小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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次の日の夕刻、俺は幽幻龍騎士団の正装に身を包んでグレモリー先輩達より一足早くパーティ会場に飛んで

向かっている。アルマスさんとヴェネラナに場所を教えてもらい念の為だとグレモリー家の文様が記された

紙も渡された


一誠 「あそこか」


パーティ会場と成る超高層高級ホテルは、グレモリー領の端に有る広大な面積の森の中に存在していた事が

俺の視界に入った。更にスピードを上げ数分でホテルに到着する。そこに待機していた大勢の従業員が突然の

俺の登場に驚くがグレモリー家の文様と自分の名前と幽幻龍騎士団の文様を見せると迎え入れられた。その

まま中に入り、フロントで確認を取って、いざエレベーターに乗った。アルマスさん、役に立ったよ。

これ・・・・・・


一誠 「ん〜、よし」


髪と正装を整え少し待ったらエレベーターも到着し、一歩前に出ると会場入り口も開かれる―――。きらびや

かな広間が俺を迎え入れてくれた。フロア全体に大勢の悪魔と数々の豪華な料理、天井は―――やっぱり巨大

なシャンデリアか・・・・・・


「・・・・・もしや、キミは兵藤一誠かね?」


一人の悪魔が俺の名を発しながら確認して来た。俺は紳士的に振る舞い肯定の意思表示を示すと


『おおっ』


「あの赤ん坊がこんなに立派になって・・・・・」


「誠殿や一香殿の面影もありますな・・・・・・」


―――もしかして、この広間にいる悪魔ってお父さん達と交流を持った悪魔ばかり・・・・・?


