小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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『番外編』三大勢力と運動会(2)





三大勢力の運動会が開催して暫く経った。俺たちは一度も負けずに数々の競技を勝利している。今では

トーレとセッテが1500mを走り終わってダントツで一位とニ位になって戻って来た


一誠 「お疲れさま」


「対したことはなかった」


「ですね。短過ぎて楽過ぎました」


汗も掻かずに戻ってきた二人に労う。修行だともっと走るから今回は楽だったんだろうな


『次は二人三脚です。二人三脚に参加する選手は指定の場所に集合してください』


「あっ、私とノーヴェ、オットーとセイン、スバルとギンガっスね」


一誠 「姉妹だから息もピッタリ合うな」


「こんな競技、直ぐに終わらせる」


「ギン姉、勝とうね!」


「うん、頑張りましょう!」


「イッセー、勝ってくるね」


「私たちを応援してね?」



二人三脚に参加する六人は俺たちから離れ指定された場所に向かった。十数分後、


「勝ってきたっス!」


「あいつらが遅過ぎるだろうが」


「やったね!私たちが一番だよ!」


「あの人たちって結構足が遅かったわね?怪我でもしていたのかしら」


「ギンガ、僕たちが早過ぎるだけだよ」


「そうそう、これも修行の成果だよ」


セインの言う通りだぞギンガ、修行をしたから早く成ったんだ。とても七歳とは思えない成長で俺は驚く

ばかりだ。



○障害物競争



『障害物競争に参加の選手は指定の場所に集合してください』


次は障害物競争だ。この競技に参加するのは俺とアリシアとチンク、シュテル、ディード、そして


「行く」


オーフィスだ。俺たちは選手が集合する場所に移動し最初の列にオーフィスと並ぶと俺の横には成神がいた


一誠 「ん?お前も出るのか」


「ああ、悪いかよ」


「別に」と適当に返す


『障害物競争をスタートします!』


俺はそのアナウンスを聞いて走り出す構えを取った。


『位置について、よーい・・・・・ドン!』


ヒュンッ!


掛け声と共に走り出す!最初の奪取はうまく行ったようだ。平均台に上がり、オーフィスと一緒にネットを

潜って、それぞれ異なる球技のボールをつついたりした。次はボールを蹴るのかと思いながらボールを蹴ると


「えい」


オーフィスもボールを蹴った。しかし、ボールが空の彼方へと消えてしまった!?するとアナウンスが流れた


『オーフィス選手、退場してください』


それはオーフィスの退場のアナウンスだった


「・・・・・オーフィス?」


「・・・・・ごめんなさい」


シュンと悲しそうな表情をした。いや、怒っている訳じゃないんだけど・・・・・


一誠 「気にするな。俺が一位になってくるから応援席で俺たちを応援してくれるか?」


「解った。我、応援する」


オーフィスはトコトコと和樹たちがいる応援席に向かった。俺は気を取り直してボールを蹴り始める。順調に

進んで、最後の障害物に―――


「ギャオオオオオンッ!」


「キュエエエエエエエエエンッ!」


「ジャアアアアアアッ!」


「ゴワンゴワン!」


・・・・・何こいつ等?此処はモンスターの見本市か何かか?


『最後の障害物に各モンスターを配置しちゃいました☆天使や悪魔も余裕で殺せる猛毒の大蛇ヒュドラ!

地獄の番犬ケルベロス!それに謎の怪鳥ジズも参戦です!モンスターを見事退けて見てください!』


配置しちゃいました☆ じゃねぇぇだろぉぉっ!運動会にモンスターを配置するんじゃねえよ!


