小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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報告と警告


その日の放課後、生徒会の仕事を終わるのを待つ俺達五人は今日もこの教室で話をしていた


龍牙 「そう言えばもうアレは既に完成しているんですよね?」


一誠 「そうだ。ジェイル達は次の段階に入ってもらっている」


和樹 「作るのは簡単だけど細かいことまでは流石に面倒だよね」


その言葉に同意する俺と龍牙、シーグヴァイラ姫とレイヴェルは不思議そうに訊いてきた。それを答えた

のは龍牙と和樹だった


龍牙 「ああ、そう言えばソーナ先輩も含めて知らなかったんですよね。僕達はある『計画』の準備をして

   いるんですよ」


和樹 「まあ、『計画』って言っても一誠の夢の何だけどさ」


『夢・・・・・?』と今度は俺に訊いてきた


一誠 「言っただろう?旧魔王派を救済するって、その上に俺の記憶を見ているから知っているだろう?

    新たな世界を作るって」


「えっ、本当に創れたんですか!?」


和樹 「うん、本当だよ。実際に僕達も其処に行ってきたからね」


龍牙 「あの時は感動的でしたよ。最初に来た感じではまるでアダムとイヴに成った感じでしたから」


まあ、当然だろう。俺たち以外に誰もいない世界なんだからな


「名前ってもう付けてあるのですか?」


一誠 「『新世界ザナドゥ』とそう呼んでいる。まあ、『新世界』でも『ザナドゥ』でも色々と呼び方は

    あるけどさ」


和樹 「皆がそう呼んでいるからね」


龍牙 「僕もそう呼んでいる一人ですがね」


苦笑しながら龍牙は答える


ソーナ 「お待たせしました」


鞄を持ったソーナが教室に入室してきた。これで全員だな


一誠 「帰る前にグレモリー先輩たちに知らせておこう」


「アーシア・アルジェントの事ですか?」


一誠 「一応は教えておいても損は無い筈だ」


「それもそうですね」とシーグヴァイラ姫も納得した。それに今日はグレモリー先輩にディオドラの事で

教えるから遅くなると事前にガイアたちに言ってあるから迎えには来ないだろう。教室から出て旧校舎へ歩を

進める俺たち、二階に上がる階段を上り、オカルト研究部部室の前に辿り着いてノックをしてからガチャッと

扉を開け放つ。部室の中にはグレモリー眷属とアザゼル、そして何故かディオドラ・アスタロトがいた


一誠 「何でディオドラが此処に居るんだって、ああ・・・・・アルジェントに用が有ったのか?」


「おや、また会うとは思いませんでした。兵藤一誠、それに―――僕に負けたアガレスもね」


「ディオドラ・・・・・っ!」


憤怒の形相でディオドラを睨みつけるシーグヴァイラ姫を宥めながら訊く


一誠 「用件は終わったのか?俺はちょっとグレモリー先輩に報告と警告を知らせに来たんだ」


リアス 「・・・・・警告・・・・・?」


「いま、帰ろうとしたところだよ。でも、その前に」


あいつはアルジェントの許へ近寄った。当惑しているアルジェントの前に立つと、その場で跪き、手を取ろ

うとした。


「アーシア。僕はキミを愛しているよ。だいじょうぶ、運命は僕たちを裏切らない。この世のすべてが僕たち

の間を否定しても僕はそれを乗り越えて見せるよ」


ああ言う手口でシスターと聖女を堕としたのか・・・・・ゲスだな


「放してくれないか?薄汚いドラゴンくんに触れられるのはちょっとね」


成神はディオドラがアルジェントの手の甲にキスをしようとしたところで肩を掴んでキスを制止した。

だけど、あいつは爽やかな笑みを浮かべながら成神に言った。それがお前の本性ってやつか―――


バチッ。


アルジェントのビンタがディオドラの頬に炸裂した。アルジェントは成神に抱きつき、叫ぶように言った


アーシア 「そんなことを言わないでください!」


虫も殺せないぐらい優しい奴かと思ったけど、どうやら違ったみたいだな。ディオドラの頬はビンタで赤く

なっていたそれでも笑みを止めない


「成程。解ったよ。―――では、こうしようかな。次のゲーム、僕は赤龍帝の成神一成を倒そう。

そうしたら、アーシアは僕の愛に答えて欲し―――」


成神 「お前に負ける訳ねぇだろうッ」


一誠 「そう言って負けたら面白いけどな」


あいつは俺の言葉に反応してこっちに睨みつけるが直ぐにディオドラの方へ顔を向けた


「赤龍帝、成神一成。次のゲームで僕はキミを倒すよ」


成神 「ディオドラ・アスタロト、おまえが薄汚いって言ったドラゴンの力、存分に見せてやるさっ!」