「キミの父上と母上にはお世話になったのだ。是非私の家にきてくれないかい?歓迎するよ」


「私の家にも遊びに来て欲しい。その時、家の息子と友達に成ってはくれまいか?」


「私の家にも来てほしい。一香様には恩があるのだ。是非、キミに受け取って欲しいんだ」


「誠さまには恩がありますの。私からも受け取ってはくれない?」


数十分、俺は挨拶や握手を求められたり、プレゼントを貰ったり、家に遊びに来て欲しいと言われたり、

色々と男女の悪魔と交流を持つ事になった。


リアス 「これは一体・・・・・なに?」


パーティ会場に現れたグレモリー先輩達が俺に群がる男女の悪魔の光景を見て呟いた事を俺は気付かなかった



――――――――――――――――――――――――――――――――――――



一誠 「・・・・・」


結局、広間にいる男女の悪魔全員に挨拶をし終え俺はフロアの隅に用意されていた椅子に座っている。

つ、疲れた。主に精神的に・・・・・紳士的に振る舞うのは慣れているけどあんなに言い寄れられたのは

初めてだ・・・・・。


「飲み物はいかがですか?」


一誠 「ああ、頂くよ・・・・・?」


不意に差しだされたジュースが入ったグラスを受け取り飲もうとするが、今の声はどこかで聞いた事があると、俺にグラスを差し出した人物を見ると


「イッセーさん、お久しぶりですわね」


シーグヴァイラ姫だった。俺は椅子から立ち上がり挨拶をする


一誠 「久しぶりだな。シーグヴァイラ姫、来ていたんだ?気付かなかったぞ」


「イッセーさんがあんなに大勢の悪魔に囲まれていたものですもの。しょうがないことです」


俺の隣に座り苦笑を浮かべる


一誠 「あんな体験はもうごめんだ。流石の俺も精神的に疲れたぞ」


「そう言わずにちゃんと挨拶をすること。挨拶は大事なことですよ?」


一誠 「はぁ、解ったよ。・・・・・それにしても」


今のシーグヴァイラ姫は青色のドレス姿、俺は首を上下に動かしながら見詰める。うん、綺麗だな。

シーグヴァイラ姫は青が似合うな


「・・・・・・あまり見詰めないでください。恥ずかしいです」


一誠 「あ、ごめん」


俺の視線から逃げる様に顔を逸らして胸元を隠す。ローブを着ていたから気にしていなかったけど

シーグヴァイラ姫って胸が大きいんだな・・・・・


レイヴェル 「イッセーさま!」


大勢の悪魔の中からドレス姿のレイヴェル・フェニックスが俺に会えて嬉しそうに声を掛けてきた


一誠 「二日ぶり、と言った方が良いかな?」


レイヴェル 「ええ、二日ぶりですわ!」


「・・・・・イッセーさん、この子はどちらさまです?」


何か不機嫌になったシーグヴァイラ姫がレイヴェルの事を訪ねる


一誠 「レイヴェル・フェニックス、フェニックス家の四人兄弟の末っ子だ」


レイヴェル 「初めまして、私はレイヴェル・フェニックスですわ」


優雅にお辞儀するレイヴェルに対照的に不機嫌なままシーグヴァイラ姫は名乗る


「・・・・・アガレス大公、アガレス家の次期当主。シーグヴァイラ・アガレスです」


レイヴェル 「だ、大公!?」


シーグヴァイラ姫の名乗りに驚く。そっか、大公は魔王の代理人だからな。驚くのは無理ないか


レイヴェル 「大公の方が何故イッセーさまと・・・・・?」


「あら、私がイッセーさんと一緒にいてはダメなのかしら?それに貴女こそ何故イッセーさんに近づいたの

です?」


冷たい口調でレイヴェルに言い放ちながら何故か俺の腕に胸を押しつける様に抱き付く。シーグヴァイラ姫の

言動にムカついたのか顔を顰める。そして爆弾発言を落とした


レイヴェル 「私が婚約者の許にきて何がいけないのです?」


「・・・・・婚約者?」


レイヴェル 「ええ、私とイッセーさまは婚約者ですわ。お父さまとお母さまが御決めになって私と

       イッセーさまは婚約する事を了承したのです」


「―――本当なのですか?イッセーさんが彼女と婚約を交わした事を」


鋭く冷たい視線で俺を見詰めて問う。俺は真っ直ぐ彼女の瞳を据えて頷き口を開こうとしたその時だった


ソーナ 「イッセーくん」


俺のもう一人の婚約者、ソーナ・シトリーが俺達の所へ近づいてきた


一誠 「ソーナ!久しぶりだな、元気していたか?」


肩腕はシーグヴァイラに抱きつかれているからもう片方の腕で上げてソーナを出迎える


ソーナ 「ええ、元気にしていました。ですけど、何故先に行ってしまったのですか?貴方と一緒にこの

     会場に行きたかったです」


一誠 「あー、もしかして、グレモリー本邸にいたのか?」


俺の問いに「ええ、いました」と頷きながら言った


一誠 「悪い、あまり団体行動は好きじゃないから先に行ったんだ。それにソーナ達が先にいると思って一足

    早く向かったんだけどな。まさか、本邸にいるとは気付かなかった」


ソーナ 「まあ、こうして貴方と会えただけでも許すとしましょう・・・・・ですが、これはどう状況

     ですか?この子はどなたで、どうしてアガレス大公の次期当主がイッセーくんの腕に抱き付いてい

     るのです?」


一誠 「まず、彼女はレイヴェル・フェニックス。フェニックス家の四人兄弟の末っ子で―――」


レイヴェル 「イッセーさまの婚約者です!」


ソーナ 「―――婚約者?」


一誠 「シーグヴァイラは・・・・・どうしてなんだ?」


「ふふ、どうしてでしょうね?当ててみてください」


そう言ってより一層に俺に密着する・・・・・まさか


一誠 「お前も俺の婚約者・・・・・なのか?」


『婚約者』と聞いてソーナとレイヴェルの視線がシーグヴァイラ姫に集中した。シーグヴァイラ姫は答えた


「流石は私が見込んだ男性、ええ、そうです。私は貴方の婚約者と成りました。私を幸せにしてくださいね?

