小説『ロリコン勇者のファンタジー』
作者:Ciel(Eエブリスタ、ふらん(Ciel)のページ)

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「行くぞッ!!!!!!」

そう言ってきたのはもちろんクリームヒルデ。
どうやら先に身体強化の魔法を使おうとしているらしい、彼女を若干淡い光が囲もうとしている……が。



そうはさせない。



正々堂々?あぁそうだよ?一対一だし、ルールに違反するようなことはしない。

だがこれはスポーツじゃない。
危険行為なんてものはないし、テクニカルファウルとかそんなチャチな物も取られはしない。


これは、殺しあいだ。

死ななかろうが、傷つつかまいが、戦場であることには変わりないのだ。

ここではどんな聖人だろうと、紳士だろうと、変態だろうと、はたまたロリコンだろうと、首をはねられれば死んでしまう事になる。
そこではどんな事をしてでも勝つ≪生き残る≫必要があるのだ、ルールはあるけども。

この子ははたしてそれを知っているのかは分からないが、俺は知っている。
その覚悟が、ある。



俺とクリームヒルデとの距離は5メートル弱。

魔法を使うのにどれだけ時間が必要か知らないが、1秒も掛からずに辿り着ける。


「ッ!!?」

クリームヒルデは驚いている様子だった。
こういう事態に慣れていないのだろうか。

だがそんなのお構いなしに、俺はトマホークを素早く、彼女の左斜め下から右上に掛けて振り上げる。

下からの素早い振り上げと言うのは非常に厄介である。視界外からの急な攻撃だし、剣による防御方法もあまり無いからだ。
狙うのはもちろん防具を着けていない首。


しかし、急な攻撃で剣による防御が出来ないながらもクリームヒルデは機転を利かし、左腕の金属プレートで対応してみせた。


トマホークの刃が金属プレートと擦れ合い、火花を散らす。

いくら金属の板であろうが、トマホークのような叩き潰す武器に対しては刃による切り傷を防げても打撃による衝撃は逃がせないため、効果は薄い。

しかし、素早く斬り込むためにそこまで力を入れていなかった事と、彼女が予想以上に上手く攻撃を受け流したためにダメージにならなかったようだ。
驚いてはいるものの、痛がっているそぶりは無い。



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