小説『魔法少女リリカルなのは〜白夜と月の祝福〜』
作者:吉良飛鳥(自由気侭)

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 Side:???


 …正直に言おう、『有り得ない』。
 どうして管理外世界から小規模とは言え次元震が観測されるんだ?
 しかもこの反応は間違いなく『ロストロギア』だ…

 「艦長…」

 『見過ごす事は出来ないわ。至急現場に。』

 「了解。」
 このロストロギアは、輸送船の事故で行方が分からなくなってた『ジュエルシード』で間違いない。
 そうなるとこの次元震の原因もジュエルシードか…急いだ方が良いな。

 目指すは第97管理外世界――『地球』










  魔法少女リリカルなのは〜白夜と月の祝福〜 祝福14
 『現われた第3勢力』










 Side:なのは


 す、凄い力…でも封印しないと!


 ――ピシッ


 レイジングハート!?
 …だ、ダメ、これ以上は耐えられない…吹き飛ばされる!!


 ――バァァン!


 「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

 「ナノハ!」


 ――ぽすっ


 「雷華?」
 受け止めてくれたんだ、ありがとう。

 「うむ、でかしたぞ雷華!」
 「お見事です。『力のマテリアル』は伊達ではありませんね。」

 「えっへん!何が有ってもナノハの事は僕が護る!」

 嬉しいな…私の事でそんなに一生懸命になってくれるなんて。
 うん、だったらその一生懸命に応えなきゃ『白夜の主』としては失格なの!
 フェイトちゃんは!?

 「ん?金色の小娘は……なっ、正気か小娘!」
 「無茶にも程があります!」

 へ?一体……
 「!!!フェイトちゃん!?」

 そんな……素手で封印なんて!!
 此れじゃあフェイトちゃんが壊れちゃう!!

 レイジングハート…は無理だよね…

 「Sorry.」

 気にしないで、私が無理したせいだから。
 でも、だったら!!


 「「「ナノハ!?」」」

 3人が驚いてるけど其れは今は関係ないの!
 今はフェイトちゃんを…!



 「…!如何して!?」

 「話はあと!今は此れを封印しなくちゃダメなの!!」

 フェイトちゃんが驚いてるけど、其れも無視!
 フェイトちゃんだけに負担は掛けさせない…!


 「「ジュエルシード…封印!」」


 ――カッ!


 ……封印、出来たの?


 「…何処までも規格外だな貴様等は…安心せいジュエルシードは問題なく封印出来たわ。」

 冥沙…良かった。
 っと…


 「フェイトちゃん、幾らなんでも素手でジュエルシード封印なんて無茶すぎなの!」

 「君だって私の事は言えないと思う…」

 う……そ、其れは…

 「ナノハですから…」
 「ナノハだからな…」
 「ナノハだもんねぇ…」

 皆酷いよ!?

 「まぁ、そんな無茶が有ればこそ双方大怪我をしないで封印できたわけですが…それで如何するのです?」

 さ、サラッと無視したの……でも、そうだなぁ…
 「此れはフェイトちゃんので。」

 「えっ……?」

 「だって、フェイトちゃんの方が先に封印しようとしてジュエルシード取っちゃったから。今回はタッチの差で負けなの。」

 「君は其れで良いの…?」

 良いよ。でも!
 「次は負けないの!」

 「……其れは私も同じ。次も私が勝つ。こんな形じゃなく、本当の意味で君を倒して。」

 きっと知らない人が此処だけ聞いたら物騒に聞こえるんだろうなぁ…でも良いの!今はまだ此れで!

 「フェイト〜!今回はこっちの勝ちなんでしょ?だったらさっさと行かない?長居は無用だろ?」
 「アルフ…うん。じゃあ此れは貰ってくから。」

 あ、うん……またね。
 …………行っちゃった。


 「ナノハ〜良かったのかよ、あげちゃってさ〜〜?」

 「うん。さっきも言ったけど今回は私の判定負けだから。悔しいけどフェイトちゃんの方が早かったもん。」

 「ナノハが良いなら良いけど…」

 にゃはは…大丈夫、次はきっと負けないから!

 あ…でも次に会ったら今度は『友達になりたい』って伝えなきゃ…








 ――――――








 Side:リニス


 「大した事は無さそうですね…無茶はいけませんよ?」

 「うん。ゴメン。」

 まさかよりにもよって素手でジュエルシードを封印するなんて思いませんでしたよ。
 おまけにあの白い魔導師の子まで素手で封印を手伝うんですから…最近の子は無茶をするものなのでしょうか?


 ………非常に恐ろしい事になるので考えるのは止めておいた方が良さそうですね。
 と言うか、この街にもう1人ほど自分を省みずに無茶をする人が居るような気がします…何故か物凄く!
 コホン…取り合えずフェイトの事はアルフに任せて私は私のやるべき事をしますか、正直気が進まないのですけれどね…


 「アルフ、フェイトの手当てをお願いしますね。」

 「はいよ。リニスは……まぁ頼んだよ?」

 善処します。
 今の結果で彼女が良い顔をするとは思えませんが…



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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 ・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・

 ・・・・・・

 ・・・


 『3つ…たったの3つなの?』

 モニター越しとは言え相変わらず妙な威圧感ですねプレシア。
 思いっきり失望した顔してますけど、自分がどれだけ無茶な事フェイトに言っているのか自覚してます?
 想像以上にこの『海鳴市』って広いんですよ?
 そもそもジュエルシードは発動するまで正確な位置はつかめませんし。