イッセーさん」


そう言って俺顔を引き寄せキスをした


『―――っ』


ソーナ、レイヴェルはシーグヴァイラ姫が俺とキスした光景を見て顔を顰めた


「ふふ、先手必勝・・・・・どうやら貴女もイッセーさんの事が好きの様ね?ソーナ・シトリー」


ソーナ 「っ・・・・・ええ、貴女の言う通り私もイッセーの事が好き。私も彼の婚約者なの、そして私のお姉さま・・・・・魔王レヴィアタンさまも彼の婚約者です」


レイヴェル 「イッセーさまが魔王レヴィアタンさまと婚約者・・・・・?」


そっか、俺がセラフォルーと婚約したこと話していないからレイヴェルは知らなかったんだ。

『婚約者がいる』ってしか話していなかったな


レイヴェル 「―――負けませんわ!フェニックス家の名にかけて!」


ソーナ 「なら、私もシトリー家の名にかけて負けません」


「アガレス大公の名にかけて私も負ける訳にはいきませんね」


三人が睨みあい火花を散らす!いや、その前にソーナ達は合わないといけない人物達がいるんだけ

ど・・・・・ん?小猫がエレベーターに降りた?成神も気がついた様で小猫の跡を追う様にしてエレベーター

に乗り込んだらグレモリー先輩も便乗した・・・・・何かある―――


「にゃー」


一誠 「―――っ」


何処から現れた黒い猫が俺足元で可愛く鳴いた


「猫?」


レイヴェル 「どうして此処に・・・・・?」


ソーナ 「警備は万全の筈、なのにどうやって入って来たのかしら?しかもこの猫は使い魔の様ですね・・・・・」


シーグヴァイラ姫、レイヴェル、ソーナが俺の足にすり寄る黒い猫に怪訝するが俺はこの黒い猫を知っている

―――どうして此処に来たんだ。黒歌


一誠 「・・・・・悪い、ちょっと外に行ってくる」


黒猫を抱き抱え三人から離れてエレベーターに乗り一階まで俺は降りて行った



――――――――――――――――――――――――――――――



ホテルの外に出て俺は黒猫を放す


一誠 「さあ、お前の主の許へ案内してくれるか?」


「にゃん」


俺の言葉を理解したのか短く鳴き、トコトコと歩を進み森の中へ入って行った。俺も黒猫の跡を追う様に森の

中へ入り数分後、足を止め後ろに振り返る。後ろには誰も居なく木々が生えているだけ、―――だが



一誠 「レイヴェル、ソーナ、シーグヴァイラ姫。どうして俺の跡をつけるんだ?」


『っ!?』


現在は夜、闇夜の森の中は遠く見ても常闇の様に暗く俺の視界では人の姿が見えない。だが俺は黒歌から教え

てもらった仙術で相手の気を探れる事が出来る。俺に呼ばれた三人の気は跳ね上がった。気づいていないと思

っていたんだろうな


一誠 「出て来いよ」


俺がそう催促すると木の陰や茂みから三人が出てきた


一誠 「で?何で来たんだ」


ソーナ 「その、気になってイッセーの跡を追いました」


レイヴェル 「何か大変な問題が起きたのかと思いまして」


「私達も手伝おうと思いイッセーさんの跡を追ったまでです」


・・・・・この三人は自分がどんな立場で誰だと自覚していないのかよ?


