小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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家族旅行 京都編(2)


「今度は何処に行かれますか?」


お祈りした後、俺たちは駐車場に戻り全員が車に乗車したらネリーが訪ねてきた


「次で最後に成るか?」


「そうですね。此処から近い場所なら二回ほど回れますが遠い場所だと一度しか行けれません」


「そうか、みんな。行きたい場所はあるか?」


みんなに尋ねると首を横に振る仕草を見てネリーに言う


「なら、行きたい所がある。此処からじゃあ遠いけどな」


「何処ですか?」


「阿弥陀寺、戦国時代の英雄、織田信長が眠る墓を見に行きたいんだ」


「畏まりました。では、直ぐに向かいましょう」


彼女はアクセルを踏みハンドルを握って車を運転し始める


「珍しいね。人の墓を見に行くなんて」


「興味があるんだ。英雄の墓をさ」


和樹の問いに答える。車を走らせて数十分、ようやく阿弥陀寺に到着した。車から降りて寺の中に入ると人は

誰もいなかった。不思議に思いながらも俺たちは織田信長の墓を探し―――見つけた


「これが織田信長の墓・・・・・」


「どんな墓かと思ったけど何処にでもある石造りの墓だね」


「つまんないの」


他のみんなは対して興味が無いようだ。まあ、他人の墓を見てもしょうがないんだろうな


「それじゃあみんなで瞑目して帰るとしよう。目的も達したからな」


織田信長の墓の前で瞑目すると他のみんなも瞑目をした。―――刹那


「お前等、誰だ?」


瞑目している俺たちの背後から声が聞こえた。目を開け後ろに振り返ると花束を抱えた男と少女がいた。男の

方は黒髪で紫色の瞳、身長は俺と和樹と同じぐらいだ。(年齢は別として)少女の方は金髪に茶色の瞳で身長

は黒髪の男より少し小さいな


「どうやってこの中に入った?」


どうやって・・・・・?俺たちは顔を見合わせ怪訝になった


「俺たちは普通に入ったんだけど・・・・・」


「・・・・・そうか、お前たち京の者ではないな?この場所は京の者なら時間になると自動的に無意識で

来なくなる不思議な結界が張られるんだ。」


「なるほど、だから人がいなかった訳だ。納得したよ。ところで花束を抱えているけど誰かの墓参りか?」


男に尋ねると「ああ」短く返し金髪の少女と共に俺たちの―――織田信長の墓の前に座り花束を供えた


「織田信長のファンか何かか?と言うか、花束を供えても此処の管理人に何も言われないのか?」


「此処の管理人は俺たちだ。そして俺たちは織田信長のファンじゃない。―――織田信長の子孫だ」


『―――!?』


俺たちは驚愕した。まさか日本の英雄の子孫が目の前に実在しているからだ!


