小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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戦いの後



Surveillant.



「あれが赤龍帝と白龍皇と兵藤一誠・・・・・か」


「見に来て正解だったわ。技術部の理論が確証を得そう。―――赤龍帝と白龍皇、更に幽幻龍騎士団に一度で

も関わった神器所有者はイレギュラーの覚醒をする確率が段違いに高いってね。特に幽幻龍騎士団の方は全員

がイレギュラーの禁手化に至ったわ」


「では、今後は幽幻龍騎士団に当らせようか。―――それにしてもグリゴリの技術も脅威だ。―――で、

『覇龍』の攻略方法は見つかったか?」


「消耗するものを加速させる神器で対抗できると思うわ。魔力ないし生命力を消耗さえるなら、其処を狙えば

いい。問題は赤龍帝ね。何やら可笑しな方法で成長しようとしている反応だわ。神滅具の意識に潜っているの

かしら。その点で言うと白龍香も危険か」


「・・・・・・。―――いま、曹操から連絡が入った。ほう、これは・・・・・」


「どうかした?もしかして―――」


「ああ、龍喰者が見つかった。―――これで無限が終わる」


「・・・・・」


「どうしたの?」


「・・・・・ま」


「え?」


「・・・・・ご主人様」


「ご主人様?誰のことを言っている?」


「・・・・・兵藤一誠」


「―――なに?」


「・・・・・ご主人様、何時かきっと・・・・・」



Phantom Dragoon.



一誠 「アザゼル」


高層高級ホテルに戻った俺たちはソーナたちに出迎えられたあとアザゼルの許へ向かう為ホテルの中に入っ

た。すると丁度アザゼルとオー爺ちゃんと会えた


「おお、兵藤。どうやらそっちも終わったようだな」


一誠 「殆ど俺たちが倒した様の形になったけどな」


「ほっほっほっ、孫よ。ありがとうのぅ、孫たちのお陰で無事に会談が終わったわぃ」


長い白いヒゲをさすりながらオー爺ちゃんがそう言った


一誠 「うん、どういたしまして。オー爺ちゃんの役に立って嬉しいよ」


「ところで兵藤、リアスたちはどうした?」


一誠 「俺たちが先に戻って来たからな。もうすぐこっちに来るんじゃないのか?」


「そうか、今回も世話になったな。これからも協力してくれると「そのことなんだけどさ」

・・・・・どうした?」


アザゼルの言葉を遮る。真っ直ぐアザゼルの顔を見て口を開いた


一誠 「もう俺たちは三大勢力とグレモリー眷属と協力する事を止める」


俺の口から出た言葉にアザゼルとソーナは目を大きく開かせ度肝を抜かす


「ど、どう言う事だ!どうしてそんなことを言う!?あいつ等と一体なにが起きたと言うんだ!」


一誠 「『一度でも悪魔や天使、堕天使が敵対するような言動をしたら二度と協力はしないし、

助けもしない。幽幻龍騎士団という勢力と成って自由に「禍の団」と対抗する』って前に一度

言ったよな?ロキと協力して戦ったあとにグレモリー眷属とタンニーン、バラキエルが俺たちと協力を

するのが『不安』だの『危険』だの『テロリストの戦い方』だのと言われたからだ。とても一緒に

共闘してロキを倒したとは思えない言葉だった」


「ば、バカな・・・・・。あいつらがそんな事を言ったのかよ・・・・・」


心の底からショックを受けた表情を見せる。が、俺には関係ない


一誠 「敵対はしないから安心してくれ。協力はしないけどな」


「・・・・・もう、決めたことなのか?それが幽幻龍騎士団の決意なのか?」


一誠 「今更、謝っても言葉を取り消しても無意味。俺たちはグレモリー先輩たちに恩を仇で返されたもの

   だからさ」


「そうか」と呟くと哀愁を漂わせ始めた。


一誠 「別にグレモリー先輩たちと絶縁した訳じゃないんだ。そう悲しそうにするなよ」


「それはそうだが、こんな結果に成るとはサーゼクスも俺も思わなかった事だぞ・・・・・」


一誠 「そうさせたのがグレモリー先輩たちだ」


「いえ、貴方たちよ」


突如、俺たちの他に声が聞こえた。声がした方向に見るとグレモリー先輩たちがいた。

(タンニーンは小型の龍になっていた)


