小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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二学期、始まった。そして再び転校生



夏が明け、既に新学期―――二学期だ。始業式もとっくに終え、駒王学園は和樹の話だと九月のイベント、

体育祭の準備へと入っていた。夏休みの間クラスメートたちは夏休みを思う存分エンジョイしたようだ。男子

なら髪を美容院で仕立て上げたり肌を焼いてきたりとか太った奴もいれば痩せた奴もいた。女子なら今時の

ギャル風にスタイルを変えていたり、身体が細くなったりしていた。そして何より俺に話しかけてくる女子が

多くなった


「イッセーくん、夏休みの間は何していたの?」


一誠 「とある先輩の実家の家に過ごしていたな」


「何処か旅行とか行ってきたの?」


一誠 「外国に行って来た。そこに俺のお父さん達と交流を持っていた人たちがいるからさ」


「先輩って誰なの?場所は何処なの?」


一誠 「秘密だ」


「ああ〜ん、勿体振らずに教えてよう!」


まあ、こんな感じだ。てか、何で俺ばっかりなんだ?和樹や龍牙もそれなりに話かけている女子が多いけど

このクラスの殆どが俺に何かと話かけてくる・・・・・?


「お、おい!大変だ!」


突然、このクラスの男子の一人が急いで教室に駆け込んでくる。何が大変なんだ?そいつは深呼吸して気持

ちを落ち着かせると、クラス全員に聞こえる様に告げる


「このクラスにまた転校生が来るぞ!今度は―――女子だ!」


一拍あけて―――。


『ええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!?』


クラス全員が驚きの声を上げた!しかも他のクラスからも驚きの声が聞こえた。俺達が驚きの声を上げて数分

経ったら先生が教室に入って来て他のクラスメートたちは自分の席に座り先生の言葉を静かに訊く


「えー、このような時期に珍しいかもしれないが、またこのクラスに新たな仲間が増える。お前等も既に

知っているだろうが、このクラスに転校してくる生徒は―――女子だ!野郎ども喜べ!」


『イヤッハアアアアアアアアアアアアアッッ!!!』


俺、和樹、龍牙以外の男子生徒たちのテンションがMAX状態!対照的に女子たちはテンションが下がった状態

だったがそれでも転校生に興味津々のようだ


「では、呼ぶとしようか。お前等も言えよ?―――転校生さん!」


『いらっしゃーい!』


このクラスメートたちとこの先生の言動についていけない・・・・・和樹や龍牙も同じ様で口を閉ざし黙って

いた。先生とクラスメートたちの声に促されて教室に入室したのは―――。


『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!』


歓喜の声が男子から湧き上がる。登場したのは冷たく鋭い視線の美少女だった。しかし、俺はその少女を

知っていた。和樹も龍牙も転校生を見て「何で・・・・・?」「どうして?」と言う風な表情に成っていた。

転校生は頭を下げた後、クールな口調で自己紹介をしてくれる。以前より髪が長髪に変わっていても間違い

ない!


「シーグヴァイラ・アガレスです。皆さん、どうぞよろしくお願いします」


そう、冥界で出会い俺の婚約者と成った大公、アガレス家の次期当主のジークヴァイラ・アガレスその人だ!


「そして、其処にいる兵藤一誠さんの婚約者でもあります」


彼女は冷たい視線から温かい視線に変えてとんでもない爆弾発言をこの教室で告げた



『ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ

えええええええええええええええええええええええええええええええっっ!?』



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



一誠 「転校生さん!ちょっと来てくれるか!?と言うより来い!」


休み時間に成った途端、男女のクラスメートたちが同時に席から立ち上がり俺とシーグヴァイラ姫に質問攻め

しようと迫って来たので瞬時で移動して彼女を抱え和樹と龍牙と共に俺達の空間でもある屋上に向かった。

あの時「私にも考えがある」って言っていたのはこの事だったのか!?


