小説『ロリコン勇者のファンタジー』
作者:Ciel(Eエブリスタ、ふらん(Ciel)のページ)

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人の進化というものは見ていて愉しい。
特に彼女のように短期間で劇的に進化してしまうのは同時に恐怖を感じてしまうものだが、それでも愉しさの方が勝る事は間違いないだろう……遠い、いつかの時のように。

だが愉しんでばかりでタマ潰されちゃたまったもんじゃない、タマだけに。
こんな事言ってるとまたミカに怒られそうだ。


さて、大事な所を護るためだ、ちょっと大人げない事をしようじゃないか。


近接格闘攻撃には大まかに分けて三つのタイプが存在する。

一つは鈍重で威力重視のへヴィーアタックを用いる攻撃特化タイプ。
これはクレイモアやハンマーなどを用いた、一発でノックアウトさせる攻撃に多用されるフォームである。

もう一つは程良い攻撃力とスピードを保ちつつ攻撃を相手に打ち込むバランスタイプ。
長剣等の軽すぎず重すぎずという武器で使用されるフォームである。これの利点はズバリ攻撃のし易さと戦いの流れを得られやすいという事に他ならない。早すぎず遅すぎずの攻撃は、相手からすれば隙が無いのだ。そして、これは俺のよく用いるフォームでもある。


最後に、攻撃の重みを捨ててひたすら早く打ち込むスピードタイプ。
小さな武器を用いる時のみ出来るであろう攻撃フォーム。相手に息継ぎさせる間もなく、一心不乱に素早い攻撃を打ち込むという物だ。
ひたすら打ち込まれるその攻撃は、確かに打ち込まれると厄介だ。しかし同時に、攻撃力を捨てざるを得ず、更に攻撃に全神経を集中させなければ連続した攻撃は難しいため、諸刃の剣と言えるだろう。おまけにちょっとでも遅くすると、速さに慣れた相手にカウンターされかねないのだ。


だが、それだけのデメリットを持ち合わせてもなお、する価値はあると言える。




俺はクリームヒルデの膝蹴りを捌くと即座に左手のナイフをフックのように突きたてようとする。

「ッ!!!」

クリームヒルデはギリギリ視界外からの攻撃を察知して剣を持つ右腕で俺の左腕をブロックした。
きっと彼女は、あまりの打撃の軽さに驚いた事だろう。


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