の箱のカギになるかもしれないから)


ガイア 『そうか、なら、行ってみるとするか。それにしてもオーフィスか・・・・・久しく懐かしいな』


一誠 (それじゃあ―――)


アザゼル 「おめぇ、誰だ?」


何時の間にかアザゼルが俺の目の前に佇んでいた。俺が声を出すと一発でバレるから代わりに言ってくれる様

に頼むと了承してくれた


ガイア 『真なる赤龍神帝と名のろうか?堕天使総督のアザゼル』


アザゼル 「っ!?」


彼女は自分が真なる赤龍神帝だと名乗った。アザゼルはその事実に酷く驚き大きく目を見開いた


一誠(いいのか?そんなこと言って)


ガイア (構わん。どうせ、我等を止める者などいないからな)


まあ、お前が良いなら止めはしない


アザゼル 「・・・・・鎧の中にいるのは如何やら女の様だな。だが、どうやってグレートレッドを倒し神器

      に封印した?それ以前にどうして世界が何も起きないのか不思議だ」


ガイア 『ふふふ、其れは秘密だ。勿論、真龍を倒した方法もな?』


アザゼル 「・・・・・っち、そうかよ。それと、ヴァーリはどうした?アイツの魔力を感じて来たんだが突

      然消えた。何処に行った?」


ガイア 『コソコソと真龍を倒した我を倒そうとしていたから我から呼び出し倒そうとしたのだが、あと一歩

     のところで逃げてしまった』


彼女はそう答えると何故か少しだけ安心した様な表情をした。ヴァーリを心配していたのか?ガイアはアザゼ

ルから視界から外し今度は成神の方へ顔を向ける(俺が顔を向けているんだけどな)


ガイア 『赤龍帝』


成神 「な、何だよ・・・・・」


ガイア 『貴様は弱すぎる』


いきなりダメだし発言された成神は困惑する中、ガイアは話を続ける


ガイア 『弱者のままだと守りたいものが守れないぞ?それでも良いのなら構わないが』


成神 「―――ッ!」


思い当る節があったのか、驚いた後にアルジェント、グレモリー先輩に顔を向けた。そして、顔を下に向け悔

しそうに下唇を噛みしめる


ガイア 『さて、我は帰るとしよう。此処にはもう用が無いから』


アザゼル 「この状況下で帰らせると思うか?」


金色の鎧を纏い手には巨大な光の槍を持ったアザゼル、グレモリー先輩と姫島先輩は俺を囲むように浮かび魔

力を迸っている。下には小猫が拳を木場とゼノヴィアが聖魔剣と聖剣を構えていた。シトリー先輩達は俺を逃

がさない為か結界を公園全体に張っていた


ガイア 『一つ忠告しておくそれと、隙を作るなよ?』


アザゼル 「・・・・・何だ」


警戒をしながらガイアの言葉に耳を傾ける


ガイア 『いい加減、女をとっかえひっかえしないで結婚したらどうだ?自分だけ結婚していない状況になっ

     たら嫌だろう?』


アザゼル 「そっちかよ!?てか、大きなお世話だ!お前に言われる筋合いは無い!」


その言葉に強く反応して槍を突きつけるアザゼル。事実だからしょうがないだろうに・・・・・


ガイア 『ほら、言ったばかりだろう?隙を作るなと(一誠、噴水に攻撃を)』


俺は彼女の指示に従い魔力弾で噴水を壊すと水が凄い勢いで俺が浮かぶところまで噴射した。俺は水の中に入

り次元の裂け目を生じて中に潜る。そして、公園から俺はいなくなった


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