 『だから?私は全てのジュエルシードを集めろといったのよ?』

 「話し聞いてますかプレシア?只でさえジュエルシードの収集は困難なのは分かるでしょう?
  しかも私達以外にもジュエルシードを集めている魔導師が居るんですよ?それも相当に腕の立つ。」

 『魔導師…?』

 「5人のチームです。内2人がオーバーS、2人がニアS、残る1人がフェイトと同レベル…AAAと言ったところです。
  彼女達が全員で出て来る事は今の所ありませんが…オーバーSの1人、古代ベルカの騎士には3人がかりでも敵いませんでした…」

 『成程…目障りな連中が居るのね……構わないわ、邪魔をするならどんな手を使ってでも消し去りなさい。
  今度一度戻ってくるという事だったけれど、全てのジュエルシードを集めるまでは戻ってこなくていいわ。』

 「!ちょっ、プレシア!?フェイトは貴女に会うのを…」


 ――ブツッ


 通信遮断…プレシア、貴女はどうして…
 使い魔である私にすら目的を教えてはくれないんですか…?

 何故此処までフェイトに冷たく当たるんです?
 そのくせ貴女の精神から感じ取れるのは――――


 …考えても答えは出そうにありませんね。
 バルディッシュの修理をしておきますか…








 ――――――








 Side:リインフォース


 「レイジングハート…調子はどう?」
 「Don't worry.Condition green.」


 うん、この間戻ってきた時は割と深刻な破損だったがもう戻ったか。
 デバイスも持ち主に似るんだな…

 「取り敢えずは大丈夫そうだな。」

 話を聞いた忍が修理に一役買ってくれた事も大きい。
 如何に工学系とは言っても、見た事もないデバイスを的確に修理する辺りはきっと突っ込んではいけないんだろうな…

 さてと…そろそろ学校に行った方がいいんじゃないか?

 「そうだね。星奈達は…あ、もう準備できてるの?」

 「既に。ナノハの制服と鞄も此方に…」

 「流石に素早いな…」

 「此れもまた勤めですので。」

 成程…それじゃあ行って来い。

 「うん、行ってきます!」

 「いってらっしゃい。」

 さてと、店の準備をするか。



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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 ・・・・・・

 ・・・



 そして夕刻。
 なのは達が帰ってきたと思ったら即刻ジュエルシードの発動を感知して出動したんだが…強いな。
 現地生物を取り込んだわけでは無さそうだが反応が格段に強い。

 其れにこの感じ…テスタロッサ達はもう来ているな?…リニスは今日は居ないのか…
 星奈達はいざと言う時の為の待機組……あまり時間は掛けられないな。

 「なのは!」

 「うん、行くよ!ユニゾン……イン!」

 瞬間、私となのはが1つになる。
 良し…ユニゾン成功だ、適合率も非常に高い。

 『融合完了。白夜の魔導書起動。』

 「白夜の祝福…行きます!」

 ユニゾン状態ならば負けることは先ず無い。
 結界内部に入ったら全力で行くぞ?

 「うん!…見えた!フェイトちゃん達も!」

 既に戦闘か…!
 突入するぞ!

 「此れは……また樹なの!?」

 『其の様だが…強さが前のときと比べ物にならない。今回は人を取り込んでるという事は無さそうだが…?』

 「本当に…ううん!考えるのは後なの!」

 そうだな。
 先ずはあれを止めるぞ!


 「アークセイバー!」
 「Arc saber.」


 地上の根の方はテスタロッサ達が対処しているか…ならば私達は!

 『なのは、上空から撃つんだ。私も白夜の魔導書を経由して撃つ。』

 「ルナ…うん、分かった!レイジングハート!」
 「All right.Shooting Mode Drive ignition.」

 『白夜の魔導書!』

 レイジングハートが砲撃形態になるのと当時に、私も白夜とリンクする、ユニゾンしているからこそ出来る事だな。
 後は私の魔力制御に全てが掛かっているが…此れくらいは造作もない!

 「ディバイィィィィィン…」
 「Divine Buster.」

 『ディバイン…』


 「『バスターーーーーーー!!』」


 ――バガァァァァァァン!!!


 命中…相変わらず物凄い威力だな…



 「サンダースマッシャー!」
 「Thunder smasher.」



 テスタロッサの一撃…うん、今ので決まったな。


 「…また会ったね。何か雰囲気が違うけど…」

 「此れは『ユニゾン』。ルナの力の一つだよ。」

 「ルナ…あの人も一緒なの?」

 「今日は特別反応が強かったから一緒に…リニスさんは?」

 「別行動。」

 別行動と言うと分かれてジュエルシードの探索といった所か。
 しかし…如何したものだろう?

 ジュエルシードは『封印しただけ』だ。
 まだどちらの手にも渡ってないが…


 ――ちゃき…


 ん?

 「此れは渡さない。」

 「分かってる。でも1つだけお願いがあるの。私が勝ったら少しだけで良いからお話聞いてくれるかな?」

 「…勝てるなら。」

 !!待て、まさか戦う気か!
 冗談じゃない、こんな結界も解除されきってない不安定な場所で戦うなんて!!

 「行くよ…!」
 「………」

 く…仕方ない!
 『ユニゾンアウト!』

 融合を解除して2人を止める。
 今の2人なら止められるはずだ…多分…

 「待て、なのは!」
 「其処までだ!」

 レイジングハートを掴む瞬間、別の何かがテスタロッサの攻撃を止めた。
 この声は若しかして…

 「…中々見事な手際と判断だな?」
 「君もな?」

 矢張り貴方だったか……クロノ・ハラオウン執務官。


 と言うか、漸くお出ましか『時空管理局』よ…!















  To Be Continued… 

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