小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

プレシアとアリシアとの日常


「わぁー!可愛い!」


アリシアがあるものを見て瞳を爛々と輝かせてそう感想を述べた。一体それは何だと言うとスイスイと水槽の

中で泳ぐクリオネだった


「お母さん!イッセーくん!見て見て!この子、可愛いよ!」


「ふふっ、ええ、そうね。見てて癒されるわ」


「そうだな。(でもエサを食べる時は恐ろしいけどな。まるで天使から悪魔に成った感じでさ・・・・・)」


今現在、俺はアリシアとプレシアを連れて水族館に来ていた。理由は数時間前のことだ、突然アリシアが

「水族館に行ってみたい!」と言ったからだ


「イッセー、娘のわがままを聞いてくれてありがとうね」


「いや、丁度よかったよ。アリシアと何処かに連れて行こうと考えていたところだったんだ。勿論、

同伴としてプレシアも一緒にさ」


「うふふっ、ありがとう」


クリオネに夢中になっているアリシアの後ろでプレシアと会話していた


「イッセーくん、お母さん。何を話しているの?」


「アリシアは可愛いなってイッセーが話していたのよ」


「えっ、そ、そうなの?」


「うん?ああ、プレシアの言う通りだな。クリオネに夢中で見ている姿が可愛いぞ?」


プレシアが俺にウインクする。「話を合わせてくれ」というコンタクトだと解ると俺もプレシアの話を

合わせた


「も、もう!急に可愛いなんて言わないで!恥ずかしいよう!」


顔を朱に染めてアリシアは言った。


「悪い、悪い。でも本当のことだぞ?」


「もう、それだったらイッセーくんだって恰好いいよ!」


「あははっ、嬉しいこと言ってくれてありがとう」


「そうね。確かにイッセーは恰好いいわよ?―――あそこも逞しかったしね」


意味深な言い方で俺に向けた。その言葉に反応してアリシアの顔は耳まで真っ赤に染めた


「お、お母さん!人がいる処でそんなこと言わないでよ!」


「ふふふっ、あら、ごめんなさい。でもアリシアだってあんなに―――」


「わぁー!わぁー!わぁー!それ以上は言わないでよぉー!」


アリシア・・・・・。そんな反応をするなよ。こっちまで恥ずかしいじゃないか


「二人共、次に行かないか?・・・・・周りの視線が凄く痛い」


ヒソヒソ・・・・・。


俺たちと同じく水族館に来ていた家族連れやカップルたちが遠巻きしていた。その視線に気づいた二人は顔を

最大に真っ赤に染まる。俺は二人の手を掴みこの場から瞬時でいなくなった。そして次に向かったのは

イルカショーがあるところだ


バッシャーンッ!


『きゃっ!』


「うおっ!」


イルカがジャンプして水面に飛び込んだ際に水が俺たちのところに飛び散って来て掛かってしまった


「濡れちゃったわね」


「あう、ビショビショだよ・・・・・」


「あとで俺の能力で乾かしてあげ―――ん?」


巨大な水槽から一匹のイルカが俺たちを見詰めていた。すると一人のスタッフがマイクを口元に持って言った


「次はイルカと一緒にあの輪っかに飛び込む体験ショーを始めます!どなたか体験したい方はおりませんでしょうか!」


へぇー、ここの水族館はそんなイベントもあるんだ。他の観客は体験したいのか腕を上に翳す


『キュィキュィキュィ』


イルカが俺たちに向かって鳴き出す。


「そこのお客さま」


「はい?」


マイクを持っていたスタッフが俺に声を掛けてきた


「どうやらこのイルカは貴方をご指名しているようなので体験をして見ませんでしょうか?」


俺が?アリシアとプレシアを見ると「やってみて!」「見て見たい」とそう眼差しを乗せて俺を

見詰めてきた。俺はしょうがないと思い


「・・・・・解りました」


「では、更衣室にお越しください」


了承言葉を言う。スタッフに連れられ更衣室に用意されたウェットスーツを着込み、スタッフとイルカがいる

プールに向かった。既にイルカもスタンバイしており「キュィキュィ」と俺に鳴く


「では、プールに入ってイルカに捕まってください」


スタッフから指示通りにプールに入り「よろしくな」とイルカに話かける


「それでは行きますよ?」


「よろしくお願いします」


スタッフがイルカに合図をした。イルカは俺を乗せたままプールを泳ぐ、一周回るとイルカが俺から離れ鼻の

先で俺の足の裏を押し上げたと思えば俺の上半身が水面から出てそのままイルカに押される。俺を押して

半周を泳いだイルカはまた俺から離れ傍に寄った


「キュィ」


「ん?背中か?」


「キュィ!」


背中を寄せて鳴くイルカに背ビレを掴むと急に水中へ潜って行った。下に潜ったイルカが急に上昇して水面に

向かって泳ぎ俺を掴ませたまま水面から飛び出して空高く飛び跳ねた!その先には棒で吊るされている大きな

フラフープのようなものがあった


「おっ、いいこと思いついた」


跳んでいる最中、俺はイルカの背中の上に来ように立ちイルカがフラフープのようなもの中に入ると同時に

上半身を後ろに逸らし一緒に潜ったら再びプールの中に飛び込んだ


『おおおおおおおっ!!!』


水中からでも観客席から絶賛の歓声が湧き上がったのが解った。するともう一度するのか勢いよく水面に

向かい俺と一緒に飛び出す!


