小説『魔法少女リリカルなのは〜白夜と月の祝福〜』
作者:吉良飛鳥(自由気侭)

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 Side:ルナ


 夏休み3日目。
 今日は海鳴市での結構大きな夏祭りの日で、其の関係で翠屋も『一般営業』はもう終えている。

 今日は祭りの方で桃子と士郎が2人で屋台をやるんだとか…仲の良い事だ、見ていて微笑ましい。


 「お母さんとお父さんは何時までもラブラブだからね〜。っと、此処少し持って?」

 「生涯仲良くというのは、理想じゃないか。ん、コレで良いか?」

 で、私は祭りに行くために美由希に浴衣の着付けをしてもらっている訳だ。
 もっと簡単に着れると思ったんだが、意外にこれが難しかった。
 きっと雷華達もなのはに着付けをしてもらっているのだろう――星奈は自分で出来そうだがな。


 「はい完成〜♪うん、銀髪に黒はやっぱり映えるね。月の模様も良い感じ。」

 「試着はしなかったが…うん、コレにして正解だった。」

 私のセンスも中々如何して馬鹿にならないな。
 桃子に鍛えられたか?


 「……」(じ〜〜〜〜)


 ん?どうした美由希?


 「ん?ん〜〜〜其のストレート銀髪そのままでも悪くないけど……ねぇ、少し髪型弄ってみない?」


 髪を……ね。










 魔法少女リリカルなのは〜白夜と月の祝福〜 祝福30
 『楽しもうぜ夏祭り!』










 取り合えず参考までに、如何弄るか教えてくれないか?


 「ん〜、そうだなぁ。首筋が見えるくらいにアップにして纏めて、簪で留めるのとかどう?似合うと思うんだけど。」

 「アップにしてか。」

 長い部分だけを纏めて、前髪とサイドはそのまま……悪くないな。
 だが、自分で言うのもなんだが、私の髪はボリュームが結構なものだ、纏められるか?


 「お任せあれ!こう見えてもヘアメイクは得意だよ?」

 「まぁ、何時も風呂の後で髪を手入れしてくれているから其れは知っている。」

 美由希に任せれば大丈夫だろう。
 私の髪の質は美由希によって護られているといっても過言じゃないからな。



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・

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 ・・・・・・

 ・・・



 「はい、出来上がり♪」

 「見事。そういう他は無いな。」

 綺麗に纏まった。
 この簪と言うのも、シンプルながら中々にお洒落な物だな。



 「ルナ、お姉ちゃん、出来た?」


 なのは。
 あぁ、出来たぞ。
 もう入って大丈夫だ。


 「は〜い。わぁ、ルナもお姉ちゃんも綺麗!凄く似合ってる!」

 「お前達もな。」

 うん、何と言うか可愛いな皆。
 執務官は如何した?


 「スマナイ、待たせたかな。着かたはコレで良いのか?」

 「お〜〜、中々にあってるぞくろの〜♪」

 「黒目黒髪だからマッタク違和感が無いな貴様は。」


 確かに。
 着心地は如何だ?


 「悪くない。涼しいし機能的だ。よく出来ていると思う。」

 「甚平や浴衣は其れが自慢なの♪さ、そろそろ行こう?」


 そうだな、日も暮れてきたし良い時間だ。



 ――〜♪〜〜♪♪♪〜〜♪〜〜



 「外も賑やかになってきたしな。」

 「では、参りましょう。」


 さて、どんな物があるんだろう。
 夏祭りと言うのも初めてだから、とても楽しみだ。








 ――――――








 Side:なのは


 ――カラコロ、カラコロ…


 皆で浴衣、クロノ君は甚平に着替えて、下駄(歯の無いサンダルタイプ)を履いて夏祭り。
 下駄の音と、お祭の賑やかさが一つになって何とも言えない感じなの。


 「色々な屋台が出るんだな……食べ物が大半を占めてるみたいだが。」

 「結局其れが一番人が来るからね。あ、でもほらあの『射的』みたいな遊びもあるんだよ?」


 他にも輪投げとかクジとか、後は定番の金魚すくいとヨーヨー釣り。
 金魚はネコさんが居るから除外だね。


 「仕方ありませんね。捕食されてはガクッと来ますから。」

 「にゃはは…ヨーヨー釣りやスーパーボールすくいで楽しもうか?」

 「ですね。」


 さてと、何処から行こうかな?