「・・・・・名前を聞いても良いか?」


「・・・・・俺の名は織田信長」


「私は織田信奈よ」


二人に名前を教えてもらうと「今度はお前たちだ」と言ってきた


「幽幻龍騎士団の兵藤一誠だ」


「僕は式森和樹」


「主、兵藤一誠の守護獣ザフィーラ」


「レヴィ・ザ・スラッシャーだよ!」


「ウェンディっス!」


「リインフォースです」


「私はマリアと申しますわ」


「アリアです。よろしくお願いします」


「エイリアです」


「アイリスです」


「兵藤一誠さまのメイドのネリー・フロイヤーです!」


俺たち名前を教えたら胡散臭そうな表情をした


「幽幻龍騎士団・・・・・?何かの団体の名前か?」


「それにメイドって京都には合わないわね。メイド服より着物を着なさいよ。着物を」


「まあ、そんなのだと思ってくれ。それと彼女はただのメイドじゃないからメイド服を常に着ないといけない

ことになっているんだよ。例外以外はな」


織田信長と織田信奈の呟きと問いに答える


「それでお前たちはどうして此処に?」


「観光だ。旅館に帰る前に此処に寄ったんだ。英雄、織田信長の墓を見る為にさ」


「ふぅん、今時珍しいわね。此処にくる人は大体私たちの先祖のファンぐらいしか来ないと言うのに」


「観光に来たから絶対に来ようと思っていたんだ。まさか子孫に会うとは予想外だったけどさ」


苦笑を浮かべ俺は信長たちとやり取りする。


「一誠様、そろそろ御時間ですよ」


「ん?もうそんな時間か」


「旅館に戻るのか?」


「家族と観光しに来たんだ。夕食前には戻らないと」


「そうか」と頷く信長


「お前たちも一緒にくるか?」


「いや、遠慮しておこう。俺たちはこのあと、やらないといけないことがあるからさ」


「そう言うことよ」


「そうか、それは残念だ。それじゃあ」


ポケットからメモ帳と筆を取り出しメモに何か書くと信長に渡す


「これは何だ?」


「俺の携帯の番号だ。織田信長の子孫たちと出会ったんだ。俺たちの力が必要な時には連絡してくれ」


「解った。そうさせてもらう」


懐に番号が記されたメモ用紙を仕舞い込む信長


「また何時か会おう。またな」


踵返し、信長たちと別れ、阿弥陀寺をあとにして旅館に戻る。しかし、その途中で


「きゃあー!痴漢よー!」


信号が赤に成り停車している最中、窓を開けて外を眺めていたら痴漢騒動が目の前に起きた


「直ぐに戻る」


「いってらっしゃい」


「残り十数秒ですのでお早めに」


車のドアを開け背後から和樹とネリーの声を聞きながら外に出て―――瞬間移動し、瞬時で女性を痴漢して

いる男を気絶させた


「大丈夫ですか?」


「あ・・・・・は、はい」


「もうすぐ警察が来るだろうから安心していてください・・・・・ん?」


パシッ!