「兵藤一誠か」


「タンニーン?」


俺に話しかけてくるモンスターの一匹、かと思えば巨大なドラゴン、元龍王のタンニーンだった


「お前、どうして此処に?」


俺の問いにタンニーンは頭をポリポリかきながら言う


「いやな、三大勢力の運動会に協力してくれと言うので出て見たのだが・・・・・どうやら、こういう役目だったらしい」


一誠 「なるほど、ドラゴンはモンスターでも言えるからな。―――邪魔だ」


九つの首を持つ大蛇が迫ってくるのを察知して瞬時で大蛇の尻尾を掴み、紐のように振り回した後は何度も

グラウンドに叩きつける


「ゴワアアアアン!」


一誠 「伏せろ」


目に力を入れてケルベロスに指示する。ケルベロスは本能で俺に勝てないと察知したのかその場で伏せた


「キュウエエエエエエン!」


翼を羽ばたかせ怪鳥が俺に向かって突進して来た。対照的に俺はグッタリとした大蛇で怪鳥に叩きつけ

グラウンドに落とす


一誠 「翼を圧し折っておくか」


バキッ!


「ギュウエエエエエエッ!?」


両翼の骨を折った。これでこいつは飛べなくなったな。


一誠 「さてと、それじゃあ残りのモンスターを倒すとしますか。―――一瞬時でな」


「―――!?」


タンニーンの視界から消え俺はタンニーンの真下、顎の下に飛んで仙術を纏った拳でアッパーを繰り出した。

その結果、巨大な体が数メートル浮き上がったその瞬間に俺は素早くゴールに向かい


一誠 「俺が一位だ」


ズウウウウウウウンッ!


ゴールした俺の背後にタンニーンがグラウンドに落ちた衝撃が伝わった。その後、アリシアたちも障害物

競争をしてオーフィス以外の全員が一位になった。応援席に戻った俺たちに拍手喝采が送られる。



○借り物競走



『えー、借り物競走に参加の選手は指定の場所に―――』


今度は借り物競走のアナウンス。


一誠 「それじゃあ、行ってくるとしますか」


「引き運が勝利のカギとなりますね・・・・・」


「変なのを引かないようにしないと負けちゃうかもしれないからね」


「そうですね」


「まあ、何とかなるにゃん!」


「必ず勝ちます」


俺、和樹、龍牙、ユーリ、黒歌、リインが借り物競走に参加する。指定の場所に向かい列に並ぶ


『なお、今回の借り物競走は借り物を二種類必要です。借りるものを二つ用意しないとゴールはできません

のでご注意を』


に、二種類?一つじゃないのか・・・・・。まあ、下手なものを引かないようにすればいいか


『位置について、よーい・・・・・ドン!』


勢いよく駈けだし、途中の封筒を二枚拾う


「こんなの借りれるかあああああああああああああああ!」


「オカマの人と乙女な男ってどんな奴だよ!そんな奴が此処にいるのか!?」


あっ、それって貂蝉と卑弥呼のことだ。俺はそれを拾った選手に声を掛け「俺のメンバーにいる」と教え、

その選手を俺の応援席に行かせた。―――だが


「ぎゃああああああああああああああああああああっっ!!!」


あー、ご愁傷様・・・・・。さて、俺のは?封を開けて借り物が書かれている紙を確認する。


『魔法少女』


『天界の美女』


とだけ書かれている。うん、成程な。と拾った内容を見て頷き最初は前に出て応援パフォーマンスをしている

魔法少女の恰好をしたセラフォルーに赴く


一誠 「セラフォルー!俺と来い!」


「うん!解ったよ☆」


セラフォルーと手を繋ぎ、今度は白いジャージ軍団にいるガブリエルのところに向かう


一誠 「ガブリエル!一緒に来てくれ!」


「あら、私が借り物ですか?解りましたー」


「むっ・・・・・」


ガブリエルも手を繋ぐ、それを見たセラフォルーは急に不機嫌になったが俺は二人と手を繋いだままゴール

まで走りきった!


『幽幻龍騎士団の選手が一位でーす!・・・・・ちくしょう!羨ましいぞ!』


何か、最後辺りに嫉妬のような言葉が聞こえたけど気の所為だよな?


