小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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家族旅行 京都編(3)


「あー!イッセーくん☆それにガイアちゃんとオーフィスちゃんも!みんな、久しぶり☆」


グレモリー眷属とイリナと俺、ガイア、オーフィスはホテルを抜け出てアザゼルの先導のもと、街の一角に

ある料亭の『大楽』という店の中に入り和の雰囲気漂う通路を抜けると個室が現れ、俺が戸を開けると着物

姿のセラフォルーが座っていて、俺と視線が合うと笑顔に成りガバッと俺に抱きついてきた


「久しぶりだな。それにしても着物姿のセラフォルーは似会うな。何時もの魔法少女の正装じゃないから

新鮮さを感じるよ」


「うふふ、ありがとう☆ガイアちゃん、オーフィスちゃん。ここのお料理、とても美味しいの。特に鳥料理は

絶品なのよ☆赤龍帝ちゃんたちも匙くんたちもたくさん食べてね♪」


セラフォルーが「こっちに座って☆」と俺の腕を掴み自分の席の隣に座らせる。ガイアも俺の隣に座り、

オーフィスもガイアの隣に座るとセラフォルーが料理をどんどん追加してくれる。俺たち夕食を取ったばかり

だが・・・・・。ん、美味いな。まだいけそうだな。隣を見るとガイアもオーフィスも美味しそうに

食べていた


「ところでセラフォルー、どうして此処にいるんだ?」


俺の問いにセラフォルーは横チェキで答えた


「京都の妖怪さんたちと協力態勢を得るために来ました☆」


妖怪?京都に妖怪なんていたんだ?俺たち、一度も妖怪とは会ってはいないぞと心の中で思っていたら、

セラフォルーは顔を少し陰らせた


「けれどね・・・・・。どうにも大変なことになっているみたいなのよ」


「大変なこと?」


ガイアの問いにセラフォルーが答えてくれた


「京都に住む妖怪の報告では、この地を束ねていた九尾の御大将が先日から行方不明なの」


九尾・・・・・・?白面金毛九尾の狐で合っているのか?伝説の妖怪がこの京都を束ねているの

か・・・・・。黒歌と小猫、美猴とは違う妖怪だな


「―――っ。それって・・・・・」


成神の言いたいことが解ったのか、セラフォルーが頷いた


「ええ、アザゼルちゃんから、あなたたちの報告を耳にしたのよ。恐らくそう言うことよね」


アザゼルが盃の酒を呷ると言う。


「ここのドンである妖怪が攫われたってことだ。関与したのは―――」


「十中八九、『禍の団』よね」


と、セラフォルーが真剣な面持ちで言った


「・・・・・まじかよ。折角の家族旅行に京都へ訪れたのに此処で『禍の団』に邪魔されるって言うの

かよ・・・・・?」


「許すまじ・・・・・!」


「許せない」


「え?家族旅行・・・・・?イッセーくん、それってどう言うことなの?私、聞いていないよ?」


そっか、セラフォルーは冥界に住んでいるから知らないのも当然か。俺は今回、此処に来た理由を

話すことにした。


「ずるーい!みんなして私を仲間外れもとい家族はずれするなんてぇ!私もイッセーくんの家族の

一員なのにぃ!」


俺に怒った表情を見せるセラフォルーだった


「ごめん、だけど冥界で四大魔王の一人のセラフォルーがそう簡単に仕事をほったらかしておいて旅行なんて

できないだろう?」


「うっ・・・・・。それはそうだけどさぁ・・・・・」


「んー、じゃあ今度俺と一緒に出かけないか?勿論、魔王の仕事が休みの時だ」


渋るセラフォルーに提案を出したらパァッと笑顔に成り「約束だよ!」と俺を真っ直ぐ見ていった


「ああ、約束だ。―――で、話はそれたけどセラフォルー、これからどうするんだ?このことは」


「この事はまだ公にする事は出来ないの。なんとか私たちだけで事を集束しなければならないの。私はこの

まま協力してくださる妖怪の方々と連携して事に当るつもりなのよ」


「了解。俺も独自に動こう。ったく、京都に来てまでやってくれるぜ、やっこさんどももよ」


「ん、『禍の団』ならば俺たち幽幻龍騎士団も独自に動くとしよう。家族旅行を台無しにされそうになって

いるんだ。阻止しないといけない」


ガイアとオーフィスもうんうんと頷く。この二人も楽しみにしていたんだからな


「それじゃあ、俺たちは帰らせてもらおうとするか。セラフォルー、一緒に来い。メンバー総勢で京都に観光

をしに来たんだ。ソーナも学校から戻っていまごろ京都に来てあいつ等と一緒にいるはずだ」


「なっ!会長も京都に!?」


「本当!?うん、解った!レヴィアたん、嬉しい!ソーたんと会えるなんて私、京都の妖怪さんたちと協力

態勢を得るために来て良かったよ!」


「わーい!」と両手を上げて喜びの表情を浮かべる。セラフォルーを含め俺たちは席から立ち上がり部屋から

出ようとすると匙が待ったをかけた


「俺も一緒について行きたいんだけど・・・・・いいか?」


「いいか?って、お前はホテルに泊まっているんだろう?俺たちが戻るところは宿泊しているところだ。

学生は戻って寝ていろ」


「そう言うお前だって学生だろうが!」


「見た目で判断するな」


「それってどういうことだよ!」と言ってくるが俺は無視する俺を他所にアザゼルが口を開く


「良いぜ、俺が許可しよう」


「アザゼル!?」


「何よりも俺もお前の眷属たちを全員把握していないんだ。この際だから把握するのも悪くない筈だ」


「いや、ダメだからな!?絶対にダメだ!」


俺が強く否定する。誰がそんなこと許すかよ!


「お前なぁ・・・・・。そんな隠す様な言動をするからテロリストだって周りから疑われているだぞ?疑いを

晴らしたけりゃ、全てさらけ出して証明すればいいじゃないか」


「こいつらが勝手に言っているだけだ!俺たちは何一つもテロリストと疑われるようなことは一切

していないぞ!」


「だったら良いじゃないか。俺たちがお前の宿泊しているところに行ってもよぉ」


「うん?俺たち・・・・・?」


俺がアザゼルの言葉に疑問すると指でグレモリー眷属とシトリー眷属を指した


「はあ!?こいつらもかよ!しかもド変態の赤龍帝も!?」


「う、うるさい!」


信じられない表情を浮かべながら成神に指さす!