 ――クイクイ



 雷華?


 「ナノハ〜、アレなに?なんか冷たくて美味しそうな感じがする!」

 「あぁ、カキ氷。」

 「かきごおり?」

 「こう、細かく砕いた氷に好きなシロップかけて食べる夏の食べ物かな?」

 でも、夏祭りの定番だね。

 「食べようか?」

 「うん!みんなも一緒に!」


 すいませ〜ん!


 「あいよ!お、翠屋の天使ちゃんと戦乙女さんかい!」

 「…私もそう呼ばれるのか?」


 其れは仕方ないの。
 え〜とカキ氷7個下さい。


 「はいよ。シロップは如何するね。」


 …ドレにしよう?
 これだけ一杯有ると悩むの…


 「僕はレモンで。」

 「私はメロン。」


 お姉ちゃんとクロノ君は即行で決めちゃった。


 「コレだけ多いと…」

 「悩むのう…矢張り。」


 だよね〜。


 「うん、僕はブルーハワイにミルクをかけて!コレで水色!」

 「其の手があったの!!おじさん、私はイチゴミルクで!」

 「成程…そういうことですか。ならば私はイチゴですね。」

 「我はグレープだな、そうなると。」


 迷った時の魔力光。
 自分の魔力光って、結構愛着あるものなんだね♪


 「I think so.」


 レイジングハートもそう思うよね♪

 で、ルナは如何するの?


 「魔力光でも迷うんだ…暗めの銀色に相当するものはないしな…」

 「そう言えばそうだね…」

 如何しようかな?


 「…コレは組み合わせは自由に出来るのか?」

 「ん?出来るよ?」

 でも其れがどうかしたの?


 「決まった。私は抹茶ミルクで頼む。」

 「あ、成程♪」

 そう言えばルナはお母さんが作った『抹茶オレ』大好きだもんね。


 「桃子が作ってれるのは美味しいんだ。…材料は同じでも如何してリンディ提督のはダメなんだろうな?」

 「艦長のは単純に砂糖の入れすぎが原因だと思う。」


 …否定できないね。


 「あいよ、お待ちどうさん!」

 「あ、ありがとうございま〜す!」

 7人分の色取り取りのカキ氷の出来上がり。

 ん〜〜…冷たくて美味しい♪








 ――――――








 No Side


 さて、カキ氷片手に祭を回り始めた一行。
 色んな店を見て回っているが、少しどんな様子か見てみよう。




 ――射的


 ――コンッ!

 ――コツン!


 「やるねリイン?」

 「美由希もな。」

 此処では年長女性2人が圧倒的。
 次々と景品を撃ち落して行く。

 1回200円で持ち弾10発だが、2人とも百発百中、景品が既に18個。


 ――コッ!コツン!


 で、共にラスト1発もヒット。

 「引き分けだね。」

 「よし、もう1回だ!」


 「嬢ちゃん達、もう勘弁してくれ!」

 で、もう1勝負しようとしたところで店主が泣きを入れて終わりとなった。







 ――焼きそば&わた飴の屋台


 他にもこの手の店は多くあるが、この屋台は人だかり。
 理由はこの2名。


 「うん、美味い。揚げ玉とキャベツが良い味を出してる。ソースの濃さも丁度良い。」

 「おぉ!凄いぞ、どんどん大きくなってく!それにふわふわだ〜!」

 クロノと雷華だ。

 ミッドにも焼きそばはあるのか、クロノは無類の焼きそば好きらしい。
 で、この店の焼きそばが相当気に入ったのか可也の高評価。
 其れを聞いて人が集まっている。

 雷華は雷華で、どんどん大きくなっていくわた飴が面白いらしく興味津々。
 あまりにも可愛かったのか、おっちゃんがちょっと千切ってくれたのを食べてご満悦。
 其れがまた可愛く、これまた人が。