「貴方たちが私たちと協力せずに自分の欲望の為に動いていたじゃない。その上、神を噛み殺すフェンリルを

捕まえた。不安要素の貴方と協力するのが不安なのよ」


一誠 「まだそんなことを言うか。だったらもう一度言うぞ。俺たち幽幻龍騎士団は三大勢力と今後一切

    協力しない。幽幻龍騎士団と言う新たな勢力となって独自に『禍の団』と戦う。グレモリー眷属とは

    二度と協力する気ないし、助ける気もない。例え、死に掛けてもな」


「・・・・・・・・」


一誠 「なんだ、その顔は?まさか俺たちの力を頼りにするつもりだったのか?まあ、俺たちと一緒に戦えば

   確実に勝てるしな・・・・・。でも、今更言葉を取り消すなんて言うなよ?もう、遅いんだからな」


不満そうな表情をするグレモリー先輩にそう言いながら空間に歪みが生じさせ数人が潜れそうな穴を開くと

今度はオー爺ちゃんに話かける


一誠 「オー爺ちゃん。今度また遊びに来たら今度こそ釣りをしようね」


オー爺ちゃんは微笑みながら頷いた。ソーナは真羅先輩たちに別れの挨拶をすませ皆と一緒に穴の中に潜って

いった。俺も行かないと・・・・・と穴の中に潜ろうとしたが、一度グレモリー先輩に振り返り口を開く


一誠 「一つ忠告だ。俺はグレモリー先輩たちとは敵に成らない。けど、俺たちの邪魔をするなら

    ―――その時は覚悟をしろ」


踵を返して俺が完全に穴の中に潜ったことで穴は閉じてしまった



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



Heros.



「曹操、そろそろ感づかれた頃だと思うよ」


「ああ、そうだろうな。そう、それでもいいんだ。人材も集まってきた。では、次の段階へいこうか」


「そうだね。ものは揃いつつある。頃合いだよ」


「―――さて、最初の交渉相手は誰にするか」


「協力態勢を外堀から剥がしていく。―――乗るかな?」


「乗るさ。今時全面戦争など流行らない。だから旧魔王は潰れたんだまずは交渉だ。手堅くいくぞ、

ジークフリード」


「了解。魔王と魔物、そしてドラゴンを退けるのは―――」


「何時だって、英雄と勇者だ。・・・・・。ん?どうした?ジャンヌ」


「ごめんなさい。少しハプニングが起きたの」


「どうした?」


「あの子が急にいなくなったのよ」


「あいつが?何処に行ったのやら・・・・・」


「きっと兵藤一誠の方に行ったに違いないわね。まあ、戻っては来ると思うけど―――曹操、どうする?私が

探しに行こうかしら?」


「いや。彼女を自由にしておいてくれ、・・・・・それとどう思う?」


「ん?何がかしら?