「お前等が第四の勢力として俺たち三大勢力と協力しないで独自で動いているのは解る。でも、交流を持たず

『禍の団』と対抗するのは無理なはずだ」


「・・・・・・」


「一度だけでいい、お前を慕う眷属たちを会わせてくれ」


俺は睨むようにアザゼルの瞳を据える。アザゼルも俺から逸らさず真っ直ぐ見詰めてくる・・・・・。


「―――ちっ、勝手についてくればいい」


俺はそう言い残しガイアたちとこの店から去るように出た。



――――――――――――――――――――――――――――――――



「―――ただいま」


『お帰りなさいませ!』


リーラたちメイドが出迎えてくれた。そして俺たちの背後にいる存在に気づく


「一応は客だ。出迎えてやってくれ」


「はっ、かしこまりました。―――ネリー、お客様をご案内しろ」


「は、はい。こちらです」


ネリーがアザゼルたちを旅館の中に案内する。みんな、此処に泊まる気で荷物を此処に持って来ている。

俺たちは和樹たちがいる広い和室には居る


「ただいま」


「お帰り、どうやら成神たちが来ているようだね?」


「仕方なく連れてきた。―――ソーナ、お帰り」


「ソーナちゃん☆」


ソーナがシーグヴァイラ姫と雑談しているところ見かけ挨拶をするとセラフォルーがソーナに抱きつく


「お姉さま!?どうして此処にいるのですか!」


「あー、それは俺が説明する。みんなも聞いてくれ重大な話をする」


五十数名の俺の家族たちが集まったことを確認し


「実は―――」


俺はセラフォルーから聞いた話をみんなにも伝えた。そして伝え終わると


『はあ・・・・・』


深いため息をこぼした


「禍の団が此処にいるなんて・・・・・最悪だよ」


「戦闘は免れないですね」


「折角の旅行なのにぃ!」


「悪には罰を与えませんと・・・・・!」


それぞれ禍の団に向けて何かと言葉を発す。まあ、最後は


『禍の団・・・・・許さない!』


みんなの心が一致団結した


「・・・・・それで、何時まで立ち聞きしているんだよ」


「やっぱ、バレているか」


アザゼルを筆頭にグレモリー眷属とシトリー眷属が現れた。その瞬間、俺たちの家族がグレモリー眷属に

(数名以外)敵意の視線を送る。


「へぇ・・・・・結構人数がいるな」


「やあやあやあ!腐れアザゼル!久しぶりですねぇ?久しぶりだねぇ!殺してやろうか!」


「やっぱりお前もいたか、フリード」


「イッセーくん!やっちゃっていいですかぁ?このクソ烏の総督さんを焼き鳥にしてもいいですかぁー?」


アザゼルが俺たちの家族を見渡すとフリードが立ち上がり敵意を向けたので窘める


「ダメだ。明日の朝、相手をしてやるから大人しくしな」


「へいへい、解りましたよっ。まっ、イッセーくんと戦うほうが面白いんスけどね!ぎゃはははは!」


フリードは俺と戦うのが楽しみで笑い出しながら座り俺は嘆息する


「全く・・・・・。ああ、それと別に自己紹介をしなくても良いぞ。こっちは既に把握しているから無駄だ」


「なっ!そんな言い草はないだろう!?」


「匙、事実なのですからしょうがないことです」


「か、会長・・・・・」


匙が俺の言葉に食って掛かるがソーナに窘められた


「ド変態達が知らない人もいるだろうから自己紹介をさせようか」


「ド変態、ド変態って俺はそんな名前じゃねぇよ!成神一成だ!」


「言われたくなければ変態的な行動を一切しないことだな」


そう言うとド変態は言葉を詰まらした。その後、俺の家族が自己紹介を始めた。