 この2人、ナチュラルに店の売り上げに貢献しているようだ。







 ――お面屋


 「ナノハ。」

 「星奈?」

 「…しゅわっち。」

 「…もしかして楽しんでる?」

 「実を言うと可也。」

 某光の国の宇宙人のお面を手に取り(極めて分りづらいが)星奈もご満悦。
 某黄色いでんきねずみのお面を買ったなのはに対し、星奈はコレを買うようだ。

 「なれば我はこれにするか。」

 で、冥沙は某マスクドライダーのお面を購入。
 こう言ったものを買うのも祭の楽しみだろう。








 ――飴細工


 「意外だ。」
 「意外なの。」
 「意外だのう。」
 「そうですね。」
 「雷華は兎も角、リインは予想外だったね〜。」


 溶かした飴で様々な形を作ってくれるこの店に興味を示したのは雷華と、意外なことにルナ。
 見事な造形技術が琴線に触れたらしい。

 「ねーねー、雷の形って出来る?」
 「三日月をお願いできるか?」

 で、夫々リクエスト。

 「お、可愛いお嬢ちゃんと、美人のお姉ちゃんか。任せときな!」

 リクエストがあれば応えるが職人。
 あっという間に見事な雷と三日月が完成。

 其れを貰ったルナと雷華はご満悦。


 その後、なのはが星、星奈がネコ、冥沙が剣十字、美由希がイヌ、クロノが雪の結晶を夫々リクエストしていた。






 どうやら、祭というものを楽しんでいるようだ。






 尚、超絶浴衣美人であるルナと美由希目当てでナンパしてきた輩が居たが、全員で見事撃沈した事を記しておく。








 ――――――








 Side:ルナ


 ふぅ、色々回ったな。
 思った以上に楽しいな『夏祭り』。

 こんなに楽しいと思うことをしたのは何時以来だろう?
 …若しかしたら心の底から楽しいと感じるなんて言うのは初めてかもしれないな。


 「如何?楽しんでる、ルナ。」

 「なのは。あぁ、楽しんでいる。期待はしてたが此処まで楽しいとは思わなかった。」

 祭の空気というのか、活気が普段とはまた違ったものの様だしな。


 「コレがお祭独特の雰囲気なの。」

 「この空気の中に入るだけで、自然と元気になりそうだ。」

 いろんな屋台を見て周り、今は適当にバラけているがなのはは私と一緒に居る。
 まぁ、私としては祭の経験者が一緒に居てくれるのは心強いし、矢張り主と一緒というのは心が落ち着く。


 「元気になるよ。お祭、特に夏祭りは特別だもん♪」

 「そうなのか?……いや、きっとそうだな。コレだけ楽しい場所なら元気なる。」

 この空気に触れるだけで自然と顔が綻ぶからな。
 コレだけ大掛かりにやる理由も分る。



 ――ドッドッド、カラカッカ、ドドンガドン



 ん?なんだろうこの音は?


 「あ、盆踊り!」

 「今のがそうなのか?って、確か盆踊りに集合って言っていなかったか?」

 「そ、そうなの。だ、大丈夫、今のは開始の合図だから。」


 だが、急いだ方がいいんじゃないのか?(焦)
 ハッキリ言って、出遅れたくない。


 「そうだね。じゃあ行こうか。」



 ――ぎゅ



 「なのは?」

 「ん、はぐれないように♪」

 「…そうか。」

 やれやれ…こんなに小さい手にコレほど安堵するなんてな。
 よし、遅れないように急ぐか。


 「うん!…ねぇルナ。」

 「ん?」

 「夏休みは、一杯楽しもうね?」

 「!…あぁ、そうだな。だが、お手柔らかに頼む。…何せ初めてだからな。」

 だが、お前達と一緒ならきっと楽しくなると思う。
 夏はまだ始まったばかりだ。



 生まれて初めての『夏休み』を、思い切り楽しいものにしよう。

 この夏祭りは、最高のスタートになったな。









 ただ、『盆踊り』と言うのは、見た目以上に難しいものなんだな…うぅ、次は頑張ろう。












  To Be Continued… 


 

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