小説『魔法少女リリカルなのは〜白夜と月の祝福〜』
作者:吉良飛鳥(自由気侭)

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 Side:恭也


 「一体誰なの〜〜!!」


 !なのはの部屋から聞こえてきた絶叫に俺の身体は自然と動いていた。
 可愛い妹の身に何か有ったのかと心配しない兄が居るか!?

 否、断じて否!!

 「如何したなのは!?」

 「お兄ちゃん!?」

 即座になのはの部屋の扉を打ち抜いた俺が見たのは驚いてるなのはと…

 「誰だうぬは?」
 「おぉっと、新キャラ登場?」
 「ナノハの絶叫を聞いての登場…兄ならシスコンですね。」

 なのはと同じ位の年恰好の3人の女の子(1人はなのはに良く似ているな…)と

 「主の…兄上?…初めましてと言うべきなのだろうか…」

 綺麗な銀髪の美しい女性だったのだが、如何せん見覚えが無い!

 「だ、誰だ〜〜〜〜!!!」

 この時の俺の絶叫は三軒両隣まで響いたらしい…ご近所さんスマナイ…









  魔法少女リリカルなのは〜白夜と月の祝福〜 祝福2
 『名前と主と仲間と』









 Side:リインフォース


 なのはの絶叫を皮切りに現われた彼女の兄。
 其の兄の絶叫と同時に現われた、彼女の姉。
 更に現われた父親。
 最後に母親が現われ、その人…『高町桃子』の提案で私達は此の家のリビングに居るわけなのだが…

 「えぇい融合騎、何故貴様が此処に居る!」

 さっきから私と同様に現われた少女の内の1人が執拗に迫ってくる。
 いや、そもそも彼女は…否、彼女達は何故『彼女達』と同じ容姿なのだ?

 「スマナイが君達は一体誰だ?何処かで会っただろうか?」

 「ふざけるなよ貴様!よもやあの小鴉と融合して我に屈辱を与えた事を忘れたとは言わせぬぞ!」

 全く以って話が見えない上に、彼女達は私を知っている…?

 「少々五月蝿いですよ王。」
 「なにぃ!ぬおわ!?理の、貴様!」

 ば、バインド?しかも随分と強力な…

 「話が進まないのでしばし其のままで居てください。」
 「ぬあんだとぉぉ!今すぐ解かぬかぁぁ!!!」
 「……それ以上騒ぐとゼロ距離で『ルシフェリオン』喰らわせますよ…全力全開で。」
 「うむ、しばし大人しくしておいてやろう。」(大汗)

 『王』と呼んでいたわりに容赦の無い事だ…
 だが、此れで話を進められそうだ。

 「スマナイ、感謝する。」
 「いえ、此方とて現状整理の為の情報は得ておきたいので。」

 成程。
 そう言えば…
 「もう1人の青髪の子は…」

 「其れでしたらあちらに。」

 あちらと言っても……!?


 「美味しい〜〜!僕こんな美味しいの初めて食べた!」
 「あらあら、それなら桃子さんも作った甲斐が有ったかな?」

 何をしているんだあの子は…

 「出された菓子に感激しているようですね。」

 …無視して話を始めた方が良さそうだな…

 「賢明な判断です。」

 「で、話を始めても良いだろうか?」

 「私とお姉ちゃんは大丈夫だし、お母さんも大丈夫だけど…」

 なのはの言わんとする事は分かる。
 彼女の兄は未だに頭を抱えているし、父はなにやらぶつぶつ言っている。

 「その…大丈夫か?」

 「!!あ、あぁ大丈夫だ!」
 「うむ、問題ない!…話を聞かせてもらえるかい?」

 漸く説明が出来そうだが、其の前に…
 「話をする前に大前提として、此の世界には『魔法』『魔導』そして『並行世界』と言うものが確かに存在していると言う事を認識して欲しい。」

 「馬鹿な!魔法なんてそんなもの…!」
 「『天戒縛鎖』!」

 予想通りに動いたなのはの兄をバインドで拘束。
 口で説明するよりも実際に見てもらった方が断然効果は大きい…得てして物事はそう言うものだろう。

 「な、此れは…!?」
 「『バインド』と呼ばれる拘束魔法の一種だ。主に相手の自由を奪ったり武器を使用不能にするために使う。」

 突然の事に皆驚いているが、当然か。
 まぁ此れで魔法の事は分かってもらえただろう、次は並行世界と私の事。

 「手荒な真似をしてスマナイ。だが口で説明するよりも見てもらった方が納得できると思ったんだ。無礼を許して欲しい。」
 「いや、良い。しかし驚いたな…こんなものが本当に存在していたなんて…」

 「あ、あの其れも気に成るけど。お姉さんは誰なんですか?それと、その子達も…」
 「其れは今から説明しますよ我が主。私が何故貴女をこう呼ぶのかも含めて。」

 とは言ったものの何処から話せば良いのか…取り合えず、
 「まず先に私の名はリインフォース。『闇の書』と呼ばれていた魔導書の『元』管制融合騎だった…」



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 「そして彼女達のお陰で魔導書の暴走は食い止められた。
  しかし防衛プログラムの再度の暴走を回避する為に私は自身を消去した筈だったんだが、気が付けば此の世界に居た。」

 「成程な…だがそうなると何故此処に…」

 「私を、引いては彼女達も我が主なのはが持っているその本、『白夜の魔導書』に呼ばれたのだと思う。」

 と言うよりも略間違いないだろう。
 先程頭に流れ込んできた情報と照らし合わせてみても。

 「成程、それで合点がいきました。」

 なのは似の少女、何が…?