「イッセーさん、お久しぶりですね!」


ガバッ!シーグヴァイラ姫が俺に抱き付く。


一誠 「ああ、久しぶりだね、シーグヴァイラ姫。元気そうで何よりだ。・・・・・だけど何故、此処に?」


「貴方が冥界に住めないと言うなら私が人間界に住めば何時でもイッセーさんと会えると思い此処に来たの

です」


和樹 「お、乙女だ!」


龍牙 「純情な乙女が此処にいますよ!」


わざわざ俺の為に此処に来たと言うのかよ・・・・・。いや、まあ、嬉しいんだけどそれより


一誠 「両親には何て言ったんだ?大公の次期当主だから人間界に来れるとは思わないんだけど」


「軽く『お前の人生だ。好きにするが良いさ』と父が了承してくれました。母は『早く孫が見てみたい

わ・・・・・頑張ってらっしゃい!』と、応援してくれました」


未だに見ぬシーグヴァイラ姫の両親!幾らなんでも軽すぎるだろうが!?少しぐらい止める言葉を聞きた

かったよ!


和樹 「人間界に住むって何処に住むの?」


「勿論、イッセーさんの家に住みます」


一誠 「俺達の家かよ!?」


完全に人間界じゃないじゃん!無の空間だよ!


「それとイッセーさん」


一誠 「何だ?」


「此処に転校して来たのは私だけではありませんから」


不意に屋上の扉を見詰め出す。すると、扉が勢いよく開けた人物がこっちに走って向かってくるのを見て俺は

驚愕した


一誠 「ジーザス、お前もかあああああああああああああああああ!?」


「イッセーさま、会いたかったですわ!」


俺に抱き付いてくる駒王学園女子生徒の制服を身に纏う頭の両側に縦ロールのお嬢さまみたいな言葉を発する

この少女は―――レイヴェル・フェニックス!


一誠 「レイヴェル!どうして此処に!?」


「勿論、イッセーさまに愛されに来ましたの!」


和樹 「勉学よりも恋愛!?甘い、甘過ぎるよ!」


「ちょっと、先に私が此処に来る時に誘った事を感謝しなさい。じゃなきゃ貴女は冥界にずっといたのです

から」


龍牙 「貴女が誘ったのですか!?」


もう、驚き満載だ!てか、絶対にこの事ってグレモリー先輩達が知っているよな。魔王の妹たちがいるんだし


和樹 「まさかだと思うけど・・・・・セラフォルーさんまで来ないよね?」


一誠 「いや、流石にそれは無いだろう?仮に魔王だぞ。あいつは―――」


「ところがどっこい!来ちゃいました!」


突如、上空から声が聞こえた。俺達は上を見上げるとヒューッと、俺に向かって落ち来たセラフォルーの姿

がいた・・・・・。


「やっほー!イッセーくぅぅぅぅぅん!」


一誠 「お前も来たのかあああああああああああああああああああああああ!?」


魔法少女の服装のセラフォルーを両腕で受け止め下に下ろすとそのままギュッと抱き付いた


「うーん、久々のイッセーくんの匂いだよ!」


一誠 「おい、魔王の仕事はどうした。魔王の仕事は」


「OFFで来たから大丈夫だよ!明日には冥界に戻るけどね!」


本当ならばいいんだけどさぁ・・・・・はぁ


龍牙 「でも、まだ学校が終わっていませんけど放課後に成るまでどう過ごすんですか?」


「うーん、無計画で来ちゃったからなぁ・・・・・みんなボイコットしちゃって何処かへ―――」


ビシッ!