「彼―――兵藤一誠は新種の神滅具を二つ持っている。俺のこの神滅具とどっちが強いと思う?」


「うーん。見た限りだと兵藤一誠の方じゃないかしら?調べた限りじゃあ二つの一つは無効化の能力は

備わっているからね。その上、龍化と呼ばれるドラゴンになれる能力もあるし―――曹操?」


「そうか、俺が持つ神滅具最強の『黄昏の聖槍』を超えるか・・・・・」



Gremory



彼が私たちの前からいなくなって数時間が経過した。あの後は私たちグレモリー眷属は家に戻り地下の一階の

大広間に集まっていた


『お前達とは戦わなければ協力もしない。更に助けもしない』


『何だ?まさか俺の力を頼るつもりだったのか?まぁ、俺も一緒に戦えば確実に勝てるしな』


『だけどもう決めた事だ。今さら言葉を取り消しても、もう遅い。お前達とは敵にならない。

けど邪魔するなら―――倒させて貰う』


私は何か間違えていたのだろうか?確かに彼等は・・・・・いえ、彼は不安要素が確かに有る。

私は何も―――


「部長」

「何かしら小猫」


私が思考の海に潜っていたら小猫とギャスパーが近寄ってきた。


「・・・・・どうしてあんなことを言ったのですか?私達は兵藤先輩に感謝すべき事が有ります。なのに、ど

うして恩を仇で返すような真似をしたのですか?部長は何度も兵藤先輩に助けてもらっているのにです」


「そ、そうです。リアス先輩の婚約の時や僕の時・・・・・それにア―シア先輩の時も先輩が助けてくれたん

ですよ?それなのに・・・・・」


二人は私の行動の意味が解らなかったようだ。だけど彼女達の言いたい事も解る

「解っているわ。彼には返しきれない借りや恩がある事もね?だけど彼は禍の団の構成員を仲間に加えている

事も知っているわよね?彼が仮に禍の団の構成員だったら救出するのも頷けるのよ。」


『・・・・・』


「幾らなんでもこれは危険なのよ。彼と共に戦うのは、確かに彼等と共に共闘すれば確実に勝てる

でしょう・・・・・そう言えば小猫。貴女は確か前に彼らの家に泊まりに行ったわよね?」


「・・・・・?」


私の問いに首を傾げながらも肯定の言葉を発した


「小猫二つ教えてちょうだい。一つ彼らの家の場所、二つ彼の家に住んでいる人達の事を・・・」


「・・・・・どうしてですか?」


「彼等は不審な行動をしているのは私たちの目から見ても明らか。それを取り締まる権限が私たちにも有るっ

てことは聞いたわよね?」


「・・・・・まさか」


小猫は静かに目を見開く


「実力行使をして彼らを捕縛しようと思うの」


「・・・・・ッ!?できません、・・・・・兵藤一誠先輩たちと約束をしましたので」


「どう言うことなの?約束って何かしら?」


「・・・・・先輩の家に泊まった翌日の朝に言われたのです。『約束をしてくれ。この家の場所は誰にも話を

しないでくれるか?勿論、グレモリー先輩たちにもだ。そしたらもう一度此処に遊びに来てもいいぞ』と、私

は兵藤先輩と約束を交わしました」


彼が小猫にそんなことを言ったのね・・・・・。テロリストじゃないなら秘密にすることは無い筈。だけど、

彼は自分の家の場所を秘密にした。―――何か、重要ななにかを隠している?もしそうなら・・・・・。


「でも小猫、上層部からも『兵藤一誠はテロリストなのかもしれない。彼の監視を頼みたい』と禍の団を壊滅

するまでの無期限の依頼をされていることは知っているわよね?」


「・・・・・すいません。部長、それでも私は約束を破りたくないのです。これは悪魔との契約とも言える

約束です。悪魔は契約を破る訳にはいかない筈です」


この子は真っ直ぐ私を見詰めて言い切った


「ええ、確かに私たちは悪魔。契約は大事よ?でも、それより大事なものがあることは小猫も

理解できている筈よ」


「・・・・・」


「小猫、彼の本当の家の場所を教えてちょうだい」


私は真剣に尋ねる・・・・・でも、この子は否定の意を示した


「・・・・・すいません。それでも教えることはできません。何より約束した際に代価として色々と

頂きましたから」


「小猫!私の命令に従いなさい!これは命令よ!」


「できませんッ!私は、私は!約束を破りたくないです!先輩と黒歌姉さまの約束を私は破りたくない!」


バンッッ!!!


「小猫!待ちなさい!」


私の命令を逆らい、大広間の扉を開け放ち、出ていく小猫を追いかけようとするが私の体が停まって

しまう上にゼノヴィアとイリナに阻まれる


「・・・・・二人共、それにギャスパー?」


「すいませんが部長」


「リアスさん、今回だけは目をつぶってください!お願いします!」


「す、すいません!で、でも部長!こ、小猫さんを許してあげてくださいぃぃぃぃぃっ!


「貴女たちも彼の肩を持つつもり?」


私の問いに私の前に立ち塞がるゼノヴィアとイリナが言う


「私たち二人は彼に命を救われるどころか一緒に手伝ってくれました。言わば借りがあるのです。その借りを

返す方法を探しているのですが今に至るまで中々見つかりません・・・・・。―――ですが、たった今見つか

りました。」


「こんな恩の返し方に一誠くんは納得するかどうかは解りませんが、私は今の状態のリアスさんから小猫ちゃ

んを守ります!怒りを収めてください!今のリアスさんはとても私を出迎えてくれた時のリアスさんではあり

ません!」


今の私の状態・・・・・?私はゼノヴィアに携帯の鏡を私の前に見せてくれるように指示すると鏡に映った

私は―――酷い顔に成っていた。その顔は怒の表現で一杯になっていた


「・・・・・」


首だけは動けるようで私はイッセーとアーシアに振り向くとアーシアが私の視線から逃れる様にイッセーの身

体に隠れてしまった。イッセーは気まずそうに私の視線から逃げるように逸らされてしまった


「・・・・・」


イッセーとアーシアの行動を見た瞬間、怒りが収まっていくのを感じた


「・・・・・ギャスパー、解いてちょうだい」


「は、はい・・・・・」


自由になった私は皆に解散を告げ「私は部屋に戻るわ」と言い残し一足早く大広間から出て―――小猫の

部屋の前に立った


「・・・・・明日になったら小猫に謝らないと」


だが、さっきのことを思い出しそう口に出しながら私は珍しくお風呂にも入らず部屋に戻り

就寝する―――しかし、私は知らなかった


























「・・・・・先輩、黒歌姉さま・・・・・」


小猫が自分の枕に顔を押しつけながら静かに泣いていたことを私は知らなかった・・・・・








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ハイスクールD×D リアス・グレモリー (1/4.5スケール ポリレジン製塗装済み完成品)
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