ザッパアアアアアアンッ!


背中に立ったままもう一回フラフープのような輪っかの中に入ろうとしたその時だった。向こう側からも別の

イルカが飛んできて輪っかの中に入ろうとしてきた!


「うおっ!?」


ギリギリで別のイルカの腹の下から見ながら避け、一人と二匹の有り得ない輪っか潜りが観客に見せた


『うおおおおおおおおおおおおっ!』


全員が総立ちになって拍手喝采をした様子を視界に捉える。アリシアもプレシアも一緒だ。イルカと共に

水中に入りながら体をポンポンと叩く。イルカは理解したのか水面に向かって俺を水面から出してくれた。


「ありがとうな。今日は楽しかったよ」


「キュィキュィ!」


「それじゃあ」


パンッ!


俺は何かの合図をした途端、複数のイルカたちが水面から顔を出してくれた。最後に「ありがとう」と呟くと

イルカの背中から後ろに飛び後ろに待機していたイルカの鼻先を両手で触るとイルカが一気に押し上げた際に

再度、宙返りをした。それをスタッフがいるところまで何度も繰り返し


「はっ!」


最後の一頭のイルカがタイミングを合わせて一気に俺を空高く飛ばしそのままスタッフの隣に華麗に着地した


「ふう、ありがとうございました!」


『わああああああああああああああああっ!!!』


『アンコール!アンコール!アンコール!』


なんと観客席からアンコールが送られた。俺はどうしようかと迷いスタッフを見る


「キミ、名前は何て言うの!?何処の学生!?この水族館に働く気はないかな!?」


「え、えーと・・・・・」


スタッフの言葉に当惑する。チラッとアリシアたちを見ると苦笑していた。その後、アンコールを答えもう

一度だけイルカとショーをした。更に何時の間にかスタッフが水族館の店長を呼びことの説明をすると瞳を

爛々と輝かせ「是非、是非とも!この水族館に働いてくれ!」と懇願されてしまった



―――――――――――――――――――――――――――――――――――



「あー、疲れた」


「あはははっ・・・・・。お疲れ様」


「何とか諦めてくれて助かったわ」


店長が中々諦めてくれなく、困り果てたところにプレシアが介入してくれたお陰でこの水族館の店長が本気で

残念そうに諦めてくれた


「プレシア、ありがとうな」


「だけど、余り目立つような行動は控えた方が良いわよ?」


「うっ、善良します」


彼女の言葉に反省する


「だけど、どうやって諦めさせたんだ?」


「少しばかり寄付をしたの。あそこの水族館、どうやら赤字が続いていたらしくて経営が困難だった

ようなのよ」


そうだったのか・・・・・。それであんなに俺を水族館に入って貰おうとしたのかな?


「それでどのぐらい寄付をしたんだ?」


「ポケットマネーから十億程したわ」


「十億!?」


「そっか、それぐらいあれば赤字が解消して水族館も経営できるな」


アリシアが驚くが俺はあの水族館が続けられるんだと思い口元を綻ばせる


「知らぬ間に救済したようだな」


「ええ、そうね」


プレシアは俺の腕を抱え込んだ


「どうした?」


「いえ、ただこうしたくなったの」


「あー!お母さんずるい!私もする!」


もう片方の腕にアリシアが俺の腕を抱え込んだ。うん、両手に花の状態だな


「さあ、帰りましょう?今日はもしかしたら格好良いイッセーとイルカのショーがテレビに

放送されるかもしれないわ」


「うん!」


「あはははは・・・・・。いくらなんでもそれはないだろう」


と、俺は思った。しかし、家に帰り、いざテレビを見ると


『此処は高校生らしき男性がイルカのショーで超人的な身体能力を見せてくれた水族館です!では、その時の

映像をご覧ください!』


実況している人が今日、俺たちが来ていた水族館がテレビに放送されていた。そしてチャンネルを変えると

テレビに映っているのはあの時の店長だった


『いやー、彼には本当にこの水族館に働いて欲しかったです。何より感謝の言葉も本人に言いたかったです。

何せ彼と一緒に来ていた妙齢の女性がこの水族館のことを話したら、なんと十億の金額を寄付してください

ました。本当に感謝がし足りないぐらいです。この場をお借りして彼等に感謝の言葉を送りたいと思います。

―――ありがとう。本当にありがとう!』


とテレビ越しに感謝された


「本当に放送されていたな」


「よかったじゃない。また一人、苦しんでいた人を救済できたのよ?」


「まあな」


プレシアの言葉に肯定する。これからも俺は救済を続ける例え相手が悪であろうとも世界の害だろうともな

-92-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




「ハイスクールD×D」リアス・グレモリー 抱き枕カバー(スムースニット&セベリスライクラ本体改)セット
新品 \0
中古 \
(参考価格:\)