「あう!?」


一誠 「一応、俺達は学生だ。そんなことできる訳がない」


ふざけた事を言うこの魔王の頭に手刀を食らわす


一誠 「しょうがない。俺の家で待っていてもらうとしよう」


「良いの?」


一誠 「どうせセラフォルーも俺の家に止まりに来るつもりだったんだろう?明日には冥界に戻るって言って

   いたからさ」


「その通りだよ☆良く解ったね☆」


ピースサインを俺に向けて肯定した。空間に歪みを生じさせ穴を作りセラフォルーを穴の中に潜らせて閉じる


一誠 「さて、レイヴェルも俺の家に住むつもりで人間界に来たでいいんだな?」


「図々しいのを承知してお願いします。私をイッセーさまのお家に住まわせてください」


「改めて私もお願いします。私もイッセーさんの家に住まわせてください」


頭を下げてお願いする二人、和樹と龍牙を一瞥すると頷いた


一誠 「解った。二人とも一緒に住もう。これからもよろしくな」


和樹 「僕もよろしくね?」


龍牙 「よろしくお願いします」


俺達の家に住む事を許したと同時に休み時間が終わりそうな頃に成った。レイヴェルには放課後になっても

残ってもらう様に言っておいて俺達は教室に戻り放課後に成るまで授業を受けた



――――――――――――――――――――――――――――――――――



リアス 「紫藤イリナさん、レイヴェル・フェニックスさん、シーグヴァイラ・アガレスさん、貴女方の来

     校を歓迎するわ」


放課後の部室。レイヴェルを迎えに行ってオカルト研究部部室に向かうと丁度アザゼルと出会わしたがアザ

ゼルの耳にも入っているようで本人も「手間が省けた」と言ってオカルト研究部部室に一緒に行く事に成り

俺達は一緒に向かう事に成った。部室に辿り着いて部屋の中に入るとソーナとエクスカリバー奪還以来に会う

紫藤イリナの姿がいた。そして現在、オカルト研究部メンバー全員、アザゼル、ソーナと俺、和樹、龍牙が

集まって三人を迎え入れていた。


「はい!皆さん!初めまして―――の方もいらっしゃれば、再びお会いした方の方が多いですね。紫藤

イリナと申します!教会―――いえ、天使さまの使者として駒王学園にはせ参じました!」


「初めまして!私はフェニックス家の四人兄弟の末っ子のレイヴェル・フェニックスです!よろしくお願い

します!」


「私は大公、アガレス次期当主のシーグヴァイラ・アガレスです。よろしくお願いします」


パチパチ。俺たち皆が拍手を送る。イリナも転校してくるとは予想外だ。天界側からの支援メンバーとして

派遣でもされたのか?


ソーナ 「まさか、貴女が学舎に来るとは思いもよらなかったです」


嘆息してシーグヴァイラ姫に向かって言うソーナにクールな口調で言い返す


「貴女だけイッセーさんと会えるなんて同じ婚約者としてずるいと思い私もイッセーさんに会いに来たの

です」


「私もそう思います!」


ソーナ 「・・・・・一つ聞きますが、何処に住むつもりですか?」


『イッセー(さん)(さま)の家です』と異口同音で二人は言うと「貴女方の方がずるいです!」ってソーナ

は二人に向かって声を上げた


ソーナ 「私は学舎しか会えれないのに貴女方はずっと彼の傍にいるとはどういう事ですか!?