(当然、男に成ったルシファーたちは偽名)


「これで納得したか。アザゼル」


「まあな。しっかし、本当に多いな?」


「ヴァーリチームとフェンリル親子を含めるともっと多いぞ」


「・・・・・そうだったな。あいつらもお前の仲間だったな」


アザゼルの言葉を聞きながら皆の様子を見る。イリナは元ディオドラの眷属だったシスターと聖女たちと話し

合っていてシトリー眷属たちはソーナと何か話し合っており、ド変態(成神)、木場、ゼノヴィアは部屋の隅

で俺の家族を警戒していた。(アルジェントはド変態の後ろに隠れている)ロスヴァイセは俺とアザゼルと

一緒にいる


「そこの四人は何をしている?」


『・・・・・』


「はあ、まあいいけど・・・・・そろそろ時間だな」


「一誠様、お布団を敷きに参りました」


数十人のメイドたちが布団を抱え部屋に入って来た。俺は皆に退くように声を掛けリーラたちに布団を

敷かせた


『お待たせしました』


『早いっ!?』


たった十数秒で人数分の布団を敷いたメイドたちの動きを見て驚くグレモリー眷属とシトリー眷属


「幽幻龍騎士団は全員規格外の能力を持っているな」


「俺と和樹の自慢のメイドたちだ。戦闘も引けを取らないぞ。重火器で戦うけど」


「いわば戦うメイドってか。だが、グレイフィアみたいな奴はいなさそうだな」


「悪魔と人間を一緒にするなよ。てか、グレイフィアの実力って俺知らないんだけど」


まあ、知ったところでどうでも良いんだけどな。俺は家族みんなに合図を送る。みんなは頷き徐に枕を

手に取る


「ん?何をするんだ?」


「決まっているだろう?―――こうするんだよ!」


ボフンッ!


「っ!?」


不意打ちでクルゼレイに枕を投げつけ顔面にヒットした。それが呼び水となって


『うおおおおおおおおおおおおおおっ!!!』


家族全員、枕投げを始めた!


「はっ?枕投げ―――っ!?」


ボンッ!


「あははははっ!アザゼルの顔に当ててやったわ!」


カテレアが哄笑した。アザゼルの顔にぶつけたのはカテレアのようだ。枕は下に落ちるとアザゼルの顔は

―――口の端を吊り上げていた。すると落ちた枕を無言で手に取り―――。


「おりゃあああああああっ!!!」


思いっきり枕を投げたら成神に当った


「いたっ!?何するんですか!先生!」


「ふははははっ!悔しかったら当ててみろ!」


「にゃろう!」


ドドドドドッドドドドッッ!!!


「うわあああああっ!?」


「ド変態!くたばりやがれ!」


アザゼルに当てようと枕を放つ姿勢をするド変態にマシンガンのように枕を次々とド変態にぶつける。さり気

無く、木場と、アルジェント、ゼノヴィアにも当てる


「いたっ!」


「あうっ!?」


「ぬっ!」


「ほら、其処の三人も参加しろ。さもないと集中攻撃を食らって負けるぞ?」


ニヤリと口の端を吊り上げて見せる。ゼノヴィアは静かに俺がぶつけた枕を手に持ち投げ返してきたが

キャッチする


「アーシア!枕投げをしよう!イッセーの弔い合戦だ!」


「はっ、はい!頑張ります!」


「イッセーくんは死んでいないけれど・・・・・。でも、負けるわけにはいかないね!」


「勿論、私もするわ!」


「くそっ!俺もやってやる!」


「あはははっ!楽しい!」


「うん!」


木場たちもシトリー眷属も枕投げに参加し始める。そして枕投げは一時間ぐらいで終了した

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