一方、俺はと言うと、なぜか取調室のような所で椅子に座る俺を中心にいつの間にか合流してたテオを含むウルフィアス達がぐるっと囲んでいた。
ウルフィアス達の顔は笑顔のはずなのに目は笑っていない。
え、なにこの修羅場の一歩手前みたいな状況。
ていうかクリームちゃん、そんなに露骨に睨まないで下さい、興奮します。
「さて貴公、単刀直入に言わせてもらうぞ。先程の昼食代、お主払えるのか?」
え。
おいちょっと待てよ、なんだこの絶賛ぼったくりバーの取り立てタイムは。
ていうかあれって王様からのプレゼントみたいなもんじゃないの?そうだよね?あれ?
「え、いやちょっと待って、あれって王様のおごりみたいなもんでしょ?え、違うの?ていうか何この極道に追い詰められましたみたいな展開」
「黙れこの変態。貴様には金があるのかと聞いているんだ」
ガンッと俺が座る椅子を思いっきり蹴り上げるクリームヒルデ。
ケツ痛ぇよちくしょう……
あ、でも待てよ!こっちの世界に来る前に金の延べ棒を持って来たんだった。
「あぁ、ちなみに貴公から没収した金の棒は我々の資源にさせてもらうぞ」
「あんまりだよ、こんなのって無いよ」
まどかェ……俺の金がぁああああああああ畜生共め、こいつら何が目的だ!?
まさか身体で払えと!?いやーヤメテー俺を犯すつもりだろ!?エロ同人みたいにな!!!おっさんどもに掘られるなんて死んでもお断りだぞ!!!
クリームちゃんなら大歓迎ですが何か?
「お、俺にどうしろってんだ!?」
ガシリ。
ウルフィアスが両肩を掴む。
「なぁに、あんたの力をちょっとばかし貸してもらいたいだけだよ。天使のお嬢ちゃんもいいって言ってるし」
テオが説明する……つまりこいつら、俺をグラセフの主人公並みにこき使おうとしているようだ。
俺はため息を吐き捨てて、
「本当にミカがいいって言ってたんなら別にいいよ。ていうか肩痛いっす」
それを聞いた途端、クリームちゃんを除く皆が一斉に本当の意味で笑顔になる。
ウルフィアスは豪快に笑いだした、うっせぇな顔の前でこの野郎。
「素晴らしい!ではこれからは我々は同志だ!よろしくな郁葉よ!」
無理やり握手をされる。ぶんぶん振りやがって、関節外れるっての……