一誠 「・・・・・この事は誰か伝えたのか?」


レイヴェル 「イザベラにはイッセーさまと一緒に行動するって言い残してきましたわ」


ソーナ 「サジにはイッセーと行動するって言い残したので」


「一人で来たので誰も伝えずにきました」


あ、頭が痛い・・・・・絶対に不審に思っているぞ!?今頃きっと探している頃だと思うな


一誠 「皆が今頃心配して居るだろうしパーティ会場まで送ってやるから待っていてくれるか?」


ソーナ 「イッセーはどうするんですか?」


一誠 「送ったらもう一度森の中に入ってグレモリー先輩と成神と小猫を迎えに行くだけだ」


レイヴェル 「何故、リアス様達がこの森の中に?」


その問いに俺は頬を指で掻きながら言った


一誠 「どうやら俺の眷属が来ているようでグレモリー先輩達が其れに気づいて行ったみたいなんだ」


「リアス・グレモリーとその眷属が?何で貴方の眷属の所へいったのですか?」


一誠 「俺も解らない。ただ、俺の眷属は俺を此処へ呼ぼうとしたのは間違いない。その証拠にあの黒猫が

    待っているからな」


少し離れたところで黒猫が「にゃー」とその場に座って鳴いているからだ。まるで早く来て欲しいと言わん

ばかりに


一誠 「そう言う訳だから三人とも、会場に送るぞ。直ぐに行かないと待っている俺の眷属に悪いからな」


レイヴェル 「私達もイッセーさまについて行きますわ。イッセーさまの眷属とはお会いしたいと思っていま

       したの」


ソーナ 「そうですね。リアス達を迎えに行くだけなら私達も一緒に行動してもいい筈ですよ」


「言っときますが、帰るつもりはありませんから」


空間を歪ませ会場に送ろうとする俺を対照的に俺と一緒に行動すると意思表示を示す三人の婚約者、・・・・・困ったな


一誠 「多分、問題が起きていると思うけどそれでもか?」


ソーナ 「問題が起きている?」


俺は溜め息を吐き「ああ」と言って次の言葉を発した


一誠 「ソーナ、言っただろう?『俺は色々と問題を抱えている。それも世界を揺るがすほどの問題を』と」


ソーナ 「じゃあ、リアス達は今・・・・・その世界を揺るがすほどの問題を持った貴方の眷属

     と・・・・・?」


一誠 「いや、別の問題を抱えている俺の眷属だ。簡単に言えば姉妹の問題を抱えた俺の眷属がいる」


「姉妹の問題?」とソーナは怪訝な顔になった刹那だった


一誠 「―――あれは」


俺達の上空に巨大な影が風を起こしながら通り過ぎて行った。今のは―――タンニーンか!


一誠 「元龍王のタンニーンが気付いたとなれば・・・・・考えている場合じゃなさそうだな」


レイヴェル 「イッセーさま?一体何が・・・・・」


一誠 「・・・・・しょうがない、三人とも一緒に来てもらうぞ。此処に置いてはおけないからな」


俺の言動に困惑する三人だが俺は構わず走ろうと思ったが女の子である三人の足では置いて行ってしまうと気

付きどうしようか悩む俺に声をかけるモノがいた


ゾラード (龍化で行けばいいのでは?)


一誠 (・・・・・それもそうだな。ありがとう、ゾラード)


ゾラードだった。確かに龍化に成れば乗せて行けれると俺は思いながら正装を脱ぎだし上半身裸になった


ソーナ 「イ、イッセー!どうして脱ぎだすのですか!?」


「逞しい身体・・・・・まさか、此処でスルのですか?私は構いませんよ」


レイヴェル 「キャッ!」


悪い、ソーナ。シーグヴァイラ姫、ナニを考えているんだ。レイヴェル、顔を両手で覆っても指の隙間から

見ている事気づいているぞ。俺の上着の正装をシーグヴァイラ姫に渡し少し離れたところで佇み


一誠 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」


不死鳥化になったルヴァルと戦った時に俺は大声で叫びながら―――龍化になった。レイヴェルは知っている

から驚いてはいないがソーナとシーグヴァイラ姫は俺が龍化に成った事に声を呑んだ


一誠 「乗れ」


レイヴェル 「はい!」


『え、ええ・・・・・』


「にゃん!」


身体を低くして三人と一匹を乗せると翼をはばたかせ大地から離れ飛んだ


一誠 「特殊な結界を張るから髪とかドレスの心配はしなくていいからな」


レイヴェル 「ありがとうございます!龍化に成ったイッセーさまの背中を乗れるなんて嬉しいです!」


ソーナ 「イッセーが龍に成れるなんて・・・・・思いもしなかった」


「彼女はどうやら知っている様ですね。驚いてもいませんでしたから」


レイヴェル 「当然ですわ!私の家でお兄さまと戦った時に一度見ましたので!」


龍化に成った俺の背中に乗れたことに感激しているレイヴェルに驚きと納得の言葉を発したソーナと

シーグヴァイラ姫の言葉を聞いたレイヴェルは自慢気に二人に向かって言った


「にゃん!」


一誠 「お前の主がいる処はあそこなのか?」


「にゃ!」


俺の鼻先に座る黒猫がとある森の真ん中に指?を差す。誰もいないけど黒歌が下界から遮断する結界でも

張ったのか?まあ、突っ込んでみれば解るか


一誠 「三人ともあそこの森の真ん中に突っ込んでみるからしっかり俺にしがみ付いてくれ」


「・・・・・何もないですけど突っ込むのですか?」


一誠 「黒猫があそこだと誘導しているから多分そうだろう・・・・・行くぞ!」


猛スピードで俺達は森の真ん中に突っ込む。―――刹那


パリィィィィィィィィンッッ!!!