 ――――――








 Side:理のマテリアル


 成程、管制融合騎たる彼女の話を聞いて合点がいきました。
 恐らく此れは尤も理屈が通った考えでしょう。

 「私達も彼女同様消滅したはずの存在です。尤も彼女とは違い、我々は其々のオリジナルと戦い敗れた末の消滅ですが。
  ですが、よくよく思い出してみると消滅の瞬間何かに呼ばれた気がしたんです。そう、まるで無理やりに。」

 「えぇ!む、無理やり!?わ、私酷い事しちゃった?」

 「いえ、貴女のせいではありません。全てはその魔導書が行ったこと。気に病むことは…「ふざけるなぁぁぁぁ!!!」…?」

 王?

 「えぇい黙って聞いていれば!融合騎、貴様自分を消去しただと!?戯言も大概にせい!
  貴様が消滅したと言うなら、我に屈辱を与えたアレは一体何者だ!」

 …それくらい察してください、と言うか現状を考えれば分かるでしょう。

 「要するに此処って僕達が居たのとは別の世界で、クロハネも僕達の世界とは別の世界から此処に来て、
  そのナノハって子が僕達とクロハネのご主人様って事なんでしょ?」

 此れは又意外な…いえ、ある意味では物事を見たまま判断する彼女らしいというべきでしょうか?
 「その通りですよ。我々はその魔導書の主の守護騎士、彼女は魔導書の管制融合騎…其々の世界では消滅した者が集ったという所ですね。
  王よ、貴女も本当は分かっているのでしょう?私達は既に闇を求めず、ナノハの守護騎士として存在を確定された、それで良いじゃないですか。」

 「貴様……いや、そうだな。下らぬ意地を張ってもつまらぬ。その小娘が我等の盟主と言うならその守護騎士として生きるもまた一興か…」

 「もう、王様ってば素直じゃないな〜。」

 えぇ、本当に…

 「えぇい五月蝿いわ!其れよりも小娘、もといナノハよ、盟主ならば我等に名を授けてはくれぬか?」

 「ふえ?」

 あぁ其れは良いですね。
 「我々は外見こそ、闇の書の闇を砕いたナノハとその仲間を模していますが固有の名を持っては居ないのです。
  其々が理のマテリアル、力のマテリアル、マテリアルの王と言う便宜的な名しか持っていないのでナノハに新たに名をつけて貰いたい。」

 「私が…?」

 「其れが良いでしょう我が主。其れと出来れば私にも新たな名をつけていただきたい。」

 融合騎?いえ、
 「リインフォース、貴女には…」

 「あぁ確かに私には『リインフォース』と言う前の世界で主が下さった大切な名がある。
  だが、此の世界にも闇の書が存在している以上、何れは『此の世界の』リインフォースが誕生する。
  同じ名前の存在が居るというのは…な。」

 成程、そう言うことですか。
 其れで宜しいでしょうかナノハ?

 「え、うん。分かった。この本を拾ったのは私だもん!私は『白夜の魔導書』の主になる!」

 ふふ、世界は違えどナノハはナノハですか…








 ――――――








 Side:なのは


 「でもその前にお願いがあるんだ。私の事は『主』や『盟主』じゃなくて『なのは』って呼んでくれるかな?
  それと敬語も無しで、特にそのリインフォースさんには…」

 そもそもリインフォースさんお父さん達には敬語使ってなかったし、私もそっちの方が気が楽。

 「しかし…いや、分かった。其れが望みならばそうしよう。だが私からもお願いだ出来れば敬称は無しにして欲しい。
  前の世界でも主には敬称付では呼ばれていなかったから、そちらの方が違和感が無い。」

 う〜ん、そう言うものなのかな?
 でも、それで良いならいっか♪

 「リインフォースは良いようですが私の方は敬語についてはご容赦願いたい。基よりこういう性格なので…」
 「それじゃあ仕方ないね。」

 性格じゃ仕方ないよね。
 でも本当に此の子、私に似てるの…
 と、いけない名前だよね…う〜ん…よし!

 「じゃあ此れから『白夜の魔導書』の主として皆に名前を送るね。先ず私に似た貴女は『星奈』。」

 「星奈…良い名ですね。気に入りました。」

 良かった♪
 次に、

 「青髪の貴女は『雷華』。」
 「ライカ…?うん、何だか格好良い!」

 「ほう、中々センスがあるな?して我の名は?」

 勿論いいのを思いついたよ。

 「貴女は『冥沙』。」
 「ふむ、良い名だな気に入ったぞナノハ。」

 うん、気に入ってくれてよかった。
 最後はリインフォースさん。

 「リインフォースさんは『ルナ』。月の女神の名前を送るよ。」
 「ルナ…良い名だ。では此れからはルナと「違うよ。」…なのは?」

 そうじゃないんだよ。
 「貴女の名前は『リインフォース・ルナ』。リインフォースも前の世界でつけてもらった大切な名前だから捨てちゃダメだよ?」

 私の言ったことにリインフォース…ルナは驚いていたけど直ぐに笑顔になった。

 「確かにそうだな。ならば祝福の風『リインフォース』と月の女神『ルナ』この2つを私の新たな名としよう。」

 うん。
 じゃあ改めて、
 「皆ヨロシクね?」

 「えぇ此方こそ。」
 「うむ、世話になるぞ。」
 「えっへへ〜ヨロシク〜〜!」
 「あぁ、よろしく。なのは、我が新たな主よ。」


 こうして私に新しい仲間が出来た。
 直後、雷華はお母さんに、星奈と冥沙はお姉ちゃんに気に入られたみたい。


 で、気が付いたら途中から空気になってたお父さんとお兄ちゃんが何かいじけてた…


 うん…2人ともゴメンネ?
















  To Be Continued… 

-2-
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