睨み合う成神とディオドラ。そのとき、アザゼルの携帯電話が鳴った。いくつかの応答のあと、アザゼルは

グレモリー先輩とディオドラに告げた


アザゼル 「リアス、ディオドラ。ちょうどいい、ゲームの日取りが決まったぞ。―――五日後だ」


「五日後・・・・・そうですか。では、僕は帰ります。アーシア、必ず赤龍帝を倒してキミを迎えに行く。

待っていてね?」


そう言い残しディオドラは転移魔方陣で部室から居なくなった


リアス 「・・・・・それで、報告と警告って何のことかしら?」


一誠 「最初は警告から―――アーシア・アルジェントを次のゲーム、ディオドラ戦には出すな」


俺がそう告げるとグレモリー眷属とアザゼルが怪訝な表情を浮かべた


ゼノヴィア 「どう言う事だ。何故、アーシアを次のゲームに出してはならないんだ」


成神 「そうだ!アーシアは俺たちの大事な仲間だぞ!何でお前がそう決めるんだよ!?」


一誠 「話を最後まで聞け、あいつの女の趣味がアーシア・アルジェントに一致するんだよ」


成神 「女の趣味?アーシアと一致?どう言う事だよ」


俺はアルジェントに一瞥してから口を開いた


一誠 「ディオドラ・アスタロトの女の趣味それは―――教会に通じた女性、それも熱心な信者や教会の本部になじみが深い女性や元は有名なシスター、各地の聖女を誘惑し、犯し、手篭めにすることだ」


『―――っ!?』


一誠 「アルジェントは教会に通じていた。もう理解しただろう?ディオドラはアルジェントを犯して自分の

    ものにしようとしている。だからさっきも甘い言葉をアルジェントに言ったんだ。自分の欲望の

   為にな。だから警告と言っているんだ」


アーシア 「そ、そんな・・・・・」


俺の警告を訊いて愕然とするアルジェント


一誠 「もう一度言う。アーシア・アルジェントを次のゲームには出すな」


リアス 「・・・・・」


アザゼル 「警告は解った。兵藤、報告って言うのは何なんだ?」


グレモリー先輩は俺の警告に思考の海に潜ってしまったようで答えなかった。アザゼルが報告を気に成るのか

俺に質問した


一誠 「報告・・・・・これも警告か?まあ、いいや。ディオドラ・アスタロトは禍の団と繋がっている。

    それが報告だ」


『なんだって!?』


異口同音、声を揃って驚愕の声音を発した


一誠 「禍の団にスパイを頼んでいるヴァーリからと情報収集が得意とする俺たちの仲間の一人が言った。

   間違いないと思ってはいるぞ。因みにシーグヴァイラ姫から聞いてオーフィスから教えてくれたけど、

   ディオドラの急激な力の増幅の原因はオーフィスが生み出した力を増幅させる蛇を飲んだからだ」


アザゼル 「オーフィスの蛇か・・・・・成程。それなら納得する。だけど、何でオーフィスは蛇をディオドラに?」


一誠 「違う、オーフィスはディオドラに渡していない。何でも俺と一緒に来る前に大量の蛇を禍の団に

    置いて来たんだってさ。旧魔王派を足止めの為に、きっとディオドラは旧魔王派に蛇を受け

    取ったんだろう」


嘆息して事実を言うと「そっか」とアザゼルは溜め息をこぼす


アザゼル 「この事はサーゼクスに言ってもいいか?」


一誠 「そのつもりで教えたんだ。対策はそっちで任せる。こっちはこっちで自由に動く」


俺は踵を返して部室から出ようとするが念の為にグレモリー先輩に三度目の警告を言ってから皆と部室から

出て行った



――――――――――――――――――――――――――――――――――――



リアスside



リアス 「・・・・・」


私は悩んでいる。彼の報告と警告を訊いて・・・・・


朱乃 「部長、彼の言う通りアーシアちゃんは次のゲームだけ参加をしないでもらいます?」


私の親友の朱乃が訊ねてくるけど私は悩む。彼の言う通りにするべきか否か・・・・・。


ゼノヴィア 「・・・・・アーシア、キミは今回だけ出ないでくれるか?」


アーシア 「ゼノヴィア・・・・・さん?」


突然のゼノヴィアの言葉に困惑してしまうアーシアだけどゼノヴィアは真剣な表情でアーシアに言った


ゼノヴィア 「私の大事な友なんだ。命の恩人である彼、イッセーの言う通りならば私はアーシアには出ない

        でほしいんだ。ディオドラの前にアーシアを立たせたら何されるか解ったもんじゃない」


「うん、私もゼノヴィアに賛成よ!此処は一誠くんの言う通りにしましょう!」


イリナもゼノヴィアの言葉に賛同した。・・・・・って、貴女たちは何時の間に彼の名前を呼ぶ仲に

成っているの?