俺の顔に何かとぶつかりガラスが割れた様な音が聞こえ崩壊した。そして地響きを立てながら俺は地面に

着地した。すると黒猫が俺から飛び降りて地面に軽やかに着地したと同時に駈け走り主の許へと行った。そこ

に視線を向けると


一誠 「・・・・・何で此処にいるんだよ。お前等・・・・・」


美猴 「いえーい!久しぶりだねぃ!」


黒歌 「にゃん♪」


オーフィス 「・・・・・久しぶり、会いたかった」


ガイア 「やっと来たか、遅いぞ」


よりによって美猴とオーフィス、ガイアまでいたのかよ!?問題どころじゃないぞ!


レイヴェル 「えっと・・・・・あの方達が問題を抱えているヒトなのですか?お一人だと思いましたが」


一誠 「・・・・・俺も予想外で仕方がない。まさか、世界を揺るがすほどの問題を抱えている二人も来て

    いるなんて思いもしなかった・・・・・はぁ」


背中越しにあの四人を見て俺に訊くレイヴェルに嘆息の息を吐くしか出来なかった


成神 「タ、タンニーンのおっさんの眷属か?」


「残念だが俺の眷属と俺の領地にいるドラゴンではない。―――見た事無いドラゴンだ。その上、この絶望的

なプレッシャーを放つドラゴン何て見た事無ければ聞いた事すらないぞ・・・・・っ!」


成神 「じゃ、じゃあ!ドライグ、お前は知っているか!?」


『俺も知らない。だが、・・・・・何だ、何なのだ。あのドラゴンは・・・・・っ!?』


成神 「お、おい?ドライグ・・・・・?」


赤い全身鎧を身に纏った成神がタンニーンとドライグに訊くが返ってくるのは俺の存在により困惑と恐怖の

声音だった。てか、お前は禁手に至れたのか


一誠 「それで、どうして俺を此処に呼んだんだ?」


ガイア 「単純に我等はお前と会いたかったのだ。此処まで長期的にお前と離れるなんてなかったから、

     心配で不安でしょうがなかったんだ」


黒歌 「まさか、白音までくるとは予想外だったけど私にとっては嬉しい誤算だったにゃん♪」


美猴 「俺っちは付き添いだぜぃ!まあ、久々に会ってみたいなっと思ってもいたけどねぃ」


オーフィス 「・・・・・寂しかった」


うん、まあ、嬉しい事を言ってくれるけどキミ達は今どう言う立場なのか解っているのか?


「あの、降りても良いですか?」


一誠 「ん?ああ、良いぞ」


再び身体を低くして三人を降ろさせるとガイアが不思議そうに三人に指を差しながら訊いてきた


ガイア 「おい、そいつらは誰だ?どうしてお前の背中に乗っていたのだ?」


一誠 「色々と会って此処まで乗せて来たんだ。本当は送り返したかったけど一緒に行動するって言うから

    しょうがなく」


リアス 「ソーナ!?それにライザーの妹のレイヴェルに大公、アガレス家の次期当主のシーグヴァイラ・

    アガレス!どうして此処に!?いえ、それ以前に何故そのドラゴンと此処へ来たの!?」


成神 「あっ、本当だ。どうして会長は此処に?サジと一緒じゃなかったのか・・・・・?」


ソーナ達の存在にグレモリー先輩は声を張り上げこの場所に俺と一緒に来たのかと困惑と疑念を表情に出してソ
ーナ達に問いだした


一誠 「俺の話を聞いていなかったのか?『グレモリー先輩』」


リアス 「っ!?その私の呼び方をする人は私が知っている限り冥界では一人しかいない・・・・・っ!

    まさか、貴方は兵藤一誠なの!?」


俺はグレモリー先輩の言葉に口の端をニヤリと吊りあげ「ご名答」と答え龍化を解く


一誠 「ふう・・・・・」


黒歌 「イッセー!」


ガイア 「一誠!」


オーフィス 「・・・・・イッセー」


美猴 「いやっふぅ〜!イッセー!」


龍化を解くと同時にガイア達が一斉に抱き付いてきた!うおっ!?