気絶した男の体から赤く輝く宝玉みたいなものが飛び出そうとしたが何となく掴まえてみた


「何だこれ?もしかしてコレが痴漢の原因なのか・・・・・?」


「あ、あの・・・・・」


「あ、ごめん。そろそろ行かないといけないんだ。それじゃあな」


痴漢された彼女の前に一瞬で姿を消しネリーたちが乗っている車に乗り込むと同時に車が動き出した





「・・・・・・あの子が兵藤一誠ね。・・・・・・ふふふっ。何となくだけどあの子が熱心になって探す

気持ちが解ったかもしれない」





―――――――――――――――――――――――――――――――



「ただいま!」


『お帰りなさいませ、御主人様』


旅館に出迎えてくれたのはリーラとシンシアだった


「みんなはいるか?」


「はい、既に部屋でのんびりしております」


「そうか、少し遅れたようだな」


靴を脱ぎ旅館の中に入って皆がいる部屋に行く


「みんな」


「遅かったな」


「少し遠いところに観光しに行ったんだ。そこで凄い奴と出会って遅れたんだ。みんなはどうだった?」


「色々な文化を触れ、楽しめたぞ!」


ガイアはニッコリとして俺にそう言った


「僕たちも満喫しましたよ。景色のいい場所に観光をしたり美味しい物をたくさん食べたりしました。でも」


「ごちそうさま」


「オーフィスはかなり食べ尽くしましたけどね」


あはははっ・・・・・あー、その時の想像が容易に浮かべるぞ


「ところで一誠。凄い奴とは一体誰なんだ?」


「うん?ああ、それはな」


「みなさま、御夕食の時間です」


「食べながら話すよ」


複数のメイドたちが豪華な料理を持って入って来たためガイアを含めみんなにもそう伝える。メイドたちが

料理を置いてこの部屋から退却し俺たちはその前に座って


『いただきます』


夕餉の時間に入った。


「これが京都の料理か・・・・・美味いな」


「あっ!今日食べたやつだ!また食べられるなんて嬉しい!」


「豆腐が美味しいな」


「美味しい!」


各自、思い思いに料理を口にして感想を言う


「そうだ、和樹。コレを見てくれないか?」


「うん?・・・・・これは」


隣に座っていた和樹に赤い宝玉みたいなものを手渡す。和樹はそれを一瞥して「うん」と呟くと


「これ成神のじゃない?成神のオーラがこの宝玉から感じるよ」


「はっ?成神のなのか?」


「うん、間違いない。でも、何処で手に入れたの?」


「帰りに痴漢騒動があっただろう?痴漢していた男を気絶させたら体がそれが飛び出して来たんだ」


「そうだったんだ」と納得した様だ


「だけど痴漢をした男からどうして成神のオーラを発する宝玉が出て来たんだろう?」


「そういやぁ、女性の胸を揉もうとしていたな・・・・・」


俺と和樹は『まさか』と声を揃えた


「ド変態から生み出された宝玉なのか?」


「仮にそうだとしたら今回の痴漢騒動はド変態の所為だよね」


「・・・・・よし、直ぐさまこれを返しに行く」


和樹から宝玉を取りながら立ち上がる


「何処へ行く?」


「成神のところだ。返さないといけないモノがあったからそれを返しに行く」


「我も行く」


既に食べ終わったオーフィスがぴょんと跳び俺の肩に着地して乗っかる


「むっ、なら我も行くぞ」


『離れろトカゲ!トカゲ臭くて敵わん!』


「誰がトカゲだ!大体、貴様は剣のくせに匂いを嗅ぐことができるのか!」


「イヤだ」


「おーい、喧嘩をするなよ」


創造神と喧嘩するガイア。創造神も頼むから喧嘩を売るようなことをするなよな


「僕たちは待っているとするよ」


「解った。それじゃあ行ってくる」


ガイアとオーフィスを連れみんなと別れ旅館から出て駒王学園の生徒たちが泊まっているであろう

『京都サーゼクスホテル』に向かう(念のために俺たちは駒王学園の制服を着て)