「それでイッセーくん。借り物ってなんだったの?『魔王』?『悪魔』?それとももしかして

『お姉ちゃん』?」


「私も気になりますー」


俺は無言で二人に借り物の内容が書かれた紙を見せつける


「私は魔法少女?―――うん!イッセーくんは解っているね☆レヴィアたん、嬉しい!」


「あらあら、天界の美女ですかー。そんな、照れますよー」


歓喜になり俺に抱きつくセラフォルーと頬に少しだけ朱を染めるガブリエルだった。その後、和樹たちの

借り物競走が始まるが全員一位に収まった。


「にゃん♪」


「・・・・・・」


最後に一位にゴールした黒歌の借り物は何故か小猫だった。理由を訊くと


『妹』


『黒いモノ』


と内容が書かれた紙を見せてくれた。あー、そう言うことだったのか



○休憩



借り物競走が終わり応援席に戻った俺たちは次の競技、団体戦の綱引きの時間を待っていた。数分がたつと

綱引きの時間に成った。


『団体戦の綱引きを始めたいところですが、一旦ここで休憩時間にしたいと思います!各勢力の皆さんは次の

競技の時間に成るまで寛いでください!』


だが、綱引きではなく休憩時間となった。休憩時間か・・・・・そんなに疲れていないけどな


一誠 「何か食べるとするか」


「うん!僕、お腹がすいたよ!」


「そうね。応援していてお腹がすいたわ」


皆の口からも似たような言葉が出た


一誠 「それじゃあ、アレを持ってくるか。貂蝉、卑弥呼、リーラ、シンシア。手伝ってくれ」


空間を歪ませ数人分が入れる穴を作り俺たち五人は穴の中に潜り、有るものを取りに行った。

えーと・・・・・あっ、あった。


「うーん、良い匂いだわぁん・・・・・・」


「早く食べたいのぅ・・・・・」


そこっ!よだれを垂らすな!?気持ちは解るからよだれを垂らすなよ!


一誠 「それじゃあ、直ぐに戻ろうか」


それぞれの手に食器と鍋、ラップに包まれた料理を持って皆のところに戻った。


一誠 「皆、お待たせ。直ぐに準備するから並んでいてくれるか?」


『はーい!』


パカッと鍋の蓋を開ける。鍋の中身はカレーのルーで一杯だ。皿を包んでいるラップを取ると狐色に

揚げられたトンカツがあった


一誠 「運動会にコレは変だろうが、そんなことは気にするな。今日はカツカレーだ!お代わりを出来るほど

    作ってあるけど程々にしろよ。お腹がいっぱいで動けないなんて事は嫌だからな」


『了解!』


更にご飯を盛りトンカツを乗せその上にカレーのルーを掛ける。と、何度も繰り返した。数分後になると

皆の分を配り終えた。さて、今度はリーラとシンシア、俺だけだなと思いながら皿を取ろうとすると


カチャ


「・・・・・」


何故か、小猫に取られ仕舞いには俺に皿を突きつけた


一誠 「・・・・・小猫?」


「・・・・・」


一誠 「お前も食べたいのか?」


グゥ・・・・・


『・・・・・・』


小猫に問うが無言で返される。しかし、代わりに小猫の腹から返事が聞こえた。それを聞いて和樹たちは

大笑いした。小猫は耳まで真っ赤に染め恥ずかしそうにしていた。


「白音、可愛いにゃん!」


「・・・・・恥ずかしいです。離してください」


「あー、もう!可愛くて仕方ないにゃん!」


小猫に抱きついて黒歌はスリスリと頬を擦り寄せる。俺も笑いながら、小猫から皿を取りカツカレーを

乗せて渡す


一誠 「小猫の分だ。味わって食ってくれよ?」


「・・・・・ありがとうございます」


「あの・・・・・。私もいいでしょうか?」


更に俺たちのところにロスヴァイセが現れた。カレーの匂いに誘われたのかな?


一誠 「いいぞ。ほら」


「すいません。ありがとうございます」


ロスヴァイセは小猫と一緒に悪魔軍団―――グレモリー眷属の方に戻って行った。更に更に


「すまない。兵藤くん私たちもいいかな?」


「小猫たちが持って来た料理はお前が作ったって聞いたからな」


「お腹がすいちゃった☆」


「私も貴方の料理に興味があります。よろしければ頂いてもよろしいでしょうか?」


「お腹がすきましたわー」


サーゼクス、アザゼル、セラフォルー、ミカエル、ガブリエルが俺たちの応援席に集まって来た!