     卑怯ですよ!」


「では、貴女もそうすればいいではないのかしら?」


シーグヴァイラ姫の言葉に納得したのか首を頷きぶつぶつと呟き始めた


ソーナ 「・・・・・そうですね。そうすれば今からでも遅れを取り戻せますね―――。イッセーくん、私も

     良いですか?」


一誠 「ああ、いいぞ。ソーナも一緒に暮らそう。婚約者三人が揃わないと俺は嫌だからな」


『イッセー(くん)(さん)(さま)・・・・・』と三人は恍惚の表情で俺の名を呟く



アザゼル 「ミカエルの使いって事で良いんだな?」


と、アザゼルがイリナに問うとイリナも頷いたところを俺の視界と耳に入った。どうやらこの三人の話を聞い

ていたら話が進んでいたようだ


「はい、アザゼルさま。ミカエルさまは此処に天使側の使いが一人もいない事に悩んでおられました。現地に

スタッフがいないのは問題だ、と」


アザゼル 「ああ、そんな事をミカエルが言っていたな。ここには天界、冥界の力が働いている訳だが、

      実際の現地で動いているのはリアスとソーナ・シトリーの眷属と、俺を含めた少数の人員だ。

      まあ、それだけでも十分機能しているんだが、ミカエルの野郎、律義な事に天界側からも現地で

      働くスタッフがいた方が言いってんでわざわざ送ってくると言ってきてたのさ。ただでさ、天界

      はお人よしを超えたレベルのバックアップ態勢だっつーのに。俺はいらないと言ったんだが、強

      引に送って来たのがこいつ何だろう」


一誠 「此処で三大勢力のトップたちが和平を結んだ場所なんだから天使も居ないと示しがつかないんじゃ

   ないか?そう思うと納得いくんだけど」


アザゼル 「お前と式森がいるからいらないんだって含めて言ったんだよ。

      それに六大龍王のファフニールもな」


「ははは、それは光栄です」と苦笑いする龍牙だった。イリナは不意に立ち上がると、祈りのポーズをする。

―――すると、パァァァァと彼女の身体が輝き、背中からバッと白い翼が生えた。天使の特有の白い翼だ。

イリナは天使に成ったのか?全員が驚くが、アザゼルは顎に手をやりながら、冷静にイリナに訊く


アザゼル 「―――紫藤イリナと言ったか。お前、天使化したのか?」


一誠 「天使化?そんな現象あったのか?」


俺がアザゼルに訊くとアザゼルは肩を竦めた。


アザゼル 「いや、実際には今までなかった。理論的なものは展開と冥界の科学者の間で話し合わせては

      いたが・・・・・」


考え込むように目を細めるアザゼルにイリナが頷いた


「はい。ミカエルさまの祝福を受けて、私は転生天使と成りました。なんでもセラフの方々が悪魔や堕天使の

用いていた技術を転用してそれを可能にしたと聞きました」


へぇ、天界も進んでいるんだな。これで悪魔、天使、堕天使が此処に勢揃いしたわけか


「四大セラフ、他のセラフメンバーを合わせた十名の方々は、それぞれ、AからQ、トランプに倣った配置で

『御使い』と称した配下を十二名作る事にしたのです。カードで言うキングの役目が主と成る天使さまと

成ります」


アザゼル 「なるほど。『悪魔の駒』の技術か。あれと堕天使の人工神器の技術を応用しやがったんだな。

      ったく、伝えた直後に面白いもん開発するじゃねぇか、天界も。悪魔がチェスなら、天使はトラ

      ンプとはな。まあ、もともとトランプは『切り札』という意味も含んでいる。神が死んだあと、

      純粋な天使は二度と増える事が出来なくなったからな。そうやって、転生天使を増やすのは自軍

      の強化に繋がるか」


駒とトランプ、なら他の何かできそうだな。例えば集団で戦う場合は三国志と戦国の戦い方とで1


アザゼル 「そのシステムだと、裏でジョーカーなんて呼ばれる強い者もいそうだな。十二名も十二使徒に

      倣った形だ。まったく、楽しませてくれるぜ、天使長さまもよ」


くくくとアザゼルは楽しげに笑いを漏らしていた。アザゼルってこういう話は好きなようだ。


成神 「それで、イリナはどの札なんだ?」


あいつはイリナがどの札なのか気に成ったようで訊くと彼女は胸を張り、自慢気に言う。


「私はAよ!ふふふ、ミカエルさまのエース天使として光栄な配置を頂いたのよ!もう死んでも良い!主はい

ないけれど、私はミカエルさまのエースとして生きていけるだけで十分なのよぉぉぉぉっ!」


あ、確かに左の甲に「A」の文字が、おおー。凄いじゃんか、イリナ


成神 「あー、新たな人生の糧はミカエルさんか」


ゼノヴィア 「うん。自分を見失わないよりはマシさ」