黒歌 「にゃ〜ん♪久々のイッセーの温もりにゃん♪」


ガイア 「ああ、そうだ。これだ、この温もりがなくて我は・・・・・我は」


オーフィス 「イッセー、肩車」


美猴 「いやぁ、偶には男に抱き付くのもいいもんだぜぃ!」


一誠 「う、動けない・・・・・オーフィス。その体格で肩車しないでくれ、小さくなって欲しい」


ガイア達に抱きつかれオーフィスは身長が大きいままで俺の肩に乗っかるので小さくなるように頼むと

「解った」と頷いて身体を小さくしてくれた


オーフィス 「これでいい?」


一誠 「ああ、ありがとう・・・・・それと皆、離れてくれるか?視線が痛い。オーフィスも悪いけど降りて

    くれ」


『・・・・・』


色々と混ざった視線が俺に集中してくるから仕方ないんだよ!頼むから離れてくれ!


『断る!』


オーフィス 「断る」


一誠 「即答!?」


リアス 「ソーナ!そいつらから離れるのよ!」


突如、グレモリー先輩がソーナに俺達から離れる様に叫ぶ


ソーナ 「リアス、どうしてですか?」


成神 「そいつらはカオス・ブリゲード、テロリストのメンバーですよ!黒髪の少女はテロリストの親玉で

   『無限の龍神』オーフィス、最強のドラゴンで真紅の髪の少女は真なる赤龍神帝って次元の狭間に住ん

    でいるグレードレットって言う赤いドラゴンを倒したやばい少女なんですよ!そして着物を着たお姉

    さんはSS級のはぐれ悪魔で小猫ちゃんのお姉さんです!はぁ・・・はぁ・・・・はぁ・・・・・

   い、言えた」


一誠 「おお、全部言い切ったな」


パチパチと拍手を成神に送る


ソーナ 「イッセー、成神くんの言ったことは・・・・・本当なのですか?」


「イッセーさんもテロリスト・・・・・?」


レイヴェル 「イッセーさま・・・・・」


すると三人が困惑の表情を浮かべ俺に疑懼(ぎく)する。俺は真剣な表情で事実を言う


一誠 「成神の言った通りだ」


『―――っ!?』


一誠 「だけど一つだけ違うのがある」


俺の言葉にショックを受ける三人、だけど人差し指をソーナ達の前に突き出し訂正の言葉があると言う


リアス 「どう言うことよ!?黒歌から聞いたわよ。貴方が黒歌達の仲間だってことを!」


一誠 「ああ、黒歌達は俺の仲間だ。だけど、禍の団としての仲間じゃない。俺達幽幻龍騎士団の仲間とし

    てだ!」


成神 「お前の仲間だと?嘘つけ!テロリストがお前の仲間になる訳ないだろう!?仮にお前の仲間になった

   としたらヴァーリも仲間に成っている事に成るぞ!」


一誠 「そのヴァーリも俺の仲間だ。そうだろう?美猴」


ヴァーリと一緒にいた美猴に訊くと如意棒をクルクルと回しながら「そうだぜぃ」と肯定した


美猴 「俺もヴァーリも他の奴等もカオス・ブリゲードから抜け出して今じゃあイッセーの仲間で家族に

    成ったんだ。その証拠に常にヴァーリと一緒にいる俺っちが今、イッセーといる。OK、解ったかぃ?

    赤龍帝?」


俺の隣に立ち成神に説明する。これで解ってくれたら良いんだけど・・・・・


成神 「家族?テロリストと兵藤が家族で仲間・・・・・?フザけんな!そんな可笑しなことがあってたまる

    かよ!それに小猫ちゃんを連れ去ろうとした癖に何言いやがるんだ!」


やっぱりダメだよな・・・・・それに連れ去ろうとした?


