小説『青紫のソレ。』
作者:ErinHenderson()

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『ベイビー、また痩せたんじゃないか?』
あたしの浮き出た肋骨を覆う汗で余計にぴったりくっついたシルクのキャミソールをなでながら彼がゆう。
『んー最近アンチョビのパスタばっかり食べてるんだけどね。』
『食えたもんじゃないね』
『そおゆうあなたも更に痩せこけちゃって、仕事、大変なの相変わらず?』
彼の真っ白で骨ばった背中を爪で引っ掻くように撫でてみる、思いっきり傷モノにする勇気はなくったって爪でなぞった部分が少し、ほんの少しだけでも赤く残るとなんだか満たされる、彼の背中は不健康に白く、相変わらず薄い毛が流れるようにしきつまっている。
『俺を求めて今日もちゃっかりTバックなのかい?』
『欲しいモノのために体が勝手にそう選んじゃってるのよ、あたしの意志なんかじゃないんだわ』


彼とするセックスはピアスをあける感覚と似ている。彼は散々あたしの肉体を心を痛めつけて、穴をあける、だからってあけっぱなしになんかしない、必ずあたしに何かを埋めこむ。

今日もあたしの太ももの内っかわに重なるようにもう一つ新しいのをつくった。まだ赤い。明日にはあたしの好きな青紫に染まっているだろう。

『ねー、小さい頃に退屈な教会で牧師さんがゆってたの、愛情の反対は<無関心>なんですよ、って。たしかに憎しみではないんだろうな、だってあたしあなたのこと、愛してるけど、他にとられちゃうくらいなら死んじゃえって思うの、すんごいたまに憎らしいし、でも生きててほしいの、なんだろう、無関心にだけはなれないんだわ、きっと。』
セックスの後あたしはいっつもこうやって小難しいことを彼にゆって聞かせる。何がしたいんだか、自分でも分かんないんだけどね。
「あはは、エリン、君は嫉妬のあまり僕のペニスをはさみで切り落としたりしないだろうね?嫉妬に狂った女は最高にクレイジーで最高に見苦しいが、僕は好きだな、普段どんなすました顔して生きてる女も所詮は動物に見える』
『あたし、あなたを好きな理由の70%くらいはそのペニスなんだから、大事に扱うわよ。』
『相変わらずひどいなー君は。さあ、おいで、明日も早いから。おやすみ、ベイビー』
彼は軽くキスしてライトを消して腕を差し出した。あたしは肩と腕の付け根らへんの凹みに頭をのせて、クシャクシャになった真っ白のシーツを足で挟んで自分にだけかけて目を閉じた。

あーーーーーーーーーーー目が覚めればまた日常に戻るのかあ。と思うとゲロはいちゃいそう。オエエエエエエエエエエエ

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