本当はメイビスが生きているんだけどなぁ・・・・・純粋な天使が増えなくなったのは、メイビス自身がそう

しないようにしているみたいだけど・・・・・


「さらにミカエルさまは悪魔のレーティングゲームに異種戦として、『悪魔の駒』と『御使い』のゲームも

将来的に見据えていると仰っていました!今はまだセラフのみの力ですが、

いずれはセラフ以外の上位天使さまたちにもこのシステムを与え、悪魔のレーティングゲーム同様競い合って

高めていきたいと仰られていましたよ!」


異種戦、しかも天使が悪魔のレーティングゲームに参加して対決とは面白そうだな


アザゼル 「天使や悪魔の中には上の決定に異を唱えるものも少なくは無い。長年争い合って来た仲だ、突然

      手を取り合えと言えば不満も出るさ。しかし、考えたな、ミカエル。そうやって、代理戦争を

     用意する事でお互いのうっぷんを競技として発散させる。人間界のワールドカップ、オリンピック

      みたいなもんだ」


次第に仲良く成って行くだろうな。・・・・・まあ、既に俺達はあの『計画』が進んでいるけどな


成神 「じゃあ、俺たちグレモリー眷属と天使のゲームシステムが戦う事も有るんですか?」


アザゼル 「将来的にそうなるかもしれないな。と言っても、すぐじゃない。少なくとも十年・・・・・

      もしかしたら二十年後だ。ま、お前等はその頃ちょうど新人悪魔としても良い時期だろうし、

      楽しめるだろうさ」


ニ、二十年後・・・・・。そりゃあ、気の長いことで。てか、その間に俺達のアレが発展している頃だぞ


木場 「おもしろそうだね」


あいつは興味津々のようだ。


ギャスパー 「きょ、教会は怖いですぅ・・・・・」


こいつは複雑そうだな。ああ、教会は未だにヴァンパイアハントだけは続いているんだっけ?それじゃあ複雑

になるのは当たり前か。まだ吸血鬼と和平を結んだ訳じゃなさそうだし


ソーナ 「その辺りの話は此処までにしておいて、今日は紫藤イリナさんとレイヴェル・フェニックスさんと

     シーグヴァイラ・アガレスさんの歓迎会としましょう」


彼女も笑顔でそう言ってくれる。イリナたちも改めて皆を見渡して言った


「悪魔の皆さん!私、いままで敵視してきましたし、滅してもきました!けれど、ミカエルさまが『これから

は仲良くですよ?』と仰られたので、私も皆さんと仲良くしていきたいと思います!というか、本当は個人的

にも仲良くしたかったのよ!協会代表として頑張りたいです!よろしくお願いします!」


「初めて人間界に訪れ学園に入って間もないです。なので、解らないことがあったら教えてくれると嬉しい

です。よろしくお願いします」


「私も初めて学園に来たばかりで不安ですが、この学園に通う人間たちと友達になってみたいと思って

います!皆さんよろしくお願いします!」


突然転校してきたシーグヴァイラ姫とレイヴェルには驚いたけどイリナを含めて駒王学園の仲間入りって

事だ。その後、生徒会のメンバーも合流して三人の歓迎会が行われた



オマケ




一誠 「あっ、忘れてた」


ソーナ 「何がですか?」


歓迎会と言う事で俺がオカルト研究部部室に設置されているキッチンを借りて簡単な料理を作ってテーブルに

出している最中に思い出した事が有った


一誠 「こういう事だ」


空間を歪ませ穴を開ける。俺の行動に怪訝になるソーナだが穴から出てくる人物を見て目を見開いた


「やっほー☆ソーナちゃん!」


ソーナ 「お、お姉さま!?」


リアス 「セラフォルーさま!?」


アザゼル 「何だ、来ていたのかよ?」


自分の妹に嬉しそうに抱き付くセラフォルーに驚愕の声を上げ、アザゼルは彼女が来ていた事に気づいてい

なかったようだった


「うん!イッセーくんの家にずっといたからね。・・・・・でも、怖かった。出会い頭にあの人が『魔王が

何でそんな服を着ているの!』って説教されちゃって」


一誠 「そりゃあそうだろうが。誰でもそう思う」


セラフォルーはあの時の光景を思い出したのか身体を震わせ始めた。絶対にレヴィアタンだな・・・・・


アザゼル 「お前が恐怖するほどの人物が兵藤家にいるのかよ・・・・・」


一誠 「まあな・・・・・っと、これで全部だ」


匙 「これ・・・・・全部お前が作ったのかよ」


ゼノヴィア 「美味そうだな」


テーブルには数々の料理が皿に盛られて置かれていた


「別名『女殺し』」


『女殺し?』


シーグヴァイラ姫が嘆息をしながら呟くとレイヴェルとソーナ以外の女性陣がオウム返しをする。俺は苦笑

して「まあ、食べて見れば解ると」促す


パクッ・・・・・・っ!?