一誠 「黒歌、どう言う事だ?アイツの言っている事は本当か?」


黒歌 「半分正解で半分外れ。私達はイッセーと会いたくて使い魔を送ったけど、どうやら白音が私の使い

    魔に気づいた様でイッセーより先に此処に辿り着いたにゃん」


一誠 「ああ、それは俺も予想はしていた」


黒歌 「それで私はあの時の真相を話そうと少し二人きりで話せる場所に行こうとしたけど・・・・・

    グレモリー眷属に邪魔されてしまったにゃん。白音にも勘違いされて、訂正しようにもできる状況じ

    ゃなくなってしまったし、私はしょうがなく強引でも連れだして行こうとしたら戦闘になっちゃった

    にゃん」


嘆息をしながら黒歌は小猫を見る。小猫を見る黒歌の表情に悲しみが見え隠れしていた


ソーナ 「姉妹の問題・・・・・こういうことだったのですね」


ポツリとソーナは呟いた。ソーナにも姉のセラフォルーがいるからどこか共感したのか黒歌と小猫を交互に

見た。


黒歌 「白音・・・・・」


小猫 「・・・・・いや、こないで」


黒歌 「――――っ」


一歩前に歩み手を小猫に差し伸ばそうとしたが小猫に拒絶されていまい黒歌は悲痛の表情を浮かべた。そして

伸ばした手を下ろし、顔を下に向け身体を震わし始めた


一誠 「・・・・・黒歌」


黒歌 「・・・・・イッセー、私ってダメなお姉ちゃんね」


一誠 「ダメじゃないさ。今まで黒歌は頑張ったじゃないか」


今にも泣きそうな黒歌に近づき彼女を励ます


黒歌 「でも、白音に拒絶されたにゃん」


一誠 「まだ、心に深い傷があるんだ。少しずつ、少しずつ小猫と接していけば何時かきっと仲が良かった

    頃の姉妹猫に戻れる」


ギュッと震える体を抱き締め背中を優しくポンポンと叩く


黒歌 「・・・・・」


一誠 「俺も手伝う・・・・・たった一人の家族と仲が不仲なんて嫌だからな・・・・・悪魔と堕天使に俺の

   お父さん達が殺されて一人になった俺と違ってまだ望みがある」


レイヴェル 「―――イッセーさま、どう言う事ですか?堕天使と悪魔に殺されたって・・・・・イッセー

      さまのご両親は爆発で死んだんじゃあ」


自分の知っている話と違うのか俺に尋ねるレイヴェルに対して黒歌を抱き締めたままで言った


一誠 「俺のお父さんとお母さんは悪魔と堕天使に殺されたんだよ。―――それも俺の目の前でな」


俺の衝撃的な事実にレイヴェルは口元を両手で覆い「そんな」と信じられなさそうな表情を浮かべた。

ソーナ、シーグヴァイラ姫もレイヴェルと同じ表情を浮かべた。


一誠 「事実だ。それ以来、俺は悪魔と堕天使が嫌いになった。今でもそうだ」


「じゃあ、私達の事も嫌いなのですか・・・・・?」


黒歌から離れそんな事を言ったシーグヴァイラ姫に顔を向けた。その顔は悲しみに満ちていた


一誠 「悪魔が嫌いだからと言って例外がある。一つ、お父さん達と交流を持っている悪魔、又は家族。

    二つ、俺に好意を抱く悪魔、三つ、俺が気に入った悪魔、この三つの中で当て嵌まる悪魔がいれば

    嫌いじゃない」



レイヴェル 「じゃあ、私達の事が好きなのですか・・・・・?」


一誠 「当り前だろう?ソーナ達は俺と婚約をしているんだからさ」


『・・・・・え?』


突如、異口同音が周りから聞こえた。ふと、周りを見ると


リアス 「こ、婚約・・・・・?」


成神 「会長と焼き鳥の妹とアガレス大公の次期当主と・・・・・?」


ガイア 「い、一誠・・・・・?」


黒歌 「婚約って・・・・・どう言う事?」


オーフィス 「・・・・・ん?」


・・・・・やばっ、ガイア達は知らなかったんだ。―――此処は正直に話す!


一誠 「えっと、俺はソーナと、シーグヴァイラ姫とレイヴェルと此処には居ないセラフォルー・レヴィア

    タンと婚約者になったんだ。それも全員、現当主達から言われて」


俺が言った瞬間、空気が凍りついた様な音が聞こえた。皆は錆びた歯車の様にソーナ達三人に視線を向けた。

自分たちに向けられる視線に耐えきれずに三人は皆からの視線から逃れる様に俺の背後に隠れてしまった。

―――そして


『ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ

ええええええええええええええええええええええええええええッッ!?』


俺と三人の婚約者以外が驚愕の声を張り上げた

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