―――――――――――――――――――――――――――――



「意外とすんなり入れたな」


「この制服を着ているからでは?」


現在、すんなりと京都サーゼクスホテルに辿り着きホールに入れた俺たちだった。入口に立つボーイに学生証

を見せると「楽しかったかい?」とにこやかに言われたんだよな


「さて、あいつは何処にいるんだ?」


「こっち」


オーフィスはそう言って歩き出す。ドラゴンの波動を感じる場所に向かったのかな?と思いながらオーフィス

の跡をついていくこと―――その先は何故かソーナの眷属たちが女風呂の前に立っていた。俺は気に成り

声を掛ける


「何してんだ?」


「え・・・・・兵藤くん?」


「学校を休んで修学旅行に参加していないと聞いていたのにどうして此処に!?」


「あー、幽幻龍騎士団全メンバーで家族旅行として京都に観光をしに来たんだよ」


「そ、そうだったんだ。じゃあ、覗きに来た訳じゃないのね?」


俺が覗き?そんなことする訳無いじゃん。


「さっきも聞いたけど此処で何しているんだ?」


「赤龍帝の成神が覗きをしに来るだろうから此処を見張っているのよ」


―――納得した


「非常階段から来るだろうってロスヴァイセ先生が非常階段で待機しているのよ」


「そうか、成神に返そうと思って持って来たものがあるんだけど丁度良かった。ロスヴァイセにでも渡して

帰るとしようか」


「序でに、成神を懲らしめておく」とシトリー眷属に言って非常階段の扉を開け放つと


ガチャ


『・・・・・・・・・・』


全裸に成っているロスヴァイセと対峙している成神がいた。―――うん


「せいっ!」


「うごっふ!?」


突然現れた俺に鳩に豆鉄砲を食らったかのような成神に気にせず腹に拳を突き刺す


「全く、何バカなことをしているんだよ。って、ド変態だからしょうがないことか」


「お、おまえ・・・・・っ来ていたのかよ・・・・・・!」


「幽幻龍騎士団全員で家族旅行として京都に観光しに来たんだよ・・・・・ロスヴァイセ、大丈夫か?」


「う、ぅぅ・・・・・」


死ぬほど恥ずかしそうに顔を赤く染め裸体を手で隠す


「取り敢えず、これでも羽織っていろ」


空間を歪ませ穴を広げると手を突き入れ幽幻龍騎士団の紋章が描かれた全身を覆い隠すローブを

ロスヴァイセに掛ける


「あ、ありがとうございます。私・・・・・お、お嫁にいけなくなっちゃいます」


「まだ大丈夫だろう。仮にいけなくなったら俺が責任取るよ」


俺がそう言うとロスヴァイセが俺の瞳を据えて言ってきた


「本当ですか・・・・・?責任、取ってくれるんですね?」


「ん?ああ、救済してやるよ」


「そうですかと」何故か嬉しそうに呟いた


「あー、楽しんでいるところすまない」


背後から聞き慣れた声が聞こえた。背後に振り返ると半目で呆れるように頭をポリポリとかいていた


「アザゼル、丁度よかった」


「何がだ?」


「成神に返そうと思って持って来たものがあるんだ。・・・・・ほら」


懐から赤い宝玉を取り出しアザゼルに投げ渡す。それを掴み「何だこれ?」と呟いた


「成神の宝玉らしい。和樹にも確認させたら本人のだと言っていたからさ」


「ほー、よく見つけたな」


「帰りに痴漢騒ぎがあったんだ。それで、俺たちが偶然居合わせて痴漢者を気絶させたんだ。そしたら、

体からこれが飛び出して来たんだ」


『その宝玉は―――』


突然ドライグが俺たちに聞こえるように言葉を発した


「どうした、ドライグ?」


成神が訊くとドライグが言う


『ああ、それは新幹線でお前の中から飛び出していった箱の中身だ』


新幹線で?箱の中身?訳わからん


『うむ。間違いない。俺とお前の波動を感じるぞ。いや、待て。・・・・・・なんてことだ』


「ど、どうした?」


成神が訊くとドライグは低いテンションで衝撃の事実を告げてくれる


『・・・・・軽く宝玉の情報を調べてみたのだが・・・・・、箱の中身、おまえの可能性は・・・・・様々な

人間の体を移りながら京都中を旅して回ったようだ。―――相手の、ち、乳を触ることで』


・・・・・なに意味不明なことを言っているんだ?この二天龍はと思ったがアザゼルは苦笑しながらも合点が

いった様子だった


「あー、なるほどな。京都の各地で連日起こってた痴漢騒ぎは、おまえの可能性―――この宝玉が人間を媒体

にして伝わっていたわけか。つまり、男女問わず、乳を揉むことで京都中を駆け巡っていたってことだな。

この宝玉に触れてしまった者は、誰のでも良いから胸が触りたくって仕方なくなったのか」


「そ、そんなことが!?・・・・・なんてこった、京都で起こってた痴漢騒ぎは俺の可能性が起こして

いたのか・・・・・」


つまりなんだ?コイツを強くするには胸を揉まないといけないって言うのか!?


「―――流石はおっぱいドラゴンでド変態の赤龍帝だ。出来れば今後一切、俺たちと関わって欲しくない

ものだ。俺の愛しい人たちが穢れてしまうからな。・・・・・いや、お前の視界に入れるだけでも穢れて

しまいそうだ」


「其処まで言うか!?言い過ぎにも程がある―――」


「さてと、返すもんは返した。さっさと成神の視界から消えるとするかな。ガイアとオーフィスを穢したく

ないからな」


踵返しホテルの中へ戻ろうとすると「って、おい、兵藤っ!人の話を聞け!」と抗議してきた成神に

「人じゃなくて悪魔だろうが、何間違って言っているんだ」とツッコム俺


「ちょっと待て」


いきなりアザゼルが問い掛けてきたので振り返り「なんだ?」と聞くと


「いや、京都で事件が起きたんだ。そのことで魔王少女さまから呼び出しが掛かったんだ。できれば

お前たちも一緒に来て欲しいんだよ」


「セラフォルーが?」


事件ねぇ・・・・・。まさか此処に来て『禍の団』とか言わないだろうな


「セラフォルーがこの京都にいるのならば迎いに行こう。あいつも我等の家族で有り、仲間だからな」


「イッセー、迎えに行く」


「んー、そうだな。アザゼル、俺たちも行く」


「そうか、それは良かった。お前等の存在に気づいていないだろうけど対面したらきっと喜ぶぞ」


俺も同行すると言うとアザゼルは安息をした表情を浮かべた


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