アーシア 「イリナさん・・・・・でも・・・・・私はリアスお姉さまの、グレモリー眷属の『僧侶』です。

      私だけ出ない訳にはいかないんです!」


ゼノヴィア 「アーシア・・・・・」


「アーシアさん・・・・・」


彼女はゼノヴィアたちに説得されるけど強い意志を瞳に乗せて二人に参加すると主張した。すると私の前に近

寄って頭を下げた


アーシア 「お願いします!足手纏いになりませんから外さないでください!」


成神 「部長!俺からもお願いします!」


アーシアが必死な声音で私に頼むとアーシアの隣に立ち一緒に頭を下げるイッセー


成神 「俺が必ずアーシアを守ります!ディオドラだって俺が倒します!どうか、あいつの言葉に乗らないで

     ください!」


リアス 「イッセー・・・・・。・・・・・はあ、解ったわ。アーシアは次のゲームにも参加させます」


私は二人の気持ちを考えて答えたら「ありがとうございます!」と二人から感謝の言葉を送られた


「でもイッセー、そう言ったのだから必ず遂行しなさい?」


成神 「はい!」


ふふふっ、私はイッセーの元気のいい返事に微笑んでしまう。視界の端には嘆息をするアザゼルの様子が

入った。目が会うと私の名を呼んだ


リアス 「何かしら?」


アザゼル 「良いのかよ?三度も言われたんだぞ?『アーシアを出すな。危険だ』ってさ」


リアス 「大丈夫よ。私たちがアーシアを守りきれば彼も文句は無いでしょう」


アザゼル 「・・・・・まあ、お前がそう言うなら、もう何も言わねぇよ」


「俺はサーゼクスに連絡する」と言って部室から出て行った


リアス 「五日後・・・・・ね。なら修行をしましょうか」


私たちは強くなる。絶対に・・・・・っ!



Boss×Boss



アザゼル 「通信で悪いな、サーゼクス。例のグラシャボラス家次期当主の不審死とディオドラ・アスタロト

      の魔力増大についてだが・・・・・」


サーゼクス 『やはり、繋がったか。―――悪魔は未だ問題を抱えるばかりだ』


アザゼル 「まだ確証は得ないが、兵藤の忠告と言える報告を信じるならば、―――例の案、やるしかない

      かもな。・・・・・たく、身内のイベントでただでさえテンションが低いのによ」


俺がそう言うと「ふふ」と小さく笑いやがった


サーゼクス 『聞いているよ。グリゴリの幹部がまた一人婚姻した様だな』


ちくしょう!あーそうだよ!その通りだよ!


アザゼル 「・・・・・どいつもこいつも焦りやがって。何よりも俺に黙って裏で他勢力の女とよろしく

     やっていたなんてな・・・・・。クソ、そろそろ一人身は俺だけか!」


サーゼクス 『ふふふ、アザゼルも身を固めたらどうだ?』


アザゼル 「嫌だね。俺は趣味に生きる男だ。・・・・・お、女なんていくらでもいる!」


そうだ!俺は過去数百のもハーレムを築いた男だ!女なんて・・・・・腐るほどいる!


サーゼクス 『そうだな。そう言う事にしておこう。―――さて、例の案、そちらを信じるぞ』


真剣な表情で俺の瞳を据える。わぁーてるよ


アザゼル 「ああ、任せてくれ。あいつらには少々悪いことをするがな」


サーゼクス 『そうだ。兵藤くんにも手伝ってもらうのはどうだろうか?』


アザゼル 「・・・・・一応、聞いては見る。手伝ってくれるのか半々だけどな」


サーゼクス 『セラフォルーにもお願いしてもらうようにしよう。婚約者だからね』


けっ!魔王様を婚約者にするとは凄いことだな!まっ、誠達の息子なら当然のことか?


サーゼクス 『何時か、彼の家に遊びに行きたいものだな』


アザゼル 「どうした、藪から棒に」


サーゼクス 『セラフォルーが何度か彼の家に遊びに行ったそうだ。口止めされているようで詳細は

      解らないが「サーゼクスちゃんもきっと気に入るよ!」と、はしゃいでいたからね』


へぇー、あいつの家か?俺も行ってみたいもんだ。それにあいつもハーレムを築いていたからな



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ハイスクールD×D リアス・グレモリー (1/4.5スケール ポリレジン製塗装済み完成品)
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