小説『ロリコン勇者のファンタジー』
作者:Ciel(Eエブリスタ、ふらん(Ciel)のページ)

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

「このッ!!!」

トマホークの攻撃を自身の左上に受け流したクリームヒルデは、右手の長剣でゼロ距離の俺を振り払おうとする。
しかしその剣の長さと重量では、俺のカランビットナイフのほうが先に彼女の首を掻き切れる。

彼女が攻撃する前に、俺は左手のカランビットナイフをクリームヒルデの首に突き刺そうとする。


またまた驚いたように彼女は目を見開き、攻撃を中断してどうにかして身体をひねってナイフを避けてみせた。
センスは素晴らしいな、この子。

だが、はっきり言って一対一ならこれほどまでにやりやすい敵はいない。


前回相手にした時は、彼女にはバックアップとパートナーが居るのに加えて俺は怪我をしていた(ちなみにあの傷は魔法やら何やらで直してもらった)
まぁそれでも勝ったんだけども……



だが今はどうだろう。


この子は一人で、魔法が使えない上に俺は万全、おまけに二刀流と来てる。

しかもクリームヒルデは俺にかなり理不尽な形で怒りを覚えていて、やたら息が荒い。
それに聞くところによると、彼女は実力で部隊の隊長になったようだが、貴族の出で実戦には出してもらったことがほとんど無く、俺と初めて戦った時がほぼ初陣だったようなのだ。


つまりだ、この子には覚悟があるが経験が明らかに足りない。


そんなの、俺からしたらチワワと戯れているに近かった。
もちろん敬意を払って全力で行くが。



別に、俺が強いとかそういう厨二な事を言ってるんじゃない。

事実だ。
この子は俺には絶対に勝てない。

-122-
Copyright ©Ciel All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える