オカルト研究部部員と生徒会メンバーが食べ一拍して目を大きく見開いた


『う、美味い!』


うん、嬉しいんだけどさ。それと同時に


『・・・・・』


女性限定で俺の料理の腕前に落ち込むんだよな。これがさ、だから『女殺し』なんて不名誉な名前が付けら

れたんだ


リアス 「確かに『女殺し』ね・・・・・。」


朱乃 「料理をする人やしない人でもこの美味しい料理を食べたらショックを受けてしまい

    ますわ・・・・・」


アーシア 「ぅぅぅ・・・・・。もっと上手にならないといけないとそんな感じに駆られてしまい

     ます・・・・・」


ゼノヴィア 「うん、食べる側の筈の私もそう思ってきたよ・・・・・」


「ま、負けていられない。絶対にこの美味しさに追いついて見せるんだから!」


グレモリー眷属の女性陣がそう言い


『はぁ・・・・・』


シトリー眷属の女性陣は顔を曇らせ落ち込んだ


成神 「男で、しかも同い年の奴がこんなに美味い料理を作れるもんなのか・・・・・?」


木場 「彼は何処までも凄いんだね」


ギャスパー 「お、美味しいです!」


匙 「お袋の料理より段違いに美味いぞ」


グレモリー、シトリー眷属の男子陣がそう言葉を漏らす。そんな中


小猫 「・・・・・おかわり」


一誠 「はい」


小猫 「・・・・・おかわり」


一誠 「はい」


小猫 「・・・・・おかわり」


と、何度もおかわりをする小猫だった。―――あっ、もうないや


一誠 「悪い。今ので最後みたいだ。作るにももう材料が無い」


小猫 「・・・・・残念です」


そんな明らささまにガッカリされると罪悪感が・・・・・


和樹 「そんなに一誠の料理を食べたいなら家にくるかい?今日の夕飯は一誠が作る日なんだ」


小猫 「行きます」


『即答!?』


俺と龍牙も含めて小猫の言葉の速さに驚く・・・・・って


一誠 「和樹、何勝手なことを言っているんだよ」


和樹 「だって例の件だってあるし丁度良いんじゃない?」


そう言われ俺は悩む。確かに小猫には家に連れていくと約束したけど・・・・・


成神 「お前の家なんか小猫ちゃんを行かせるかよ!しかも小猫ちゃんのお姉さんがいるからまた酷いことを

   するかもしれない!」


リアス 「良く言ったわ!イッセー!彼の言う通りよ!」


とまあ、こんな感じに反対してくる悪魔がいる訳だ


一誠 「小猫、ちゃんと言ったのか?」


小猫 「・・・・・言いましたが反対されました」


あー、反対する理解は出来るんだけどなぁ・・・・・しょうがない


一誠 「グレモリー先輩、一つ交渉しないか?」


リアス 「―――交渉ですって?」


一誠 「先輩が俺に作った借りを一つ消すって言ったら小猫の外泊の許可を許してくれるか?」


そう、グレモリー先輩は俺にニ回ほど借りを作っている。その一つを帳消しにすると言う交渉だ


リアス 「・・・・・ダメよ。小猫はイッセーの家に私たちと住んでいるのだから」


一誠 「・・・・・恩を仇で返すつもりか?」


リアス 「違うわ。テロリストの疑惑が掛かっているところに小猫を行かせる訳にはいかないって言って

    いるの」


カチンッ


一誠 「・・・・・俺だ。至急、駒王学園に来てくれるか?・・・・・ああ、ごめんな」


俺はグレモリー先輩の言葉に頭にきてとある人物のところに携帯で連絡して学園に来てもらう様に言って

連絡を切った


アザゼル 「・・・・・おい、誰に連絡したんだ?」


「俺の眷属だ」と言うとグレモリー先輩は怒りのオーラを纏い始めた


リアス 「貴方、まさかだと思うけど眷属たちを呼びだして脅すつもりかしら?私は屈しないわよ」


一誠 「本当はしたくなかったんだ。本当にしたくはなかったよ。グレモリー先輩が了承してくれ

   れば・・・・・こっちに来させなかったのにさ」


バンッ!


刹那、部室の扉が勢いよく開け放たれた。俺以外の部室にいる皆が扉の方へ向け―――顔を青ざめた

(和樹、龍牙以外)


貂蝉 「はぁ〜い!皆の踊り子の参上よん!」


卑弥呼 「同じく皆の巫女が参上じゃ!」


マッスルポーズをしながら部室に現れた漢女の貂蝉と卑弥呼


『うわああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!』


『いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッ!!!!』


グレモリー眷属、シトリー眷属、アザゼルが部室の隅に避難した。ソーナとシーグヴァイラとレイヴェルは

身体を震わせしっかりと俺の身体にしがみ付いた


リアス 「一人、増えている!?」


成神 「あの時はいなかったのに!何でオカマがもう一人いるんだよ!?――――まさか、ミルたんの仲間か

   何かか!?」


アザゼル 「目が!目があああああああああああああああああっ!!!腐るぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!」


