小説『ロリコン勇者のファンタジー』
作者:Ciel(Eエブリスタ、ふらん(Ciel)のページ)

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言葉すら発せずにぐらつくクリームヒルデ。
えげつないが、ここで追い打ちを入れる。

くるっと横回転しながら飛び上がり、心臓部分へローリングソバット。
鈍い音を発てて俺の脚が胸へと食い込む。
流石に防具を着けているため威力は落ちるが、それでも骨は折れるに違いないくらいの決まり方だ。


「ぐぁっ!!?」


一気に彼女の顔が苦痛に染まる。
恐らく、決着は着いた。並大抵の人間なら失神するか心臓が狂って死ぬか、どちらかだ。

どさりと、クリームヒルデが倒れ込む。


――これじゃあ、俺が悪者みたいじゃないか。


悪者は慣れているはずなのに、ちょっとだけ心が痛むのは、安っぽい偽善でクソッタレに違いない。
俺は、この段階で、彼女の決意と覚悟を憐れんでいるのだから。


俺はそれ以上追撃せずに、呆然と立ち尽くして悶える乙女騎士を見るしかなかった。



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