小説『ロリコン勇者のファンタジー』
作者:Ciel(Eエブリスタ、ふらん(Ciel)のページ)

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刹那、俺はぶつかり合うトマホークをわずかに左へとずらす。
それによって力の均衡が崩れ、クリームヒルデの剣を左へ受け流すような形になった。

まるで思い切り空振りしたかのように前のめりになるクリームヒルデ。
その彼女の剣を潰しにかかる。


「ッ!!!」

俺は驚くクリームヒルデの剣を思い切り踏みつけ、彼女の手から弾き落とす。
バコンと音を発てて俺の靴に踏みつけられる長剣……俺が次に行うべきは彼女にトマホークを突き付ける事だった。

俺はトマホークの刃を返してクリームヒルデに向ける。


あとは彼女の胸に突き刺せば終わり。

だが。



「……ッ!?」

俺は突然右から迫って来た短剣をトマホークで受け止める。
それはクリームヒルデの隠し持っていた短剣による攻撃だった。
元々は非常時のバックアップウェポンなのだろうが、今まさに役に立っている。

驚くべきは、この短時間で短剣を取り出して着きたてる事が出来る素早さと判断力。
確実に、彼女はこの数分で進化していた。センスの塊だった。


唐突な攻撃に一瞬戸惑うが、珍しく生んだその隙が、にやりと笑ったクリームヒルデの反撃に繋がった。


彼女は低い位置から俺の顎目掛けて突き上げるように頭突きをかましてくる。

「おっぶ!!?」

思わず変な声を出してもろに頭突きを喰らってのけぞってしまう、かなり痛ぇ。
おまけに今の俺からは彼女の下半身の動きが見えない状況だった。

すかさず彼女は見えない下半身からひざ蹴りを俺の股間目掛けてぶっ放す。


だが予想は出来ていた。

俺はひざ蹴りをひざ蹴りで返すように受け止める……これヒットしてたら俺死んでた。男として。


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