匙 「もう二度と会いたくなかったのによぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」


「あ、あんな生物は天界のデーターベースでも見た事無いわ・・・・・。えっと、人間・・・・・よね?」


ギャスパー 「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・・・。死にたくないです死にたく

      ないです死にたくないです死にたくないです・・・・・。」


うん、予想通りの展開だ。この部室は混沌化と成った


一誠 「グレモリー先輩、さっきも言ったように本当はしたくないけど、この二人を―――成神の家に一泊

   させる。しかも、成神の部屋に寝かせる」


『―――っ!?』


グレモリー眷属は俺の言葉に声を呑む。特に成神とグレモリー先輩と姫島先輩、アルジェントが酷く驚いて

いた


貂蝉 「あら〜ん?ご主人様、あの子の家に止まりに行けばいいの?私、襲われちゃったら・・・・・

   いや〜ん!」


卑弥呼 「わしも襲われることになったら・・・・・ぐふふ!」


二人は有り得ないことを脳裏に浮かび想像していた。


成神 「お、俺の家に来るな!泊まりに来るな!ってか、お前は何て事を言うんだよ!?ふざけんじゃ

   ねぇよ!」


アーシア 「あのお二人がイッセーさんの部屋に寝る・・・・・そ、そんな・・・・・」


朱乃 「想像しただけでもイヤ!イッセーくんの部屋が!ベッドが!汚れてしまいますわ!」


一誠 「さてどうする?グレモリー先輩、小猫の外泊許可を了承してもらわなければ成神の家に泊まらせる

   ことになるけど・・・・・。あっ、そう言えば俺の脅しには屈しないと言っていたよな?それじゃあ

   成神の家に泊まらせても問題ない筈だな。今回は幽幻龍騎士団とグレモリー眷属の親睦を深める為に

   この二人を泊まらせても悪くないな」


うん、その方がサーゼクスも喜ぶだろうし俺達がテロリストじゃないと解ってくれれば問題ない。

良い事尽くめだ


一誠 「アザゼル、俺たちとグレモリー眷属が仲良ければ良いだろう?なら俺の仲間であるこの二人を

   俺たちの事を理解させるためにも成神の家に泊まらせても良いよな?」


アザゼル 「あ、ああ・・・・・確かにその方が良いかもしれないな」


『そ、そんなっ!?』


良し、アザゼルがああ言ってくれたし早速―――「いいわ」ん?


リアス 「良いわよ」


一誠 「グレモリー先輩、いったい何が良いんだ?良く解るように言ってくれ」


リアス 「小猫の外泊許可を許す事を良いって言っているのよ・・・・・っ!」


一誠 「そっか、それは良かった。―――でも、俺の脅しに屈しないんじゃなかったのか?それに小猫の

    外泊を許したってことは自分の方が大事だってことだよな?」


俺がそう言うと何も言わずただ歯をギリッと噛みしめ俺の瞳を据え睨んでくるだけだった。


一誠 「何も言わないなら肯定とする」


やっぱり悪魔も他人より自分が可愛いってことか・・・・・ん?空間に歪みが生じて穴が開いた。其処から

現れた人物を見て俺は「何で来たんだ?」と思った


アーサー 「イッセーくん。迎えに来ましたよ」


一誠 「アーサー?どうして此処に来たんだよ」


アーサー 「学園の時間がとっくに過ぎているのに家に帰ってこないと皆が心配していたので私自ら迎えに

      来たのです・・・・・また、あの時のようになっているのではないかと私も含めて皆、そう思っ

      ていますよ」


・・・・・そうか


一誠 「悪かったな。心配掛けて」


アーサー 「いえ、では戻りましょうか」


アザゼル 「って、ちょっと待て!突然現れて突然帰るな!?」


何だよ。俺の愛しい人達が心配しているって言うのに


一誠 「どうしたんだよ?」


アザゼル 「どうしたんだよ?じゃない!こうも簡単に三大勢力が和平を結んだこの駒王学園に、しかも

      この部室に入ってくるなんて普通じゃない!」


一誠 「いや、普通だろう」


アーサー 「普通ですね」


『普通じゃない!』


異口同音で言われてもな・・・・・


一誠 「じゃあ、言い方が悪いけど、それだけ此処は警戒心が無いって事なんじゃないか?これが禍の団の

    奴らだったら大変だぞ」


『・・・・・』


そう言われた面々は沈黙してしまった。


アーサー 「では、今度こそ帰りましょうか」


一誠 「そうしよう。それじゃあな」


アーサーの迎えによって俺、和樹、龍牙、ソーナ、シーグヴァイラ姫、セラフォルー、小猫は次元の狭間に

存在する家に帰って行った

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