―――すると


「・・・・・」


グレモリー先輩がやって来た


「わ、私も食べさせてくれないかしら・・・・・」


俺に複雑な表情と共に恥ずかしそうな表情を見せる


一誠 「この分だと・・・・・他の悪魔と天使、堕天使の奴等も来そうだな」


『無限創造龍神の錫杖』を手にして石突きでトンとグラウンドに突く。すると各勢力からざわめきが起きた


「何をしたんだね?」


一誠 「こんなこともあろうかとサーゼクスたちの分も用意していたんだ」


サーゼクスたちの分のカツカレーを手渡しながら教える。


「そうか。それはありがとう」


一誠 「片づけは自分たちでやってくれよ」


「それぐらいはやってやるよ。それじゃあな」


「それでは」


サーゼクスたちは自分の応援席に戻っていたことを確認して


一誠 「それじゃあ、いただきます」


『いただきます!』


俺たちは食べ始める。食べ終わった後は次の競技が始まるまでのんびりした。



○綱引き



『カツカレー、御馳走様でした!凄く美味しかったです!―――では、次の競技である団体戦の綱引きを

始めます!各勢力の選手方は指定された場所に移動してください!最初は悪魔軍団VS幽幻龍騎士団と

天使軍団VS堕天使軍団の綱引きです!』


アナウンスが流れた。美味しく食べてくれたようで嬉しい限りだ。俺たちは指定された場所に移動して綱

引きに使う縄の傍に立った。前が俺で一番後ろには貂蝉と卑弥呼の形になった。ガイアとオーフィスは

応援をするらしくウーノたちと応援席に残った


「久しぶりだな、兵藤一誠」


俺の目の前に立つ悪魔はサイラオーグ・バアルだった。本当に久しぶりだな


一誠 「ごめんな。お前と戦わずに帰ってしまって」


「気にするな。それに『騎馬戦』で俺と戦ってくれればそれでいいさ」


騎馬戦ときたか。まあ、それでもいいか


一誠 「悪いけどこの綱引きは俺たちが勝たせてもらう」


「それはこちらの台詞だと言っておこう。それとありがとう」


『綱引きを開始します!両者、綱を持ってください』


アナウンスがそう促し俺たちは綱を持った


一誠 「何がだ?」


『よーい』


「お前が作ったカツカレーを食べたおかげで」


『ドン!』


「―――俺たちは更に力を増した!」


ザッ!!!


『うおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!』


『―――っ!?』


掛け声と同時に俺たちと悪魔軍団は綱を持ち上げ引っ張り合う!でも!


「確かに個人としての力は負けるかもしれないが、集団の力ならば俺たち悪魔は負けやしないぞ!」


『オーエス!オーエス!オーエス!』


ズルズルと底無し沼みたいにゆっくりと俺たちは悪魔側に引っ張られていく!


一誠 「っ!引っ張れ!俺たちの力はこんなもんじゃない筈だ!」


『了解!』


今度はこっちが少しずつ引っ張り込む!だけど、サイラオーグたちも負けてはいなく逆に悪魔側に

引っ張られる!俺たちも負け時に綱を引っ張る!


ビシッ!


と綱が音を立てると俺たちと悪魔軍団は引っ張りながらも動きが止まった。―――刹那。ブチブチッと小さく

綱が切れていく音が聞こえた。その発信源を見ると縄の中心部辺りに綱が千切れていくのが視界に入った!


「・・・・・どうやら縄が限界のようだな」


一誠 「みたいだな。それじゃあ」


『次で決着をつけよう!』


ドンッ!と俺とサイラオーグの体からオーラが迸る!


『―――せい!』


ブチン!


お互い力一杯引っ張った結果、縄が等々耐えきれずに鈍い音と同時に千切れてしまった。その所為でお互い

尻餅をついたり転んでしまった


『あーと!幽幻龍騎士団と悪魔軍団の縄が千切れてしまいました!両者、ドローの結果に成りました!』


一誠 「だってよ」


「本当は勝ちたかったが、俺個人としてはこれで良しとしよう」


アナウンスの言葉を聞いてサイラオーグに訊く。少し残念そうだったが、どこか嬉しそうだった。俺たちの

横で綱引きをしていた堕天使軍団と天使軍団は堕天使側の勝利で終わっていた


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